本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2025/6/11)午前一人目の一般質問は、有志の会の折本龍則議員でした。
質問項目
- 県立高校改革について
- 教員不足の解消について
- 特別養護老人ホームの整備について
- オリエンタルランドとの連携について
- 県営住宅について
- 新規就農支援の取組について
- 農地・林地調査について
- 二地域居住について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
質問(第1回目)折本龍則 議員
–折本龍則 議員
浦安市選出、有志の会の折本龍則であります。
登壇の機会をいただき、誠にありがとうございます。
それでは順次、質問させていただきます。
最初に県立高校改革についてお尋ねします。
目下、県は少子化と高校無償化で公立高校の志願者が減少する中学校の規模配置の適正化など、県立高校改革を推し進めております。
先日公表された第2次実施プログラム案では、県北西部の高校の統合や水産工業化など産業系高校の改革、学びの多様化学校の創設など、地域の特性や資源を生かした魅力ある学校づくりの方針が示されました。
浦安市内には県立高校が二校ありますが、いずれも定員割れをきたしており、中でも浦安南高校における令和7年度の入試の志願倍率は0.73でした。
県は適正化の目安として、都市部では一学年、6から8学級としておりますが、浦安南高校の学級数は令和6年で4、7年は3であり、同校のあり方については今後、検討の俎上に上がるものと推察します。
県立高校改革については、私も本年2月の予算委員会で質問いたしました。
その際、目下、県が改革推進プランのもと、これまで浦安を含む地区以外の七地区で協議会を実施し、適正規模配置に向けた検討を進めていく中、今後、浦安を含む地区における検討をどのように行っていくのかとの質問に対し、生徒や保護者のニーズを踏まえるとともに、学識経験者、地域関係者などからなる地域協議会などにおいても、丁寧に意見を伺いながら検討を進めるとの答弁をいただきました。
浦安の県立高校も、また、地域の特性やニーズを踏まえた改革が求められます。
その上で我が町、浦安はご家庭の教育意欲が高く、公立小学校から中学校への進学に際して高校受験を敬遠し、長いスパンでゆとりある教育を受けさせたいとのニーズから、ご子弟を中高1貫校などの市外進学校に進学させる傾向があります。
特に私が卒業した新町地区の学校を見ると、令和6年5月時点の小学6年生が404人いたのに対して、1年後の令和7年5月の時点の中学1年生は291人しかいない事実から見ても、転校などの要因を除けば、児童の約3人に1人が中学進学に際して、市外の中高1貫校などに流出している現状がうかがわれます。
しかし、こうした人材流出は、同窓会のネットワークなどを通じたふるさと意識の醸成や、まちづくりの担い手の育成という観点からも、浦安にとって損失であり、市内の公立高校を、地元のハイレベルな教育ニーズに見合った学校に改革し、優秀な地元人材を輩出する必要があると考えます。
こうした問題意識のもと、令和5年10月、千葉高校や東葛飾高校などの県立高校に加え、千葉市立の稲毛国際中等教育学校を視察しました。
中でも、稲毛国際中等教育学校は、中高の垣根を廃した完全一貫校であり、グローバルリーダーにふさわしい人間性、道徳性を身につけることを目標とし、英語教育に特化した先取り深掘りのカリキュラムを提供しています。
前期課程の3年間では、数学は標準的な中学校420時間に対して525時間、英語は外国人教員単独のオールイングリッシュの授業を、標準的な中学校420時間に対して595時間、少人数指導で展開し、可能な限り高等学校段階の授業を先取りして実施しています。
そして後期課程の3年間では、ハイレベルな国際教育英語教育を展開し、卒業までに英検準1級に相当するCEFR、ヨーロッパ言語共通参照学B2程度の実力養成を目指し、全員が海外語学研修に参加をします。
私は浦安の特性とニーズに鑑み、市内県立高校を稲毛国際のような中高1貫校に改革して、優秀な人材を確保し、激動する国際情勢の中で我が国の伝統文化に誇りを持ち、国際社会でトランプやプーチンのような海千山千の指導者と互角に渡り合える人材を地元浦安から輩出する必要があると考えております。
とはいえ、地域協議会は、他市にまたがる広域の協議体である上に、15名程度いる協議会委員も、学識経験者や教育関係者が多数を占めることから、浦安の特性や地域ニーズがどこまで反映されるのか疑問です。
そこでお尋ねします。
中高1貫教育校の新設について、県教育委員会の認識はどうか。
また、地域における学校のあり方についての意見などは、どのようにして把握するのか。
次に教員不足の解消について質問します。
本件では未配置教員が発生し、教員の不足が深刻化しております。
浦安市を所管する葛南教育事務所管区では、令和6年5月1日現在の小中学校の教員配置数は6651人に対して、未配置数は37人でしたが、翌年1月1日には105人まで増えております。
県全体では5月1日現在で2万4448人に対して未配置は109人でしたが、翌年1月には248人に及んでおります。
一方で、東京都は小学校の教職員が約3万4000人おりますが、25年度当初に未配置0を達成したとの報道もあり、都県間で大きな隔たりが生じているように見受けられます。
こうした隔たりの背景には、教員の賃金など処遇面での格差があるのではないかと思料をいたします。
本県については昨年の予算委員会でも質問しましたが、例えば地域手当の支給割合は、東京都は20%、神奈川は12.45%なのに対して、千葉県は9,2%、期末勤勉手当は東京が4,85カ月に対して千葉県は4,6カ月です。
政務調査課によると、お配りした配布資料一にありますように、東京都の教員の65歳までの賃金総額は約2億5430万円なのに対して、千葉県は、約2億4670万円であり、760万円ほどの開きがあります。
特に浦安などの葛南地区は、川を1本隔てたら東京都ですので、人材が東京に流れている可能性は否めません。
地域手当や期末勤勉手当は、民間の賃金水準に基づき、県の人事委員会勧告に従って決定されていることは承知をしておりますが、限られた人材を確保するため、都県間の賃金格差を是正する措置を講ずる必要があると考えます。
そこでお尋ねします。
教職員の処遇面での都県間格差を是正すべきであると考えるが、どうか。
次に、特別養護老人ホームの整備についてお尋ねします。
浦安市の高齢化率は令和6年1月1日現在で約18.6%と、全国的に見ると低い水準にありますが、地域別に見るとJR京王線沿いに広がる中町地区を中心に急速な高齢化が進み、最も高い中町北部圏域の高齢化率は31%に達しております。
こうした中、高須にある浦安市の特別養護老人ホームでは100人の定員、に対して待機者が約150人発生しております。
市全体の入所待機者は、令和7年1月1日の時点で190人発生しております。
そのうち入所の緊急性が高い要介護4の方は70人、5の方は40人おられます。
これは隣の市川市で待機者が339人、要介護4が114人、5が74人であるのと比較しても、人口に占める待機者の割合は高い状況にあります。
こうした中、今年3月に行われた浦安市長選挙で再選を果たされた内田篤史市長が、公約の中に特別養護老人ホームの整備を謳われたことは、市民にとって朗報でした。
先日の6月議会で内田市長は高齢化が進行し、介護施設の需要が増えることから、高須地区高齢者福祉施設の利用ニーズ調査を行い、施設の再整備の方向性を検討する方針を示されました。
今後、県としても、市と連携して特養の整備を支援する必要があると考えます。
そこでお尋ねをします。
特別養護老人ホームの整備に、県はどのように支援をしていくのか。
次に、オリエンタルランド社との連携についてお聞きをします。
現在、本件はディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド社の株式を6600万株所有しております。
取得の経緯を見ますと、平成2年6月に県議会において、県としてオリエンタルランド社に出資することを表明して以降、平成3年1月に300万株、平成4年5月に30万株を取得し、その後の株式分割を経て、現在は6600万株、令和6年12月末現在の持ち株比率は、発行済み株式の3.67%、発行済み株式から、自社株を除いた議決権、株式の4.03%を占めております。
時価総額は、令和6年9月13日時点で、約2537億円に及びます。
県は、オリエンタルランド社の株を取得した理由について県が埋め立て造成し、遊園地用地として株式会社オリエンタルランドへ譲渡した土地を貴重な観光資源として永続的に活用していくために、公共公益的な観点から経営参画することが望ましいとの判断から取得したと説明しています。
昨年7月、オリエンタルランド社は、豪華客船によるクルーズ船事業への参入を発表しました。
クルーズ船は総トン数約14万トン、28年度の、就航を予定し、3300億円を投資するとしています。
クルーズ船事業はテーマパークの地理的制約を脱し、富裕層の呼び込みによって客単価の向上にも資する一方で、巨額の事業投資は近年、値上げが続いている高額のチケット代にも影響し、顧客のパーク離れを通じて本県や浦安市の観光宿泊客数にも影響を及ぼすのではないかと懸念をしております。
ちなみに配布資料二にあります通り、オリエンタルランド社がクルーズ船事業への参入を発表した7月9日から本年6月5日までの同社の株価は、4605円から3150円まで下落し、本件の資産価値は約960億円目減りしております。
昨年の一般質問において、ディズニークルーズを奇貨とした観光収入について質問しましたが、その際、熊谷知事から増加するクルーズ需要を取り込むために、岸壁の整備や下船後の周遊コースの造成など、クルーズ船を受け入れるために必要な環境について、事業者や寄港地となる地元市などと研究を重ねている旨、ご答弁をいただきました。
私も昨年、千葉県港湾整備推進議連の一員として木更津港を視察いたしましたが、同港は16万トンクラスの大型クルーズ船が着岸可能な幅500メートル、水深12メートルの公共岸壁が整備されており、ディズニークルーズ船の着岸も可能であると考えられます。
最も県によると、これまでオリエンタルランド社に対して、県内港湾へのクルーズ船の寄港などを要請したことはないとのことでありました。
とはいえ、観光収入が課題となっている本県として、これからもオリエンタルランド社との共存共栄の関係を維持していくため、今後は同社の株式を所有しているだけではなくて、取得の理由でもある経営参画の視点から協議の場を持ち、本県の観光振興に資する提言や要望を行うべきではないかと考えます。
そこでお尋ねをします。
オリエンタルランドのクルーズ船事業に対し、県の観光施策として連携していくべきと考えるが、どうか。
次に県営住宅についてお尋ねをします。
厚労省の発表では、昨年の出生数は68万5000人と初めて70万人を割り込み、統計開始以来過去最低となりました。
合計特殊出生率も去年より0.05%低下して1.15となり、本県も1.09と前年より0.05%低下しております。
少子化の原因は若者の未婚晩婚化にありますが、さらにその要因は、経済的理由や価値観やライフスタイルの変容など複合的であり、行政はさまざまな政策を駆使して、総合的な対策を講ずる必要があります。
その中で私は一昨年に続き、昨年の一般質問でも県営住宅など、公営住宅を活用した少子化対策について質問をいたしましたが、改めて今回も質問いたします。
先日6月2日付の読売新聞において、少子化問題に関する世論調査の結果が発表されました。
その中で少子化につながる課題について、都市部と地方部に当てはまるものを選ぶ質問に対して、都市部では住居費が高いが、71%と突出して高い結果が示されました。
公営住宅は生活困窮者の住宅セーフティーネットとしての機能を担っておりますが、若者も経済的に困窮し、結婚出産を躊躇している中にあって、若年新婚世帯や子育て世帯の入居を促し、生活コストの軽減を図るべきであると考えます。
私の質問に対し、県は昨年度から応募者を子育て世帯に限定した住宅について、最寄り駅から徒歩圏内とする立地要件を撤廃するなど、選定基準の見直しを行い、7月に11戸であった対象戸数を、10月は32戸に増やして募集したとのご答弁をいただきました。
まずはご尽力に感謝を申し上げます。
本年度に改定された県営住宅長寿命計画によると、全体で1万9227戸ある県営住宅のうち東葛湾岸ゾーンは1万1681戸を占めております。
住宅需要の高い東葛湾岸ゾーンの応募率は、県全体の4,8倍に対し6.8倍と最も高い一方、空き家率は15.3%であり、約1787戸が空き家になっております。
空き家の要因について長寿命計画ではエレベーター設置の有無による空き住宅発生への影響が、比較的大きいと考えられると分析しております。
こうした中、先日、浦安市市川の県営住宅を視察させていただきました。
そのうち、市川で内見した1階の3LDKの物件は、今年から子育て世帯向け住宅として提供され、リビングを見渡せるオープンキッチンや、押し入れを改修したゆったりとしたクローゼットなどが備わり、とても魅力的に感じました。
家賃は最も高い収入部類でも5万7000円と低廉であり、倍率も5倍あったとのことでした。
視察をして確かに子育て世帯に対しては、エレベーターの有無は応募を左右する大きな問題だと思いました。
県は国の補助金を活用した改修も進めておりますが、エレベーターの増設については、階段に玄関が直結した階段室型の住宅は、外付けのエレベーターの設置は難しいとのお話でした。
しかし、空き家になっている2階以上の住宅についても、和室を洋室に変えるなど、若年新婚世帯向けの住宅として改修すれば、一定の需要はあるのではないかと考えます。
東京都では子育て世帯に加え、若年夫婦を対象として、原則10年入居できる定期使用住宅を提供しております。
また、入居の収入要件や当選倍率についても引き上げが必要と考えます。
本県の経営住宅に入居が可能である子育て世帯の月収基準は、21万4000円以下にすぎず、例えば4人世帯の場合の年間の給与収入で言えば、約531万円以下になります。
しかし、例えば収入基準を満たす月収が500万円で、子供が1人の世帯と基準を満たさない月収が550万円で、子供が3人の世帯では、どちらが困窮しているとも言い難いのではないでしょう。
一方で、平成23年の公営住宅法改正により、県の裁量で子育て世帯を含む裁量階層の収入基準を、月収25万9000円、4人世帯だと、年間の給与収入が599万円まで引き上げることが可能になっております。
また、子育て世帯を含む特別該当者の当選倍率は、本件は2倍で、4回以上落選すると3倍になるのに対して、東京都は子供1人または2人で5倍、ひとり親世帯や子供3人以上の多子世帯は7倍の優遇倍率になっており、本件も引き上げを検討すべきです。
こうしたさらなる取り組みにより、生活に困窮するより多くの若年新婚や子育て世帯が、入居しやすい環境を整えるべきであると考えます。
そこでお尋ねをします。
若年新婚夫婦や子育て世帯の入居を促進するにあたり、今後どのように取り組んでいくのか。
ところで、本県の県営住宅には、令和7年3月末で989世帯の外国人が入居しております。
国籍別の内訳を確認したところ、1位は中華人民共和国368世帯、2位はフィリピン199世帯、3位は韓国61世帯とのことでありました。
公営住宅における外国人の取り扱いについては、平成4年の国土交通省局長通知によって、在留期間が3カ月を超える中長期滞在者については、地域の実情を勘案の上、可能な限り地域住民と同様の入居、申し込み資格を認めることが求められたことにより、本県は在留期間が1年以上の滞在者には入居を認めておりますが、在留資格の内訳については把握をしていないとのことでありました。
しかし、家族滞在ビザや留学ビザの取得には、経済力の証明が必要であることから、生活困窮者の存在は想定されていない上に、母国での資産状況の把握が困難であることから、本来入居が必要ではない外国人が入居することによって、本当に必要な国民の入居機会が奪われている可能性を排除できません。
よって、県としては在留期間のみで入居資格を判断するのではなく、在留資格の内訳を調査し、外国人の居住実態を的確に把握する必要があると考えます。
そこでお尋ねをします。
外国人の入居について、在留期限だけではなく、在留資格などの実態を把握するべきではないか。
次に新規就農支援についてお尋ねをします。
今般の米不足による米価の高騰を受けて、政府はこれまでの生産調整を見直し、米の増産にかじを切りました。
しかしながら、市町村に今年3月末までに策定が義務付けられていた地域計画では、農家の高齢化と離農により10年後の耕作者を確保できていない農地が最大で6割に上るとの報道もあり、農水省が発表した本県の農地集積率も令和6年3月末で30,5%にとどまっております。
それでは増産はおろか、現状の農地を維持することすらおぼつきません。
これまで県は農業人口の減少に対して、農地集約とAI、ICTやドローンを活用したスマート農業を進めてきましたが、これらの取り組みには限界があり、詰まるところは新規就農者を増やすほかに方法がないと思います。
しかし、県によると、令和5年の本県における新規就農の目標値は450人に対し、実績は321人であり、このうち農業分野以外からの新規参入の119人のうち、稲作はわずかに5人と全体の4%に過ぎませんでした。
そこでお尋ねします。
新規就農者が稲作経営を行う場合、障害となるものは何か。
またこれに対し、県はどのように対応しているの。
稲作に就農する上で障害になっているのは、田植え機やコンバインなどの農機具に要する多額の初期投資があります。
しかし、機械設備の導入に要する費用の補助については、現在、国県では1000万円の3/4を上限に補助しており、自己負担額はある程度抑制されております。
むしろ新規就農を妨げている最大の要因は、一言で言って農業をしても儲からない、つまり安定的な所得が得られないことにあります。
新規就農者には年間150万円を最長3年間支給する経営開始資金などがありますが、持続的な営農には不十分です。
今日こそ米価が高騰しておりますが、長い間、稲作経営は取引価格が生産コストに見合わず、持続的な営農が困難な状況が続いてきました。
今後、米を増産した場合、かえって米があまり米価が暴落するリスクもあるため、農家は安心して生産できない状況にあります。
したがって、根本的には、国が生産コストに見合った再生産可能な価格と、取引価格の差額を補填するなどの形での個別所得補償政策を実施する必要があると考えます。
この個別所得補償政策については、先日、石破首相が生産調整の見直しとともに検討する方針を示しましたが、所詮は選挙前の目くらましであり、信用できません。
やはり生産現場である自治体の首長からも、国に対して強く要望すべきであると考えます。
そこでお尋ねをします。
熊谷知事は稲作農家への個別所得補償政策を、国に対して要望すべきではないか。
次に、農地と森林の調査についてお尋ねをします。
今後、米を増産していく上で、農地の確保は重要な課題です。
ところが、我が国では、農家の高齢化や離農の増加に伴い、荒廃農地を含む遊休農地が増加する一方で、外国人による農地取得が進んでおります。
県によると、令和5年度における農地の違反転用65件のうち、外国人の事例は2件であったとのことでありますが、近年、ウクライナ戦争の長期化や異常気象、台湾有事などによる食糧危機が高まる中で、世界最大の食糧輸入国であるチャイナは、こうした食糧危機に備えて、世界中から穀物を爆買いしており、私は他の国が遊休農地と化した我が国の農地を買収して、食料生産を自国のコントロール下に置く安全保障上のリスクを懸念しております。
しかしながら、現在、我が国政府は外国人による農地取得に制限を課しておりません。
また、農地所有適格法人には外資規制がなく、外国法人が自由に取得できる状況にあります。
政府は令和5年9月に農地取得を目指す外国人や外国人が議決権を有する農地所有適格法人に対して、農業委員会に国籍や在留資格の報告を義務付けましたが、逆を言えばそれまでは何らの報告義務を課していませんでした。
このため、政府や県は、外国人による農地の取得状況を正確に把握しておりません。
お手元の資料には、千葉県で居住地が国内にある外国人と思われるものによる農地の取得状況を示しております。
これによると、令和5年に個人の取得面積が急増しているように見えますが、これは県によると、令和5年4月から農地取得の下限要件が撤廃をされ、小規模でも農地を取得しやすくなったのと、前述した通り、同年9月から、国籍の報告義務が課されたことによるものとのことです。
そこで取得面積の合計は例年と大きな変動はないとすると、毎年5ヘクタール余りの農地が外国人に買われていることになります。
政府は本年度から残りの在留期間が、短期間の外国人には取得を認めないなど、要件を厳格するそうですが、昨年の入管法改正などにより、今後、特定技能など外国人への永住権付与件数の増加が見込まれることから、どこまで対策の実効性があるのか疑問です。
私は外国人による農地取得については、安全保障上の理由から制限を設けるべきであると考えておりますが、まずは正確な実態把握が急務と考えます。
そこでお尋ねをします。
外国人ないし、外国法人による本件の農地取得の実態について、法律で国籍の届け出が義務付けられた令和5年9月以前の過去にさかのぼって、調査をするべきではないか。
さて、農地の保全は水源となる里山の森林の保全と一体不可分であります。
先日、川名先生の御地元である鴨川市を訪れ、同市の山林で計画されているメガソーラー事業について調査をしました。同計画では、鴨川市の150ヘクタール、東京ドーム32個分にわたる広大な森林の樹木、約37万本を伐採し、高いところは50メートルの尾根を削り、深いところは80メートルの谷に10トンダンプ220万台分の土砂を埋めて、平坦地を造成した上に、ソーラーパネルを約47万枚敷設するそうであります。
同事業計画に対しては、地元住民などから気候変動による土砂災害や農水業に影響を与える水質の悪化などの懸念が呈されております。
鴨川市は、事業者の事業体構成や資金計画が不透明であることから、明確な説明を求める協定書を事業者と締結しましたが、いまだ十分な報告がなされぬまま、先日、工事が着手されました。
事業計画地の森林のふもとには、美しい棚田の風景が広がり、明治天皇の大嘗祭の際に新米を献上したスキ伝の跡もあります。
メガソーラーで使われる太陽光パネルは、チャイナが多くのシェアを占め、ジェノサイドが行われた新疆ウイグル自治区で、ウイグル人を強制労働させて生産しているとの指摘もあります。
矛盾に満ちた脱炭素再エネ政策によって、鴨川の自然が破壊されないことを祈らずには置けません。
農水省が都道府県を通して調査した結果によると、居住地が海外にある外国法人ないしは外国人と思われるものによる森林の取得事例は、令和5年33件で134ヘクタール、国内の外資系企業と思われるものによる取得は23件で、356ヘクタールあります。
これを合わせると、我が国では1年だけで500ヘクタール近く、東京ドーム107個分の森林が外国勢力に買われていることになります。
これまでに全国の20の道府県で、水源地保全条例が制定されておりますが、取得取引の届け出が事後から事前にされただけで、国籍の届け出は義務付けされておりません。
また、現行の国土利用計画法の施行規則が一部改正され、本年7月1日から1万ヘクタール以上の都市計画区域外の林地を含む土地の権利取得者の国籍が事後届出の対象となった一方、法人の届け出事項は、その設立にあたって準拠した法令を制定した国とされたのみであり、外資系企業による取得を的確に把握できません。
上述した鴨川市のメガソーラーにしても、事業を行う林地を所有する法人の資本関係は明らかでなく、外国勢力との関係も排除できません。
そこでお尋ねをします。
外国人の森林の取得状況についても、実態調査をすべきではないか。
最後に二地域居住についてお尋ねをします。
人口の東京一極集中が進む裏で、地方農村の過疎化が進んでおります。
本件においても浦安市を含む葛南エリアなど県北西部は人口が増えている反面で、地方部は過疎化が進行しています。
こうした中で、都市から地方への移住促進が図られておりますが、移住は仕事や人間関係の点からもハードルが高いことから、近年では仕事や趣味などで、居住地以外に生活拠点を設ける二地域居住への注目が高まっております。
先日、政府も地方創生2.0基本構想において、移住から二地域居住の促進による関係人口の創出に軸足を移し、二地域居住する人を応援するふるさと住民登録制度を創設する方針を示しました。
私事ながら私も母が8年前に浦安から高橋先生の御地元である旭市に移住をしたことで、旭とのご縁ができ、千葉の豊かな自然や山海の幸の恵みを享受し、温かい地域の人々と触れ合う機会を得ました。
ありがとうございます。
二地域居住を通して最初は趣味や癒やし、グルメが目的でも徐々に地域との関係性が芽生え、ひいては農業を手伝う援農や、将来的な新規就農につながることを期待しております。
そこでお尋ねをします。
二地域居住に対する県の認識はどうか。
先日、衆議院有志の会福島伸幸議員が、国土交通委員会の質疑で紹介されていた茨城県桜川市の二域居住施設である森と蔵を訪れた後、谷田川、加藤亮先生のご地元である香取市を訪れ、クラインガルテン栗本を視察しました。
クラインガルテンはドイツ語で小さな庭を意味します。
同施設は市民農園整備促進法に基づき、平成14年に旧栗本町が滞在型市民農園として整備し、週末農業を通じた二地域居住施設と、しても有効であります。
実は、同施設の管理者が運営をしている道の駅くりもとふれあい農園は以前、浦安市が市民農園として借り受け整備していたことがあり、今も多くの浦安市民が通っております。
市民農園整備促進法に基づき、平成3年に県が制定をした市民農園整備に関する基本方針では、農村地域においては、都市と農村の交流を通じた地域の活性化、減反により、事実上遊休化している水田などの農地の有効利用が求められていることからこのような課題に対応するため、市民農園の整備の促進を図ることとすると記されております。
私はこのクラインガルテンなどを通じて、農を通じた自治体間交流を推し進め、都市住民が農業に帰る、帰農を促すことによって、将来的には新規就農の確保にもつながるのではないかと期待をしております。
そこでお尋ねをします。
二地域居住の促進にあたり、どのように取り組んでいくのか、
以上、ご答弁のほどよろしくお願い致します。
答弁(第1回目)
–議長
折本龍則君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事 熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
有志の会の折本龍則議員のご質問にお答えをいたします。
まず、新規就農支援の取り組みについてお答えいたします。
稲作経営を行う上での障壁およびその対応に関するご質問ですが、稲作経営においては野菜等の園芸品目に比べ、より多くの農地の確保や水路管理など、地域での連携が必要なことに加え、農業機械等への初期投資が多額となることなど、新たに参入する場合に大きな障壁があります。
このため、県では地域の中で就農希望者が、生活に農地を借りられるよう、市町村等と連携をして、将来の農地利用の姿を示す地域計画への位置付けを推進するとともに、初期投資の負担軽減を図るため、農業機械や施設の導入にかかる経費に対する助成を行っているところです。
また、新規就農者の経営開始後の不安定な時期を支えるため、資金支援にも取り組んでいるところであり、水稲などの就農希望者が円滑に就農し、定着できるよう、引き続き支援をしてまいります。
次に、二地域居住の取り組みについてのご質問にお答えをいたします。
二地域居住は新たな人の流れを創出し、地域を活性化することが期待できることから、その魅力を多くの方に知っていただくため、現在はワンストップで情報を提供するポータルサイトや、二地域居住によるライフスタイルを特集した、フリーマガジンによる情報発信などを行っています。
また、東京有楽町にある千葉移住相談センターに専属の相談員を配置するとともに、市町村と合同で移住、二地域居住関連イベントなどを実施しているところです。
え、国においても、二地域居住をさらに進めるための支援策などが検討されているところであり、こうした動向も注視しつつ、引き続き市町村と連携をしながら、二地域居住の促進に取り組んでまいります。
私から以上でございます。
他の質問につきましては、担当部局長からお答えをいたします。
–議長
教育長 杉野可愛君。
–杉野可愛 教育長
中高一貫教育校についてのご質問ですが、中高一貫教育校では、6年間の安定した学校生活の中で、計画的継続的な教育活動を展開し、生徒1人1人の個性や創造性を伸ばすことを目的としています。
中高一貫教育校の新設については、令和4年3月に策定した県立高校改革推進プランにおいて、国の施策や他県の状況を注視しつつ、県内の地域の状況も踏まえ、引き続き研究していくこととしているところです。
なお、当該プランの実施にあたり、地域の学校のあり方については、地元自治体や地域関係者、教育関係者などで構成する地域協議会を県内各地で開催して意見を伺っているところであり、地域の特性やニーズの把握にも努めてまいります。
次に、教職員の処遇についてのご質問ですが、教職員を含めた県職員の給与については、地方公務員法に定められた給与決定、原則に基づき、地域の民間企業の賃金水準等を勘案して行われる人事委員会勧告を踏まえて条例で定めており、勧告を尊重して決定していくことが基本であると考えています。
なお、現在、国において教職調整額の支給割合の引き上げなど、教員の処遇改善にかかる法改正が進められているところであり、引き続き国の動向も注視してまいります。
以上でございます。
–議長
健康福祉部長 岡田慎太郎君。
–岡田慎太郎 健康福祉部長
特別養護老人ホームの整備についてのご質問にお答えします。
高齢者人口の急激な増加が見込まれる中、在宅生活が困難になった場合であっても、高齢者が安心して暮らし続けられるよう、要介護度の高い高齢者の受け皿となる、特別養護老人ホームの計画的な整備が必要です。
このため、県では、施設の新設等について全国上位となる1所当たり450万円を単価とする補助を行うとともに、職員募集や備品購入などの開設準備経費の補助も行っています。
今後も引き続き、地域における医療、介護、住まいなどの社会資源の状況や、高齢者のニーズを把握している市町村と連携し、特別養護老人ホームの計画的な整備を進めてまいります。
以上でございます。
–議長
商工労働部長 関雄二君。
–関雄二 商工労働部長
株式会社オリエンタルランドのクルーズ事業との連携に関するご質問ですが、日本を代表するテーマパークを運営している同社には、これまで県の観光商談会や旅行セールスに参加していただくほか、インバウンド促進のための協議会に参加していただいており、県は同社と連携した観光施策にも取り組んできたところです。
クルーズ事業は、寄港地での食事、観光、ショッピング等による直接的な経済効果だけでなく、地域のブランド価値向上や関連産業の雇用増加など、波及効果も生まれることから、寄港地を中心に地域経済の活性化につながるものと考えています。
現在、同社のクルーズ事業をはじめ、新たなクルーズ船の就航が相次いで発表されており、本件でも館山港や木更津港での受け入れ実績があることから、同社を含めクルーズ事業者や旅行会社などと、情報共有や意見交換を行いながら、クルーズ事業と本件観光施策との連携を検討してまいります。
以上でございます。
–議長
都市整備局長 横田俊之君。
–横土俊之 都市整備局長
県営住宅における若年新婚夫婦や子育て世代の入居に関するご質問ですが、県では若年新婚世帯に限定した入居支援を行っておりませんが、住宅に困窮する子育て世代を支援するため、入居の当選確率を高くする優遇措置や、応募者を子育て世代に限定した住宅の提供を行っています。
特に応募者を子育て世代に限定した住宅については、昨年度、年間の提供戸数を40戸から80戸に増やしたところであり、今年度も80戸以上の提供を予定しています。
今後とも応募状況等を踏まえながら、まずは住宅に困窮する子育て世代が入居しやすくなるよう、優遇措置や限定住宅の提供の支援の充実に努めてまいります。
次に、県営住宅における外国人の入居に関するご質問ですが、公営住宅における外国人の入居に関する取り扱いについて、国からは永住者はもとより、中長期在留者も可能な限り、地域住民と同様の入居申し込み資格を認めるよう求められています。
このため、県では在留資格にかかわらず、在留期間が1年以上の方について、入居の申し込みができることとしており、他の住民と同様に収入基準などの入居資格を審査した上で、入居を認めているところです。
今後とも所得が低く、住宅に困窮している方が入居困難とならないよう、入居時の審査を適正に行ってまいります。
以上でございます。
–議長
農林水産部長 高橋輝子君。
–高橋輝子 農林水産部長
まず、稲作農家の所得補償についてのご質問ですが、稲作農家が安心して米生産を行うためには、消費者にとっても農家にとっても適切で、バランスの取れた価格が形成され、農家の所得が安定的に確保されることが重要です。
収入減少のリスクに備えるため、米の価格が下落した際などに収入を補填する制度や、自然災害や経営者の疾病などによる減収に対応する収入保険制度が設けられており、県ではそれらの活用を促しているところです。
一方、米に関する政策の見直しについては、国においてさまざまな議論が行われているところであり、今後とも国の動向を注視してまいります。
次に、外国人等の農地取得状況の実態調査に関するご質問ですが、農地法では、外国人や外国法人による農地の取得は制限されておりませんが、規則改正により令和5年9月からは許可申請書に国籍欄が追加され、本年4月からは、在留期間等についても記載するようになったところです。
また、県では、例年、国からの調査依頼に基づき、各市町村農業委員会が農地の所有権の移転等を許可した実績のうち、外国人等に関するものを取りまとめ報告しています。
国籍が明らかである令和5年における9月以降の外国人等による農地取得の状況は、6県で合計2,1ヘクタールとなっており、県としては国の調査に合わせて対応しているところです。
最後に、外国人の森林取得状況の実態調査に関するご質問ですが、森林法では、保安林制度や臨時開発許可制度等の適正な運用を通じて、産地災害防止等の、森林の有する公益的機能の維持が図られていることから、外国人の森林取得の確認等は求められておりません。
また、同法に基づき新たに森林の土地所有者となったものは、市町村長へ届け出なければならないとされており、森林取得の状況を的確に把握することで、規制措置等の適切な運用を図ることができることとされております。
一方、国においては、毎年、外国資本による森林取得に関する調査が実施されていることや、外国人の森林取得に対する議論がなされていることなどから、県としては国の動向を注視してまいります。
以上でございます。
–議長
総合企画部長 三神彰君。
–三神彰 総合企画部長
二地域居住に対する県の認識についてのご質問ですが、近年、転職や転居の必要がなく、異なる生活拠点で、自分に合ったライフスタイルを実現することのできる二地域居住への関心が高まっており、都心へのアクセスが良好で、豊かな自然や食文化など多くの魅力を有する本県は、二地域居住に適した地域であると認識しております。
また、さまざまな分野で担い手の減少が課題となっている条件不利地域などにあっては、二地域居住を実践する多様な人材が活躍している事例もあり、県としてはこうした地域が活性化するための有力な手段であると考えております。
以上でございます。
–議長
折本龍則君。
要望(第2回目)折本龍則 議員
–折本龍則 議員
知事はじめ、執行部の皆様ご答弁ありがとうございました。
ご答弁でもありましたけれども、国のですね、不備を県が補うような形で危機感を持ってですね、取り組む、土地の所有の把握にも努めていただきたい、というふうに要望させていただきます。
また、あの県営住宅につきましても、若年新婚世帯向け住宅は現状ではですね、行っていないとのことですけれども、今後、他自治体の事例なども参考にしながらですね、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
それでは名残惜しゅうございますが、以上をもちまして私の一般質問を終わらせていただきます。
ご清聴ありがとうございました。