柏市議会令和元年第3回定例会での市長による市政報告

 

議会招集日には、柏市長から市政報告があります。
今回は、ラグビーワールドカップ、平成30年度決算、会計年度任用職員給与等条例の制定、保育園・認定こども園関係、プレミアム付商品券、森林環境譲与税基金条例の制定、算数科授業力向上事業、職員の不祥事などです。
以下、その内容を共有いたします。

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令和元年第3回定例会の開会にあたり、市政運営の主要な事項について、その概要を申し上げ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

さて、本議会は、8月4日に執行された柏市議会議員一般選挙後、初めての定例会です。厳しい選挙戦の中、市民の信託を受け、当選されました議員の皆様に対し、心からお祝いを申し上げますとともに、市勢発展のため、ご活躍されますことをお祈りいたします。

はじめに、ラグビー・ワールドカップ・ニュージーランド代表事前キャンプについてご報告いたします。

いよいよ、本日9月9日から14日まで、ラグビーワールドカップに出場するニュージーランド代表オールブラックスが本市にやって参ります。

本市では、これまで、柏まつりなどの大型イベントを通じた告知のほか、駅や商業施設での応援フラッグの設置等、事前キャンプに向けた周知活動を積極的に展開してまいりました。これらは、多くの市民の目に触れることとなり、市民の関心も高まってきていると実感しております。

9月9日から6日間という限られた期間ではありますが、ニュージーランド代表オールブラックスが万全なコンディションでワールドカップに臨めるよう最大限の支援を行うとともに、事前キャンプの受け入れのみならず、ニュージーランドとの国際交流を通じて、スポーツの振興や地域の活性化も図ってまいりたいと考えております。

続いて、行財政の運営についてです。

平成30年度の決算見込みについては、一般会計においては、歳入が前年度比0.6パーセント減の1、284億8、879万円、歳出が0.7パーセント減の1、230億2、776万円と、歳入・歳出共に前年度を下回りました。

歳入では、市民税、固定資産税等の市税収入や地方消費税交付金等が増加したものの、国・県支出金や市債は減少しました。

歳出では、人件費や公債費のほか、柏の葉中学校整備の完了などに伴い、普通建設事業費が減少したものの、引き続き扶助費等の社会保障関係経費や物件費が増加するなど、厳しい財政運営が続いておりますが、財源の確保や経費の抑制に努めた結果、収支の均衡を維持することができました。また、将来の財政運営に備えて公共施設整備基金の充実を図りました。

補正予算については、一般会計では、国・県支出金、市債などを財源に、幼児教育無償化に伴う給食費の助成に係る経費のほか、柏北部中央地区土地区画整理事業負担金や小学校の教室不足に伴う校舎増築経費の増額など、緊急性・優先度の高い事業の経費を計上しました。

このほか、継続費の追加・変更、繰越明許費の設定、債務負担行為の追加、地方債の変更を行います。

特別会計では、介護保険事業特別会計で、過年度保険給付費の国・県負担金の精算等に係る経費の計上と債務負担行為の追加を行います。また、学校給食センター事業特別会計で、給食調理等委託の債務負担行為の設定を行います。

企業会計では、下水道事業会計で、管路内の障害物除去に要する経費の増額について所要の額を計上しました。

続いて、柏市会計年度任用職員給与等条例の制定についてです。

地方公務員法及び地方自治法の改正に伴い、令和2年4月1日から、現在の臨時的任用職員、非常勤一般職職員等が、会計年度任用職員に移行します。

会計年度任用職員制度は、従前不明確であった臨時・非常勤職員制度について、統一的な取扱を定め、適切な運用を確保することが目的です。

今回の改正により、会計年度任用職員に対して期末手当の支給が可能となるなど適正な勤務条件を確保することにより、モチベーションの向上・貴重な人材の流出防止が期待されます。

一方で、人件費の財政負担も伴うことから、人事・給与に関する制度や事務の見直し、システム化等による業務の効率化も進めてまいります。

続いて、ネーミングライツ・スポンサーの協定締結についてです。

本市は、平成25年度にネーミングライツ制度を導入し、これまでに、大津ヶ丘中央公園野球場と柏たなか駅前公園の2件について導入事例がございますが、このたび、柏市塚崎運動場野球場に対して、柏市野球連盟に所属し、日頃からこの球場を使用している昱株式会社からネーミングライツの提案がございました。ネーミングライツの対価として球場の外壁やベンチの塗装工事、さらに地域貢献の一環としてスコアボードの寄贈のご提案があり、審査委員会での審査を経て、昱株式会社とネーミングライツ・スポンサー協定を締結しました。球場の愛称は「AKIRA 塚崎野球場」となります。

柏市塚崎運動場野球場は、市民大会のみならず、少年野球や中学校の大会が開催されるなど、多世代の市民から大変親しまれている球場です。

今回のネーミングライツ・スポンサー協定締結を契機に、施設の充実が図られ、さらなる球場の活用、利用者の増加に繋がるものと期待しております。

続いて、保育園・認定こども園等に対する取組についてです。

幼児教育と保育を無償化するための「子ども・子育て支援法の一部を改正する法律」が5月に成立し、10月1日から、幼児教育・保育の無償化が実施されます。これにより、幼稚園、保育園及び認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子どもたちと0歳から2歳までの住民税非課税世帯の子どもたちの、給食費等を除く幼稚園、保育園及び認定こども園等の利用料が無償となり、子育て世帯の経済的負担が大きく軽減されるものと考えております。

次に、柏市立豊四季保育園と柏市立豊四季乳児保育園の統合についてです。老朽化した柏市立豊四季保育園のリニューアルと、0歳児から2歳児までの乳児と3歳児から5歳児までの幼児を同一施設で保育することを目的として、現豊四季保育園の隣接地に建替えを行っております。新園舎への移転は11月を予定しており、柏市立保育園条例の一部を改正する議案を本定例会に上程しています。

続いて、手賀沼花火大会についてです。

8月3日、手賀沼花火大会が無事開催されました。今年度は、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングを実施し、寄附総額2、484、892円のうち、665、000円をクラウドファンディングを通して寄附をいただくことができました。

ご協力いただきました皆様に改めてお礼申し上げます。

次に、プレミアム付商品券事業についてです。

商品券購入の要件に該当する可能性のあるかたには7月中旬から申請書及び購入引換券の送付を順次開始しております。今後、10月1日から市内の郵便局31局と大型店4店舗でプレミアム付商品券の販売を開始し、来年3月1日まで市内の取扱店舗で使用いただけます。

消費税率の引き上げに伴う低所得者・子育て世帯の消費に与える影響を緩和するとともに、地域における消費を喚起・下支えするという目的からも、多くのかたに使用していただけるようホームページや広報かしわなどで周知を行うほか、コールセンターを開設し、随時相談を受け付けております。

次に、柏市森林環境譲与税基金条例の制定についてです。

森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律が平成31年4月に施行されました。森林整備及びその促進に要する経費の財源として国から森林環境譲与税が譲与されることを受け、当該譲与税を積み立てる基金を設置するため、本定例会において、柏市森林環境譲与税基金条例を制定する議案を上程しております。

続いて、算数科授業力向上事業についてです。

今年度で2年目を迎えた本事業では、算数科におけるつまずきの解消に向けたわかりやすい授業づくりを行うために、昨年度に引き続き、実践校である市立小学校9校に算数支援教員を配置するとともに、指導主事が定期的に訪問し、担任や算数支援教員と連携しながら授業改善に取り組んでいるところです。

昨年、授業改善を行い、子どもたちの理解力の向上・定着が図れた単元について、実践校における今年度の「柏市学力・学習状況調査」の正答率が上昇するなど、一定の取組の成果が見られました。

一方で、大きな変化が見られなかった単元につきましては、今年度その要因分析を行い、さらなる授業改善を図ってまいります。

引き続き、子どもたちにとって「わかった」、「できた」が実感できる授業が展開できるよう、取組を進めてまいります。

続いて、消防活動訓練の実施についてです。

有事に備え迅速な対応と関係機関との連携を図るため、7月に「水難救助訓練」と「複数の傷病者が発生した場合の連携訓練」を行いました。「水難救助訓練」では、水難事故対策の一環として、今年度新たに導入したドローンでの映像による情報収集を活用した訓練を実施しました。また、「複数の傷病者が発生した場合の連携訓練」は、5月に川崎市で発生した殺傷事件を教訓に、柏まつりをはじめ、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控える中、柏駅中央改札口で柏警察、東武鉄道、JR、慈恵医大柏病院DMAT(ディーマット)と連携した訓練を実施しました。

9月15日には、柏たなか駅東口ロータリーで、大規模な集団災害の発生を想定した「多数傷病者事故救急救助訓練」を予定しており、千葉市消防ヘリコプターが参加するほか、つくばエクスプレスをはじめ、東武バス、千葉県警、慈恵医大柏病院DMAT(ディーマット)、近隣消防本部など14機関での連携した訓練を行う予定です。

これらの訓練で得られた教訓や課題等をもとに、さまざまな機関等と協力・連携を強化しながら、有事に備え取り組んでまいります。

最後になりますが、7月8日に市立小学校教頭が無免許運転の容疑で逮捕され、さらに、同18日に運転免許証の写しを偽造して提出した容疑で再逮捕されました。同教頭は8月28日付けで、千葉県教育委員会より懲戒免職の処分を受けております。

本件につきまして各方面に多大なご迷惑をおかけしましたことを、市民の皆様をはじめ関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

また、休暇の不正取得やパスポートセンターでの派遣手数料の支払い懈怠等の発生、7月21日に執行された参議院議員選挙における投票開始時刻の遅れなど、本市において、このような不祥事が続いている事態を、私は行政組織の長として、極めて重く受け止めております。

全職員に対し、法令遵守・綱紀粛正について改めて指導するとともに、個々の事案について、再発防止策を徹底し、市民の皆様の信頼回復に努めてまいります。

以上、前定例会以降の当面する市の課題等について、ご報告申し上げました。

今後も市勢発展のため鋭意努力してまいる所存でありますので、議員各位の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ、市政報告とします。

市議会令和元年第3回定例会から | 柏市役所 

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)