議会の定例会が始まる日に、市長から市政報告があります。
毎月の記者発表もありますが、議会で発表される市政報告がオフィシャルな発表となり、報道関係者も注目するものです。
今回の市政報告について、いくつも注目ポイントはありますが、私からは、「スポーツ事業を教育委員会(生涯学習部)から市長部局に!?」をあげてみます。
ラグビーワールドカップのニュージーランド代表が柏市で事前キャンプをするという報告とともに、スポーツ関連事業を教育委員会から市長部局に移管することを話し合っているとありますが、それに続く内容から、移管する方向で話は進んでいるようです。
「今後は、平成31年度からの移管を目途に、教育委員会との協議を進めてまいります。」
例年、6月の議会は、市役所から提出される議案は少ないですが、その分、自由な議論ができます。
山下洋輔は、6/13(水曜)14時に、登壇し、質疑ならびに一般質問をいたします!
以下、市長からの市政報告です。
*************************平成30年第2回定例会の開会にあたり、市政運営の主要な事項について、その概要を申し上げ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
はじめに、うれしい出来事からご報告いたします。
2019年9月に日本で開催されるラグビーワールドカップに出場するニュージーランド代表が、市内で事前キャンプを行うことが決まりました。
ニュージーランド代表は、前回、前々回のラグビーワールドカップ優勝チームであり、世界中のラグビーファンから「オールブラックス」の愛称で親しまれている世界トップクラスの代表チームです。そのような代表チームが本市を事前キャンプ地として選んでいただいたことは、大変名誉なことであり、これまで、本市での事前キャンプの実現にご協力いただいた柏市ラグビーキャンプ地誘致委員会の皆様をはじめ、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
今後は、ホスト市として、ニュージーランド代表が今回のワールドカップにおいても活躍できるよう、最大限の支援をしてまいります。また、事前キャンプの受け入れのみならず、ニュージーランドラグビー協会との様々な交流事業やイベントを通じて、子どもたちの夢を育み、スポーツ振興や国際化の推進、地域の活性化に繋げていきたいと考えております。
ただ今ご報告いたしました2019年のラグビーワールドカップ、また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックと、連続して大きなスポーツイベントが国内で開催されます。これを契機に、本市としても、ホームタウン事業を含めたスポーツを活かしたまちづくりをより積極的に進めていきたいと考えております。
このようなことから、5月31日には、現在、教育委員会が所管しているスポーツに関する事務の市長部局への移管を議題とした総合教育会議を開催したところです。
今後は、平成31年度からの移管を目途に、教育委員会との協議を進めてまいります。
続いて、財政運営についてです。
平成29年度の決算見込みは、国内経済の緩やかな景気回復基調が続いていることなどから、市税収入が前年度決算額を上回る見込みです。一方、歳出では、扶助費をはじめとする社会保障関係経費のほか、物件費や普通建設事業費の増加が見込まれるなど、厳しい財政状況でありますが、柏市第二次行政経営方針に沿った取組等により、収支の均衡を図ることができる見通しです。今後も、行財政改革を着実に推進し、健全な財政運営に努めてまいります。
次に、補正予算についてです。一般会計において、子ども医療費の所得制限の撤廃に伴う経費の増額を行うほか、南部近隣センターのリノベーションに係る経費など、緊急性・優先度の高い事業の経費を計上しました。このほか、継続費の追加、地方債の追加及び変更を行います。
続いて、防災・減災対策についてです。
本市では、市民の皆様が安心で確実な避難行動を取ることができるよう、新たな防災対策として、「柏市web版防災・ハザードマップ」の配信を5月1日から開始しました。
これまでは、紙媒体により防災情報の提供を行ってきましたが、今後は、パソコンやスマートフォンなどから、いつでもどこでも避難施設や応急給水所等の防災施設、地震の際の揺れ具合や液状化の危険区域、洪水による浸水想定区域及び土砂災害警戒区域等について確認することができます。
一度に複数の災害リスクの把握が可能になることから、「わが家のひなんマップ」として、また家族や地域での防災学習等で活用していただきたいと考えております。
また、4月23日に、ヤフー株式会社と「災害に係る情報発信等に関する協定」を締結し、5月10日から、柏市内で「Yahoo!防災速報」アプリを登録しているかたに、災害情報の配信を行うことができるようになりました。
続いて、障害者の地域生活支援拠点についてです。
4月1日に、市内3ヶ所目となる「地域生活支援拠点しょうなん」が大津ヶ丘に開設しました。新たな拠点の開設により、特に沼南地区における障害者の緊急時の受け入れや、24時間365日の相談対応など、障害者が地域で生活するための利便性がさらに向上します。今後は、昨年度開設した「あおば」や「たんぽぽ」と連携して一体的に運用することにより、障害者の生活を地域全体で支える仕組みづくりを進めてまいります。
続いて、市立柏病院についてです。
平成29年8月の「市立柏病院のあり方」に関する答申において、建替えの条件として示された「病床利用率」と「小児科の入院体制」について、進捗状況をご報告します。
一つ目の条件である「病床利用率」については、救急搬送の受け入れ強化や、病診連携の充実、地域包括ケア病棟の活用等に積極的に取り組んだ結果、平成29年度の実績は77.1パーセントとなり、目標の75パーセントを達成しました。また、二つ目の条件である「小児科の入院体制」については、本年4月より、関連大学の医局から新たに小児科の常勤医師が2名派遣され、4名体制となりました。
引き続き、市立病院の指定管理者と連携しながら、小児科の救急受入れ体制の充実と入院体制の構築に取り組んでまいります。
続いて、待機児童の状況についてです。
増え続ける保育需要に対応するため、私立認可保育園等の整備により保育利用定員を595名増加させるとともに、きめ細かな入園案内や相談対応を行うなど、ハードとソフトの両面から取組を進めてきた結果、平成27年度から4年連続で、4月時点の国基準の待機児童数はゼロとなりました。
一方で、入園保留者数は、平成27年度と比べ増加傾向にあることから、引き続き保育利用定員の増加に注力し、入園保留者数の減少に向けて取り組んでまいります。
次に、子ども医療費の助成についてです。
本市の小学4年生から中学3年生までの医療費については、保護者の所得が一定額を超える場合には、入院分のみを助成の対象としておりましたが、子育て世帯における経済的負担の一層の軽減を図るため、本年8月から所得制限を撤廃することとしました。
続いて、旧そごう柏店の再活用についてです。
現在、三井不動産株式会社が地権者との交渉を進めております。先の定例会においては、前年度内の契約予定とのことでございましたが、未だ一部の地権者と交渉を継続中と伺っております。本市としましては、引き続き商業施設中心の再活用に向け、働きかけと支援を行ってまいります。
続いて、柏市都市計画マスタープラン及び柏市立地適正化計画についてです。
今後の人口減少、少子高齢化を踏まえ、都市構造の転換を始め、将来にわたり安定的かつ持続可能なまちの実現に向けた取組を進めるため、本年4月に柏市都市計画マスタープランを改訂するとともに、柏市立地適正化計画を策定しました。
まず、柏市都市計画マスタープランについては、第五次総合計画の将来都市像である「先進住環境都市・柏」を実現するため、都市づくりの目標として「利便性や住環境が確保された持続可能なまち」、「多くの人が行き交う活力あふれるまち」、「誰もが安心して快適に過ごせるまち」を掲げ、この目標達成に必要な都市の骨格構造を示しております。
一方、柏市立地適正化計画は、柏市都市計画マスタープランの一部として位置付けられ、居住機能や福祉、医療、商業等の都市機能の立地及び公共交通の充実等に関する包括的なマスタープランとなっております。また本計画では、都市全体における人口や土地利用、交通、都市機能等に関する現状や将来の見通しを踏まえ、人口の維持・誘導を図る「居住誘導区域」と、都市機能の維持・誘導を図る「都市機能誘導区域」を定めております。
今後は、これらの計画を一体的に推進しながら、未来へつづくまちづくりに取り組んでまいります。
次に、空家等対策計画についてです。
本年3月に、平成30年度から平成32年度までの3年間を計画期間とする、柏市空家等対策計画を策定しました。本計画では、「魅力ある住環境づくり」と「協働のまちづくり」を基本方針とし、総合的・計画的な空家等対策を推進することとしております。
今年度は、本計画に基づき、専門家団体の協力を得て、空家の所有者や相続予定者を対象とした相談会の実施や相談窓口の設置など、特定空家等の増加を未然に防ぐ取り組みを進めてまいります。
続いて、北部地区の道路整備の状況についてです。
「柏たなか駅方面」から「柏の葉キャンパス駅方面」を結ぶ都市計画道路である船戸若柴線の市施工区間の工事が完了し、4月から「柏たなか駅方面」から「県道我孫子関宿線の交差点」までが開通しました。
今後は、千葉県施行の柏北部中央地区の土地区画整理事業による道路整備が進むことで、「柏たなか駅」から「柏の葉キャンパス駅」までがつながり、市民の皆様の利便性がさらに向上するものと期待しております。
続いて、学びづくりフロンティアプロジェクトについてです。
今年度は、本プロジェクトの一環として、新たに「算数科授業力向上事業」をスタートさせました。本事業は、実践校9校に指導主事が定期的に訪問し、算数科におけるつまずき解消に向けた、わかりやすい授業づくりを行うものです。これまでに蓄積してきた「柏市学力・学習状況調査」の分析を通じて、つまずき箇所やその傾向を把握しながら、担任、指導主事、新たに配置した算数支援教員が連携して授業改善に取り組んでいるところです。
今後は、これらの授業改善の積み重ねにより、子どもたちが学びの「満足感」や「達成感」を今まで以上に実感することができると考えております。取組はまだ始まったばかりですが、子どもたちの中に「学ぶ意欲と学ぶ習慣」の育成につながる「大きな変化」が生まれてくることを期待しています。
以上、前定例会以降の当面する市の課題等について、ご報告申し上げました。
今後も市勢発展のため鋭意努力してまいる所存でありますので、議員各位の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ、市政報告とします。