生物多様性に向けた取り組みについて質問いたします。
里山ボランティア入門講座は、里山再生や自然を愛する方々の地域の活動を始めるきっかけや受け皿となり、講座終了後も活動の場が準備されており、学びを社会に生かしていくことのできる貴重な事業であると思います。
里山の保全整備は、長い間土地所有者のみに委ねられてきましたが、今適正な役割分担のもとに市民がこれにかかわるとともに、余暇や教育にかかわる活動の場として里山の活用を進めることによって、人と里山との新たな関係を構築して豊かな里山を次の世代に引き継いでいかなければならないと、これは千葉県里山条例にもあります。
そこで質問ですが、今後より充実していってほしいという思いを込めて質問いたします。
講座の内容を拝見したところ、森の管理にかかわるテーマが中心となっています。しかし、里山とは小川や田畑、池や湿地、そこに住む生物全般の環境といった幅広いものです。そこで、この里山ボランティア入門講座では、そういった幅広いこのトータルに生物多様性を保全できるようなテーマを扱っていかなければなりません。
環境保全課や農政課など部署を横断し、講座を企画していく必要があるのではないでしょうか、考えをお聞かせください。
◎都市部長(吉川正昭君) 里山ボランティア入門講座についてお答えいたします。
市では、ごみの不法投棄や手入れ不足によりまして荒廃が進む樹林地がふえる中、自然豊かな里山を再生するため、樹林地の管理活動や自然との触れ合いを望む方々などを対象に、平成18年度より里山ボランティア入門講座を開始しまして、昨年度までに7回開催しまして、現在もその卒業生がそれぞれの里山活動を継続し、御活躍いただいているところでございます。
講座の内容といたしましては、里山の現状や保全の必要性、さまざまな里山作業の方法、活動地の視察など10こま程度の講義を4日間に分けて行っているところでございます。講師につきましては、森林インストラクターや林業普及指導員、緑の相談員などにお願いし、また講座の運営につきましては、里山活動を実践しているNPO団体に依頼するなど、受講者が里山活動に興味を持ち、参加しやすい環境づくりに努めてきたところでございます。
生物多様性の観点から、水辺や農地などに関する講座を含め、内容をさらに充実すべきとの御提案につきましては、樹林地における生物の生息関係に関する講義は、これまでも行っているところですが、現在行われている里山活動そのものがいわゆる雑木林の再生であり、雑木林そのものが生物多様性の1つのシンボルとされております。
したがいまして、今後もさらに植物や昆虫などの生息環境の改善や林床の管理等、適正な管理方法に関するカリキュラム等にも力点を置きまして実施してまいりたいと考えております。
また、樹林地以外の水辺や湿地、農地までを含めた広域的なトータルでの生物多様性に関する講座につきましても、今後生き物多様性プランを所掌しております環境部局と相互の役割や連携について協議し、実現に向け検討してまいりたいと考えております。以上です。