本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。
本日(2024/2/20)午後の代表質問は、立憲民主党の高橋浩議員でした。
質問項目
- 知事の政治姿勢について
- 職員の確保・育成について
- 多様性尊重条例について
- 県立保健医療大学のあり方について
- 新たな感染症への対応について
- 困難な問題を抱える女性への支援について
- 千葉県留学生受入プログラムについて
- ちばアクアラインマラソン2024について
- 地域経済の活性化について
- 森林環境譲与税の活用について
- 東京湾アクアラインロードプライシング社会実験と6車線化について
- 民間人材(塾講師)による専科指導研究事業について
- 学校給食費の無償化について
- 部活動の地域移行について
- 犯罪抑止について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後】代表質問 高橋浩議員(立憲民)
–議長
休憩前に引き続き会議を開きます。引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により髙橋浩君皆さん
–髙橋浩 議員
こんにちは。立憲民主党木更津選手の髙橋浩でございます。会派を代表して質問をさせていただきます。まず冒頭に、能登半島地震でお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
同地域の早期の復旧復興を祈願するとともに、本県におけるしっかりとした防災対策を講じていくことをお誓い申し上げます。それでは、質問に入らせていただきます。
まず初めに、防災対策について、知事の政治姿勢をお伺いいたします。
本年の元日に発売した能登半島地震においては、石川県のによると、死者は1月末現在で238人。うち15人は災害関連死とされております。また、警察庁の1月末時点のまとめによると、災害関連死などを除く222人の死因の約6割強が「圧死」・「窒息・呼吸不全」であり、多くの人が倒壊した建物の下敷きになったとみられており、改めて住宅の耐震化の重要性が痛感されます。
そこでお伺いいたします。県内の市町村別の住宅の耐震化率について、耐震化率が低い団体の状況はどうか。また、耐震診断に関わる助成措置および、耐震改修に関わる助成措置について、それらを実施していない団体の状況はどうか。県はそれらの自治体に対して、今後どのように対応していくのかお聞かせください。
昨年12月時点で津波被害の恐れのある40都道府県のうち、26道府県が津波災害の同法による警戒区域等を指定しておりますが、本県は、まだ指定に至っておりません。 令和元年10月25日の大雨では、土砂崩れによって4人の方がお亡くなりになられました。当時、本県の土砂災害警戒区域の指定率は全国平均が88%である中で、わずか36%と全国の中で最低でありました。警戒区域等の指定の遅れが人命に影響してしまうような、こうした轍は二度と踏んではなりません。
そこでお伺いします。県内の市町村別の住宅の耐震化率について、耐震化率が低い団体の状況はどうか。また、耐震診断に係る助成措置及び耐震改修に係る助成措置についてそれらを実施していない団体の状況はどうか。県は、それらの自治体に対して今後どのように対応していくのか。お聞かせください。
次に、孤立集落対策についてであります。
能登半島地震では、土砂崩れなどで道路が寸断され最大24地区3345人に上る孤立集落が発生し、備蓄物資の不足、支援物資が届けられないなどの問題が生じました。同じ半島性を有する本県も同様の孤立集落の発生が懸念されます。内閣府の調査によれば、本県の孤立する可能性のある集落は極めて少ない数となっておりますが、本県では土砂災害警戒区域が指定されていなかったため、孤立する可能性のある集落が、正確に把握ができていなかった可能性が排除できません。
そこでお伺いします。地震等の発生により生じる可能性のある孤立集落の状況を、県はどのように把握しているのか。また、それらの集落における、備蓄品のあり方を含む、今後の防災対策について県はどのように考えるのか。をお聞かせください。
次に、断水対策についてであります。
今回の能登半島地震では、長期間にわたる断水が大きな問題となっております。
石川県内では、地震発生から1カ月半たってもなお、約3万戸で断水が続いております。厚生労働省の2021年度末時点の調査では、本県の基幹管路の耐震適合率は60.3%と全国でも3位に位置しております。 しかし、県内を地域別に見ると基幹管路の耐震適合率や、浄水施設及び配水池の耐震化率に大きな差があります。
そこでお伺いします。県企業局を含む、県内水道事業体の基幹管路や、浄水施設及び配水池について、その耐震適合率または耐震化率が10%に満たない団体の状況はどうか。をお聞かせ下さい。
次に、避難所における、災害関連死の対策についてであります。
平成28年の熊本地震では犠牲となった276人のうち、災害関連死が221人にも上っております。その死因では、肺炎や気管支炎といった呼吸器系の疾患や、心不全や、くも膜下出血などの循環器系の疾患がそれぞれ3割を占めたとの事であります。感染症や呼吸器系、また循環器系の疾患を予防するための弾性ストッキング等の備蓄も重要であります。その一方、誤嚥性肺炎等を予防するための口腔ケアグッズについては、健康福祉部のご担当課で調査を実施したと伺っております。
そこでお伺いします。誤嚥性肺炎等を予防するための口腔ケアグッズについて、県内市町村における備蓄の状況はどうか。また、その備蓄の充実強化について県はどう対応するのか。をお聞かせ下さい。
次に災害時のトイレのあり方についてであります。
今回の能登半島地震では、災害時におけるトイレの問題も明らかになりました。携帯トイレや、簡易トイレ、仮設トイレや、マンホールトイレ等、災害のフェーズに応じて適切な種別のトイレを、適切な数量で確保する必要があります。 特に、下水道が普及している県内市町村においては、指定避難所におけるマンホールトイレの設置率に大きな差があると伺っております。
そこでお伺いします。県内の人口20万人以上の市において、指定避難所におけるマンホールトイレの設置率の状況はどうか。お聞かせ下さい。
次に「職員の不祥事について」知事の政治姿勢を伺います。
令和6年1月10日に、北千葉道路建設事務所の所長が収賄罪で逮捕されました。仮に逮捕容疑が事実であるとするならば、県民の県政に対する信用を根底から失墜させる行為であり看過できません。平成29年11月に東葛飾土木事務所の職員2名が逮捕された官製談合事件を契機に、県は職員倫理条例を制定したにも関わらず、再び同様の事件が起きたことは大変残念であります。当時、我が会派は倫理条例の制定を強く求め、執行部と繰り返し議論し、県はその後、私たちの要求を受け入れ職員倫理条例を制定したところであります。倫理条例制定以降、職員がしっかりと条例の趣旨を踏まえて県民のために仕事をして頂いているものと考えていたため、今回の事件は二重に裏切られた思いが致します。
そこで伺います。一つとして、職員倫理条例の運用状況はどのようになっているのか。 二つ目として、今回の事案を受けて職員倫理条例の運用の厳格化、また罰則規定の強化を図るべきと考えるがどうか。三つとして、公共工事における入札・契約のあり方を見直し、入札・契約の事務を一元化すべきと考えるがどうか。四つ目として、内部統制制度等について、公営企業・公社等外郭団体への対応の状況と、今後の対応はどうか。また、知事部局を含め、対象事務を財務以外にも拡大するべきと思うがどうか。お聞かせ下さい。
次に、職員の確保・育成についてであります。
近年、本県では技術職、資格免許職を中心に、それらの多くの職種で必要な職員数を確保できない状況が続いており、我が会派はいち早くその対応を求めてきたところであります。 公務部門における人材確保や育成の問題は、地方公務員のみならず国家公務員でも同様であり、人事院や総務省でも有識者会議等を設置して今後の対応を検討しております。 本県では1月に就職氷河期世代区分を対象とした、社会人採用選考考査の最終合格者が発表され、主に、令和6年4月の採用に向けた職員採用試験が概ね終了したところであります。
そこでお伺いします。採用予定数に対する充足率が低い職種の状況はどうか。
それらの職種における職員確保について今後どのように対応するのか。また、県職員の働き方改革について、どのような考えで進めていくのか。そして、具体的にどのように取り組んでいくのか。をお聞かせ下さい
次に、多様性尊重条例についてであります。
ご案内のとおり、本県では、平成14年9月の定例県議会で「千葉県男女共同参画の促進に関する条例」案が審議されましたが継続審査となり、その後廃案となりました。そしてその後に全国の都道府県、政令指定都市で男女共同参画条例がないのは本県のみとなりました。こうした中、令和5年12月議会で多様性尊重条例が成立し、県民一人一人が様々な違いがある個人として尊重され、誰もが参加し、その人らしく活躍することができる 社会の形成を推進していく決意を県内外に宣言しました。今後は、同条例に基づきどのように施策を実際に実施していくのかが問われる事となります。
そこでお伺いします。多様性尊重条例の制定を受け、今後どの様に施策に取り組んでいくのか。また、男女共同参画の視点から、どのような事業を進めていくのか。をお聞かせ下さい。
そして、令和5年6月現在の、県内在住の外国籍の方は約19万人であり文化な背景の異なる外国人の方との共生を図るために、言語の壁を越えてコミュニケーションを図っていくことが必要であると思われます。
そこでお伺いいたします。
そこでお伺います。日本語を母語としない外国人への日本語教育への支援に関する取組はどうか。また、外国人は地域防災計画の中でも要配慮者として位置づけられてもおります。災害時における外国人への支援について、県はどのように取り組んでいるのか。お聞かせ下さい。
次に、県立保健医療大学のあり方についてであります。
これまで我が会派では幾度となく、幕張と仁戸名の両キャンパスを訪ね、学長はじめ職員の方々とも意見交換を重ねてきました。議会においては、大学が抱えるソフト・ハード両面での課題解決に向けて、応急的対応と併せて今後のあり方検討に早急に着手すべきと繰返し求めてきたところであります。築43年の幕張キャンパスや築33年の仁戸名キャンパスでは、施設の老朽化・狭隘化が進み設備更新などへの対応も厳しい状況であります。また、高齢化の進展に伴う医療ニーズの増大、
医療と介護の多職種連携やチーム医療、新たな感染症対策など保健医療にかかわる環境や、時代の変化にも対応していく必要があります。まさに、千葉県の地域医療や、保健体制を担う中核的な専門人材の育成・確保は、喫緊の課題であり、県立保健医療大学に課せられた、使命でもあると考えます。特に、大学院の設置については、かねてから会派で求めてきたところであります。より高度で専門的な人材の育成や、新たな技術の習得や学び直しの場として、また県の健康づくり政策のシンクタンク機能を強化するためにも、県内市町村や民間を含めた様々なセクターとの連携による調査研究・フィードバックを行うプラットホームとしての大学院設置が必要と考えます。 今般示された新年度予算では保健医療大学の機能強化に向けた調査検討事業が盛り込まれ待望の一歩が踏み出されました。
そこで2点、お伺いいたします。保健医療大学のあり方について、これまでどのように検討されてきたのか。 また、検討の中でどのような課題が明らかになったのか。そして、保健医療大学には、地域の中核となる人材育成やシンクタンク機能の発揮が求められていると考えるが、今後どのように対応していくのか。お聞かせ下さい
次に、新たな感染症への対策対応についてであります。
昨年5月に新型コロナ感染法上の位置付けが5類に移行したものの、今年の冬は、季節性インフルエンザとの同時流行も見られ、感染症対策は予断を許さない状況であります。国は、新型コロナへの対応を踏まえて次の感染症危機に備えるために、令和4年12月に感染症法を改正しました。これに伴い、都道府県には今年4月1日から向こう6年間を期間とする感染症予防計画の改定が義務付けられました。この計画では、一つとして、保健・医療提供体制に関する記載事項の充実、ふたつとして医療提供体制、検査体制及び宿泊療養体制等にかかわる数値目標の設定 三つとして数値目標を担保するための医療機関や、民間検査機関、民間宿泊事業者等との協定の締結等々が盛り込まれる事となっております。本県でも改定作業が進められ1月末には予防計画案が示され、現在パブリックコメントが実施されているところであります。
そこで、2点、お伺いいたします。県は感染症予防計画の改定にどのように取り組んでいるのか。また、予防計画における千葉県の特色はなにか。そして、医療機関等との医療措置協定の締結に向けた進捗状況はどうか。をお聞かせ下さい。
そして、特に新たな、感染症に備えた保健所の機能強化については、対応を急ぐ必要があります。本県では、第6波オミクロン株が到来し感染爆発した際に、8カ月間で、延べ2万人を超える県の応援職員が全庁から保健所に派遣され、ファックスによる発生届のシステム入力や健康観察等に当たったという経験があります。感染症予防計画においても感染症拡大を想定し保健所の人員体制や設備等の整備、外部人材の受入体制の構築が求められております。しかし、人的資源には限りがあり、平時から各保健所における業務改善に向けて、ICTの活用も含めた体制整備を進めていかなければなりません。
そこで、お伺いいたします。保健所の機能強化に向けて県保健所における業務改善にどのように取り組んでいるのか。お聞かせ下さい。
次に、困難な問題を抱える女性への支援についてであります。
これまで、困難を抱える女性への支援については、昭和31年に制定された売春防止法に基づく婦人保護事業により実施されてきましたが、女性が抱える課題が多様化・複雑化・複合化する中で新しい法的な枠組みが必要とされてきました。その中で、2022年5月に議員立法により、支援を必要とする女性の状況に応じた包括的な支援を提供できるような体制を整備する法律が成立し、2024年4月から施行される事となりました。新法では都道府県に対して基本計画の策定や女性相談支援センターの設置を義務付けるほか、民間支援団体と協働して支援に出向く「アウトリーチ」の体制をとり、SOSを出せずにいる女性の支援につなげる事としております。本県では、来年度予算の新規事業として、民間支援団体と連携した支援事業が提案されておりまた、計画の策定も進められていると伺っております。新法を、より実効性のあるものにするためには、予算の確保、人材の育成、処遇改善なども行っていく必要があると考えます。
そこでお伺いします。千葉県における基本計画の策定状況はどうか。また本県が行う民間団体との協働については、どのような事業の実施を予定しているのかをお聞かせください。
次に、「千葉県留学生受入プログラム」についてであります。本事業はベトナムの日本語学校と提携し、ベトナム人留学生を介護人材として本県へと受け入れ、本県に所在する介護事業所などとマッチングするプログラムであり、平成31年から開始されております。コロナの影響もあり、留学生が就職する時期が1年遅れましたが来年度から38名の留学生が県内の介護事業所に、介護職員として就労開始すると聞いております。しかしながら介護分野における人材不足は、我が国に限ったことではなく、近隣諸国も本県同様にベトナムからの介護人材の確保に力を入れており待遇面や円安、物価高騰等の影響によりこの人材の争奪戦の中で、他国に完全に後れを取っております。よりよい人材が日本に来て、千葉県の介護事業所で働いてもらうためには、本県を選んでもらうための工夫が必要であります。
そこで伺います。介護分野におけるベトナム人留学生の確保状況はどうか。また人材確保に向けて、県は今後、どの様に取り組んでいくのか。
次に、「ちばアクアラインマラソン2024」(にいまるにいよん)についてであります。
一昨年に行われた「ちばアクアラインマラソン2022」(にいまるにいにい)おいては、開催日の、天気もよく4年ぶりの開催に約1万5千人のランナーが心地良い潮風と、陽光を浴びながら海の架け橋を疾走しました。このアクアラインマラソンは全国から来られたランナーの皆様方にも、アクアラインを中心とする房総の良さを知って頂けるものであると思いますし県の、体育・スポーツ推進計画で目指す「スポーツの価値の発信とスポーツによる地域づくり」にもつながるものであります。
知事にも一昨年の12月の質問で、ちばアクアラインマラソン2022(にいまるにいにい)の大会運営の結果を主催者としてどう評価しているのかと聞かせて頂きましたが
「新型コロナウイルス感染症が、懸念される中にあっても、定員の2倍を超える応募があったこと、当日、本県の魅力を発信するイベント会場に多くの方にお越しをいただいた事などから、改めてちばアクアラインマラソンの魅力が認識されたものと考えている」との回答を頂き、その中で、今年11月の6回目の開催を決めて頂きました。
そこでお伺いいたします。現在の準備状況はどうか。また、より多くの方に参加いただける魅力ある大会とするため、どのように取り組んでいくのかをお聞かせください。
次に、地域経済の活性化についてであります。
物価上昇が急激に進み、経済環境が変化する中にあって、賃金水準の上昇が、喫緊の課題となっております。現在行われている企業に対する補助や税制面等の公的な支援には限度があり、継続的な賃金水準の上昇には、個々の労働者の学び直しによるスキルの向上や企業の生産性の向上が欠かすことができません。
そこでお伺いいたします。県内企業が賃上げできる環境整備に向けて、県はどのように取り組んでいるのかをお聞かせください。
また、県では地域経済活性化の手法として、これまでも企業誘致の取組みを進めて頂いております。 さる2月6日には都内で企業誘致セミナーが行われ会派の議員も参加しましたが、102団体154名が参加され大変な熱気を感じるイベントでもありました。その中で、近年では、かつて県内に数多く進出してきた製造業や研究所などよりも、大規模な物流施設が、都市近郊に進出することが多くなっているように感じております。 県内における新たな企業の立地は言うまでもなく歓迎すべき事ではありますが、地域における雇用や経済面への効果はどのような企業が立地して頂けるかで変わります。県内の限りある企業用地を有効に活かすためにも、地域への経済効果を十分に検討する事も必要と考えます。
そこで伺います。地域経済の活性化のために、県はどのように企業誘致を推進していくのか。また、近年の製造業や研究所・物流施設の立地動向はどうか。そして、立地企業補助金交付による経済効果をどのように捉えているか。また、地域経済の活性化に資する企業を誘致するために、補助制度の見直しを柔軟に
行っていくべきと思うがどうか。お聞かせ下さい
次に、森林環境譲与税の活用についてであります。
森林の有する公益的機能は地球温暖化防止のみならず国土の保全や、水源の涵養(かんよう)等、国民に広く恩恵を与えるものであり適切な森林の整備等を進めていく事は、我が国の国土や国民の生命を守る事につながります。
この考えの基に創設された森林環境譲与税ですが、財源となる「森林環境税」の課税が来年度から始まり、各市町村ではこの財源を活用して森林の整備を進めていく事となります。すでに令和元年度から市町村が私有林の経営管理を受託する仕組みである「森林経営管理制度」が施行され、現在、県内14市町村が県の支援によって森林整備方針等を定めた計画策定を済ませその歩みを進めております。しかしながら、所有者や境界が分からない森林の増加や林業の担い手の不足が大きな課題ともなっております。とりわけ、本県の特有の課題は、私有林の筆数の多さであり、今後も多くの業務を担う市町村の支援を続けていく必要があります。
そこでお伺いいたします。森林環境譲与税の更なる活用に向けて、県はどのように取り組んでいくのかお聞かせください。
次に、東京湾アクアラインロードプライシング社会実験と6車線化についてであります。
アクアラインの通行料金の普通車の800円化が実現して早いもので14年7か月となります。この通行料金の引き下げは、アクアラインと一体となって首都圏の広域的な幹線道路ネットワークを形成するとともに利用者の経済的負担の軽減や時間短縮などにより、本県の大都市隣接の優位性を飛躍的に高めております。しかし、通行台数が普通車の800円化が実現した平成21年度の29300 台から令和4年度には51800台ととなり、令和5年のゴールデンウィークの10日間には10km以上の渋滞が5日も発生するなど、交通渋滞の緩和が必要ともなってきました。そのため現在、土日祝日の混雑緩和のための、ETC、時間帯別料金の、普通車600円から1200円の社会実験が行われております。しかし、この実験を行うことによりこれまで活用が拡がり、増えてきた通行台数が減ってしまうとしたら本末転倒である訳でもあります。
そこでお伺いします。時間帯別料金の社会実験期間中の交通状況はどうか。お聞かせください。
また、アクアラインの社会実験は、一部県負担の中行われております。実験開始時の平成21年8月には、年間15億円だったものが、平成26年度には5億円となり続いておりましたが、令和6年度の予算案では、4億2000万円と8000万円下がっております。
そこでお伺いします。この東京湾アクアライン料金割引事業の必要な予算額を減額した理由は何か。をお聞かせ下さい。
そして、アクアラインは、橋梁が4車線から6車線に拡幅が可能な構造となっているほか、3本目のトンネルを掘り進めることが可能な構造となっており、県として、令和6年度の国の施策に対する重点提案要望の中に中長期的な目標としてアクアラインの6車線化をいれました。また、私も所属する信田議員を会長とする超党派の千葉県議会観光、推進議員連盟でも、昨年の9月に高滝湖のグランピング施設とアクアラインの海ほたるの視察させていただきました。その際、海ほたるではアクアラインの現在の状況を聞かせて頂くとともに、アクアラインの6車線化が、可能である事を聞かせて頂いた次第であります。
そこで、お伺いいたします。 東京湾アクアラインの6車線化に向けた県の取組はどうか。お聞かせください。
次に民間人材(塾講師)による専科指導、研究事業についてであります。
今年度、実施されている公立小学校の算数授業で塾講師を活用し学力向上をさせようという検証について、塾講師に、「授業を教えてもらえるのは、有り難い」という声も聞こえてきました。一方でテレビ報道では、一斉授業の風景が報映され塾講師の授業がうまく児童も保護者も塾講師の授業を望んでいるような印象を与え、教員から授業する仕事を「奪わないでほしい」といった声も寄せられてきました。本事業の報道内容が、教職員や市民に誤解を与えるものであったのかもしれません。社会のあり方が大きく変わり学校の意義や、教員の存在価値を問い直す動きも出ています。教員の多忙や教員の不足、教員の質の確保などさまざまな課題の中、本事業は千葉県のこれからの教育の方向性を左右するものになると考えます。
そこで、お伺いいたします。民間人材(塾講師)による専科指導研究事業の目的は何か。また、どのように実施しているのか。をお聞かせ下さい。
次に学校給食費の無償化についてであります。
この給食費の無償化につきましては、これまでも何度も質問をさせて頂いておりますが、子育て支援としてどうしても行って頂きたい施策であるためご容赦頂きたいと思います。 給食費の無償化には3点の利点があります。1点目は、現在の本県での給食費は小学校低学年から学校で月平均4,700円~5,500円という金額であります。同時に兄弟で複数の児童が通学されている家庭には大きな経済的な負担であり、その負担を低減できる事であります。2点目は、子供には食事を与えるという普通に考えなければならない事でありますが、それが出来ていないまた経済的にできない家庭もあります。その中で学校に行けば、必ず子供達はご飯を食べる事が出来ることとなる、事であります。そして3点目は給食費の徴収の際に滞納が起きる場合がありますが、その煩雑な作業を教職員、行政から取り除くことが出来る事であります。そして、毎回お話しさせて頂いておりますが人口減少の問題であります。2022年に生まれた日本人の子どもは77万747人と初めて80万人を割り込み、2023年は71万人台まで下がるのではとの予想がされております。子供をなぜ生まないかとの質問の中で一番に上げられる事が経済的な理由であり、そこで行わなければならないのが子育て支援の充実であり、子育て支援の中で一番子供たちに公平に支援がいきわたる事が出来ると考えられるのが、学校給食費の無償化であります。熊谷知事におかれましても、多子世帯の経済的負担の軽減を図るため、市町村と連携し第3子以降の義務教育期間における学校給食費の無償化を、令和5年1月から実施しました。その中で、東京23区ではすでに2023年4月より9つの区が給食費を無償化にしており、また東京都は、保護者の負担軽減に取り組む、区市町村を支援するため、6年度から、最大で半額を補助する方針を決めたとの事であります。
そこで、お伺いいたします。県が行っている第3子以降の無償化の状況と各市町村の無償化の状況はどうかまた、県として今後無償化をどのように広げていくのか。お聞かせ下さい。
次に、部活動の地域移行についてであります。
現在、千葉県内の各市町村において公立中学校の休日の部活動の地域移行に向けた取組みが行われております。スポーツ庁と文化庁が2022年12月に策定したガイドラインに基づき、まずは2023年度から3年間かけて、「公立中学校」の「休日」の「運動部」の部活動を、段階的に地域移行しようとしています。しかし、まだ部活動の地域移行についての内容が、市民に正確に伝わっておらず、議論も混乱しているとも感じます。
そこで、お伺いいたします。県では部活動の地域移行についての周知をどのように進めているのか、をお聞かせ下さい。また、今後、県は部活動の地域移行について、どのような方針で進めていくのか。をお聞かせ下さい。
最後に犯罪抑止についてであります。
新型コロナウイルス感染症も5類へと移行し、人の流れも経済も活発化しています。この事から犯罪件数も増える事が容易に予想されます。県民の安心・安全の確保に向けて、千葉県警察として犯罪の抑止と対応がより一層求められております。県内の刑法犯、認知件数は令和2年をピークに毎年減少していましたが、令和5年中は約3万7千件との報道もあり、前年から4826件増加したとの事であります。実効性のある犯罪抑止対策を推進するため、犯罪発生状況を分析検証し、より効果的な対策を推進し、被害を一件でも減らしていく必要があります。
そこでお伺いいたします。令和5年中の犯罪発生の状況はどうか。また、令和6年中はどのような対策を実施するのかお聞かせください。
そして、犯罪の中の、「受験期における痴漢行為の撲滅に向けた取り組みについて」でありますが、今まさに、受験シーズンのさなかであります。「受験生は入試の時間に遅れたくないため、痴漢被害を訴えられない」として痴漢をそそのかす投稿がSNSで拡散しました。そのため、今年1月の大学入試の共通テストの時期には、内閣府男女共同参画局や、大学入試センターが受験生を痴漢から守るための対応策を発表しており、痴漢対策は、国を挙げての取り組みとなっております。本日は、ちょうど千葉県公立高等学校入学試験の第一日目でもあります。
そこでお伺います。受験期における痴漢行為撲滅のため、県警はどのような対策をしているのか。 また、受験生を守る立場から県教育委員会はどのような対応をとっているのか。お聞かせ下さい
以上1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。
–議長
髙橋浩くんの質問に対する当局の答弁を求めます。知事、熊谷俊人君。
–熊谷俊人 知事
立憲民主党の髙橋浩議員の代表質問にお答えをいたします。
まず政治姿勢についてお答えします。津波災害警戒区域についてどのように指定を進めていくのかとのご質問ですが、津波災害警戒区域は、最大クラスの津波が発生した場合に、住民等の生命や身体に危害が生ずるおそれがある区域であり、指定により、市町村における津波ハザードマップの作成や避難訓練の実施、避難施設の確保など、津波に対する避難経費、警戒避難体制の強化が図られます。県ではこれまで市町村に対し、説明会や意見交換の場を通して、区域指定の必要性についての理解促進を図るとともに、指定に必要な基礎資料の作成を行い、昨年7月には区域指定の範囲などについて県の基本的な考え方を示したところです。現在この考え方に対して市町村から寄せられた様々な意見への対応を検討しているところであり、引き続き市町村と協力をしながら早期の指定を目指してまいります。
孤立集落の把握と備蓄に関するご質問ですが集落の孤立災害時に道路などの交通インフラが寸断されることで生じることから、アクセス道路が土砂災害警戒区域に接している地域などにおいて発生の可能性が高いものと考えています。土砂災害警戒区域については令和、6年1月末時点で1万1847ヶ所が指定をされており今後指定に向け基礎調査を行う。約9000ヶ所も含め、土砂災害が交通インフラに及ぼす影響などを考慮に入れながら、集落が孤立する可能性について、改めて精査をしているところです。また孤立の可能性のある集落については、各地域の状況を把握した上で、避難所における備蓄を強化するなどの対策を検討してまいります。
倫理条例の運用の厳格化、罰則規定の強化に関するご質問ですが、千葉県職員倫理条例は平成29年に起きた官製談合防止法違反事件を受けて、職務の執行の公正さに対する県民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、公務に対する県民の信頼を確保することを目的に制定をいたしました。そのため職員が遵守すべき事項を明確にし、併せて違反した場合の処分基準を定めております。今回の事件を受けて、現在外部有識者による県土整備部における不適正事案に係る検討会議での調査検証を進めており、今後職員倫理条例の遵守を徹底させるための有効な対策の検討を行ってまいります。
次に職員の確保育成についてお答えいたします。県職員の働き方改革についてのご質問ですが、職員が働きやすい環境を整備し、採用した職員の定着や育成を図っていくことは、多様で有為な人材を確保し、質の高い県民サービスを安定的に提供していくために重要であると考えています。このため令和6年度にウェルビーイング推進室を新設して、職員1人1人が安心して能力を発揮できる職場環境を構築していくこととしており、具体的には、勤務時間を柔軟に設定できるフレックスタイム制や、ときと場所を選ばずに研修を受講できるシステムなど、様々な制度や仕組みを導入していく予定です。
今後も職員やこれから受験を考えている皆さん、ここで働きたい、働き続けたいと思ってもらえるような千葉県庁職員とともに築いてまいります。
次に多様性尊重条例についてお答えをいたします。条例制定を受けた今後の取り組みについてのご質問ですが、これまで男女共同参画や高齢者、障害者福祉、多文化共生など各分野の施策は、個々の条例や計画等に基づき、各部局において進められてきたところです。令和6年度の組織の見直しでは、男女共同参画課を男女共同参画室と企画調整室を置く多様性社会推進課に改組することとしており今後は同課が多様性尊重関連施策の部局横断的な総合調整を行うとともに、男女共同参画についても一層の推進を図ってまいります。また令和6年度当初予算案では、多様性尊重に関連する多くの新規拡充事業を計上して、取り組みの充実を図ったところであり、条例の理念を町内に一層浸透させ、生きづらさの解消や、多様な人材が活躍できる千葉県作り、全庁挙げて取り組んでまいります。
男女共同参画の視点からの事業に関するご質問ですが、多様性尊重条例を制定し、目指す社会として、男女いずれもが性別を理由とする不利益を受けることなく、社会の対等な構成員としてともに活躍する社会を位置づけたことにより、県民や企業等と男女共同参画の意義を共有し推進していく土台が整ったと考えています。新たな取り組みとして、幅広い業種の企業経営者等に男女共同参画の積極的な推進を働きかけるイベントの開催や、困難な問題を抱える女性に対する居場所の提供等の支援を実施するとともに、引き続き効果的な県民向け啓発事業を行うなど取り組みの充実を図ります。今後条例の理念を踏まえ、男女共同参画の考え方を県政のあらゆる分野の施策にしっかりと反映させていくとともに、県民、企業団体、市町村など様々な主体と緊密に連携し、県全体で男女がともに活躍する社会の実現に向け、より一層取り組んでまいります。
次に県立保健医療大学のあり方についてお答えをいたします。今後の対応についてのご質問ですが、保健医療大学ではこれまで約2000名の保健医療人材を育成してきた他、本県はもとより、県内の自治体や職能団体が主催する委員会等に参画をし、研究機関として県の政策運営に貢献をしてまいりました。今後在宅医療等の進展や、複雑化する地域課題などの環境変化に対応するためには、地域のリーダーとなりうる保健医療人材の育成が急務であるとともに、保健医療現場の実情を踏まえた施策提案ができるシンクタンク機能の更なる強化が必要であると考えています。
そこで来年度将来を見据えた大学の機能強化に向け、外部有識者等で構成する検討会を設置し、学部学科の構成や教育内容、大学院の設置可能性などについて幅広く調査検討してまいります。
次にちばアクアラインマラソン2024についてお答えいたします。
より多くの方に参加いただける大会とするための取り組みについてのご質問ですが、2024大会では障害の有無や年齢に関わらず、より多くの方に、海の上を走る楽しさを体験していただけるよう、前回好評だった生活用車いすや親子で参加できるランニングイベントの拡充などを検討しているところです。また大会を本県の魅力をより幅広くPRするため、新たに本県ゆかりのスポーツ選手や協賛企業の社員の皆様の出演による大会PR動画を作成する他、オフィシャルアンバサダー、オフィシャルアンバサダーとして13名の著名なインフルエンサーを起用するなど、SNSによる情報発信を強化してまいります。引き続き地元自治体や関係機関とも連携し、国内外から参加するランナーや、大会を支えるボランティアなど、大会に関わる多くの方々とともに、より魅力ある大会となるよう取り組んでまいります。
最後に地域経済の活性化についてお答えをいたします企業誘致についてのご質問ですが、企業誘致は新たな雇用の場の確保を初め、県および市町村の税収の増加、さらには地元企業との取引拡大など、地域経済の活性化に繋がるものであり、積極的に取り組む必要があると認識をしています。本県は今後成田空港の機能強化や道路ネットワークの整備進展により、広域、広域的拠点性が高まるため、こうしたポテンシャルを広くPRすることで、様々な企業からの投資を呼び込む絶好の機会になると考えています。そのため県では企業誘致セミナーの開催や、今後成長が見込まれる産業や企業への直接訪問を通じて、千葉の魅力を発信するとともに、立地企業補助金を積極的に活用することで企業誘致を強力に進めてまいります。
補助金による経済効果および制度の見直しについてのご質問ですが、補助金交付による経済効果について、令和4年度に補助金を交付した22社を例に挙げると、合計で2億5207万円の補助金を交付しておりますが、これらの企業では操業開始するまでの間に480億円の建設投資が行われ、5129人の雇用が確保されました。その他地元企業との取引拡大などもあり、補助金の効果が大きいものと考えています。補助制度の見直しについては令和5年度に本社や研究所に関し、オフィス等の賃借による立地に立地ニーズを捉え、賃借型の制度を設けたところです。また令和6年度は製造業の工場の新規立地について、これまで工業団地内の未分譲地への立地に限定していた補助の補助対象のエリアを工業団地以外の遊休地などにも広げ、製造業の誘致を強化することといたしました。今後も県経済の活性化に資する企業誘致するため柔軟に制度の見直しを検討してまいります。
私からは以上でございます。他の質問につきましては副知事および担当部局長からお答えをいたします。
–議長
副知事、穴澤幸男君
–穴澤幸男 副知事
私からはまず、防災対策についてお答えいたします。住宅の耐震化が進んでいない自治体への対応についてのご質問ですが、県全体の住宅の耐震化率は、平成30年時点で約92%と推計され、全国平均の87%を上回っていますが、その一方で、市町村別では50%台が4団体、60%台と70%台がそれぞれ8団体と、耐震化が進んでいない自治体があります。また、国県において、市町村が行う耐震診断や耐震改修の費用について助成しておりますが、未活用の市町村が、耐震診断では2団体、耐震改修では6団体あります。県としては、能登半島地震における被害状況も踏まえ、県民に対し、耐震化対策の必要性を改めて啓発するとともに、市町村に対し積極的な助成制度の活用を働きかけてまいります。
県内水道事業体の水道施設の耐震化に関するご質問ですが、水道施設の耐震化は、災害時における安定給水を確保する上で大変重要であり、各水道事業体において、施設の統廃合予定やバックアップの可否などによる整備の優先度などなどを踏まえ、計画的に進める必要があると考えています。本県においては、令和3年度末時点で、43水道事業体のうち、耐震化率等が10%未満の事業体制は、基幹管路で8浄水施設で19、配水池で11となっています。県としては引き続き、各水道事業体に対し、国の補助制度を有効に活用し、計画的に耐震化を進めるよう、助言するとともに、国に対し、補助率の引き上げや採択基準の緩和などを要望してまいります。
指定避難所におけるマンホールトイレに関するご質問ですが、県内の人口20万以上の8市における指定避難所、1016ヶ所のうちマンホールトイレを設置しているのは、令和4年12月1日現在、269ヶ所で、設置率は26%となっています。マンホールトイレは災害時の避難所における衛生的なトイレ環境を確保する有効な手段の一つであることから、避難所運営の手引きにおいて、その設置を促すとともに、地域防災力充実強化補助金の助成対象としているところです。
今後もマンホールトイレの設置も含め、避難所におけるトイレ環境の整備に向けた市町村の取り組みを支援してまいります。
次に、職員の不祥事についてお答えいたします。倫理条例の運用状況に関するご質問ですが、千葉県職員倫理条例では、許認可や補助金の交付を受けようとする者などを利害関係者として位置づけ、被害関係者から金銭や物品の贈与などを受ける行為を禁止行為としているところです。また、利害関係者と自己負担等により、飲食する場合であって、自己の飲食に関わる費用が1万円を超えるときは、事前に倫理監督者である総務部長に届け出ることになっており、令和4年度は12件令和5年度は1月末現在で45件の届け出がなされているところです。
入札契約のあり方の見直しについてのご質問ですが、効果を公共工事における入札契約については、事業や契約の内容が多岐にわたる状況を踏まえ、一定金額以上の工事を除き、設計積算、入札契約の一覧の事務を、現場に精通している各所属が行っています。こうした入札契約のあり方等については、外部有識者による検討会議のもとに設置した県土整備専門部会において調査検証していくことにいたしました。昨日開催した同専門部会では、本県における入札の制度や情報管理の実態等を踏まえた調査検証の方向性などについて、議論されたところであり、今後速やかに調査等に着手するとともに、これに基づく再発防止策を早急に策定し、必要な見直しを図ってまいります。
内部統制制度に関するご質問ですが、地方公営企業においては、地方自治法に基づかない自主的な取り組みとして、内部統制制度の導入を進めており、企業局では、令和3年度から運用を開始し、また、病院局では令和5年度から本庁で試験的に導入し、その後、各病院へ広げていくこととしています。公社等外郭団体に対しては、各所管課から、県の内部統制制度の取り組みを情報提供し、内部統制体制の導入やその他の取り組みを促しているところです。本県における内部統制の対象事務は、財務に関する事務としているところですが、依然として財務事務の誤りが散見され、監査委員からも、財務事務の適正化を引き続き求められていることから、まずは現行の通り、財務事業を対象に、内部統制制度の浸透を図ってまいります。
次に、職員の確保育成についてお答えいたします。職員の採用についてのご質問ですが、令和5年度の職員採用試験における充足率の低い職種は、2月2日時点で、児童指導員は採用予定者数57名に対し、採用見込み見込み者数13名で、充足率22.8%同様に前期は30名に対し7名で23.3%、林業は6名に対し2名で33.3%、土木は94名に対し36名で38.3%、保育士は33名に対し15名で45.5%などとなっています。県ではこれまでも採用試験の複数回実施や受験要件の緩和等に取り組んで来ましたが、令和6年度からは社会人や、民間企業等を志望する方でも受験しやすいよう、技術および資格免許職において、教養試験を廃止することとしました。今後も必要な人材の確保に向けて、人事委員会などと連携しながら、試験制度の見直しや、千葉県で働く魅力のPRなど、様々な取り組みを実施してまいります。
次に、多様性尊重条例について、外国人への日本語教育に関するご質問ですが、近年本県に在住する外国人が増加する中、日本人と外国人の双方が地域で安心して暮らすためには、日本語での意思疎通が重要であり、地域における日本語教育環境の整備が必要です。そこで県では、生活者としての日本語能力を身に着け、日本の文化や社会のルールも学べる場となる地域日本語教室の充実を図るため、体制整備に係る経費を市町村へ助成するなど取り組みを進めているところです。また、義務教育年齢を超過した外国籍の子供の日本語学習環境を整備するため、新たに高校就学のための日本語指導等を行う団体に対する事業費の助成制度を創設することとしており、今後もこうした取り組みによって、日本語教育環境の充実に取り組んでまいります。
災害時の外国人への支援についてのご質問ですが、近年、各地で災害が頻発する中、日本の災害に関する知識が乏しい外国人は、災害時に適切な避難行動をとらないことにより、被災してしまったり、必要な支援が受けられないといったことが懸念されます。そこで県では、発生時に災害時多言語支援センターを立ち上げ、多言語での情報発信や相談対応を行うとともに、平時には、災害時に外国人を支援する人材の養成講座を開催する他、各市町村の取り組みを取りまとめ、共有を図っているところです。今後も市町村や関係団体と連携し、実践的な訓練を実施するなど、災害時に外国人を円滑に支援できる体制の整備に取り組んでまいります。
次に、森林環境譲与税の活用に向けた県の取り組みについてのご質問にお答えいたします。これこれまで県では、森林環境譲与税を活用して、県内の森林が適切に整備されるよう、市町村における森林の整備方針等の策定支援や、市町村の広域連携による森林整備等を進めるモデルの構築などに取り組んできたところです。一方市町村では、森林整備を行う箇所の選定や地権者との調整に多くの手間を要するなどの課題があり、森林整備の進み具合にも差があることから、令和3年に森林経営管理協議会を設立し、個別具体の課題に応じ市町村を支援してきました。さらに来年度からは、本協議会と連携しながら、各市町村の状況に応じた森林管理の集約化や実行計画の作成を新たに支援するなど、森林環境譲与税を活用した取り組みを促進して促進してまいります。
次にアクアラインについてお答えいたします。アクアラインの社会実験についてのご質問ですが、社会実験開始も、4ヶ月間の上り線の1日当たりの交通量は約3万100台であり、過去最高を記録した。令和4年度の交通量約2万9300台と比較して増加しています。社会実験により、混雑する時間帯の交通量が前後の時間帯に分散され、渋滞による時間のロスは、実験前と比較して、土曜日で約31%、日曜日で約21%減少しています。また、最大渋滞長は、実験前と比較して約13%減少するなど、混雑の緩和に一定の効果が確認されているところです。しかし現時点では、短期的なデータの収集にとどまることなどから、現行の社会実験を1年間継続する予定としており、引き続き交通データ等を分析評価し、交通分散の効果を確認してまいります。東京湾アクアライン料金割引事業についてのご質問ですが、アクアライン料金割引事業は、高速道路会社の料金収入に影響を生じさせないための費用として、国と千葉県が負担するものです。今年度実施している社会実験において、料金収入が増加する見込みであり、現行の社会実験を同じ料金メニューで、令和6年度末まで1年間継続する予定であることなどから、令和6年度当初予算では、4億2000万円に減額して計上しております。
最後にアクアラインの6車線化についてのご質問ですが、平成9年に4車線で開通した東京湾アクアラインは、海底の軟弱地盤を掘削するなどの様々な困難に対し、最先端の技術とノウハウを集結して建設されましたが、橋梁の拡幅や海底トンネルの増設により、将来的に6車線化が可能な構造となっております。県としては、本県の将来の発展等、更なる交通需要の増加に対応していくため、6車線化など、交通容量の拡充方策について、中長期的な視点から検討する必要があると考えております。昨年は国の政策に対する重点提案要望などにおいて、国による検討を求めたところであり、引き続き様々な機会を捉えて要望してまいります。私からは以上でございます。
–議長
副知事 黒野嘉之君
–黒野嘉之 副知事
私からまず、口腔ケア用品の災害用の備蓄についてのご質問にお答えいたします。
災害時の避難生活において適切に口腔ケアを行うことは、口腔内の不衛生を原因とした誤嚥性肺炎による災害関連死を予防する上で重要であると考えております。昨年10月に県が実施した調査では、歯ブラシなどの口腔ケア用品を災害用に備蓄している市町村は、20団体となっており、平成29年の調査時における13団体から7団体増加しております。県では災害時の口腔ケア用品の備えについて、県ホームページや啓発リーフレットで周知するとともに、市町村担当者向けに、災害時の歯科保健をテーマとする研修会を開催するなど、災害時の口腔ケアの重要性について周知してまいります。
次に保健医療大学のあり方検討に関するご質問ですが、保健医療大学は開学以来、本県の保健医療の向上に寄与する多くの人材を輩出してきましたが、昨今の保健医療を取り巻く環境の変化、複雑化に伴い、求められる人材像や大学像は多様化してきていると考えております。県ではこれまで、保健医療大学のあり方について、大学との意見交換や、保健医療関係者へのヒアリングおよび他の公立大学の事例研究などを通じて、直面している課題を整理するなどを検討を進めてまいりました。その結果、時代のニーズに対応した高度専門人材の育成や、政策提言制度研究の機能の強化が求められており、具体的な対応に向け、更なる検討が必要と認識しております。
次に、新たな感染症への対応についてお答えいたします。感染症予防計画に関するご質問ですが、県では新型コロナウイルス感染症に対応した経験等から、新興感染症の発生、蔓延に備え、迅速な対応ができる体制整備を平時から進めていくことが重要と認識しております。そのため、感染症対策を担う保健所設置や、感染症指定医療機関等の関係団体で構成する。千葉県感染症対策連携協議会を設置し、国の指針も参考にしながら、体制整備の柱となる感染症予防計画の改定を進め、現在パブリックコメントを実施しているところです。
本県の予防計画案の特徴としましては、成田空港等の海外との交流拠点を抱えていることから、検疫所や周辺医療機関等との連携について、特に充実した記載とするとともに、患者の人権への配慮に加えまして、医療関係者等の人権配慮についても新たに記載をしております。
次に医療措置協定に関するご質問ですが、感染症法の改正により、新興感染症が発生蔓延した際に、速やかに入院、外来医療、外来医療等に係る有事の医療提供体制に移行できるよう、平時から県と医療機関等が感染症発生時に担う機能や役割を協議し、協定を締結する仕組みが法定化されたところです。県では協定の締結に向け、昨年7月に医療機関、薬局、訪問看護事業所、合計7554施設に対して、新興感染症が発生、蔓延した場合に提供可能な医療機能や、その規模について把握するための事前調査を実施いたしました。現在入院外来などの医療提供に対応可能と、回答のあった4175施設と、協定締結に向けた個別の協議を進めているところであり、引き続き協定締結医療機関の確保に取り組んでまいります。
次に保健所における業務改善の取り組みについてのご質問ですが、感染症への対応を初め、保健所に期待される役割が多様化する中、地域保健に関する拠点としての機能を強化するためには、更なる業務効率化を進める必要我々と認識しております。このため今年度は、保健所の事務に関し事務プロセスの分析を行い、オンライン申請やデジタル技術を活用した効率的な事務処理方法の導入を進めている他、コンサルタントからの提案を受けて、作業手順の簡素化、標準化に向けた見直しを行うこととしております。
さらに来年度は、各保健所において実施されている業務のうち、集約による効率化が見込まれるものについて、効果的な運営方法等の検討を予定しており、引き続き保健所の更なる業務改善に取り組んでまいります。
次に困難な問題を抱える女性の支援についてお答えいたします。
基本計画の策定状況に関するご質問ですが、本年4月の困難女性支援法の施行に向け、県では学識経験者や弁護士、民間支援団体等から成る検討会議を設置して、千葉県、困難な問題を抱える女性支援基本計画案を作成したところです。
この計画では、生活困窮や家族関係の破綻など、困難な問題を抱える若年女性等を支援に繋いでいくための仕組みの構築や、民間支援団体との協働による支援、支援調整会議の設置による連携体制の強化等を進めていくこと等を定めることとしております。現在、パブリックコメントを実施しているところであり、年度内をめどに作業を進め、基本計画として公表する予定です。次に民間団体との協働による事業に関するご質問ですが、困難な問題を抱える女性は、その把握が困難であり、行政の支援が届きにくいことから、女性サポートセンターや婦人相談員等の既存の公的支援だけではなく、専門的な知見や独自の支援ノウハウを持つ民間支援団体との協働が必要です。そのため県では来年度から夜間の繁華街等にいる若年女性等から悩みを聞き取り、支援に繋げるアウトリーチや、電話やメール、SNS等による相談支援、一時的に安心して立ち寄ることができる居場所の提供を、民間支援団体と共同して実施する予定です。引き続き、県市町村、民間支援団体が連携して、困難な問題を抱える女性が適切な支援を受けられるよう取り組んでまいります。
次に外国人介護人材確保についてお答えいたします。ベトナム人留学生確保の状況と今後の取り組みについてのご質問ですが、県では外国人介護人材確保のため、留学生が介護福祉士の資格を取得し、県内の介護施設で長期間就労することができる留学生受け入れプログラムを実施しております。
留学生確保の状況ですが、令和元年度の第1期生38名は、この3月には介護福祉士養成施設を卒業し、4月から介護福祉士として、県内介護施設で終了予定であり、第2期生42名および第3期生31名は、介護福祉士養成校に、第4期生43名は県内日本語学校にそして第5期生63名は、ベトナムの日本語学校にそれぞれ在学中です。
今後の取り組みについては、第1期生の受け入れプログラム終了後の就労状況の確認やフォローアップとともに、留学生や介護施設等の意見等も踏まえ、人材確保に資する制度となるよう、さらに検討してまいります。
次にちばアクアラインマラソン2024についてお答えいたします。現在の準備状況についてのご質問ですが、ちばアクアラインマラソン2024については、スポーツの振興と千葉県の魅力発信を2本柱とし、多くの人と人々とともに、スポーツの持つ力で地域の活性化を図る大会となるよう、11月10日の開催に向け取り組んでいるところです。まずは来月20日から始まるランナー募集に向けて、公式SNSやホームページを初め様々な広報媒体を活用し、大会の魅力等についての情報を発信する他、完走メダルデザインの一般投票を開始するなど、機運醸成を図っているところです。また、大会実施計画の内容や危機管理に関するマニュアルの見直しを行うなど、ランナーがより安心して参加できる大会となるよう、地元自治体等関係者の皆様と連携を図りながら、着実に準備を進めてまいります。次に地域経済の活性化についてお答えいたします。
企業の賃上げについてのご質問ですが、中小企業が持続的に賃金の引き上げを行うためには、生産性の向上や適切な価格転嫁などにより、賃上げの原資を確保できる環境を整備することが重要です。このため県では令和6年度当初予算および今年度の補正予算において、中小企業の生産性向上に資する設備投資への助成を40億円て40億円規模に拡大するとともに、デジタル技術の活用促進に向けた伴走支援の強化、従業員のリスキリングへの支援など、賃上げの環境整備に向けた様々な方策に取り組んでいくこととしております。
また、本年1月19日には、県、市町村、関係官庁および労使団体、金融機関等で構成する。千葉の魅力ある職場作り労使会議において、共同宣言を行ったところであり、今後、各企業への働きかけを一層強化し、官民一体となって、適切な価格転嫁と生産性向上による持続的な賃上げに取り組んでまいります。
最後に近年の立地動向についてのご質問ですが、平成30年から令和4年の5年間における、製造業や研究所、物流施設を合わせた県内の立地件数は増加傾向にあり、特に令和4年は98件と、現在の方法で統計を取り始めて以来最高となりました。過去5年間の業種別の立地件数を見ますと、製造業は108件、研究所は7件物流施設は246件となっており、県北西部を中心に物流施設の立地が多い状況にあります。物流施設については、オンライン商品の需要拡大などにより、今後も継続して立地が増加していくものと思われます。また、製造業についても、新型コロナウイルス感染症の影響により減少しておりましたが、企業の設備投資の回復などから増加に転じており、今後も堅調な立地が続くものと考えております。
私からは以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君
–冨塚昌子 教育長
初めに塾講師による専科指導研究事業についてのご質問にお答えいたします。
本事業は、教員と塾講師による指導のそれぞれの優れている点について調査分析することで、効果的な指導方法を明らかにし、教員の指導力向上に繋げることを目的としております。具体的には、小学校算数科において、同じ単元の指導を教員と塾講師それぞれが行い、児童への意識調査や学力テストなど多面的な評価を通して、学習指導要領が求める主体的対話的で深い学びの実現や、学ぶ意欲、学力への効果等について検証することとしています。現在千葉大学に委託して検証を行っているところであり、その結果を踏まえ、効果的な指導のあり方を県内に周知するとともに、教員研修で活用するなど、授業改善に繋げてまいります。
次に県が行っている学校給食費の第3子以降の無償化事業と各市町村の状況についてのご質問ですが、県の補助事業を活用して無償化に取り組む市町村は、事業を開始した令和5年1月時点の46市町から、令和6年1月時点では53市町村に増加しています。またこのうち市町村独自の取り組みとして、期間を定めず、全ての児童生徒を無償化の対象としている自治体が13市町、期間を限定した上で、全ての児童生徒を対象としている自治体が7市ある他、全ての児童生徒が対象ではないものの、特定の学年などに限り、県の事業より対象を拡大している自治体自治体が3市あります。
給食費無償化を今後どのように広げていくのかとのご質問ですが、子供が多い世帯について、経済的負担の軽減を図るため、市町村と連携して取り組む本事業は、大変重要な施策であると考えております。県教育委員会としては、現行の事業を令和6年度も継続して実施していくとともに、児童生徒の健全な成長発達に資する学校給食については、本来国が制度設計すべきと考えており、引き続き国に対し、市町村への財政支援を要望してまいります。
次に部活動の地域移行の周知についてのご質問ですが、県教育委員会では、地域移行の趣旨や現在の県の取り組み状況等について、ホームページやSNSを活用して広報しています。また市町村が開催する保護者や地域向けの説明会において、各教育事務所に配置したコーディネーターが今後の見通しや実施体制などについて直接説明し、具体的な質問を受けるなど、きめ細かな対応に努めています。一方で、保護者負担のあり方や、練習場所の確保などの詳細については未確定である地域も多いことから、決定次第速やかに必要な情報を提供し、丁寧に説明するよう市町村に対し助言してまいります。
地域移行に関する県の方針についてのご質問ですが、県教育委員会では、全ての市町村がそれぞれの地域資源などの現状を把握した上で、段階を追って計画的に移行進めることが重要であると考えております。このため、県のガイドラインにおいては、国の改革推進期間を踏まえ、各市町村が令和5年度から段階的に移行に取り組みながら、全ての部活動の移行完了までの推進計画を令和7年度末までに作成するよう求めています。今後は、全県的な進捗状況の確認や、人材バンクの運用等に取り組む統括コーディネーターを新たに本庁に配置し、より広域的な情報提供を行うなど、全ての市町村が着実に地域移行を進めていけるよう支援してまいります。
最後に、痴漢被害から受験生を守るための対応についてのご質問ですが、高等学校入学者選抜は、生徒にとって、進路を左右する極めて重要なものであり、生徒の受験に事件や事故などによる影響が生じないようにする必要があります。
そのため県教育委員会では、県警察本部に対し、事前に文書を持参し、検査当日に必要に応じてパトロールを行うなど、受験者の安全確保について協力を依頼しています。また受験者に対しては、検査会場へ向かう途中に痴漢被害に遭うなど事件等により本検査を受検できなかった場合は、追検査の対象となることを周知するなど、安心して受験に臨めるように配慮しています。以上でございます。
–議長
警察本部長 宮沢忠孝君
–宮沢忠孝 警察本部長
私からはまず、犯罪発生状況に関するご質問にお答えいたします。令和5年中の刑法犯認知件数は3万7538件で、前年に比べ4810件増加し、令和4年に続き2年連続で増加しました。顕著に増加した犯罪は、自転車盗や万引きですが、特に当件で発生が多い犯罪として、金属盗難や自動車盗も増加しました。令和5年中の金属盗難の認知件数は1684件で、前年に比べ、861件、104.6%増加し、他の都道府県と比較しても、高い水準で発生しています。
宮沢忠孝 警察本部長
特に金属盗難のうち、太陽光発電施設からの金属盗難の認知件数は、1078件で、金属盗難のうち、64.0%が太陽光発電施設からの被害になります。令和5年中の自動車盗の認知件数は746件で、前年に比べ119件19.0%増加し、他の都道府県と比較し、高い水準で発生しています。
宮沢忠孝 警察本部長
次に、令和6年中の対策に関するご質問ですが、県警としては、犯罪発生時における防犯カメラ操作や現場鑑識活動等の初動捜査、発生状況の分析に基づく捜査、組織的、広域的な犯罪を念頭に置いた捜査を推進し、各種犯罪の検挙に努めるとともに、被害防止のための広報啓発活動を官民一体となって推進し、検挙と抑止の両面から対策を強化してまいります。
宮沢忠孝 警察本部長
最後に、受験期における痴漢行為撲滅に関するご質問ですが、県警においては、令和5年3月に痴漢対策に関する関係府省庁連絡会議において決定された。痴漢撲滅に向けた政策パッケージに基づき、県や関係機関団体等と連携しつつ、痴漢を許さない社会機運の醸成に努めています。
宮沢忠孝 警察本部長
特に受験期においては、試験会場の最寄り駅や会場周辺における警戒と取り締まりの強化、SNS上の不適切な書き込みに対する削除要請。鉄道事業者等と連携した広報啓発活動、などの対策を強化しています。また受験生が被害に遭った場合には、受験の機会の確保のために、個別の事情に最大限配慮した対応に努めることとしています。県警としては、引き続き警戒と検挙活動を強化するとともに、指揮官は重大な犯罪であることを社会の共通理解とし、県や関係機関団体、民間事業者等と連携した広報啓発を推進し、痴漢対策の強化を図ってまいります。以上でございます。
–議長
髙橋浩君
–髙橋浩 議員
それでは、知事副知事、教育長警察、警察本部長、ご答弁ありがとうございました。2回目の要望並びに再質問をさせていただきます。
まずはですね。防災対策に係る住宅の耐震化の件であります。
本県の耐震化率は92%と、全国平均の87%を上回っております。しかし、地域によって大きな差があり耐震化率が50%台が4団体、60%台が8団体との事であります。今回の地震で住宅に甚大な被害があった、輪島市と珠洲市の耐震化率はそれぞれ45%、51%との事であります。先ずは、家が倒れないようにする事が、命を守る、防災の第一歩、始まりである訳であります。 今回の能登半島地震を契機として、県内自治体の耐震性確保のための施策が円滑に進むよう、必要な支援を実施するよう要望させて頂きます。
津波災害、警戒区域の指定の件であります。
千葉県では、まだ、未指定との事であります。今後、「引き続き、市町村と協力しながら早期指定を目指していく」との事でありました。 今後の指定作業を加速するよう要望致します。
次に、孤立集落の件であります。
県では、「孤立する可能性のある集落の正確な把握に」ついて、新たに対応を講ずるとの事でありました。正確な把握に、努めるとともに、備蓄のあり方、物資支援のあり方等について検討を進めるよう要望します。
次に、水道施設の耐震化の件であります。
耐震化率が10%に満たない団体が大変多いことが分かりました。また、0%の団体もあるようであります。県においては、基幹管路や、浄水施設及び配水池についてその耐震適合率または、耐震化率が向上するよう、事業者に対して必要な支援を行うよう強く要望致します。
次に、災害関連死、防止対策の件であります。
誤嚥性肺炎等を予防するための口腔ケアグッズについて、県内市町村のうち20団体で備蓄しているとの事でありました。 今後、すべての市町村で備蓄出来るよう、県の対応を要望します。また、暑さ、寒さ対策のための、備蓄品の充実もお願い致します。
次に、マンホールトイレの件であります。
指定避難所の半数以上で、設置済みの団体もあれば、10%に満たない団体もあるようです。設置の推進を図っていくべきと考えます。県として、自助による、備蓄等についても、県民へ周知を促すとともに、県内市町村、各事業者等とも、連携をし、対応を図っていくよう、要望致します。
次に、職員の不祥事の件であります。
利害関係者との「飲食の届出」の件数は、令和4年度は12件、令和5年度は1月末現在で45件となっているとのことですが、実態を適切に反映しているものか疑問も残ります。 また、利害関係者と自己負担等により飲食する場合であっても、自己の飲食に係る費用が1万円を超えるときは、事前に倫理監督者に届け出る事になっていますが、この「1万円」という額が高いようにも思います。県においては、この届出の基準の引き下げる、あるいは全数報告も視野に改善の検討を要望致します。また、今後2度とこうした不祥事が生じる事がないよう検討会議の報告も参考にして効果的な再発防止策を講じるよう強く要望致します。
次に、多様性尊重(推進)条例についてであります。
生きづらさの解消や、多様な人材が活用できる千葉県作りに取り組むというご答弁でありましたが、まずは足元から、全ての職員が働きやすい環境整備のために、多様性に配慮した制度作りに取り組んでいただくよう要望いたします。
また、 県では外国にルーツを持つ方から意見をいただくために、外国人の方を「チーバくんグローバルパートナーズ」として任命をし千葉県の魅力発信のためのイベントへの参加や、災害時の防災情報に関するSNSの発信等への協力を求めているとお聞きしています。今後も外国人の意見や視点も取り入れながら、多文化共生社会の実現に向け県政運営に取組まれるよう要望致します。
次に、県立保健医療大学のあり方についてであります。
大学の機能強化に向けて第一歩が踏み出されたことについては大いに期待をいたします。十分な調査検討を行いつつ、早期の将来構想を示していただくよう要望いたします。
そして次に「千葉県留学生受入プログラム」についてであります。
今後、ベトナム現地の日本語学校における学生の選定システムの改善や、学習状況の確認を行う事、また、受入プログラムに参加している県内事業者間での意見交換の場や受入プログラムからの離脱を防ぐための方策についても今後の検討を求めます。約1億円という本事業の効果をしっかりと検証しつつ、今後の方向性について検討するよう要望致します。
次に、ちばアクアラインマラソン2024についてであります。
「地元自治体等と連携し、大会に関わる多くの方々とともに、より魅力ある大会となるよう取り組んでいく。」との回答でありました。一つの案ですが、富津公園を始め、箱根駅伝の出場校など、多くの大学が練習の場として本県に来て頂いております。その大学の学生等が参加をして頂けたら一層の盛り上げになるのではないかと考えたりしますが、どうでしょうか?一つの案です。お聞きしたところによると、アクアラインの値下げによって恩恵を受けているとの事から、新たな協賛企業となって頂いただけた企業もあるとの事でもあります。相乗効果も生まれてきております。前の議会で、まだアクアラインの通行料金が800円であるという事を知らない方が首都圏にはたくさんいるとのお話をさせて頂きましたが。全国にアクアラインの有用性を知らしめるため、1つの方策のアクアラインマラソンでありますので、是非、成功に持っていける様、努力をお願いしたいと思います。
次に地域経済の活性化についてであります。
今後も、市町村と連携し、企業用地の確保に努めて頂きたと考えます。また、企業誘致に求められる本来の事業効果や費用対効果を検証して誘致企業のターゲットや数値目標などを明確にしながら、補助金制度の改良を、重ねていくよう要望致します。
次に、東京湾アクアラインロードプライシング社会実験と6車線化についてであります。
今回の、ETC時間帯別料金の社会実験により「通行料収入が増えた」との事、また、渋滞の緩和にも繋がっているとの事であります。 県の行って頂いている社会実験が現時点ではうまくいっているものであり大変ありがたい事であります。
しかし、そんなに簡単にはいかない訳でありますが、まだ渋滞も、少しの緩和にしかなっておりません。多分、これからもっと、渋滞の緩和等のための今回の実験の様なあらゆる施策を行っていかなければならないと思います。その中で、是非、通行台数の5万台の維持に注視しながら政策を行って頂けたらと思いますし、そののちの6車線化に向けても努力をお願いしたいと思います。
次に専科指導、研究事業についてであります。
今後この事業が外国外部人材を活用していくものだけではなく、教員のなり手不足の解消のためや教員を教員の持っている良さや可能性を引き出す事業となるよう要望いたします。
次に、学校給食費の無償化についてであります。
「期間を定めず全ての児童生徒を無償化の対象としている自治体が13市町、期間を限定した上で、全ての児童生徒を対象としている自治体が5市」となっているとの事であります。多くなってきました。先日も、富里市が来年度から中学生の給食費の無償化を始めるとの報道もありました。これも、第三子への補助に動いて頂いた、知事の行動によるとともに、これだけ、急激な少子化となっている、日本の危機感の表れであるとも考えます。500円の負担がどうだ、こうだとの話がありますが、真の「異次元の子育て支援に」今、動かなければならないと考える一人であります。東京都も動き始めました、是非、県としても今後小中学校の全ての児童生徒が享受出来るように、努力をお願いしたいと思います
次に犯罪抑止についてであります。
痴漢対策については、県警、県教育委員会それぞれが受験生を守るために取り組まれていることに感謝いたします。効果的な対策として、警視庁が活用を進めている「Digi Police」(デジポリス)があります。痴漢被害に遭った際に利用できる防犯ブザー機能や、スマホに「痴漢です。助けてください」と表示される機能が搭載されたアプリですがこちらの活用についても今後の検討を要望します。
これから再質問であります。
まずは犯罪抑止についてでありますが、
ご答弁により、金属盗難については昨年の2倍の数値で」あり他の都道府県と比較しても高い発生件数となっているとの事であります。その中で、 現在、県警においては盗難被害に遭った金属類の流通防止を目的とする、条例の制定に向け取り組んでいると伺っております。
そこで、お伺いします。金属類の取引を規制する条例の制定に向けた、現在の取組状況はどうか。
次に、部活動の地域移行についてであります。
地域移行を進めるにあたり 指導者や活動場所や、主体となる団体の有無などの地域間格差に対して県ではどのように対応するのか。お聞かせ下さい
そして困難をの問題を抱える女性への支援についてであります。
本計画の実効性をより高めるには、最も身近な相談先としての市町村の役割が非常に大きくなってくると考えます。同法では、市町村の計画策定は、努力義務とされている訳でありますが、県と市町村がどのように連携を図るのか、気になる所であります。
そこでお伺いいたします。困難な問題を抱える女性についての支援について、市町村との連携をどのように図っていくのかお聞かせください。
最後に、新たな感染症への対応についてであります。
現在4175の医療機関等々、医療措置協定の締結に向けての協議を進めているとのご答弁であります。
そこで再質問いたしますが、協定締結医療機関を確保するためのインセンティブが必要と考えますが、どうか、お聞かせください。
以上2回目の質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
–議長
警察本部長 宮沢忠孝君
–宮沢忠孝 警察本部長
条例の制定に向けた取り組み状況に関するご質問ですが、金属類の盗難被害は、今年に入ってからも依然増加の傾向にあり、金属類の盗難被害を防止するため、早期の制定に向け作業を進めております。条例の内容については、営業の許可制金属類の取引時における身分確認。取引記録の作成、不正品の申告等に関する規制を引き続き検討しております。以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君
–冨塚昌子 教育長
部活動地域移行の地域差への対応についてのご質問です。人材や受け皿となる団体等の地域差に対しては、広域人材バンク千葉暮らサポによる指導者の確保やコーディネーターによる体制作りに関する助言の他、施設の共同利用等による広域連携の促進などにより市町村を支援しております。また教員が指導者として活動する場合の兼職兼業の取り扱いなど諸規程の整備についても進捗に差が見られることから、各市町村に対し、着実に整備を進めるよう促してまいります。以上でございます。
–議長
健康福祉部長 高梨みちえ君
–高梨みちえ 健康福祉部長
今年度の問題を抱える女性への支援における市町村との連携に関するご質問ですが、必要な支援を充実させていくためには、市町村との連携が不可欠であることから、市町村における支援調整会議が円滑に開催されるよう、事例検討会や研修を行う他、担当部署を集めた会議を開催し、情報連携を図るなど、困難女性支援法に基づく取り組みが進むよう働きかけてまいります。以上でございます。
–議長
保健医療担当部長鈴木貴士君
–鈴木貴士 保健医療担当部長
はい。協定締結医療機関の確保に関するご質問にお答えします。
鈴木貴士 保健医療担当部長
協定締結医療機関は、平時から感染症医療を行うための体制を整えておく必要があることから、県では、令和6年度当初予算に、医療機関が行う個室病床の整備や検査機器の購入などに対する助成費用を計上したところであり、このような支援等を通じて、協定締結医療機関の確保に努めてまいります。以上でございます。
–議長
髙橋浩君
–髙橋浩 議員
はい。ご答弁ありがとうございました。それでは3回目の要望をさせていただきます。
新たな感染症への対応についてであります。
医療機関等との医療措置協定については、本年9月末までに締結する事になっております。計画に定めた数値目標等をカバーできるよう、引続きの取組を要望します。また、今回の感染症予防計画改定については、コロナ禍での時間的な制約などから、医療提供体制の問題にシフトせざるを得なかった事は理解できますが、しかし、計画案では「事前対応型の行政として、取り組んでいく事が重要」との認識が示されている事から、今後は各課題についてのロードマップを示し感染症発生時の対応だけではなく、感染症にならないための拡大させないための予防計画の作り込みを強く要望をします。
そして困難な問題を抱える女性への支援についてであります。
同計画をより実効性のあるものにしていくためには、民間任せにならず県が中核的な役割を担い現状の把握、情報の共有を図り開かれた支援へと繋げて頂きたいと思います。そして、コーディネーターを女性にするなどきめ細やかな人員配置をし、当事者に寄り添った支援となるよう強く要望します。
本県の喫緊の課題である金属盗難への対応として、条例の策定作業に鋭意取り組まれているとのご答弁であります。早期の条例制定を目指し、引き続きのご尽力をお願いいたします。
先日、政府は、能登半島地震で被災した石川県の一部地域で被災者生活再建支援法に基づく支援金が最大300万円のところ、住宅再建費などを上乗せし、最大600万円を給付すると発表しました。その政府方針に対し、熊谷知事は、「過去の災害との整合性や賃貸住宅か持ち家かによって公的支援に巨額の差が出ることについて政府から十分な説明がない。」また、被災地の支援を厚くする必要性に理解を示しつつも、東日本大震災や熊本地震などと比べ、「なぜ能登半島地震の被災者だけに多額の税金が投入されるのか」と公平性を疑問視する発言をされました。これからも、様々な地域で大きな災害があると思います。その中で今後の災害も含めた議論もなく、その場の感情だけで貴重な税を出してしまう事は、許容されるものではないと私も強く感じます。2年前の12月議会でも、私は知事の本の文面を引用させて頂きました。「仮に最後は不人気で去ることになったとしても、将来の人たちの為に意味のある事が成し遂げられたのであれば、十分に誇りに思える人生のはずだとの思いで、この世界にいます。」とありました。是非、今後も、その気持ちで行政運営にあたっていただきたいと思いますし、私たちも是々非々の中で今後も協力をしていくことをお約束致します。
以上で、私たち立憲民主党千葉県議会議員会の代表質問を終わります。ありがとうございました。