エネルギーの地産地消を実現したいと、調査•研究しています。
遠くで作ったエネルギーを買うよりも、地元の人たちが作ったエネルギーを買うほうが、地域の経済にとっても、地域の防災にとっても、理にかなっていると考えます。
エネルギー事業で得た利益を、地域の公共交通や道路、上下水道、ゴミ事業、福祉事業など、地域のインフラに還元•投資できるような組織を作るため、議会で提案したり、企業や市民団体に呼びかけています。
今回は北九州次世代エネルギーパークを視察しました。
北九州市は、環境モデル都市(2008年-)、環境未来都市(2011年-)、グリーン成長モデル都市(2011年-)に選ばれ、持続可能な発展を目指す先進自治体です。
ちなみに、柏市も環境未来都市に選ばれています。
1901年に八幡製鉄所が始まり、北九州は日本の四大工業地帯の一つとして発展しました。
戦後、日本の高度成長を支える一方で、深刻な公害に直面。
その公害問題に市民•企業•自治体•大学が一体となり、取り組んできた歴史があります。
現在では、公害克服の経験を生かし、資源循環型社会を目指す研究やビジネスによる産業振興や開発途上国の環境改善に向けた国際協力活動にも取り組まれています。
地球温暖化やエネルギー問題が注目される中、北九州市若松区に次世代エネルギーパークが生まれました。
ここでは、現在の暮らしを支えているエネルギー供給基地や、再生可能エネルギーの発電、エネルギー利用の技術革新、リサイクル、エネルギーの地産地消•企業間連携などが取り組まれています。
数多くの取り組みの中で、印象に残った事業を3つご紹介します。
1つは市民太陽光発電所。
市民公募債と寄付を原資に太陽光発電所を設置し、九州電力に売電し、毎年、利益のうち約1000万円が、市内の緑化など市民生活に還元されています。
2つ目に、北九州パワー。
北九州市と地元企業などが出資し、ごみ発電等の再生可能エネルギーを、地域に安定的に、安価な価格で供給還元することを目的に設立されました。
公共施設へのエネルギーを供給しています。
3つ目は、ゼロエミッション交通システム。
石油など化石燃料に頼ることなく、再生可能エネルギーである太陽光で作った電力を大型電池に蓄え、電気バスを走らせ、二酸化炭素を排出しない市内交通システムを構築しています。
北九州市と東レグループ、三菱重工、韓国ファイバー社が協力して推進しています。
柏市内でも、エネルギーの地産地消を、まず公共施設から始め、企業の工場と協力し、ゆくゆくは一般家庭にも広げていくことは、十分に可能と考えます。
社会の営みの基盤となるエネルギーのあり方を考え直すことが、地域社会を自立的に発展させることにつながると思います。