Livable City(住みやすい都市)をつくるーオープンスペースを核にした都市の再編集

柏駅前には、公園がなく、緑やちょっと休めるいこいの場を求める市民の声は多く寄せられています。
しかし、柏駅前には市有地はほとんどなく、民有地には建物が所狭しと並んでいて、新しく何かを作る余地が少ないことが課題です。
再開発が期待されますが、その前にできることにも取り組んでいくべきです。

たとえば、車から人のための道路に転換し、道路空間の活用したオープンカフェや広場。
屋上空間を活用したルーフトップバー。
ビルとビルの間を見直し、再編集した魅力ある路地裏。

柏駅前通り(ハウディモール)、ものすごく刺激的でした。
アートラインかしわの「世界に広めるらくがきプロジェクト」です。
息子とともに、楽しむことができました。このらくがきプロジェクト、これからも定期的に開催してほしいです。

柏駅前に建てづまっている築40から50年の建物の建て替えにあたって、柏駅前改善のために、緑の空間やポケットパークなどを、生み出していく仕組みを、柏市として作ることを議会でも提案してきました。
ビルの建て替え工事も、小さな再開発と捉え、柏市としても関わっていく手法を研究し、仕組みを作っていくべきだと考えます。

先日、UDC2まちづくり勉強会に、福岡孝則先生をお招きして、「オープンスペースを核にした都市の再編集」についてお話しいただき、その後、三牧浩也UDCK副センター長、安藤哲也UDC2副センター長を交え、「それぞれの【公共空間】の目指すものと課題」を話し合うパネルディスカッションでした。

この講演会に、友人である村上さんがお見えになりました。
村上さんは、地元の経営者で、神戸モトマチ大学代表で、神戸市の東遊園地で行われている社会実験アーバンピクニック事務局長でもあります。
村上さんとは、吹田良平さんの「GREEN URBAN INNOVATION ポートランドに学ぶグリーンシティのつくり方とつかい方」のイベントを一緒にお手伝いさせていただき、その後、コミュニティ・カレッジ・コンソーシアム(CCC)を結成し、柏まちなかカレッジのような全国のコミュニティ・カレッジが集い、経験を共有する場を作ってきました。

柏まちなかカレッジは、学校という建物ではなく、まちのオープンスペースを教室としています。そういう意味で、今回の講演内容には相通じるものを感じます。

さて、講演の内容についてです。
「Livable City(住みやすい都市)をつくること」
この一言に尽きると、私は受け取りました。

Livable City(住みやすい都市)をつくる – Creating Livable Cities

議会でも取り上げてきましたが、全国の中心市街地で顕著な傾向は、商業地域でありながら住宅が増えています。
緑やちょっと休めるオープンスペースは、街の賑わいだけではなく、住環境にとっても必要な機能です。
中心市街地の細やかなゾーニングや街のにぎわい創出と住環境向上の仕組みやルール作りも必要となってきます。
福岡さんのお話には、そのヒントが満載でした。

アナザーユートピア: 「オープンスペース」から都市を考える

デトロイトにおける開発促進のための非営利団体「ダウンタウン・デトロイト・パートナーシップ(DDP)」の取り組み、メルボルンの「Street Activity Policy 2011」、市民によるパークマネジメント社会実験である「東遊園地(神戸市)のアーバンピクニック」など、プレイスメイキングの事例を学ぶことができました。

講演会後も、村上さんと福岡さんと3人でお話し、有意義な時間を過ごすことができました。

※3年前に訪問した時のブログ記事です。

まちなかの公園を育てる試み

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)