【速報】本日の千葉県議会 ー 伊藤ちかこ議員(立憲民)の一般質問 2025年2月5日午前2

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。

 

本日(2025/2/5)午前二人目の一般質問は、立憲民主党の伊藤ちかこ議員した。

質問項目

  1. 「主体的・対話的で深い学び」について
  2. 学習に困難を抱えている子どもたちについて
  3. 定員内不合格について
  4. 性暴力について
  5. PFAS汚染について
  6. セーフティネットについて
  7. 医療について
  8. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文


質問(第1回目)伊藤ちかこ 議員


–伊藤ちかこ 議員
皆様こんにちは。
立憲民主党、白井市選出の伊藤ちかこです

本日登壇の機会をくださった会派の先輩同僚議員の皆様に感謝申し上げます。
傍聴に来てくださった皆様、インターネット中継をご覧の皆様にも感謝申し上げます。

伊藤ちかこ 議員
早速ですが、質問に入らせていただきます。

伊藤ちかこ 議員
初めに、主体的対話的で深い学びについて質問いたします。

伊藤ちかこ 議員
私は県内外の学校へ視察へ伺っていますが、授業の様子が10年前とは違ったものになっていると感じています。
タブレットが導入され、子供たちが自分のタブレットに入力すると、先生が一瞬でクラス全員の回答を見ることができる、そうしたアプリが活用されています。
ICT教育の進展には目を見張るものがあります。
しかし、便利なツールよりもさらに目を引いたのは、子供たちが課題について試行錯誤しながら自分で、あるいはクラスメイトと一緒に解決方法を見つけていく、そのプロセスを丁寧に進めている様子です。
旧来見られた先生が唯一の正しい解き方を教え、それを子供たちが覚えるというスタイルは主流ではなくなってきているように見えます。
文科省は、主体的対話的で深い学びを令和2年度以降、小学校から順次実施することとしました。
中教審では、協働的な学びの重要性を示しました。
各自治体でもそれらの取り組みは進められており、例えば名古屋市教育委員会では、文科省に先駆けて実践し、成果を本として出版しています。

伊藤ちかこ 議員
議長のご許可をいただき、ご紹介します。

伊藤ちかこ 議員
こちらの~子ども主役の学校へ、いま名古屋から~学校は誰のもの? という本です。
この本を読みますと、子供たちの自発的な学びの生き生きした様子とともに、教育委員会や学校関係者の真摯な思いが伝わってきます。
私の地元の白井市の小・中学校や文教常任委員会の視察で訪れた県立千葉女子高等学校でも、この実践が進んでいると感じさせられました。
本県全体ではどうでしょうか。
現在どのような実践が行われているのか気になるところです。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
県教育委員会は、主体的対話的で深い学びを実践するために、どのような取り組みを行っているのか。

伊藤ちかこ 議員
名古屋市教育委員会の方では実践後の検証調査も示されていましたが、本県ではどうでしょうか。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
取り組みの検証はどのように行い、その結果はどうか。

伊藤ちかこ 議員
次に、学習に困難を抱えている子供たちについて伺います。

伊藤ちかこ 議員
子供たちの14%、7人に1人は認知機能が平均よりも育っていないために、学習に困難を抱えることがあると言われています。
ここでいう認知機能とは、言語による理解力、視覚情報を処理する力、非言語情報から、関係性、規則性などを察する力、一時的記憶力、そして処理速度などのことを指しています。
一般にこれらは検査によって測ることができます。
例えば、言語による理解力が低い場合、先生の話が十分に聞き取れないので、指示通り教科書を開いたり出来ないといったことが起こります。
しかし、周りからはただぼんやりしていただけのように見えるかもしれません。
先生に気づかれにくく、そのため出来ないのはやる気がないからだ、などと思われてしまいがちです。
努力しているのに学習についていけない、そのため分からないのがつらい、などといった思いを抱えていたりすることもあると聞きます。
こうした状況に陥ると、適切な指導が受けられないばかりか、学校が自分を歓迎している場所、安全な場所と感じられなくなってしまわないかが心配になります。
また私に現場の先生から、学習に困難を抱えている子供への支援の方法がわからないので、困っているというお声をいただきました。
教員への支援も必要とされているのではないでしょうか。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
学習に困難を抱えている子供たちの存在をどのように認識し、どのような支援を行っているのか。

伊藤ちかこ 議員
次に、定員内不合格について伺います。

伊藤ちかこ 議員
昨年6月の我が会派の代表質問で網中肇議員の質問により、全国の人口上位8都道府県のうち、公立高校の定員内不合格者を出しているのは本県だけであることが明らかになりました。
また先月には、定員内不合格となった障害のある受験生と保護者から不合格を不服として、本県に対して訴えを起こされ、初公判が開かれました。
保護者からは、障害者差別ではないかとのお声を聞いています。
多様性条例を有する本県において、差別の疑念を抱かれること自体、誠に残念な状況だと思います。
県立高校に障害のある生徒が受験する場合に備えて、県立高校の向上や教職員には、障害のある生徒への十分な理解促進が必要だと考えますが、県教育委員会はどのように取り組んでいるのでしょうか。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
高等学校の校長および教職員に対して、障害のある志願者の理解促進を図るため、県教育委員会はどのように取り組んでいるのか。

伊藤ちかこ 議員
次に、性暴力について伺います。

伊藤ちかこ 議員
性暴力のニュースを聞かない日がなく、女性や子供を性的に踏みにじり、世界中で報道される事案も増えております。
性暴力、性犯罪は、今や日本社会の大きな問題の一つとなっています。
学校関係に限っても、最近では児童生徒間での事案が報じられています。
例えば、近県のある市で、小学男児が複数人で低学年の女児1人を囲んで性的な接触をした事案など低年齢化が見られます。
また、AIを使用した性的画像作成やスマートフォンで同じ学校、同じ教室といった身近なところで、女子の性的な主体を盗撮し、それらの画像をネット上で取引するなど、子供たちの間で新しい形の性暴力事案も生じています。
盗撮などは急速に増えているのではないかと懸念されます。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
児童生徒間の性暴力に対して、県教育委員会ではどのように対応しているのか。

伊藤ちかこ 議員
性暴力は、加害者が加害をしなければ起こりません。
加害者はしばしば性的同意について十分理解しておらず、相手が嫌がっていないと思った、同意があったと思った、さらには誘われていると思ったなど、認識が事実に反して、都合よく歪んでいることがあります。
再犯する危険性があるため、加害児童生徒についても、再犯防止、更生については慎重に考慮しなければならないと思われます。
本県でも、児童生徒間の性暴力事案について、県教育委員会へ相談が複数来ていると聞いています。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
加害児童生徒の再犯防止、更生に関して、学校はどのような対応をしているか。

伊藤ちかこ 議員
教職員による性暴力事案も、残念ながら後を絶ちません。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
教職員の児童生徒に対する性暴力を防止するためにどのような取り組みを行っているのか。

伊藤ちかこ 議員
前回一昨年、9月定例会で、県警から、明白な虚偽、または著しく合理性を欠くものである場合を除いて、性被害の訴えに対しては即時受理という力強いご答弁をいただきました。
認知件数、検挙件数ともに増加しており、犯罪の抑止に確実に繋がっていると思います。
県警には心より感謝を申し上げます。
そして被害者が訴えやすいよう、どのような取り組みを行っているのか気になります。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
性犯罪の被害者が警察に訴えやすいよう、県警ではどのような取り組みをしているのか。

伊藤ちかこ 議員
警察に訴えるためには、起こった出来事を犯罪として認識することができて初めて可能です。
しかし、被害者は審議に反する、あまりに衝撃的な出来事であるために、同様混乱して、性犯罪としてすぐには認識できないことも多いといいます。
また、犯罪として認識しても訴えた場合の報復や心無い二次加害のリスクなど心配して躊躇してしまうこともあります。
PTSD、体調不良などが起こる場合も少なくなく、いずれにしても、被害の詳細を語るのはつらいと聞きます。
どのような状態にあっても、被害者は尊厳が深く傷つけられたのですから、本人の意思を尊重した適切な支援を受けられるようにすべきです。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
警察への訴えを躊躇するような被害者に対し、県ではどのような支援を行っているのか。

伊藤ちかこ 議員
次に、PFAS汚染について伺います。

伊藤ちかこ 議員
一昨年9月定例会で私は金山落流域のPFOSおよびPFOAの追加調査を要望し、昨年3月には、県と柏市による追加調査を行っていただきました。
感謝を申し上げます。
また県が柏市、鎌ヶ谷市、白井市と連携協力して、更なる調査を進めてくださっていることにも重ねて感謝を申し上げます。
さて、暫定指針値50ng/Lに対し、鎌ヶ谷市の井戸から最大値4万2000ng/LのPFOSおよびPFOAが検出されています。
周辺住民の皆さんのご心配の声は大きく、鎌ヶ谷市は住民説明会、血液検査の支援を行うなど、丁寧な対応をされています。
県としても対応を急いでいただきたいところです。
1月上旬私は、水質汚染数値の最も高い地域に存在し、かつPFOS含む泡消火剤を使用したことがある海上自衛隊下総航空基地に視察に伺いました。
そこで、基地内での水路調査、水質調査が今年度内に実施されると伺いました。
これは県と地元3市の要望を受けて、下総航空基地が実施するものと聞いております。
汚染源の特定に繋がることが期待されます。
ところで汚染については、平面の地図を見て、高い数値の地点が注目されがちですが、環境研究センターがまとめた実質汚染現場における汚染機構解明調査の手順を読みますと、地下水汚染がある場合、平面ではなく、深さをイメージした立体で、3次元で考える必要があることがわかります。

伊藤ちかこ 議員
議長にお許しいただき、資料を配付させていただきました。そちらをご覧ください。

伊藤ちかこ 議員
私は歩いて見て回りましたが、周辺地域は起伏に富んだ複雑な地形であり、湧水や小さな水路があちこちにあります。
こうした複雑な地形での汚染物質の挙動は慎重に調べていくことが求められます。
十分な事前準備もせずに、土壌や地下水の調査を行えば汚染を広げることにもなりかねないので、専門的な知見が必要とされています。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
金山落周辺におけるPFAS汚染の調査の状況はどうか。

伊藤ちかこ 議員
また、汚染原因の解明のため、専門家の意見を聞くべきと考えるがどうか。

伊藤ちかこ 議員
次にセーフティネットについて伺います。

伊藤ちかこ 議員
昨年、闇バイトが関わる強盗事件が本県でも連続して発生し、私の地元の白井市でも被害が出ました。
大変不安を覚えたとの声が私のところへも届いています。
被疑者は若者たちで闇バイトに応募した理由として、税金滞納や経済苦を理由としている一方、生活保護だけは受けたくないという声が複数あったと報道されました。
貧困や格差が広がる一方で、ほう助を頼るな、自助努力が足りないといった考えが行き過ぎすぎてしまっていないか心配です。
自立することは大切ですが、しかしながら、若者が自分で何とかしようとして地域の治安が脅かされる状況は、社会で全体の不利益を招いてしまってはいないでしょうか。
犯罪を犯すことは言うまでもなく、自助の方向が全く間違っていますが、経済苦が犯罪の背景にあるのであれば、行政のセーフティーネットをしっかりと周知し、生活保護制度は、就労支援など、個々の状況に応じて自立を助けるものであり、そもそも憲法25条生存権に基づいた権利であることを広く認知してもらう必要があるのではないでしょうか。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
生活保護を初めとした行政によるセーフティーネットの活用を若い人にも周知啓発するために、関係機関と連携した取り組みが必要と思うがどうか。

伊藤ちかこ 議員
最後に医療について伺います。

伊藤ちかこ 議員
本件の県立病院はがん、精神科、高度救急救命、小児、循環器系高度医療、地域医療など、それぞれの分野で本県の医療を牽引し、県民の命と健康を守る砦となっています。
病院では、各専門の医師、看護師はもちろん、多くのスタッフが働いています。
リハビリやストーマ外来などの専門スタッフ、看護助手、薬剤師、検査技師、臨床心理士、栄養士、事務方、清掃や警備のスタッフなど多岐にわたって、それぞれの役割から、病院と医療を支えてくださっています。
日々の献身に心から感謝を申し上げます。

伊藤ちかこ 議員
まず、本県のがん医療の中核を担い、基幹病院であるがんセンターについて伺いたいと思います。

伊藤ちかこ 議員
がんは2人に1人が罹患すると言われ、40代以上の死亡原因のトップですが、医療の進歩とともに治る病、ともに生きる病となってきています。
その一方で、経済的問題や精神心理的な問題も増加してきていることが厚労省のがん対策推進基本計画でも触れられております。
第4期がん対策推進基本計画では、取り組むべき政策として、患者の意思決定支援の取り組みの検討が挙げられています。
というのも、がんの告知を受けた後、患者は治療方針や治療中の仕事をどうするか、医療費をどう賄うか、命に関わる状況の中で、患者との関わり方など様々な事柄について次々に意思決定をしていかなければならず、支援が必要と思われます。
また一方で治療や症状には痛みが伴いがちで、心身が弱ると、それによっても助けが必要になりますが、多忙な看護師の手を煩わせてしまうのを申し訳なく思ったりして、相談しにくいという声も聞きます。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
がん患者の様々な医療の場での意思決定を支え、困っていることに対応するために、がんセンターではどのように取り組んでいるのか。

伊藤ちかこ 議員
入院患者は1日に何度も看護師と一対一でやり取りをする場面があるでしょう。
看護師の対応は患者の心理に影響を与え、病院の印象、評判にも大きく影響しているようです。
がんセンターの場合、看護師は20代が約4割とお聞きしました。
若い看護師が多いことがわかります。
学校を出たばかりの看護師は、いくつかの難しい課題に直面するのではないでしょうか。
まず、医療行為を行う者として手技の熟達が要求されます。
さらに社会経験がまだ少ないのに科によっては、年配の患者とコミュニケーションをとることが求められます。
加えて患者は、ふさぎ込んで抑うつ状態になったりしていることがあります。
そうした心身ともにサポートが必要な患者と向き合う中でも、看護師は明るく希望を与えるような言動が求められます。
その感情労働は大変な負荷になっているのではないでしょうか。
そこで看護師のサポート、人材育成が重要と考えますが、がんセンターに限らず、県立病院ではどのように取り組んでいるのでしょうか。
長く勤めていただくために、段階ごとにキャリア形成をサポートすることが必要だと思います。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
県立病院においては、看護師の新人のバックアップ、人材育成、キャリア形成にどのように取り組んでいるか。

伊藤ちかこ 議員
特に感情労働に伴う悩みなどへのサポートはどうか。

伊藤ちかこ 議員
以上、壇上からの質問を終わります。
前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。


答弁(第1回目)


–議長
伊藤ちかこ君の質問に対する、当局の答弁を求めます。

議長
知事 熊谷俊人君。

–熊谷俊人 知事
立憲民主党の伊藤ちかこ議員のご質問にお答えをいたします。

熊谷俊人 知事
まずセーフティネット活用に係る周知啓発についてのご質問にお答えをいたします。

熊谷俊人 知事
県では貧困などの課題を抱える若者等が円滑に支援を受けられるよう県ホームページ等において、家計改善や就労支援等を実施する自立相談支援機関や生活保護を実施する福祉事務所の他、市町村等が設置をする相談窓口も含めて周知をしているところです。
また福祉事務所等においては相談者が状況に応じて適切な支援を受けられるよう他の機関の利用に繋げるなど、関係機関と十分な連携を図っているところです。
さらに今年度はインターネット上でいつでも相談ニーズに応じて、県や市町村の担当部署や支援機関窓口を案内するAIチャットボットを導入予定であり、その活用について関係機関と連携して呼びかけるなど、若者等が円滑に支援を受けられるよう取り組みを強化してまいります。

熊谷俊人 知事
次に医療についてお答えをいたします。

熊谷俊人 知事
がんセンターにおける患者への対応についてのご質問ですが、がんセンターではわかりやすいインフォームドコンセントに努めていることに始め、患者家族が安心して医療を受けることができるよう、医師を初めとした様々な職種のスタッフで共同して対応しているところです。
また患者総合支援センターを設置し、看護師や医療福祉相談員など様々な職種の者が入院時に退院までの療養などについて説明をする他、患者からの様々な相談にワンストップで支援する体制を整備するとともに、ホームページ等で情報発信しているところです。
さらに退院後も患者が住み慣れた地域で生活できるよう、地域包括支援センターや訪問看護ステーション等と連携をし、退院後の介護施設や福祉サービス等の選定、利用手続きなどの支援を実施しており、引き続き患者に安心してご利用いただける病院を目指してまいります。

熊谷俊人 知事
私からは以上でございます。

熊谷俊人 知事
他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

–議長
教育長 冨塚昌子君。

–冨塚昌子 教育長
初めに主体的対話的で深い学びの取り組みについてのご質問ですが、県教育委員会では、ちばっ子『学力向上』総合プランに基づいて、子供たちの学ぶ意欲の向上と、主体的対話的で深い学びの実現に向けた教員の授業改善を図っています。
具体的には、思考し表現する力を高める授業のモデルプランを作成し、小中学校の研究指定校において、同プログラムを活用して、SDGsなどのテーマについて、子供たちが自分で調べて考えをまとめ、わかりやすく相手に伝えようとする授業が行われています。
また高等学校については、例えば、生徒が地域の祭りで生じる大量のゴミの削減というテーマを設定し、地域の企業等の協力を得て、ペットボトルキャップをスプーンとして再利用する取り組みなど、教師中心ではなく子供たちが主役となる事業事例の紹介などを行っています。

冨塚昌子 教育長
主体的対話的で深い学びの取り組みの検証についてのご質問ですが、県教育委員会では、各学校における学力向上総合プランの取り組み状況等に関する調査を実施しており、当該調査では、授業改善に日常的に取り組んでいると回答した小学校は、94.9%、中学校は91.5%、高等学校は75.2%となっています。
また、児童生徒を対象に行った令和6年度全国学力学習状況調査では、課題の解決に向けて自分で考え、自分から取り組んでいると回答した小学6年生は81.7%、中学3年生は80.3%となっています。
こうしたことから、外部有識者等から成る千葉県学力向上推進会議では、教育委員会の各施策が、主体的対話的で深い学びの促進に寄与していると評価しています。

冨塚昌子 教育長
学習に困難を抱えている子供たちへの支援についてのご質問ですが、各学校においては、子供たちの授業中の発言、態度や、テストなどにより、1人1人の理解度や能力等を把握することで、学習に困難を抱えている子供たちの存在を認識しています。
支援に当たっては、理解度に応じた教材やICTソフトを活用し、子供たちが自ら学習を進められるようにするなど、個に応じた対応に努めています。
また県教育委員会では、学習サポーターの配置や学校の要請に応じた特別支援アドバイザーの派遣などを行い、教員がきめ細かな指導を行えるよう支援しています。

冨塚昌子 教育長
障害のある志願者について理解促進を図る取り組みについてのご質問ですが、高等学校入学者選抜において、特別配慮を申請した受験者は、令和4年度238名、令和5年度257名、令和6年度278名と増加傾向にあり、検査時間の延長や、介助者による代筆代読など配慮の内容も多様化しています。
県教育委員会では、管理職等を対象とした会議や研修会などにおいて、入学者選抜における特別配慮の件数や主な配慮事項等に関する情報を提供するとともに、副校長、教頭や教職員を対象に、障害のある生徒への支援に関する連絡協議会を実施し、支援の充実に繋げています。
今後ともこうした会議等を通じて、障害のある生徒の指導等支援の現状と課題について共有するとともに、入学者選抜および入学後の学校生活において適切な配慮がなされるよう努めてまいります。

冨塚昌子 教育長
児童生徒間の性暴力への対応に関するご質問ですが、性暴力は個人の尊厳を著しく傷つける重大な人権侵害であり、県教育委員会ではその未然防止に向け、各学校に対し、命の安全教育を通じて、児童生徒が性暴力の加害者にも被害者にも、また傍観者にもならないよう、発達段階に応じたきめ細かな指導を行うことを周知しています。
その中で被害者に対し、周りがあなたも悪かったなどと非難をしたり、興味本位で噂話をしたりすることは、深刻な二次被害に繋がることから、文部科学省が作成したスライド等の視覚的な教材を活用し、児童生徒に正しい知識を身につけ、被害者の気持ちを尊重するよう、併せて指導しています。
また児童生徒が性被害を受けた場合、学校は警察や性犯罪性暴力被害者ワンストップ支援センター等と連携し、安心安全な環境を確保するとともに、スクールカウンセラー等を中心に、当該児童生徒の心のケアなど組織的継続的な支援を行うこととしています。

冨塚昌子 教育長
加害児童生徒の再犯防止、更生についてのご質問ですが、加害児童生徒への指導においては、専門的な知見を必要とするため、学校や教育委員会が法務少年支援センターや医療等の関係機関と連携し、組織的に対応することが重要だと考えています。
具体的には精神科医等のカウンセリングを経て、必要に応じ、専門家のサポートに繋げるとともに、保護者本人同意のもと、医師等と校内での留意事項などを確認し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも含め、チームで対応しています。
県教育委員会では、加害児童生徒の再犯防止に向け、毅然とした対応とあわせ、当該児童生徒の置かれた環境や抱える課題等を的確に把握し、後世に向けた支援を継続的に行うよう各学校を指導してまいります。

冨塚昌子 教育長
最後に教職員による児童生徒性暴力等を防止するための取り組みについてのご質問ですが、教職員による児童生徒性暴力等の根絶は喫緊の課題であり、県教育委員会では、児童生徒向けわいせつセクハラ相談窓口の設置により、早期発見に努めるとともに、弁護士、公認心理士による調査などで、事案に迅速に対応できる体制を整備しています。
また各学校では、性暴力等の防止を教職員1人1人が自分事として捉え行動するための計画を作成し、校内で死角となる場所の第三者による点検など、学校全体で未然防止に取り組んでいます。
今後も専門家の知見を生かした取り組みの充実を図り、県、市町村、教育委員会および学校が一体となって、児童生徒性暴力等の根絶を目指してまいります。

冨塚昌子 教育長
以上でございます。

–議長
警察本部長 宮沢忠孝君。

–宮沢忠孝 警察本部長
私からは性犯罪被害者が警察に訴えやすいようにするための取り組みについてお答えいたします。

宮沢忠孝 警察本部長
県警では性犯罪被害に遭われた方が相談しやすい環境を整備するため、全国統一で24時間対応可能な性犯罪被害相談電話#8103通称、シャープハートさんを運用しております。
相談電話は県警本部で受理しており、相談者が希望する性別の者が話を聞けるよう、必ず女性職員を1名以上配置している他、匿名での相談も受け付けており、内容によって管轄する警察署を引き継いで、事件化等の対応を検討しております。
引き続き、性犯罪被害者が申告や相談のしやすい環境整備に努めてまいります。

宮沢忠孝 警察本部長
以上でございます。

–議長
環境生活部長 井上容子君。

–井上容子 環境生活部長
初めに性暴力被害者に対する県の支援についてお答えいたします。

井上容子 環境生活部長
県では性暴力、性犯罪による被害の潜在化を防止し、被害者の心身の負担軽減と健康回復を図るため、総合的な支援をできるだけ一つの窓口で途切れることなく提供するワンストップ支援センターを県内に2ヶ所設置しているところです。
センターでは、警察への届け出を躊躇している被害者に対し、電話や面接による相談、医療支援、カウンセリング、法律相談などの支援を行うとともに、弁護士会や医療機関などの支援機関や県警などと連携を図り、必要な支援に繋げています。
今後も関係機関等と連携し、イベント等でのリーフレットの配布や、高校生対象の出前講座など様々な方法でセンターの周知に努め、性犯罪被害に遭われた方をセンターに繋ぎ、専門の支援員が被害者に寄り添いながら支援を行ってまいります。

井上容子 環境生活部長
次に、金山落周辺におけるPFAS汚染の調査に関するご質問ですが、金山落周辺の市では、PFOSおよびPFOAに関する地下水汚染の原因や広がりなどを解明するため、地下水の流れや水質等の調査が進められています。
また、県や周辺市が水質調査の実施を依頼している下総航空基地では、実施に向けて基地内の水路の系統調査が行われています。
県では、周辺市が行っている地下水の調査に対し、財政的な支援の他、専門的な知見を有する環境研究センターからも、調査手法や調査結果の解析等に関する技術的な助言を行っているところです。
引き続き関係機関と連携して、汚染原因の究明に取り組み、県民の健康被害の未然防止と不安の払拭に努めてまいります。

井上容子 環境生活部長
以上でございます。

–議長
病院局長 山崎晋一朗君。

–山崎晋一朗 病院局長
私からは、県立病院の看護師へのサポートについてお答えいたします。

山崎晋一朗 病院局長
県立病院では、新人看護師に対し、基本的な臨床実践能力の獲得に向け、年間を通じてきめ細やかなプログラムに基づく研修を行っており、先輩看護師の指導のもと、安心して職場に適応できるよう支援しております。
また、全ての看護師に対し、キャリア形成のため、実践能力に合わせた段階別研修や、看護管理者向けの研修を実施している他、専門性を高めるため半年から1年間の研修派遣により、認定看護師や特定行為看護師の資格取得を支援しております。
さらに、患者の不安や緊張を和らげるために、自身の感情をコントロールする、いわゆる感情労働に伴う悩みに対するサポートとして、専門のカウンセラーが各病院を巡回し、面談を行う他、特に新人看護師に対しては、入職半年後に業務の悩みについて直接相談に応じるなどのフォローアップをしており、手厚い支援体制を整えているところでございます。

山崎晋一朗 病院局長
以上でございます。

–議長
伊藤ちかこ君。


質問・要望(第2回目)伊藤ちかこ 議員


–伊藤ちかこ 議員
ご答弁ありがとうございました。

伊藤ちかこ 議員
初めに要望を述べます。

伊藤ちかこ 議員
主体的対話的で深い学びについては、取り組みを通して、子供たちの新しい可能性が開かれることを期待いたします。
先ほどご紹介した本によれば、名古屋市の場合、子供を主役にするこの取り組みは、不登校の増加や子供の自殺が起こったことなどから、市長が掲げるナゴヤ子ども応援大綱にある日本で一番子供を応援し、1人の子供も死なせない街、名古屋を実現するために始まったそうです。
そのためには、教育はどうあるべきかを考え、それを言語化し共有し、その先に、全ての子供は有能な学び手であり、適切な環境なり状況と出会いさえすれば、自ら進んで学ぼうとするし、学ぶことができるという認識を、関係者の間で理解し合意し、自治体を挙げて取り組むことを宣言し、予算を割いて進めたといいます。
子供を有能な学び手として認め、学びの主体とすることは、敬意を持って子供を尊重することに他なりません。
この方向性にあっては、教員から子供への侮辱など起こりようがないのではないでしょうか。
厚労省の発表によると、2024年、子供の自殺が過去最多とのことです。
悩みを抱える子供たちを支える取り組みは進められていますけれども、学校が子供を不幸にしてはならないということは、いうまでもありません。
教育はどうあるべきか、子供たちを幸せにするために、教員にも主体的に考えていただきながら、子供たちが主役になる主体的な学びの実践をさらに進めていただくよう要望します。

伊藤ちかこ 議員
ある小学校ではわからないから教えてと言って、わかっている人に自分から聞きに行くよう先生が声をかけていました。
これは協働する関係を作り、支援要請スキルにも繋がる大切な指導と考えます。
今の時代、大人になっても、日常生活の中でさえ、学び続ける必要があります。
わからないのが恥ずかしいなどと言っていられない、これからの時代を生きる子供たちに、こうした対話的協働的な学びを進めていただくよう要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
学習に困難を抱えている子供たちについては、必要に応じて特別支援アドバイザーに繋がれることを教員に周知するよう要望します。

伊藤ちかこ 議員
教員の子供たちへの理解が深まれば、おのずと教育の質は向上していくものと考えます。
子供たちが大好きで先生になった教員の皆さんを、必要な支援で支えてくださるようにお願いいたします。

伊藤ちかこ 議員
定員内不合格についてです。

伊藤ちかこ 議員
本県の県立高校が障害のある生徒を受け入れ、卒業させた例もあり、その当事者からは在学中、大変よくしていただいたなど感謝の声を聞いています。
が、人数は多くはないので、ほとんどの高校教員は、障害のある生徒を受け入れた経験がないでしょう。
そこで、障害のある生徒を受け入れた事例を高校教員に共有し、自校で受け入れた場合の課題などを考えていただくような、より実践的な理解を促進する研修を取り入れていただくよう要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
インクルーシブ教育では、障害のある生徒を受け入れる側も変わることが必要だと言われています。
本県が定員内不合格を出し続けている現状を変えるために、できることは何か、私も引き続き一緒に考えてまいりたいと思います。

伊藤ちかこ 議員
PFAS汚染については、沖縄県の例をご紹介します。

伊藤ちかこ 議員
普天間基地周辺のPFAS汚染に対して、環境汚染の専門家、有識者を入れた委員会を作り、取り組んでいるそうです。
本県の環境研究センターは、多数の汚染現場での調査と浄化の素晴らしい実績がありますので、引き続き助言をお願いしたいと思いますが、金山落流域の汚染のレベルは、全国的に見ても高い地域であることを考えますと、高い専門性と、透明性を確保するためには、本県でもこの分野の専門家を入れた対応がふさわしいのではないでしょうか。
今後は汚染除去を視野に入れた計画策定も必要となります。
外部の専門家、有識者を入れた専門家委員会を作るよう要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
セーフティーネットについてですが、闇バイトに対し、県警が若者に人気のある俳優を高校へ派遣し、闇バイトの危険性を伝えるなど、検挙だけでなく、闇バイト防止のキャンペーンにも取り組んでいるとお聞きしました。
感謝申し上げます。
私は県警の闇バイト防止のキャンペーンの機会に経済的に困ったときには、公的なセーフティーネットがあることを併せて伝えて、防止策の一つとしてはどうかと考えます。
県が県警と連携して取り組んでいただけるよう要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
医療については、働き方改革が進められる中で、スタッフ間で切れ目なく必要な情報が確実に引き継ぎされることが大切になっています。
病院全体がチームとして機能するよう、マネジメントをしっかり考えていただくよう要望します。

伊藤ちかこ 議員
また、がん医療において、現状では全国的にがん相談支援センターが十分に活用されていないとの指摘があります。
患者には医療的な側面だけでなく、心理的社会的な側面での支援が必要であること、その役割を相談支援センターや臨床心理士が担うことができることを患者と接する医師や看護師に周知することが必要ではないでしょうか。
患者が必要としている支援を患者自身が手を伸ばせば届くところに置かなければ意味がありません。
支援機関や支援ツールを患者目線でしっかりと周知提供するよう要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
また近年は特に医療福祉に関する制度改正が繰り返されており、患者さんからは大変わかりにくく、治療に専念できないとの声が寄せられています。
その最たる例が、高額療養費制度です。
がんや白血病など高額な医療費がかかる患者を救済する制度であり、何度か制度改正が行われてきたものの、現在また、負担額を上げる議論が国においてなされています。
今年8月から政府が予定している高額療養費制度の負担額の引き上げに伴い、治療を断念する患者が出てくることが懸念され、私は大変憂慮しております。
多くの県民の命に関わることですので、県においては、負担額の引き上げを行わないよう要望してもらいたいと思っておりますが、このように、患者にとって大変重要な制度をしっかりと説明できるようにすることも、人材育成の一環として、忘れずに取り組んでいただくことを併せて要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
性暴力については要望と質問があります。

伊藤ちかこ 議員
被害者支援と一口に言いましても、性暴力被害者の話を聞くことは覚悟が必要かもしれません。
希死念慮が生じるような深刻な被害について聞く方も代理受傷、つまり心に傷を受けるかもしれないからです。
被害者を受け止め、寄り添うことができる専門性を持った支援者は貴重な存在であり、大切にしなければなりません。
ワンストップ支援センターなどが果たしている支援の重要性を確認し、改めて感謝申し上げたいと思います。
引き続き、性暴力被害者支援の充実に努めていただくよう要望します。

伊藤ちかこ 議員
質問をいたします。

伊藤ちかこ 議員
国が実施する問題行動等調査では、項目がないため、県教育委員会は性暴力事案の件数を把握していないとお聞きしました。

伊藤ちかこ 議員
そこで伺います。

伊藤ちかこ 議員
県立高等学校で発生した性暴力事案の件数など、実態把握に努めるべきと考えるがどうか。

伊藤ちかこ 議員
以上、2回目です。よろしくお願いいたします。


答弁(第2回目)


–議長
教育長 冨塚昌子君。

–冨塚昌子 教育長
性暴力事案の実態把握についてのご質問ですが、県立高等学校では対応が困難な性暴力事案や警察と連携した事案などは、速やかに教育委員会に報告することとなっており、これを受け教育委員会では、関係機関への相談を促すとともに、必要に応じてケース会議に加わり、指導助言を行っております。
引き続き実態を詳細に把握した上で、学校と協力し、適切に対応してまいります。

冨塚昌子 教育長
以上でございます。

–議長
伊藤ちかこ君

–伊藤ちかこ 議員
ありがとうございます。
県立高校については、性暴力事案の件数を含め、詳細に把握していくものと理解いたしました。

伊藤ちかこ 議員
小中学校についても、性暴力事案の把握に努めていただくよう要望します。

伊藤ちかこ 議員
性加害をした者は、それによって仕事を失うことがあります。
また昨今は性犯罪の厳罰化を求める声が大きくなっています。
性加害を起こした児童生徒には、取り返しのつかない人権侵害をしたのだということを本人が理解できるように最大限の対応を要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
2022年にNHKが性暴力実態調査アンケートを実施し、それを専門家が分析したところ、性被害による経済的損失額は推定2兆5000億円余りに上ると報じられました。
経済的損失を考えても性暴力を放置することはできません。
同調査で職場の関係者に性暴力を受けた被害者のおよそ4人に1人、24.3%は職場へ全く行けなくなったと回答しています。
このように性暴力によって夢や仕事を諦めなければならなくなる被害者が多くいます。
性暴力を防止する取り組みはまだ十分ではない、というよりむしろ社会全体としては取り組みが始まったばかりではないでしょうか。
性暴力は根絶することが必要ですので、引き続き総合的に取り組んでいただくよう要望いたします。

伊藤ちかこ 議員
以上で私の質問を終わります。

伊藤ちかこ 議員
ご清聴ありがとうございました。