昨年は、かしわ知恵の森プロジェクトと、「柏駅前に文化と暮らしの拠点」となるような公共施設を作ろうと呼びかけ文をまとめ、柏市長にも提言してきました。
※柏駅前に新しい「暮しと文化の拠点」をつくりませんか?
これからは、図書館や暮らしと文化の拠点となるような公共施設のあり方だけでなく、図書館構想づくりに市民が参加し、オープンな市政を進めていけるかどうかにも注力したいと考えています。
そこで近年、新設•リニューアルされた図書館や文化施設の中で、ライブラリー•オブ•ザ•イヤー2017大賞とオーディエンス賞に輝いた瀬戸内市民図書館”もみわ広場”を選び、視察いたしました。
もみわ広場の名前は、「もちより、みつけ、わけあう」というコンセプトの頭文字をとったものです。
市民の、市民による、市民のための広場です。
嶋田学館長から、直接、熱のこもったご説明を頂きました。
オープンな計画策定とワークショップのプロセス、郷土資料、デジタルアーカイブス、学芸員と地域情報の編集、博物館や美術館との融合、市民との企画、計画達成状況など、こちらの質問に対して誠実にお答え頂くことができました。
印象に残った3点について、ご紹介いたします。
1 回想法で認知症にやさしい図書館を目指す
地域の高齢者施設を巡回し、昔話や昭和家電や写真などの資料を用いて、過去を語ってもらう回想法という心理療法のような取り組みがある。
過去を語ることで精神が安定し、認知機能の改善も期待できるという。
今後は、図書館スタッフだけでなく、地域の市民リーダーを育成し、回想法の輪を広げていきたいとのこと。
2 地域情報を編集する学芸員
地域包括システムの文化版のような形で、それぞれの地域にまちなか図書館を設置し、地域情報を収集し、保存し、整理し、編集し、発信し、活用していくコミュニティプロデューサーのような司書を約40人の設置を、これまで柏市議会で提案しました。
司書という枠にとどまらず、学芸員やアーキビスト、さらには、コミュニティプロデューサーのような役割です。
この考えを、瀬戸内市民図書館で質問したところ、地域学芸員を育成されていました。
たとえば、市民による地区ごとの歴史展が図書館で企画され、その展示を学芸員や司書がサポートされたそうです。
図書館専属の学芸員と司書が協働しながら、企画されているようです。
歴史史料やモノを本など資料と結びつけ、現代の瀬戸内に暮らす私たちにとってどのような意味があるかなどが示されています。
3 図書館の指定管理者制度
政治学者の中川幾郎氏の考えなどをご紹介頂き、図書館の指定管理者制度によって、図書館と行政各部署の連携、地域性や専門性をふまえた人材育成、公共性の観点から、瀬戸内市民図書館は市の直営を選択されていました。
他にも、得られたことは沢山ありますので、あらためて視察報告をまとめます。
このブログで発表できるようにいたしますので、もし、よかったらご覧ください。
※岡山県瀬戸内市は、岡山市の東隣に位置し、平成16年に牛窓町、邑久町、長船町が合併し誕生した人口37,899人の自治体です。
柏駅前に新しい「暮しと文化の拠点」をつくりませんか?