オー・ヘンリーの短編小説が好きで、古本屋さんで手に入れた文庫本を繰り返し読みました。
新潮文庫の『O・ヘンリー短編集』第一巻の第一話が、「警官と賛美歌(The Cop and the Anthem)」では、ホームレスが、寒い冬には軽犯罪を犯し、寒さをしのげて食物にもありつける流刑島の刑務所に入ることを、毎年繰り返していましたが・・・という短編です。
今日の日本でも、刑務所が、社会の中で行き場をなくした人たちの避難所となっている現状が指摘されています。
刑務所では、高齢者や知的障がいや発達障がいのある人たちが増えています。
刑務所が、社会復帰促進センターとなったり、変革が進んできています。
先月の『更生保護』でも、「障害を有する保護観察対象者」が特集されていました。
懲役1年6か月の実刑判決を受け、服役した山本譲司による『刑務所しか居場所がない人たちー学校では教えてくれない、障害と犯罪の話』(大月書店)を読みました。
刑務所の中ではなく、この社会の問題が指摘されています。
障害者福祉行政について、考えさせられました。
障がいなど、これまで社会から疎外されてきた人が、前科者として二重の差別を受け、ますますこの社会の中で生きにくくなっていきます。
社会から排除されているすべての人を、再び社会に受け入れ、誰もが安心して暮らせる社会を作っていこうという社会的包摂(ソーシャルインクルージョン)という考え方を深めていきたい。強く思いました。