今日は議会の決算審査特別委員会(総務部門)。私が質問した一部をご紹介いたします。今朝の日本経済新聞(2014年10月27日朝刊)にも、取り上げられていた「ふるさと納税」についてです。
柏市では、例年約300−500万円の寄付があり、約600−900万円が税控除されています(h25年度には、約3000万円の寄付があったり、平均で示すのは難しいですが…)。つまり、大雑把に言うと、数百万円のマイナスです。
ふるさと納税とは、都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、2,000円を超える部分について、一定限度額まで、原則として所得税と合わせて全額が控除される仕組みです。
たとえば柏市に住んでいる東北出身者が、東北のふるさとに被災地支援も含めて、3万円を寄付すると、柏市から税が2万8000円控除され、寄付した自治体からお礼が返ってきます。
そのお礼が、特産物や工芸品など、2万円相当くらいのものだったりしまして、それを目当てに、ふるさとでも何でもない自治体に寄付している人もいます。極端な例では、限度額いっぱいの約90万円を寄付し、約40万円相当の品を得られます。
ふるさと納税お得特集を組むメディアや自治体にふるさと納税プランを提案するコンサルまで出てきています。
私には、納得がいきません。
もともと、地方間格差や過疎などによる税収の減少に悩む自治体に対しての格差是正を推進するための新構想として提案された経緯があります。
柏市は、都内に勤める方々のベッドタウンの性格上、ふるさと納税によるマイナスは自然なことであると言えます。
しかし、近年、都市近郊の自治体までもが、特産品のプレゼントなどの手を使って、市外からの寄付を集めようという流れがあります。
PRできる力のある財政豊かな自治体に、ふるさと納税が集中してしまっては本末転倒です。
この流れを柏市としては、見過ごしてはならないものと考えます。
柏市としても何らかの対策(もちろん特産品ではない策)を取るべきです。
たとえば、転出手続きや成人式で、ふるさと柏からのメッセージを書いた手紙を渡すなどの提案をしました。
「今までありがとうございました。柏は、いつまでも、あなたのふるさとです。いつでも帰って来てください。」
同時に、ふるさと納税の意義や方法の説明も記載しておきます。
納税そのものについても考えさせられました。
ふるさと納税は、納めた税金の使い方を自分の意志に沿ったものに指定できる制度です。
何に使われているか見えにくい現状の行政システムへの不信が、ふるさと納税の背景にはあると感じます。
自分たちが納めた税がどのように役立てられているかを明示できるような工夫も必要です。
そして、何より柏市への愛着を深めてもらえるような努力が大切だと、改めて、思うところです。