文化を育ててほしいという思いを受け止めて

未来を創っていく子どものために活かしてほしいと、大切にされている箏を2面を柏市内の中学校にご寄付頂きました。

いわゆる「終活」という言葉をお話しされていましたが、ご自身の人生に向き合われ、文化を守っていきたいという気持ちが伝わってきました。

2002 年実施の中学校学習指導要領に「和楽器については、3学年間を通じて1種類以上の楽器を用いること」となっていますが、予算面でも、指導面でも、充分な環境が整っているとは言えません。

しかし、こうして学校外からのご寄付やゲスト講師などご支援を頂き、子どもたちは貴重な経験ができています。

これまで地域や家元制度などの伝統に支えられてきた文化ですが、その裾野を広げるためにも学校教育へのサポートが重要だと感じます。

教育機会を保障するという意味でも、学校で楽器を触ることができる機会があるというのは大切だと考えます。
じつは問題集のような学習ではなく、体験や遊びで格差が出ているのが現状です。文化的な家庭の子どもだけでなくても、邦楽に触れられ、興味を持てば続けられる環境を作っていきたいです。

行政は、フランスのように文化を保護•育成できないとしても、教育と相乗効果を生みながら、文化が育っていくエコシステムが成立するような政策が必要です。

寄付を受ける仕組みについて、「モノ」を受け取るだけではなく、もっと寄付者の「オモイ」を受け止められるようになれば、もっと良い循環が生まれるのではないかと思います。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)