今回の議会質問により、谷津田を保全する仕組みが示されました。
農業を営むことが何よりもの保全という考え方を柱に、谷津田での農業に20円/㎡の奨励金を支払うことになります。
耕作放棄地でも、復田や体験農園、環境学習などのフィールドとすることで、10円/㎡の奨励金を支払います。
もちろん、すべての谷津田ではなく、生きもの多様性プランなど重要地区候補地の谷津に限られ、谷津田保全協定を締結しての実施です。
しかし、市と地元とが話し合い、実際に予算が当てられ、制度化されたことは大きいことです。
ここ数年で、豊かな自然の残る柏の湿地帯の埋め立てが進んできました。
「豊かな自然」を守ると計画を立てながら、埋め立てに対する法的な規制はなく、柏市は埋め立てへの許可を出しているという整合性のないことをしてきました。
埋め立ては民間での話し合いと言われてきました。
しかし、先人が守り伝えてきた柏の豊かな自然でもあり、環境と言う地球規模の課題でもあり、行政としての責任も大きいと考えます。ここのところ、日本各地で見られる災害や異常気象のことを見ても、市民個人だけではなく、柏市をあげて取り組むべき問題です。
これまでも残土の埋め立てや谷津田の保全について質問してまいりました。
谷津田は、生きものの多様性という面では豊かな土地ですが、農業生産の面では効率の悪い土地です。農地として維持していくことが難しく、現在の状況に至っていると言えます。
柏市の豊かな自然の大半を農家が水田として守っているという面もありますが、相続で手放す事例も少なくありません。
埋め立ては、個人の問題だけではなく、社会の構造的な課題であると認識しています。
市民団体や企業、大学との連携、障がいのある方や高齢者の就労の場、教育や観光の資源としてなど、谷津田を保全していく仕組みが必要です。