この3か月の柏市政報告-新型コロナウイルス感染症における状況や対策など

議会の冒頭には、市長から市政報告があります。
柏市議会は3か月ごとに開催なので、3か月間の柏市の主要な事業や出来事が報告されます。

大きな方針が発表される場合もあります。
記者会見で発表されるか、議会で発表されるか。
議員の質疑・質問の中で答えるか、議会冒頭の市政報告で発表するか。
市長の姿勢があらわれます。

本日、令和2年6月5日(金曜日)に開会した「市議会令和2年第2回定例会(6月議会)」において、次のとおり市政の主要な事項等について報告されました。
この文章と全く同じです。原稿です。
現市長は、アドリブや勢いに乗って加えたり、省略したりすることもないので、議場に見に行かなくても、柏市のHPに公開された原稿をお読みいただければ大丈夫です。

柏市のHPにも原文が掲載されていますが、見つけにくいのでURLを貼り、原文も掲載いたします。
http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/020100/p055059.html

市議会令和2年第2回定例会 市政報告

令和2年第2回定例会の開会にあたり、市政運営の主要な事項について、その概要を申し上げ、議員各位のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに、中国武漢市を中心に広がった新型コロナウイルス感染症は、令和2年1月16日に、国内で初の感染者が確認され、全国各地で感染が拡大するなか、本市においては2月20日に、千葉県の検査において初の感染者が確認されました。

現在までの本市における新型コロナウイルスの感染状況は、令和2年6月1日現在、陽性者が39人となっております。39人の内訳としまして、入院中の方はおられず、退院などの方が37人、お亡くなりになった方が2人となっております。

新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りしますとともに、感染された方々の一日も早い回復をご祈念申し上げます。

またこの間、感染者の治療や感染予防の最前線において全力を尽くされている医療機関や高齢者福祉施設とその従事者の皆様には、心より敬意と感謝を申し上げます。

本市では、市内における感染者の確認を受け、2月21日に、柏市新型コロナウイルス対策本部を設置し、感染者への対応及び感染拡大防止を最優先に、社会経済活動を含めた市民生活を総合的に支援するため、「医療・衛生対策」、「生活支援」、「経済支援」を柱とした新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでまいりました。

3月17日からは、柏市保健所においてPCR検査を開始したほか、柏市医師会及び柏市医療公社の協力のもと、ドライブスルー方式によりPCR検査の検体採取を行う「柏市PCR検査センター」を5月1日に設置しております。あわせて、市内の病院においても必要な検査を受けられるよう、受診者の自己負担に相当する金額の補助に関する契約を、帰国者・接触者外来設置医療機関などと締結し、検査体制の強化に努めてまいりました。その結果、6月1日現在、1、136人の検査を実施しております。

また、柏市保健所内に設置した柏市新型コロナウイルス感染症相談センターにおいては、発熱や風邪の症状があるかた向けの相談を受け付けており、2月7日の開設から6月1日までの期間で7、554件のご相談がございました。

このほか、一般的な相談や市の対策全般に関する問い合わせについては、柏市コールセンターを4月2日に開設し、市民の皆様の不安解消に向け迅速に対応してまいりました。

続いて、感染拡大防止策の実施状況についてです。

緊急事態宣言発令以降、柏市立小中高等学校は5月31日まで臨時休業の措置を講じてまいりましたが、5月25日の緊急事態宣言の解除を受け、段階的に学校を再開しているところです。再開にあたっては、感染リスクを最大限低減させるとともに、長期の臨時休業を踏まえ、児童生徒の心身に過度な負担がかかることのないよう、徐々に学校での学習時間や滞在時間を増やす配慮をしております。

引き続き、教育委員会と連携し、「感染リスクの低減」と「児童生徒の学びの保障」の両面から支援を行ってまいります。

市内認可保育園などについては、4月13日から5月31日までの間を臨時休園とし、特に保育が必要な園児のみに限定し受入を行いました。臨時休園については、園児や園で働く保育士を感染から守るために、県内でいち早く決定し取り組んだものです。なお、こどもルームについても、4月9日から臨時休所とし、特に保育が必要な児童のみを対象として特別保育を実施しました。

学校の休業や保育園などの休園休所及び家庭保育にご理解・ご協力いただきました保護者の皆様、特別保育を実施してくださった保育関係の皆様には、深く感謝申し上げます。

このほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と市の業務継続性の確保を図るため、4月13日から緊急事態宣言の解除される5月25日まで、交代制勤務を実施してまいりました。

緊急事態宣言以降、公共施設の休館などにより、市民の皆様には大変なご不便をおかけしてまいりましたが、緊急事態宣言の解除を受け、公共施設の利用についても順次再開しております。今後も、第二波の流行が懸念されることから、引き続き、感染リスクの低減に向けて、ご理解とご協力をお願い申し上げます。

続いて、新型コロナウイルス感染症対策を含む財政運営についてです。

現在、国の緊急経済対策の補正予算成立を受け、5月8日に開かれた第1回臨時会においてご承認いただいた関連事業を実施しているところです。

本定例会における補正予算案について、一般会計においては、国県支出金、財政調整基金繰入金などを財源に、保育園の臨時休園などに伴う保育料返還に係る経費や、公共施設の指定管理者に対する損失補償など、新型コロナウイルス感染症対策事業を中心に緊急性・優先度の高い事業の経費を計上しました。このほか、債務負担行為の追加を行います。

特別会計では、学校給食センター事業特別会計において学校給食関連事業者に対する損失補償に係る経費を計上しました。

次に、令和元年度の決算見込みについてです。

家屋の新築などによる固定資産税の増加などから、市税収入が前年度決算額を上回る見込みです。一方、歳出では、社会保障関係経費の増加が見込まれ、厳しい財政状況にある中で、台風被害や新型コロナウイルス感染症対策など緊急性の高い取組への対応が必要となりましたが、柏市第二次行政経営方針に沿った取組などにより、収支の均衡を図ることができる見通しです。今後は、新型コロナウイルス感染症拡大による経済への影響に留意しつつ、国・県の経済対策や市税収入などの動向を見極めながら、引き続き健全な財政運営に努めてまいります。

続いて、生活支援に関する実施状況についてです。

特別定額給付金については、オンライン方式による申請の受付を5月8日から開始するとともに、郵送方式については5月22日に申請書を発送しました。6月1日現在、オンライン申請で9、213件、郵送申請で11万7、371件の申請があり、5月19日に第1回目の振込を実施しました。6月1日までに合計3回の振込を終えており、総数は6、897件、振込総額は16億9、700万円となっております。引き続き、8月31日まで申請の受付を行い、順次、特別定額給付金を支給してまいります。

次に、子育て世帯への支援についてです。

子育て世帯への臨時特別給付金は、子育て世帯の生活を支援することを目的に、児童手当を受給する世帯に対して支給するものであり、平成16年4月2日から令和2年3月31日までに生まれた児童を対象に、児童一人あたり1万円を支給するものです。本市では、対象児童が約5万人おり、児童手当定期支給日の6月15日以降、順次支給してまいります。

また、市の独自支援策である児童扶養手当受給世帯への緊急支援給付金は、ひとり親世帯の生活支援を目的に、令和2年4月時点で受給資格をもつ世帯を対象に、各世帯8万円を基本として、第2子に4万円、第3子以降には2万円を加算した額を支給するものです。ひとり親世帯のひっ迫する経済状況を速やかに支援するため、6月1日現在、対象となる約1、900世帯へ支給を完了しております。

続いて、市独自の経済支援に関する実施状況についてです。

柏市中小企業支援給付金については、市内中小事業者などの事業活動の継続や雇用の確保を支援し、市内経済の安定を図ることを目的に、令和2年1月以降の売上高が前年比20パーセント以上減少している事業者を対象とし、一律20万円の給付金を支給するものです。申請受付を5月20日から開始しており、6月1日現在、1、139件の申請を受けております。

次に、柏市中小企業融資資金利子補給制度の拡充及びセーフティネット認定の迅速化についてです。

市内事業者の資金繰りを支援するため、3月23日から、本制度を拡充し、前年と比べ売上高などが20パーセント以上減少している事業者を対象に、柏市中小企業資金融資制度などを利用した場合の支払利子について、全額を補助することとしました。また、セーフティネット認定については、事務の効率化や、職員を重点的に配置し、事業者支援のための迅速な対応に努めてまいりました。

このほかの経済支援として、市内飲食店で使用可能な食事券の販売及び寄附の募集をクラウドファンディングの仕組みを活用して実施する「あすチケ柏」や、デリバリー方式による「ウチめし柏」実証プロジェクトの支援を実施しました。今後も、各種給付金支給事務などの迅速化を図り、事業者支援に努め、早期に地域経済を回復できるよう、市内事業者と連携し必要な対策に取り組んでまいります。

続いて、医療・衛生対策の実施状況についてです。

本市では、柏市医師会及び柏市医療公社の協力のもと、令和2年4月20日から無症状者及び軽症者の宿泊療養を進めてまいりました。これまでの入居者総数は11人で、宿泊療養者に対してPCR検査を順次実施した結果、11人が全て陰性となったため、現在入居中のかたはおりません。

このほか、マスクなど衛生用品の配付について、これまでも障害者や高齢者の福祉施設などに配付してまいりましたが、手指消毒用エタノールの購入は未だ困難との声が寄せられていることから、現在、市が一括購入する手指消毒用エタノールを市内障害者及び高齢者福祉施設に配付する準備を進めております。なお、衛生用品の使用頻度の高い医療的ケアが必要なご家庭にも優先的に配付をしてまいります。

また、教育関係の支援としては、臨時休業中の学習支援として、学校ごとに学習プリントなどの配付に加え、教育委員会と各学校が連携・協力し、学年別の学習動画や課題提供など家庭学習を支援するためのコンテンツを作成し配信するといった市独自策を行ってきました。あわせて、インターネット接続環境のない家庭に対する支援として、タブレット端末やWiFiルーターの貸し出しを行っております。

なお、長期の休業にともなう授業日数の不足を補うため、令和2年度の夏季休業期間を8月8日から8月23日までの16日間に短縮するほか、3密を避けるため、運動会・体育祭などの児童生徒が密集して長時間活動する学校行事を中止することといたしました。

これまでの緊急事態宣言の状況下において、保健所を持つ中核市として、柏市医師会などの関係機関と協力しながら、感染者の早期発見と感染拡大防止に鋭意取り組んでまいりました。

市民の皆様をはじめ、事業者の皆様のご理解とご協力により、本市では、5月3日発表分を最後に、新規感染者は1人も確認されておりませんが、今後予想される第二波の流行に備え、柏市新型コロナウイルス対策本部において、これまでの対応における問題点を検証し、改善に取り組んでまいります。

特に、医療分野においては、県と協力し、広域圏での医療体制の強化を図りながら、市内においても、柏市医師会と協力し、外来診療や救急医療の体制強化に努めてまいります。

引き続き、国内及び市内における新型コロナウイルス感染症の発生動向を注視しながら、市民生活と地域経済の復興に向けて、社会情勢の変化に応じ、的確かつ迅速な対応・対策を講じてまいります。

以上、新型コロナウイルス感染症における状況や対策を中心にご報告申し上げましたが、今後も、市民の皆様の生命と生活を守るため、全力で取り組んでまいる所存でありますので、議員各位の一層のご指導、ご鞭撻をお願い申し上げ、市政報告とします。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)