美術鑑賞から広がる学び-マインドアートと対話型美術鑑賞

毎週、PowerLabという子どもたちと寺子屋のような活動に関わっています。
「未来を生きる力をつけよう」をコンセプトに、子どもたちの考える力と実装力を養う次世代教育ラボです。

プログラミングやものづくりとともに、哲学対話やアートにも取り組んでいます。

先週は、対話型美術鑑賞のプログラムを実施しました。
ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された教育プログラムを参考にしています。この教育プログラムは、学力向上に役立つことが実証されました。美術の授業のみならず、ほかの教科でも活用できる効果的な教育プログラムです。

絵のどの部分を見て、どのように考えたかと発言するので、論理的な思考力が養われます。
言葉で指摘するので、言語的な表現力も鍛えられます。

対話型美術鑑賞は、美術作品を鑑賞することで、観察、解釈、根拠の持った考察、意見の再検討、複数の可能性を追求する力を身に着けさせるものです。特に、考える力と言語の発達をのばします。

対話型美術鑑賞(Visual Thinking Strategy)は、これからの社会で生きるために必要な力を育むものと期待しています。

研究生たちと鑑賞したのは、この写真集に収められている作品でした。

手や目の向きについて。足の指について。
同じものを見ているはずなのに、自分にとっては当然のことなのに、それぞれ受け取り方が違います。また、注目するところも人それぞれ。
頭の片隅から、縄文時代の知識を引っ張り出しながら、議論も交わされました。

一通り、対話型鑑賞が終わった後、「マインドアート」は、障碍者の自立を促すリハビリテーション施設である「土の子陶房」で生まれた作品という情報を開示しました。
研究生たちは、てっきり縄文時代と思い込んでいたようです。

障害者のリハビリ作業ではなく、芸術性を高め、労働として作品を販売し、経済的自立を目指すものとう解説も紹介しました。

社会的に弱い立場にある人々を含むすべての人を地域社会で受け入れ、共に生きていく、という考えであるソーシャルインクルージョン(social inclusion)や「誰も置き去りにしない世界を目指すSDGsについても話し合いました。

これまで学んだ内容が、少しづつつながっていきます。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)