里山ボランティア入門講座/生物多様性に向けた取り組みについて2013年6月19日議会質問

生物多様性に向けた取り組みについて質問いたします。
里山ボランティア入門講座は、里山再生や自然を愛する方々の地域の活動を始めるきっかけや受け皿となり、講座終了後も活動の場が準備されており、学びを社会に生かしていくことのできる貴重な事業であると思います。

里山の保全整備は、長い間土地所有者のみに委ねられてきましたが、今適正な役割分担のもとに市民がこれにかかわるとともに、余暇や教育にかかわる活動の場として里山の活用を進めることによって、人と里山との新たな関係を構築して豊かな里山を次の世代に引き継いでいかなければならないと、これは千葉県里山条例にもあります。
そこで質問ですが、今後より充実していってほしいという思いを込めて質問いたします。

講座の内容を拝見したところ、森の管理にかかわるテーマが中心となっています。しかし、里山とは小川や田畑、池や湿地、そこに住む生物全般の環境といった幅広いものです。そこで、この里山ボランティア入門講座では、そういった幅広いこのトータルに生物多様性を保全できるようなテーマを扱っていかなければなりません。
環境保全課や農政課など部署を横断し、講座を企画していく必要があるのではないでしょうか、考えをお聞かせください。

都市部長(吉川正昭君) 里山ボランティア入門講座についてお答えいたします。

市では、ごみの不法投棄や手入れ不足によりまして荒廃が進む樹林地がふえる中、自然豊かな里山を再生するため、樹林地の管理活動や自然との触れ合いを望む方々などを対象に、平成18年度より里山ボランティア入門講座を開始しまして、昨年度までに7回開催しまして、現在もその卒業生がそれぞれの里山活動を継続し、御活躍いただいているところでございます。

講座の内容といたしましては、里山の現状や保全の必要性、さまざまな里山作業の方法、活動地の視察など10こま程度の講義を4日間に分けて行っているところでございます。講師につきましては、森林インストラクターや林業普及指導員、緑の相談員などにお願いし、また講座の運営につきましては、里山活動を実践しているNPO団体に依頼するなど、受講者が里山活動に興味を持ち、参加しやすい環境づくりに努めてきたところでございます。

生物多様性の観点から、水辺や農地などに関する講座を含め、内容をさらに充実すべきとの御提案につきましては、樹林地における生物の生息関係に関する講義は、これまでも行っているところですが、現在行われている里山活動そのものがいわゆる雑木林の再生であり、雑木林そのものが生物多様性の1つのシンボルとされております。
したがいまして、今後もさらに植物や昆虫などの生息環境の改善や林床の管理等、適正な管理方法に関するカリキュラム等にも力点を置きまして実施してまいりたいと考えております。

また、樹林地以外の水辺や湿地、農地までを含めた広域的なトータルでの生物多様性に関する講座につきましても、今後生き物多様性プランを所掌しております環境部局と相互の役割や連携について協議し、実現に向け検討してまいりたいと考えております。以上です。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)