日本初の高齢者インプロパフォーマンス集団「くるる即興劇団」の旗揚げ公演を観て参りました。
くるる即興劇団とは、千葉県柏市の生涯学習セミナー「豊四季台くるるセミナー」(主催:東京大学高齢社会総合研究機構、共催:柏市・柏市社会福祉協議会)における講座「即興劇で学ぶコミュニケーション」の受講者有志により2015年7月に結成された、日本初の高齢者インプロパフォーマンス集団です。
柏市在住の65歳から88歳までの約20名の劇団員が、自らパフォーマーとして舞台に立ち、インプロのおもしろさ・深さと、高齢者にしかできない即興表現を追究することを目的に活動しています。
インプロとは、インプロヴィゼーション(improvisation)の略で、アドリブや即興を意味し、即興劇のこともさします。
まずは、サ行禁止ゲーム。2人組で、設定されたシチュエーションで、サ行を使ってはいけないという条件を与えられる中での即興劇。サ行を使ってしまうと、観客も演者も大爆笑でした。
次に、四人組での物語作り。大喜利のような感じです。1むかしむかし、2毎日毎日、3ところがある、4そして、5、そして、6そして、ついには、7その日以来、8教訓と、話をつないでいきます。
その次は、無言の人形と会話。熊の人形に向かって、語りかけます。人形は、黙っている夫や怪我をした家族、バーのマスターといった役となり、演者が話しかけます。監督の園部さんは、「ここで5秒の沈黙」と演者に声かけますが、なかなか沈黙というのは難しいものなんだと感じました。また、相手が沈黙することも耐えられない場面を感じました。
高い声の動物役との対話もありました。
最後は、感情を設定して、家族劇。与えられたシチュエーションとは関係なく、嬉しいや悲しい、イライラしているといった感情を設定され、即興で演じるというもの。
インプロは、「介護予防」や「ボケ防止」に良い取り組みだと、うっかりと、まとめてしまいそうなところですが、そんな単純なものではないようです。
監督の園部さんの記事です。
インプロは「ボケ防止」「介護予防」の道具なのか?
http://yuriesonobe.com/kururu-senior-impro-blog/
「良い」「良くない」といった価値観を越え、ありのままの状態を表現し、人間関係を築いていく創作活動です。
インプロの奥は深いものです。
人生のペーソスなど、経験豊富なご高齢の方だからこその演技を楽しみにしています。