洋書を読み通しました。
Most Likely to Succeed: Preparing Our Kids for the Innovation Era
2000年にカリフォルニア州サンディエゴに開校したHigh Tech Highのドキュメンタリー映画『Most Likely To Succeed』の上映会に参加したいと思いながら、観る機会を逃してきました。
High Tech Highでは、教師の裁量が大きく、教科書や試験、成績表がない。生徒たちはクラス単位でプロジェクト学習に取り組んでいるそうです。
そこで、この映画のプロデューサーであるTed Dintersmith とTony Wagner が著者である映画と同名の『Most Likely To Succeed』という、本を読んでみました。
残念ながら、映画の内容とは違いました(T . T)
映画の根底にある考えは示されていると思います。
イノベーション時代の教育について書かれています。
知識を覚えるより、自由な時間を増やし、探究心を伸ばし、実社会の課題の解決するためのプロジェクトに取り組み、経験から学んでいくように、学校は変わるべきである。
まち全体が教室だ。
※柏まちなかカレッジの可能性にも気づかされた。
たとえば、都市の未来をデザインしたり、デリーのスラム街の子どものための教育的アプリを作ったり、3Dプリンターで義足や義手を作ったり、未来の絵本を作ったり、起業したり、デザイン思考にもとづいた取り組みが見られる。
創造的な問題解決力、協働、忍耐、共感、テクノロジー、メディアリテラシー、プレゼンテーション、ヴィジュアルコミュニケーションが、これからの基礎学力となる。
世界をより良くしようという情熱が大事。
ペーパーテストの成績や大学の学位ではなく、仕事に生かせる知恵や市民性、生涯学習が重要。
根本的な教育改革には、トップダウンとボトムアップの両方を用い、教育界、コミュニティ、ビジネスリーダーが協力する必要がある。
※アメリカらしい、あるいはこの著者の立場らしいという印象を受けました。
本書の内容は、目新しいものではありません。
ただ、High Tech Highだけでなく、Riveerdale Country School , Beaver Country Day, African Leadership Academy の学校の実践を知ることができました。
一番の収穫は、これからの教育を語る時のキーワードを繰り返し読むことができたことです。
いつもだったら、洋書は要点だけしか、目を通しませんが、今回は最初から最後まで忍耐強く読み通しました。
これまで読もうと思いながら、積み上げらるだけでしたが、どんどん読んでいこうという意志を打ち立てられました。
高校時代に、図書室にあったディッケンズなどの長編小説を英語で読み終えた時のことを思い出しました。
まだまだ、この考えの背景や立ち位置など、世界の教育界の地図が把握できていませんが、これから航海に乗り出す気持ちです。