未来を創っていく子どものために活かしてほしいと、大切にされている箏を2面を柏市内の中学校にご寄付頂きました。
いわゆる「終活」という言葉をお話しされていましたが、ご自身の人生に向き合われ、文化を守っていきたいという気持ちが伝わってきました。
2002 年実施の中学校学習指導要領に「和楽器については、3学年間を通じて1種類以上の楽器を用いること」となっていますが、予算面でも、指導面でも、充分な環境が整っているとは言えません。
しかし、こうして学校外からのご寄付やゲスト講師などご支援を頂き、子どもたちは貴重な経験ができています。
これまで地域や家元制度などの伝統に支えられてきた文化ですが、その裾野を広げるためにも学校教育へのサポートが重要だと感じます。
教育機会を保障するという意味でも、学校で楽器を触ることができる機会があるというのは大切だと考えます。
じつは問題集のような学習ではなく、体験や遊びで格差が出ているのが現状です。文化的な家庭の子どもだけでなくても、邦楽に触れられ、興味を持てば続けられる環境を作っていきたいです。
行政は、フランスのように文化を保護•育成できないとしても、教育と相乗効果を生みながら、文化が育っていくエコシステムが成立するような政策が必要です。
寄付を受ける仕組みについて、「モノ」を受け取るだけではなく、もっと寄付者の「オモイ」を受け止められるようになれば、もっと良い循環が生まれるのではないかと思います。