【柏市】除染により発生した除去土壌の紛失について

5月26日に会計検査院から公表されました,除染により発生した除去土壌の紛失について、柏市より情報提供がありましたので、共有いたします。

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令和3年5月26日,除染により発生した除去土壌の紛失について,会計検査院から参議院に報告されたことを受け,柏市から当該事案に係る内容につい てご報告いたします。

1 除染の概要
平成 23 年 3 月に発生した東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故 で,柏市内は放射性物質による環境汚染が発生しました。
当時,このことに対 応するため,市では市公共施設をはじめ,一部の民間施設においても除染を実施し,その際発生した除去土壌については,当該施設の敷地内に埋設保管をすることとしています。

2 会計検査の概要(現地調査:令和 2 年 2 月 4 日)
令和 2 年 1 月 30 日,「調査対象の施設において,除去土壌の保管開始当時 と現在で比較し,建物配置や敷地利用形態が異なる可能性がある施設が確認される」と会計検査院から指摘を受けました。
令和 2 年 2 月 4 日,会計検査院による埋設保管地での現地調査が実施され, 民間事業者が所有する施設1か所において,敷地の一部が売却され住宅が建設されていることが確認されました。

3 搬出された除去土壌の状況
埋設されていた除去土壌の深さや民間工事の実施状況から,保管されてい た全ての除去土壌は,平成 30 年度に他の土壌と一緒に敷地外へ搬出されたと 判明いたしました。(保管されていた除去土壌:50 ㎥)
柏市において搬出先の調査を行いましましたが,各市において埋め立てに 関する条例が施行されており,埋め立てをする面積や土砂の量によっては届け出が不要になるため,搬出先の把握は困難と判断いたしました。
なお,搬出された除去土壌は全て,当該敷地内で除染により発生したものです。

4 現在の空間放射線量(推計値)
除去土壌が露出して存在していた場合,福島第一原発事故から約 10 年が経 過していることから,放射線量は逓減し 0.23μ㏜/時(※)を下回っていると推計されます。

《除去土壌が露出して存在した場合の推計値》 除染前の空間放射線量:0.3~0.4μ㏜/時 ⇒現在の空間放射線量(推計値) :0.11μ㏜/時
⇒搬出当時(H30 年度) の空間放射線量(推計値) :0.13μ㏜/時
(※)0.23μ㏜/時は,国際放射線防護委員会が勧告する一般の人々の健康を守 るための基準である公衆被ばくの線量限度である,年間1m㏜をもとに,国 が安全側に立った仮定の下で算出した1時間当たりの空間線量率です。

5 発生原因と今後の対応
当該法人は,「敷地内の空間放射線量を測定しても問題なかったので,埋設されている土壌も問題なく処分できると思っていた」とのことでした。
市では 除染時に埋設保管をお願いしましたが,その後,市から保管に関する通知等 を実施しておらず,このことが市と当該事業者との間で認識の差が発生したと思われます。
なお,今回紛失した除去土壌は,放射性物質汚染対処特措法に基づく法定計画である「柏市除染実施計画」策定前に実施された除染のため,同特措法の対象とはならず,除去土壌の処分等について法の規制はありません。
しかしながら,放射線の影響を懸念して実施された除染であり放射性物質 を含む土壌であることから,特措法等に基づく保管を継続することが望まし いと認識しています。
そのため,まず今回のことを受け,市で保管を把握している全ての箇所を確認し,全ての箇所において安全に保管されていることを確認しました。
更に今後は,定期的に保管・管理をお願いする通知を保管をお願いしている皆様に対し実施し,適正な管理に努めていきます。
また,国において,除去土壌の処分方法について検討が続いているところ ですので,市としましては,引き続き国の動向を注視していくとともに,処 分方法が決定するまで,保管をお願いしていきます。
あわせて,保管場所の 売却や利用を検討されている土地所有者から相談があった場合は,国と協議の上,適切な保管を継続できるよう対応していきます。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員選挙(柏市)•立憲民主党公認候補予定者。 2021年10月、柏市長選挙(2021年)に無所属で立候補。43,834票を託して頂きました。その後、AIで水道管を救うFracta Japan株式会社の政策企画部長に。 元柏市議会議員。柏まちなかカレッジ学長。元高校教諭。2児の父。 教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 (社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)