公開産業座談会「柏市産業の昨日・今日・明日〜ものづくりからAI戦略へ〜」にお聴きできました。
「柏市産業の昨日から今日までを振り返るとともに,進むべき道・明日について,産・学・官各々の立場から熱く語っていただき,産業都市である‘かしわ’の将来の方向性と可能性を探る」という趣旨でした。
東大柏の葉キャンパスのスーパーコンピュータでは、ビッグデータとシュミレーションで、様々な研究が進んでいます。
たとえば、コンピュータの中に、心臓のシュミレーター(UTハート)を作り、創薬などの実験が行われているとのこと。
経済産業省は、人工知能(AI)の産学官連携拠点を柏の葉に設置することを決めました。2017年度内に開設される予定です。
国内外から研究者を集め、企業と共同開発するとのこと。AIとものづくりを融合し、第4次産業革命を後押しするとまで言われています。
柏の葉のマスタープランである国際キャンパスタウン構想で定められた、イノベーション•フィールド都市の実現です。
http://www.udck.jp/town/000372.html
柏の葉の国際キャンパスタウン構想は、民間の力を引き出すための都市計画であると、出口先生はご説明されました。
自動車を締め出し、歩行者天国にし、オープンカフェが始まり、にぎわいが生まれたニューヨークの事例も紹介されました。
残念ながら日本のAIは世界的には遅れているそうですが、柏の葉のAI拠点では、これまでのものづくり産業の蓄積と融合することで、新しい価値を生み出していければとのお話をお聴きできました。
技術者の育成や人材確保の重要性が示されていました。
東京から30キロ圏にある柏ですが、クリエイティブに働ける環境をいかに整備するかが、カギであるとのご指摘もありました。
新しい分野やタイプの人が出会い、新しいモノを生み出される場が求められています。
人が出会える公共空間を、意識して作っていきたいです。
柏市には、これまでのものづくり産業の蓄積や東大などこれからの新産業の拠点があります。
東葛テクノプラザなども機能し、こういった機会を最大限に活用できるようになれば、柏からのオープンイノベーションも期待できると思います。
■登壇者
出口敦氏(東京大学新領域創成科学研究科教授)
中田裕之氏((公)千葉県産業振興センター常務理事 東葛テクノプラザ所長)
佐藤祐二氏(パウダーテック㈱代表取締役社長 柏商工会議所副会頭)
藤井秀美氏(㈱藤井製作所代表取締役 柏商工会議所工業部会長)
皆川悦子氏(昭和プラスチック㈱代表取締役 千葉県経済同友会役員)
※司会者:平島雅治氏(柏市経済産業部長)
主催:千葉産業人クラブ(日刊工業新聞社千葉支局),柏市
協力:千葉県産業振興センター(東葛テクノプラザ),柏商工会議所