本日(2024/7/3)文教常任委員会 午後の部の情報をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議論の内容をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
要約
この会議記録は、オンライン授業やオンラインレポートの導入状況、通信制高校の拡充、教員の多忙化対策、体育館の空調設備整備、特別支援学校の過密状況、県立高校の端末整備、教科書採択の審議プロセス、通級による指導の拡充、子供と親のサポートセンターの新規事業、消費者教育、キャリア教育の推進、通学路の安全対策、学校での政治活動などの様々な教育関連の課題について議論されています。
オンライン授業の拡充、教員の多忙化解消のための少人数学級の導入、体育館の空調設備整備の早期実施、特別支援学校の過密状況改善、県立高校生の端末購入負担軽減、教科書採択プロセスの透明性確保、通級による指導の拡大、消費者教育におけるカスタマーハラスメント防止の取り組み強化、キャリア教育の充実、通学路の安全対策強化、学校での政治的中立性確保などが主な課題として取り上げられています。
議会の概要
オンライン授業の導入状況
千葉大宮高校では、レポートは紙ベースで行われているが、一部の科目でオンライン授業が実施されている。
今後はレポート提出の電子化やオンライン授業の拡充を検討し、ICTの効果的な活用を図る予定である。ただし、通信制高校では文部科学省の定める通信教育ガイドラインにより、一定割合の対面授業が義務付けられているため、全てをオンライン化することはできない。
また、生徒の1人1台端末環境が整っていないことも課題となっている。
通信制高校の拡充
県立高校改革推進プランに基づき、通信制高校へのニーズの高まりや生徒の多様化するニーズに対応するため、通信制協力校の更なる拡充を推進する。
館山総合高校に加え、今年度から銚子商業高校を通信制協力校に指定した。
新たな設置については今後検討する。
また、通信制高校の周知啓発活動として、学校説明会の開催、個別相談対応、県子供と親のサポートセンターでの相談会の実施などを行っている。
教員の多忙化対策
教員の時間外在校等時間は減少傾向にあるものの、一定数の教員が長時間労働を強いられている。
副校長・教頭の負担軽減が喫緊の課題である。
教員の多忙化解消のため、少人数学級の導入が有効な対策となりうる。
京都府の少人数教育推進の取り組みや、山形県の少人数学級編制教育「山形さんさんプラン」、山梨県の25人学級の取り組みなどを参考にすべきである。
少人数学級は学力向上や不登校児童数の減少、自己肯定感の向上にも繋がる。
県教育委員会は、国から措置された定数を有効活用しながら、段階的に少人数学級の導入を進める方針である。
体育館の空調設備整備
指定避難所となっている県立学校の132校の体育館のうち、空調が整備されているのは1校のみである。
熱中症対策としても体育館への空調設備の設置が課題となっている。
他県では県立高校の体育館に空調整備を進めている事例があり、愛知県では4年間で145校の体育館と武道場292棟に空調を整備する計画がある。
群馬県も同様の取り組みを行っている。総務省の緊急防災・減災事業債を活用した早期の空調設備設置が求められる。
特別支援学校の過密状況
特別支援学校の教室が不足しており、音楽室や図書室がプレハブ教室に転用されるなどの過密状況が見られる。
設置基準では障害種別ごとに小中学部で6人以下、重複障害の場合は3人以下とされているが、既存校については「当分の間従前の例による」との経過措置がある。
県教育委員会は設置基準の趣旨を踏まえ、過密状況への対応や大規模改修への対応と合わせ、各学校の状況に応じて個別に必要な対応を検討する方針である。
第3次県立特別支援学校整備計画では、在籍者数の推計値と実績値に大きな開きがあり、推計値の見直しが必要とされている。
県立高校の端末整備
千葉県ではBYOD方式で生徒に端末の購入を求めているが、購入が困難な家庭向けに貸し出し用端末を用意している。
生活保護世帯や非課税世帯を貸し出し対象としているケースもあり、プライバシーへの配慮が必要である。
一方で、他の自治体では端末購入費用を公費で負担しているケースもある。
東京都では保護者負担額を3万円に抑える支援制度がある。
教育格差が生じないよう、県教育委員会としても負担軽減策の拡充が求められる。
教科書採択の審議プロセス
教科書採択の審議について、公正かつ適正に作業が進められるよう、誠実な環境の確保に努める必要がある。
現場の教師の声が反映されることが重要であり、教科書発行関係者の意見は抑制的であるべきである。
審議の過程については情報公開と議事録の公開が求められる。
教育委員会は教科書の中身について口を出すべきではなく、教師の自主的な教育活動を尊重することが何よりも大切である。
通級による指導の拡充
通級による指導では、障害による学習上や生活上の困難を改善・克服するための自立活動の指導を行っている。
県立の高等学校ではニーズの高まりもあり、巡回による指導も含めて通級による指導の拡充に努める。
課題としては専門性のある教員の確保と育成、高等学校教員の理解促進、関係各課との連携などがある。
通級による指導の対象となる児童生徒や保護者への周知啓発活動の強化も必要である。
子供と親のサポートセンターの新規事業
子供と親のサポートセンターでは、新規事業としてワンストップオンライン相談を開始した。
従来は現場で相談に応じていたが、オンラインでの相談が可能となった。
この事業の周知啓発が重要であり、学校を通じた案内チラシの配布や、県民だより等への掲載、市町村の相談窓口や関係機関との連携などを行う予定である。
消費者教育
消費者教育の中で、児童生徒や若年層がカスタマーハラスメントの加害者にならないよう、その防止策を含める必要がある。
労働組合の調査によると、カスタマーハラスメントを行う年代は高齢層ほど多いが、若年層はそれを恥ずかしいと感じている傾向にある。
教育現場でカスタマーハラスメントについて適切に教育することが重要である。
キャリア教育の推進
キャリア教育の推進に向けて、職業理解のための映像教材作成、中高生向けキャリア教育プログラム研究、キャリアデザイン講演会、課題探究型キャリア教育ゼミ、就職支援事業、中学校教員の県立高校・専門学校視察研修、体験学習事業などの取り組みを行っている。
これらの事業については、全ての県立高校生に届くよう機会を提供することが重要である。
通学路の安全対策
通学路の安全性確保が課題となっている。
ある市では、通学路に指定されているが実際には児童生徒が利用していない危険な道路があり、指定を外すべきとの意見がある。
一方で、通学路に指定することで安全対策が優先的に実施されるメリットもある。県教育委員会としては、児童生徒が利用しておらず今後も利用見込みがない道路をあえて通学路に指定するのは一般的ではないと考えている。
適切な通学路の指定と、それに基づく安全対策の実施が重要である。
学校での政治活動
ある小学校で、国会議員の名刺が教員から児童全員に配布されたという事例があった。
現職議員の名刺を児童生徒に配ることは、特定の政党や議員を支持するかのような疑念や誤解を与えかねない。
仮にそのような事実があれば、県教育委員会は当該市町村教育委員会に確認を行い、再発防止を徹底する必要がある。
学校における政治的中立性を確保することが重要である。
行動項目
- オンライン授業の拡充、レポート提出の電子化を検討し、ICTの効果的な活用を図る
- 通信制協力校の更なる拡充を推進する
- 教員の多忙化解消のため、少人数学級の導入を検討する
- 県立学校の体育館への空調設備の早期設置を検討する
- 特別支援学校の過密状況改善に向けた対応を検討する
- 特別支援学校在籍者数の推計値を見直す
- 県立高校生の端末購入負担軽減策を拡充する
- 教科書採択の審議プロセスの透明性を確保し、現場の教師の声を反映する
- 通級による指導の拡充と、対象児童生徒・保護者への周知を強化する
- 子供と親のサポートセンターの新規オンライン相談事業の周知を強化する
- 消費者教育の中でカスタマーハラスメント防止の取り組みを強化する
- キャリア教育の機会を全ての県立高校生に提供する
- 適切な通学路の指定と、それに基づく安全対策を実施する
- 学校における政治的中立性を確保し、特定の政党や議員を支持するような行為を防止する
参加議員
委員長 鈴木ひろ子(自民党)
副委員長 松崎太洋(自民党)
委員 宍倉登(自民党)
委員 関政幸(自民党)
委員 鷲見隆仁(自民党)
委員 野田宏規(自民党)
委員 菊岡たづ子(立憲民)
委員 山下洋輔(立憲民)
委員 仲村秀明(公明党)
委員 田沼隆志(千政団)
委員 浅野ふみ子(共産党)
委員 榎本怜(国民)