本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
教育や子育てなど、小学生にも関わる内容が、議会では話し合われています。ぜひ、小学生の皆さんにもご興味をお持ちいただければ嬉しいです。
本日(2023/09/26)午後一人目の一般質問は、公明党の鈴木和宏議員でした。
1 議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後一人目】一般質問 鈴木和宏議員(公明党)
皆さんこんにちは。市原市選出公明党の鈴木和宏でございます。初めに台風13号の接近に伴う大雨により被害に遭われた方々に対し謹んでお見舞い申し上げますとともに、1日も早い復旧、生活の再建、そして事業の再開を心からお祈り申し上げます。
それでは、通告順に従い、質問に入らせていただきます。初めに、公共交通への支援について伺います。資源エネルギー庁が発表している給油所小売価格調査によると、2021年8月の軽油価格が1リッター当たり138.2円であったのに対し、本年8月の軽油価格は、1リッターあたり162.4円と、24.2円も値上がりし、かつ高止まりしている状況です。
先日、県内で地域公共交通を担うバス事業者の方からお話を伺う機会がありました。路線バスや貸切バスを含めて約800台のバスを運行されており、年間で1600万リットルの経緯を使用するそうで、軽油の価格が10円上がるだけで、年間1億6000万円の負担が増すとのことでありました。
燃料価格の上昇分を運賃に反映するにはハードルが高いようで、路線バスの運賃の値上げについては、国土交通大臣の認可を受ける必要があることや、値上げによる利用者の減少も見込まれることから、なかなか簡単にはいかない様子でありました。
このような中、地域公共交通が県民生活や地域経済を支える重要なインフラであることから、県では、物価高騰の影響を受け、厳しい事業環境にある地域公共交通事業者に対して支援事業を行っています。事業者の方々からは感謝の声をいただく一方、事業を維持継続していくためにも、引き続き支援の支援を望む声をいただきます。
そこでお伺いします。千葉県地域公共交通、物価高騰対策支援事業の実施状況と今後の予定はどうか。人口減少や都市部への流出による利用客の減少、また運転手の人手不足などが要因となり、地方を中心に路線バスの運休や廃止が相次いでいます。
私の地元の市原市においても同様で、運転手不足が原因となり、2023年の4月以降、市内を走る4路線が全面運休、7路線が一部分強となりました。地方の多くの家庭では、1人1台の車を所有し運転して自由に移動することができますが、車を自由に使えない高齢者や子供たちは、生活が大きく制限されてしまいます。
SDGsでは、17の目標と169のターゲットを定めていますが、目標11の住み続けられるまち作りをに付随するターゲットには、次のように示されています。2030年までに脆弱な立場にある人々、女性、子供、障害者および高齢者のニーズに特に配慮し、公共交通機関の拡大などを通じた交通の安全性改善により、全ての人々に安全かつ安価で容易に利用できる持続可能な輸送システムへのアクセスを提供すると。
SDGsを推進する本県としても、地域公共交通の維持確保に向けた着実な取り組みが求められます。本県では、今後の持続可能な交通網のあり方を検討するため、市原市、茂原市長南町をまたいで運行する路線バスについて、利用実態を把握する調査を行いましたが、その結果が気になるところであります。
そこでお伺いします。千葉長生地域に係る広域幹線バス路線の利用実態調査の結果はどうか、また結果をどのように活用していくのか。観光政策について伺います。新型コロナにより、観光業界も大きな影響を受けましたが、行動制限の緩和や、5類への移行、さらには全国旅行支援の効果などにより、コロナ禍前の水準にまで回復してきました。
民間の旅行会社がまとめた2023年の旅行動向見通しによると、2023年1月から12月までの国内旅行者数は2億6600万人、前年比108.6%、また、国内旅行消費額は10兆7200億円。前年比110.2%と推計しています。
旅行動向が回復傾向にある一方で、旅行形態には変化が生じており、貸切バス等を利用した団体旅行の回復は鈍いようです。コロナ禍前は、県内外から多くの方が団体旅行を利用して県内各地を訪れており、観光地や飲食店、宮城、土産物店などは大変な賑わいを見せていました。
円安や燃料高騰の影響を受け、海外旅行から国内旅行へのシフトが期待される中、県内外からの観光客を取り込むための団体旅行の誘致は、本県経済にとって、引き続き重要な取り組みであると考えます。そこで、お伺いいたします。
新型コロナの影響で落ち込んだ団体旅行の需要回復にどう取り組んでいくのか。取引の適正化について伺います。エネルギー価格や原材料価格の高騰により、売り上げが上がっても利益が出ないという声があります。大企業と違い、中小企業や小規模事業者においては、コストに見合う価格転嫁をすることは容易なことではありません。
取引所立場の強い元請け企業と下請け企業の間での関係や、荷主企業とトラック運送業者との関係では、落ち込んだ業績の一部負担やコスト負担を強いられることもあるようです。一方、物価高が生活を直撃する中、千葉県の最低賃金は10月1日から42円引き上げとなり、時間額1026円に改正されますが、資金的余裕がない中小企業にとって、賃上げを実現するためには、適正な価格転嫁が不可欠であります。
労務費や原材料費、エネルギーコストなどの上昇分を適切に取引価格に転嫁することで、中小企業の経営改善や賃上げを実現することが可能となります。そこで2点お伺いいたします。一つ、適正な価格転嫁に向けた県の取り組みはどうか。
一つ、建設業における下請け取引の適正化のため、県はどのように取り組んでいくのか。医療問題について、そのうち子供医療費助成について伺います。文部科学省が行った学校基本調査によると、2022年度の高等学校等への進学率は、98.8%で、調査開始以来過去最高となりました。
今やほぼ全ての子供が進学する時代となりました。一方、総務省が行った家計調査によると、中学や高校に在学している割合が高い40代の世帯では、教育関係費の支出が多く、30代の世帯に比べて約3倍となっています。
義務教育までは子育てにそれほどお金はかからなかったものの高校に進学した途端、かなりの負担になったと感じる保護者の方も多いのではないでしょうか?20代や30代の若い世代が理想の子供数を持たない理由は、子育てや教育にお金がかかりすぎるからが最大の理由であり我が国の少子化問題の一因となっているとの指摘もあります。
子育て世帯の経済的負担を軽減するとともに、子供が安心して必要な医療が受けられる制度として子供医療費助成制度があります。人口減少や少子化が進む中、各自治体においては、子育て世代の呼び込みに繋がる政策として、助成の対象年齢を、中学校3年生から高校3年生へと引き上げるなど、制度の拡充を進める自治体が増えてきました。
子供の頃に受けた医療は、将来の医療に影響を与える可能性もあり、子供医療費助成制度を拡充することで、将来の医療費負担を抑制することも期待されます。東京都に続いて、今後は群馬県や鳥取県でも、助成の対象年齢を高校3年生まで拡大するようです。
今や高校3年生までは義務教育と捉え、子育て世帯の経済的負担の軽減のため、本県でも助成の対象年齢の拡充に取り組むべきではないでしょうか?そこでお伺いします。県として、子供医療費助成の対象を高校3年生まで拡充するべきと思うがどうか。
医療MaaSについて伺います。モビリティサービスの活用により、都市や地方が抱える交通サービスの課題解決を目指すものとして、Mobility as a Serviceの頭文字を取ったMaaSというサービスがあります。
その中でも医療とモビリティ、さらにはICTを組み合わせることで、患者や患者が健診や診療、保健指導などのサービスを受けられる医療MaaSという取り組みが行われています。山間部や過疎地域などの医師不足や、通院困難な高齢者への対応のため、医療機器を搭載した車両に運転手と看護師が同乗し、地域の集会所や自宅付近などへ出向きます。
そして、病院にいる医師が、テレビ会議システムを使用して、オンライン診療を行います。病院に行くことが難しい患者が治療を継続できることで、慢性疾患等の重症化を予防し、長期的な医療費の支出や介護負担の減少が期待されます。
一方、医師にとっては、訪問診療時の移動時間の削減により、より多くの患者を診察することができるため、医師不足や医師の偏在といった課題解決にも繋がります。本県では、今後さらに高齢者人口が増えることに加え、高齢者の一人暮らし世帯や高齢者夫婦のみの世帯が増えると推計されています。
長野県や三重県,、高知県では、医療MaaSの実証実験を通しながら、その普及が進められていますが本県においても同様の取り組みを行い、更なる高齢化の進展に備えるために、知見を広めて広げておくべきではないでしょうか?そこでお伺いします。
医療過疎地域や公共交通機関が不便な地域を対象に、自動車を活用したオンライン診療導入のためのモデル事業を進めるべきと思うがどうか。河川管理について伺います。台風13号の接近に伴い湿った空気が流れ込み、房総半島に線状降水帯が発生。
本県の南部や北東部を中心に、8日未明から昼過ぎにかけて猛烈な雨が降り、県内各地で浸水被害や土砂災害が発生いたしました。公明党千葉県本部では9月8日台風13号災害対策本部を設置し、被害状況の把握と情報の共有を行っていたところ、市原市にある高滝ダムの水位が、これ以上貯水できない水位に迫ってきたため、午後2時以降に緊急放流を行う見込みとの連絡が入りました。
緊急放流は、ダムが貯水できない状態に近づいた場合、ダムに流れ込む水と同じ量を放流する。緊急的な措置でありますが、下流の養老川の水位が急激に上昇するため、氾濫の可能性が生じてしまいます。市原市より養老川沿いの浸水想定区域にある3万6745世帯7万1337人を対象に、緊急安全確保が発令されたため、その動向を注視していたところ降雨の状況が予測を下回り、ダムへの流入量が減少したため、緊急放流を見合わせることになりました。
令和元年10月25日の大雨をきっかけに、事前放流によるダム貯水量の調整を図り、豪雨に備えることになりましたが、県内には高滝ダムを初め、亀山ダム、片倉ダム、矢那川ダムといった県管理の治水ダムが4基あり、豪雨時の対応が気になります。
そこでお伺いします。県が管理する治水ダムの事前放流や緊急放流はどのように決定され、そしてどのように周知されるのか。気象庁の観測データによると、大雨の年間発生回数は年々増加しており、強い雨ほど増加率が大きくなっています。
1時間降水量80ミリ以上や3時間降水量150ミリ以上さらには日降水量300ミリ以上といった強い雨は、1980年頃と比較すると、その発生頻度は約2倍に増加しています。9月8日の大雨の際、本県内では記録的短時間大雨情報が11回発表されており、12時間に降った雨量の最大値は、茂原市で371.5ミリ、大多喜町で328ミリ。
鴨川市で294.5ミリなど、わずか半日で平年の9月1ヶ月分を超え統計を取り始めてから過去最多となりました。雨の降り方も変化しており今後も風水害が激化していくことが予想されます。養老川の河川整備計画の内容を確認するため、県のホームページで検索したところ、平成21年に作成した最終原案で止まっているようでありました。
気候変動の影響も踏まえ、これまでの河川整備に加えて、流域治水の考え方を取り入れた河川整備計画の見直しや対応が求められます。そこでお伺いします。養老川の河川整備計画の策定状況および今後の予定はどうか。本県には大雨による河川の氾濫を防止するため、河川の水を海などポンプを駆動して強制的に排水する県管理の河川排水機場が23ヶ所あります。
これらの排水機場は、昭和40年代以降順次整備されてきましたが、河川ポンプ設備の一般的な耐用年数は30年から40年と言われており、排水機場の約4割が40年以上を経過するなど、老朽化が進んでいます。そのような中、会計検査院が全国各地の河川管理施設を抽出調査したところ、約4割の施設に併設された操作室の耐震強度の不足や耐震性が不明であることが明らかになりました。
頻発する風水害や首都直下地震が想定される中、いざというときに使用不能であることは避けなければなりません。そこでお伺いします。県管理河川における排水機場の老朽化対策や耐震対策はどうか。道路の時間調整について伺います。
市原市と茂原市を結ぶ県道21号、五井本納線の市原市能満地先の交差点において、令和3年度から拡幅工事と歩道新設工事が行われ、令和4年11月にようやく完成いたしました。これまで凹凸があり、修正の要望が多かった県道が広範囲にわたり、綺麗になったことで、地域住民の方からは大変喜ばれていましたが、その後すぐに同じ箇所で企業局の水道管埋設工事が行われるとの説明が地元住民にあります。
再び路面を掘り起こす工事が行われると、円滑な交通や住民の利便性を損なうだけでなく、県道に面する店舗の営業にも影響を与える他、無駄な予算の執行にも繋がります。道路工事と水道工事をはじめとする専用工事については、お互いに調整し合い、効率的にそれぞれの事業を進めていくべきではないでしょうか?そこでお伺いします。
道路管理者と水道事業者などの占用者が相互に事業を効率的に進めるため、県は道路管理者、道路管理者としてどのように調整を行っているのか。教育問題についてのうち、教員の確保について伺います。教員不足が課題となっている公立の小・中学校において、直近である本年8月1日時点の講師未配置数を確認したところ、小学校で193名。
中学校で71名でありました。これは、年度初めの5月1日時点での未配置より、小学校で70名、中学校で28名の未配置が増えたことになります。その主な要因としては、年度途中の正規教員の退職をはじめ、産休や療休の増加、日本語指導等の教職員の必要性の増加が挙げられ、毎年度3月をピークに、未配置はさらに増えていくとのことでありました。
また、長年にわたる教員不足を解消するため、これまでは非常勤講師として勤務していただいた方が正規採用となり、講師登録者が減少したことも、未配置を解消できない要因となっています。このような中、県では、教員不足の解消に向けた取り組みを行っておりますが、その進捗が気になるところであります。
そこでお伺いします。今年度から、県では、教員不足解消に向けた緊急対策事業に取り組んでいるか、進捗状況はどうか。外国人生徒について伺います。生産年齢の生産年齢人口の減少により、労働力の不足、国内需要の減少による経済規模の縮小など様々な社会的経済的課題の深刻化が懸念されています。
2020年に7509万人だった生産年齢人口は減少を続け、2050年には5275万人へと、現在の約7割になると予想される中、今や人手不足を補うためには、外国人材は必要不可欠な存在となっています。千葉労働局の発表によると、本県における外国人労働者数は10年連続で過去最高を更新しており、令和4年10月末現在では6万9106人、前年比951人増加で、全国6位の雇用者数となっています。
そのうち、専門的技術的分野の在留資格の労働者は1万6561年で、前年比3895人。30.8%増と大幅に増加していますが、この専門的技術的分野の在留資格の労働者は、配偶者や子供を家族滞在という在留資格で日本に呼び寄せることができる利点があります。
令和3年度に文部科学省が行った日本語指導が必要な中学生等の進路調査によると、高校への進学率は89.9%であり、約1割の生徒が進学していませんでした。日本で就労し、生活をすることを考えた場合、家族滞在ビザで来日した子供にとっては、高卒の資格を取っておくかどうかで将来が大きく左右されてしまいます。
家族滞在ビザの取得者は、扶養者の扶養を受けながら生活することが前提となっているため、原則的には就労は認められておらず、認められる就労時間は1週間当たり28時間以内と制限されます。日本で就労を希望する場合、高卒資格があれば、家族滞在ビザから定住者ビザまたは特定活動ビザへの変更が認められており、認められれば制限なく就労することができます。
本県内の公立中学校には、日本語指導が必要な外国人生徒が令和3年度時点で496人在籍していると伺いました。今後も増加することが予想される外国人材とその家族が、日本に来た後、不利益を被らないためにも、卒業後の進路についての支援が求められます。
そこでお伺いします。本県高等学校における日本語指導が必要な外国人生徒等の進路状況はどうなっているか。また、就職する生徒への支援はどのように行っているのか。金属類の盗難防止について伺います。鉄鋼製品の原料として、国内外の鉄スクラップの需要の高まりにより、鉄などの再生資源を屋外保管する。
金属スクラップヤードが増えています。ヤードの新設や増加に伴い、騒音や火災の発生、建設に伴う違法開発行為など、周辺住民の方からは様々な苦情や相談をいただくことも増えました。そのような中、本定例県議会において、千葉県特定再生資源屋外保管業の規制に関する条例案が上程されました。
事業場ごとに事業許可許可の取得を義務づけるとともに、既存の事業者にも許可取得を求めるとのことで、安心安全な生活環境の確保に繋がることが期待されます。一方、ここ数年で鉄スクラップの価格が2倍に上昇している関係で、工場や建設現場の資材やグレーチング等の盗難も増えています。
足場仮設工事を行う事業者の方のお話によると、足場資材の盗難被害に遭いましたが、金属スクラップヤードに持ち込まれていた資材に気づき、警察に通報。犯人も捕まったとのことであります。金属の価格が上昇している中、盗難を助長させない取り組みが求められます。
そこで、2点お伺いします。一つ、金属類の盗難事件の被害状況はどうか。一つ、金属類の盗難被害を防止するため、どのように取り組んでいるのか。また、盗難品を持ち込ませないような取り組みはどうか。以上、壇上からの質問とさせていただきますご答弁よろしくお願い申し上げます。
鈴木和宏君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事、熊谷俊人君。
公明党の鈴木和宏議員のご質問にお答えをいたします。まず公共交通への支援についてお答えいたします。地域公共交通、物価高騰対策支援事業に関するご質問ですが、地域公共交通は、県民生活や地域経済に、欠かすことのできない重要な交通インフラですが、近年は利用者の減少に加え、物価の高騰などにより、大変厳しい事業環境に置かれているものと認識をしています。
そのため県では昨年度に引き続き、国の交付金を活用し、燃料価格等の高騰の影響を受ける事業者に対する支援を行っており、今年度は679社に対し、合わせて1億763万円の支援金を給付しているところです。今後も国の追加支援や社会経済情勢の動向も踏まえ、公共交通事業者への必要な支援を考えてまいります。
次に観光施策についてお答えをいたします。団体旅行の需要回復についてのご質問ですが県では感染症の影響を大きく受けた団体旅行の需要喚起するため、貸切バスなどを使用する団体旅行の造成支援を昨年11月から本年6月まで行い、この間、約3200件のツアーが実施をされたところです。
また秋以降の観光需要を下支えし、本県観光業の回復を確実なものとしていくため10月以降に県内各地で開催される千葉県誕生150周年記念イベントやちば文化資産などの県内観光地を訪れる団体旅行について、引き続き造成を支援することとしたところです。
今後観光商談会や旅行会社への営業活動などを通じて、こうした支援策と併せて県内観光地のPRを行うことなどにより、団体旅行の誘致拡大に努めてまいります。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
総合企画部長、冨沢昇君。
公共交通の支援について、広域バス路線の実態調査に関するご質問にお答えします。県ではバス路線の再編による運行効率化の可能性を検討するため、令和4年度に沿線3市町と共同で、JR茂原駅を発着する複数の幹線バス路線を対象とした調査を行ったところです。
この調査により、運行区間が重複する非効率な路線があることや、効率的な運行に向けた取り組みの方向性が示されたことから、県では、沿線市町や運行事業者と調査結果を共有し、それぞれの意向を確認してきたところです。
今後は、沿線市町等と意見交換を重ねるなど、路線の再編等について具体的な協議検討を行ってまいります。以上でございます。
商工労働部長、野村宗作君。価格転嫁に向けた取り組みについてのご質問ですが、県では、中小企業が適正に価格転嫁できる環境整備を図るため、親事業者が下請け事業者からの価格協議に積極的に応じることや、サプライチェーン全体の共存共栄を図るために国が進めているパートナーシップ構築宣言多くの企業が参加することなどを関係団体を通じて働きかけているところです。
また、千葉県産業振興センターではこれまでも中小企業に対し、支払い遅延や原材料価格高騰に係る適正な価格転嫁などの相談に応じるとともに、弁護士による助言等を行ってきたところですが、本年7月からは、価格交渉のノウハウや原価計算手法の習得などの支援も行っております。
今後とも関係団体や支援機関と連携しながら企業における価格転嫁の取り組みを支援してまいります。以上でございます。
県土整備部長、池口正晃君。
私からはまず、建設業における下請け取引についてのご質問にお答えします。
県では、建設工事適正化指導要綱において、元請業者に対し、適正な金額で下請け業者と契約を締結することや、賃金等の適切な支払いなど適正な労働条件を確保することなどを求めています。また国では、都道府県および建設業団体に対し、毎年2回、下請け契約や下請け代金支払いの適正化等について通知しており、県からも、県内建設業団体に対して周知しています。
これらの指導要綱や通知は、県のホームページにも掲載しており、今後もあらゆる機会を通じて周知を図ってまいります。続いて、治水ダムの放流についてのご質問ですが、事前放流は、治水機能を強化させるために、大雨の前にあらかじめダムの貯水を低下させ、貯留量を増やす操作であり、流域内の24時間降雨量が150mm以上と予想された場合、市や関係機関に通知した上で実施することとしています。
また、緊急放流は大雨により、ダムが満水を超えることが予測される場合に、ダムへの流入量をそのまま下流に放流する操作であり、ダム下流の住民へ避難情報を事前且つ的確に伝えるために、市など関係機関に対し、実施見込みについては、おおむね3時間前までに実施決定については、1時間前にそれぞれ通知することとしています。
次に、養老川の河川整備計画についてのご質問ですが、計画の策定に向けて、流域懇談会における学識経験者等の意見も踏まえ、これまで国と協議を重ねてきましたが、養老川流域面積が広いことから、近年の線状降水帯や集中豪雨などの局所的な降雨が強く影響することなども踏まえ、更なる検討協議を進めているところです。
また激甚化する水害をより軽減させるため、これまでの河川整備の取り組みに加え、あらゆる関係者が協働し、流域全体で取り組む流域治水の考え方も踏まえ、引き続き、河川整備計画の策定に向けて取り組んでまいります。
次に、排水機場の老朽化対策などについてのご質問ですが、県では、老朽化が進む排水機場の機能維持を図るため、長寿命化計画に基づき、予防保全型の整備更新を行っており、今年度は猫実排水機場など7ヶ所において、自家発電設備などの更新工事を行っています。
また、耐震対策としては、最新の耐震基準を満たしていない。堀江排水機場と境川排水機場において耐震設計を行っている他、耐震性能を確認するため、芦田排水機場など3ヶ所において、耐震診断を進めています。引き続き県民の生命財産を守るため、老朽化対策や耐震対策を進め、施設の機能維持に万全を期してまいります。
最後に道路管理者と占用者との調整についてのご質問ですが、県では道路管理者として、県管理道路の道路構造の保全や円滑な交通の確保の観点から専用車と毎年度、連絡協議会を開催しています。当該協議会においては、道路管理者と占用者それぞれの工事実施計画を確認し、施行時期や方法等について相互に調整を図っているところです。
工事による規制期間の短縮等工事の影響を最小限とするためには、関係者間の密な調整が重要であり、連絡協議会を通じて専用車との更なる連携に進めてまいります。以上でございます。
健康福祉部長、高梨みちえ君。
私からは、医療問題のうち、子供医療費助成制度に関するご質問についてお答えいたします。
現行の子供医療費助成制度の対象年齢については、子供の保健対策の充実および保護者の経済的負担の軽減を図る観点から、支援の必要性の高い年齢をカバーしており、今後も持続可能な制度として安定的に維持運営していくことが重要と考えています。
また、本制度は、統一した制度のもとに、国、県、市町村が一体となって取り組んでいく必要があることから、国に対して、制度創設の要望を引き続き行ってまいります。以上でございます。保健医療担当部長、鈴木貴士区私からは、自動車を活用したオンライン診療の導入についてお答えいたします。
自動車を活用したオンライン診療は、医療機器等を搭載した車両が患者の自宅まで出向き、車内に設置したモニターを通して、オンライン診療を実施するものであり、県外の複数の自治体において実施されていると承知しています。
また、デジタル機器に不慣れな高齢者等の医療の確保の観点から、医療機関のない地域等において、公民館等の身近な場所を活用したオンライン診療が特例的に可能となっていますが、国において地域の拡大について検討されているところです。
こうした取り組みにより、通院に伴う患者負担の軽減等の効果も期待されており、県としては、国の検討状況など必要な情報収集に努めてまいります。以上でございます。
教育長、冨塚昌子君。
初めに教育教員不足解消に向けた緊急対策事業についてのご質問ですが、県教育委員会では今年度新たに民間企業を活用して、教員志願者に訴求力の高いポスターやパンフレットを作成するとともに、本県の教員の魅力を具体的に紹介するPR動画を制作し、動画配信サイト等で10月上旬から公開する予定です。
また千葉大学と共同し、これまでに教員を目指す高校生を対象としたサマーセミナーや大学一、二年生による小中学校での教育活動体験を実施したところであり、参加者の教職への関心の高まりが見られます。今後は教育学部の学生等を対象とした意識調査を予定しており、その結果も踏まえ、教員志願者の一層の確保に努めてまいります。
次に日本語指導が必要な外国人生徒等の進路状況と就職支援についてのご質問ですが、国の直近の調査によると、本県の公立高等学校における日本語指導が必要な外国人生徒等の進路状況は、進学が53.3%、就職が28.9%。
国などその他が17.8%となっています。県教育委員会では、外国人生徒等が在籍する県立高等学校に日本語指導の充実に必要となる教員や当該生徒の母国語を話すことのできる教育相談員を配置し、学習支援の他、就職支援などの進路指導も行っています。
各学校においては、生徒の日本語能力や家庭環境などを踏まえ、個別の進路相談や面接指導などを行っており、引き続き生徒の状況に応じたきめ細かな就職支援の充実に努めてまいります。以上でございます。
警察本部長、宮沢忠孝君。
私からは、金属の盗難防止についてにもお答えいたします。まず、盗難事件の被害状況に関するご質問ですが、令和4年中の金属盗難の認知件数は822件で、前年に比べて138件増加しました。本年は8月末における認知件数は997件で、前年同期に比べて420件72.8%増加しています。
特徴としては、太陽光発電施設からの動線等や、側溝の蓋であるグレーチングを対象とした盗難の認知件数が大幅に増加している状況です。続いて、盗難被害防止に関するご質問ですが、金属類の摂取の多くが組織的に行われているとみられることから、他の県警と連携しつつ、犯人グループの検挙に努める他、発生地域におけるパトロール活動を強化するとともに、所有者等に対しては、防犯カメラや防犯等警戒センサーの設置などの自主防犯対策の促進についてお願いしています。
また、盗難被害にあった金属類の多くは、いわゆる金属スクラップヤード等の買い取り業者に持ち込んでいるものと認められるため、個別営業法に基づき営んでいる事業者に対しては、立ち入り調査において必要な指導を行っています。
個別営業に該当しない買い取り業者については、その実態把握に努めるとともに、買取時における本人確認や警察への積極的な通報等について、協力を求めるなど、盗難被害品を安易に持ち込ませない環境作りに努めています。
県警としては、引き続き、県や市、関係機関団体と連携しつつ、各種対策に取り組んでまいります。以上でございます。
鈴木和宏君。
はい。知事並びに執行部の皆様、ご答弁ありがとうございました。それでは、残り時間、自席より要望させていただきます。
地域公共交通への支援について要望であります。地域公共交通については、国の追加支援や社会経済情勢の動向も踏まえ当事者への必要な支援を考えるとのご答弁でありました。今後の状況を見据え、必要に応じた支援をぜひお願いいたします。
また、バス業界やタクシー、タクシー業界の有効求人倍率は、他の業界と比べて2倍以上となるなど、運転手の確保も課題となっています。公共交通の維持のため、運転手の確保に関する支援についても引き続きよろしくお願いいたします。
4月22日よりアクアライン変動料金の実証実験がスタートいたしましたが、高速バスやトラックなどは通行する時間帯が縛られる事業事情があるようであります。変動料金制を本格導入する際には、県内の業界団体の声も聴取していただき、どのような車両を対象とするか、ぜひともご検討いただくよう要望いたします。
続いて子供医療費助成について要望であります11月からは、朝倉市や八千代市で、さらに来年度からは千葉市でも高校3年生までの拡充が予定されており、県内市町村の約9割以上に広がっております。県内のどこに住んでいても、子供の医療が無料で受けられるよう県としても助成制度の拡大をぜひご検討いただきますよう要望いたします。
河川管理についてであります。養老川について流域治水の考え方も踏まえた河川整備計画の策定に取り組むとのご答弁をいただきました。ありがとうございます近年の降雨量に見合った計画の策定をお願いするとともに今回の大雨で氾濫した村田川などの県管理河川についても順次整備計画の策定や見直しをお願いいたします。
教員の確保について要望いたします。本件本県における令和6年度の教員採用試験の志願倍率をみると、小学校が1.9倍、中学校、中高共通が3.5倍とともに昨年度より0.6ポイント減少いたしました。質の高い教員を確保するには、最低でも倍率が3倍は必要との指摘もございます。
岐阜県では、教員採用試験の一部の合格者を対象に、奨学金の返済を支援する制度を設けたところ、小学校の志願倍率が1.95倍から2.46倍に増加したそうであります。質の高い教員の確保、また減少する教員志願者の確保のためにも、今日、奨学金の返済を支援する制度の創設を、ご検討いただくよう要望いたします。
昨年実施された本県の教員採用試験において、一次選考は合格したものの、コロナに感染したため、二次選考を控えていただいた事例がありました。本県の教員採用試験には小学校特例選考という制度があり小学校の一次選考に合格し、二次選考を受験した者については、二次選考の合否に関わらず、次年度に本県の臨時的任用講師等として勤務している者を対象に一次選考が免除となります。
しかしコロナに感染し、二次選考を受験できなかった者については、この特例選考の対象とはならず、翌年も一次選考から受験し直さなければなりません。ちなみにコロナに感染した場合、茨城県や熊本市では、再試験の実施を行い、長野県や京都市においては、翌年度の一次選考試験の免除の措置をとっております。
感染症等やむを得ない事情により教員採用試験を受験できないものについては、再試験の実施や、翌年度の一次選考を免除するなどの対応が必要ではないでしょうか?来月以降、来年度の教員採用試験の実施要項の検討がされると伺っております。ぜひ受験要件の見直しと緩和を行い、教員の確保に努めていただくよう要望いたします。
最後に金属類の盗難防止について要望いたします。盗難品の売買を防止するため、古物商等に対しては、個別営業法に基づき、取引の相手方の身分確認、不正品発見時の警察官への通報さらには取引記録の保存が義務付けられています。
金属類を売買する際、グレーチングなどを本来の用途に使用する目的で買い取る場合は、個別営業の許可が必要となりますが、原材料として買い取る場合は、許可の対象外となってしまいます。他の都道府県では、盗難にあった金属類の流通の防止と速やかな発見を図るため、個別営業法に準拠した金属くず条例を制定し、規制を行っているところがあります。
本県においても、金属くず条例の制定も含め、金属類の盗難、そして流通の防止に努めていただきますよう要望いたしまして、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。