【千葉県】多文化共生と学校教育-帰国・外国人児童生徒等教育の推進を支援する外国人児童生徒等教育相談員派遣事業

千葉県は、日本語指導を必要とする外国人生徒が在籍する県立学校(高等学校・特別支援学校)に対して、 生徒の母語を理解する者を、外国人児童生徒等教育相談員として派遣しています。以下のような業務を担っています。

①放課後や始業前の補習等の実施
②教員と外国人児童生徒等及び保護者とのコミュニケーシ ョンの円滑化
③日本語指導
④教育相談
⑤日本の生活への適応指導
⑥学校と本人、保護者と の連絡・面談・調整(通訳・翻訳)
⑦国際理解教育関係の授業・行事等の補助
⑧他校への派遣

アンケートの結果から、以下のことが示されました。
「外国人児童生徒等教育相談員の配置により、日本語の理解が向上したり、学校生活や人間関係における不安が解消されたりするなど、外国人児童生徒等の学校生活における学習及び生活の適応に大きな効果があった。
また、日本語の理解が難しい保護者に対しての支援にも効果があった。今後、支援の質の向上に加え、多岐にわたる言語の支援が必要な状況において、相談員の確保が課題となってくる。」

外国人児童生徒等教育相談員は、千葉県から派遣される建て付けとなっていますが、実際には、各学校で教育相談員を探している。各学校にとっては、大きな負担となっています。

千葉県教育委員会は、外部団体や関係機関と連携して、相談員確保の仕組みづくりをすべきと考えます。

昨年度の派遣実績は、県内48校に80名の外国人児童生徒等教育相談員を派遣され、
今年度はすでに48校に86名を派遣しています。
外国人児童生徒等教育相談員の派遣は、その効果が認められ、今後ますます必要とされることが予想されます。
今年も予算増やされましたが、今後さらに人数を増やすしていくなど制度の拡充を要望しました。

外国人の児童生徒にとって、言葉の壁というのはとても大きいものだと思います。
教育委員会から示していただいた、県立高校での日本語指導が必要な生徒の中退率の比較について、令和3年度5月時点での調査内容として、県立高校(定時制を含む)全体の中退率が0.96%のところ、日本語指導が必要な生徒の中退率が6.5%との結果が示されました。
母数が違うなど、単純には比較できないものだと承知しておりますが、それでも明らかに大きな違いがあると考えます。

中退の原因や卒業後の状況について分析などするなどして、よりよい教育環境を考えながら、外国人の日本語指導について考えていただきたいと思います。

今、クルド人同士の刺傷事件をきっかけに100人規模の乱闘騒ぎが発生した埼玉県川口市では、クルド人への過激なヘイト行動が起きています。外国人の人たちが学校在学中や学校卒業後の地域に溶け込み、互いに多様性を認め合えるような社会にするために、学校教育の果たす役割は大きいと考えます。

そのためにも、相談員の確保、そして今年も外国人児童生徒等教育相談員の派遣についての予算を増やしていただきたいと要望しました。

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千葉県議会・文教常任委員会2024/07/03 山下洋輔の質問とその答弁

県立学校における日本語指導について

山下洋輔 議員
最後に、県立学校における日本語指導について、外国人児童生徒等教育相談員の役割について、あらためてお聞かせください。

増田武一郎 学習指導課長
外国人児童生徒等教育相談員とは、日本語指導を必要とする外国人児童生徒および日本国籍の児童生徒の増加に対して、教員等外国人児童生徒等およびその保護者とのコミュニケーションを円滑にするため、県立学校に派遣されている会計年度任用職員です。教育相談員の具体的な業務内容は、派遣校において、教員の補助者として、外国人児童生徒等の生活への適応指導、日本語指導、教育相談、学校等も外国人児童生徒等およびその保護者との連絡、国際理解教育関係の授業、行事等の補助、その他必要な業務に従事をしております。

山下洋輔 議員
この外国人児童生徒等教育相談員の昨年度の派遣実績と今年度の進捗についてお示しください。

増田武一郎 学習指導課長
昨年度の派遣実績は48項に述べ、80人を派遣しました。今年度は6月時点で48校に延べ86名の派遣を行ってございます。

山下洋輔 議員
この外国人児童生徒等教育相談員の派遣は、教育現場から必要とされている事業であると考えます。
現時点で去年と同程度、昨年以上の派遣が実施されているということです。
これから、学校から外国人児童生徒等教育相談員の派遣の依頼が出てくることを想定すると、この事業への予算を増やす必要があると私は考えます。

あとは外国人児童生徒等教育相談員の確保についても、県教育委員会として支援していかなければならないと思います。
相談員の確保について、外部団体や関係機関と連携して、保健教育委員としても協力していくべきだと思うんですが、その点についていかがお考えでしょうか?

増田武一郎 学習指導課長
現在派遣している相談員の言語は、英語中国語などが主となっておりますけれども、近年は外国人児童生徒等の保護の多様化が進むなどして、午後を理解する相談員の確保が困難な状況です。そのため、県教育委員会として、公益財団法人ちば国際コンベンションビューロー等の関係機関を通じて相談員の人材を紹介したり、近隣校に勤務している相談員の兼務を依頼したりして支援しているところです。

山下洋輔 議員
最後に要望いたします。
外国人の児童生徒にとって、言葉の壁というのはとても大きいものだと思います。
教育委員会から示していただいた、県立高校での日本語指導が必要な生徒の中退率の比較について、令和3年度5月時点での調査内容として、県立高校(定時制を含む)全体の中退率が0.96%のところ、日本語指導が必要な生徒の中退率が6.5%との結果が示されました。
母数が違うなど、単純には比較できないものだと承知しておりますが、それでも明らかに大きな違いがあると考えます。

中退の原因や卒業後の状況について分析などするなどして、よりよい教育環境を考えながら、外国人の日本語指導について考えていただきたいと思います。

今、クルド人同士の刺傷事件をきっかけに100人規模の乱闘騒ぎが発生した埼玉県川口市では、クルド人への過激なヘイト行動が起きています。外国人の人たちが学校在学中や学校卒業後の地域に溶け込み、互いに多様性を認め合えるような社会にするために、学校教育の果たす役割は大きいと考えます。

そのためにも、相談員の確保、そして今年も外国人児童生徒等教育相談員の派遣についての予算を増やしていただきたいと要望して、私の質問を終えさせていただきます。以上です。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)