昨夜は、柏まちなかカレッジの第66回 魁!!!歴史塾でした。
2018年7月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)が世界文化遺産登録されたことをうけ、テーマは「カクレキリシタンと日本人の信仰」に話し合いました。
キリスト教が禁じられている中で、長崎と天草地方において日本の伝統的宗教や一般社会と共生しながら信仰を続けた潜伏キリシタンの信仰継続にかかわる伝統のあかしとなる遺産群として、島原・天草一揆の舞台だった原城跡や信仰を集めた離島も含む集落や集落跡、潜伏キリシタンが宣教師に信仰を告白した大浦天主堂など、12の構成資産すべてに「顕著な普遍的価値がある」と認められた。
ところで、「潜伏キリシタン」と「カクレキリシタン」の違いは何か?
カクレキリシタンは隠れていなかったこと、キリスト教解禁以降の今でもカクレキリシタンの信仰が続いていること、カクレキリシタンの信仰はキリスト教ではないことなど、宮崎賢太郎氏の研究をご紹介しながら説明しました。
信仰や歴史は、複雑でデリケートなテーマです。
しかし、観光資源としてわかりやすく、「仏教を隠れ蓑に、キリスト教の信仰を守り抜いた悲劇の物語をイメージ」と、安易に説明しやすいものへと形骸化していくことを懸念しています。
カクレキリシタンの信仰を考えることで、日本人の信仰や文化を考えることにもなりました。仏教の理解、死生観、アジアのキリスト教など、話し合うことができました。
いつも参加してくれる塾生、久々の塾生、参加できないけれどオンラインで聴いている塾生、初めての参加者、遠巻きに眺めているお客さんやネット上でのぞいてくれた人たちと、一緒に語り合いました。
僧侶も、クリスチャンもいました。
一般的に、宗教などを話し合うことは避けるほうが無難と考えられがちです。
こうして宗教や信仰についてもオープンに話し合えたことは、柏まちなかカレッジでは、安心して対話できる場を築くことに力を入れてきた成果の一つだと思います。
次回は、「連句」について。
連歌~俳諧~連句の歴史はめちゃくちゃ長く広く、朝廷よりのものもあれば惣と関わるものも隠密のものもあり、どのような展開になるか楽しみです。
9月4日は中止し、9月後半から10月前半に開催できるよう調整中です。
歴史塾には、歴史のことがよくわからないという方でも、ご本人さえよろしければ参加できます。話す人はたくさんいますので、何かコメントしなければならないということもありませんので、ご安心ください。