児童虐待防止の対応強化に向けて、今年度、児童相談所の設置に関する調査に予算がつけられました。
「人口20万人以上の中核市でも設置が進むよう支援する」という児童福祉法の改正(平成29年4月から施行)を受けてのものです。
つまり、柏児童相談所は千葉県の事業ですが、柏市でも中核市として児童相談所の設置を検討しなければならないというものです。http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/190-31.pdf
今回の児童福祉法の見直しでは、「全ての児童が健全に育成されるよう、児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策のさらなる強化等を図るため、児童福祉法の理念を明確化するとともに、妊娠期から子育て期までの切れ目ない支援を行うために母子健康包括支援センターの全国展開、市町村及び児童相談所の体制の強化、里親委託の推進等の措置」が講じられます。
来週、柏市議会教育民生委員会では、名古屋市の児童相談所を視察します。
その前に、柏児童相談所を視察し、所長からお話をお聴きしてまいりました。
千葉県では児童相談所の数が足りていません。特に、中央・市川・柏管内の千葉県北西部は、相談件数も多く、十分な支援ができていると言い難い現状です。
児童虐待相談は、急激に増加しています。
柏管内(松戸市、柏市、流山市、野田市、我孫子市)では、平成18年に約330件だったのが、平成25年に1192件、平成28年には約1900件に。
柏児童相談所の一時保護定員は25名ですが、それを越えてしまっています。
お話をお聴きし、柏市にできることを考え、話し合いました。
現状では、児童相談所は、子どもの命にかかわる案件に対して、一時保護など介入的な支援に力を入れ、養育や育児といった初期の対応や発生予防、自立支援などを自治体で担うような連携が必要です。
すべてを児童相談所が担うのではなく、親の不在や虐待などで家庭で暮らせない子供を希望した世帯が預かる仕組みである里親制度の充実や保護施設の支援などにも、力を入れていくべきと思いました。
この4月、大阪市が男性カップルを、養育里親に認定したニュースがありました。2人は2月から、市から委託された10代の子供1人を預かっているとのことです。
※男性カップルを大阪市が里親認定 全国で初めて
※男性カップルを大阪市が里親認定 全国で初めて
映画『チョコレートドーナツ』を思い出しました。
障がいを持ち、母親に育児放棄された子どもと、家族のように過ごすゲイの男性が少年を養子にしようとしたときに直面した問題を描いたものです。