本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
本日(2024/2/26)午後一人目の一般質問は、私でした。
質問項目
- 手賀沼について
- 指定廃棄物等について
- 児童相談所について
- ヤングケアラーについて
- 食育の推進について
- 道路について
- 教育について
- 埋蔵文化財の保存と活用について
- その他
議会質問・答弁の書き起こし全文
【午後一人目】一般質問 山下洋輔議員(立憲民)
–議長
休憩前に引き続き会議を開きます。引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により山下洋輔君
–山下洋輔 議員
みなさん、こんにちは。柏市選出、立憲民主党の山下洋輔です。
通告に従い、質問いたします。
まず、手賀沼についてです。
手賀沼周辺の特性を活かした地域活性化やブランディングについておたずねいたします。
手賀沼は、東葛飾地域に広がる水辺の憩いの空間です。東京駅から柏駅まで、常磐線直通で30分。柏駅から自転車や車で15分位。東京駅から約1時間で遊びに行くことができます。
今日、傍聴にお越しいただきました柏中央地域ふるさと協議会の皆様とも、先月、手賀沼を視察してまいりました。
かつては、日本でもトップクラスの汚い沼でしたが、千葉県のご尽力により、今では美しい景色の水辺環境として、地域の貴重な資源となっています。
平将門伝説にまつわる史跡や首都圏で現存する教会堂としては最古の旧手賀教会堂、白樺派の拠点もありました。志賀直哉が、「暗夜行路」を書いたのも、この手賀沼周辺です。
山科鳥類研究所や市民の運営する手賀沼エコマラソンなど、歴史文化の豊かな地域でもあります。
2021年にリニューアルされた道の駅しょうなんにはたくさんの人(2022年度実績では年間約130万人)が訪れ、この地域の活性化を後押ししております。
柏市としても、手賀沼アグリビジネスパーク構想のもと、手賀沼周辺の魅力を引き出すように取り組んできましたが、
手賀沼流域は、我孫子市や印西市にも及ぶことから、千葉県としての役割を期待しています。
そこでお尋ねいたします。
手賀沼周辺の特性を活かした地域活性化やブランディングにどのように取り組んでいくのか。お聞かせください。
次に、手賀沼における水面利用ルールを策定について質問いたします。
魅力あふれる手賀沼ではありますが、人口が減少し、公共交通は十分ではなく、遊休地や不法投棄の懸念等土地活用でも課題があります。
景観の保全、水質や生物多様性、歴史、文化の保全、訪問者数や売り上げなど、手賀沼の魅力を生かした地域の活性といっても、考え方や手法は多様です。
手賀沼は、地域の資源であるからこそ、多くの人々が関わり、市民の要望や流行などにも影響を受けやすい面もあります。
水上バイクの危険性や外来種が放たれる心配などもお聞きします。
自治体もまたがるため、千葉県としても、手賀沼周辺自治体や関係団体とともに、手賀沼における水面利用ルールを策定すべきと考えますがどうか。お聞かせください。
次に、手賀沼周辺に生息するコブハクチョウ対策について、おたずねいたします。
全長約150センチメートル、20キログラム近くあるコブハクチョウが、稲の苗を食べ、稲の苗を踏み潰し、その農業被害は深刻です。
千葉県の調査結果によると、柏市我孫子市、印西市、白井市合わせて、令和元年度 約820万円、令和2年度 約1220万円の農作物被害が確認されています。
農家の方のお話をお聞きする中で、営農意欲の減退にもつながり、数字以上に深刻な影響を及ぼしていると考えます。
千葉県の調査では、手賀沼周辺で確認されたコブハクチョウの数は、令和元年度168羽、令和2年度168 羽、令和3年度166羽となります。この数よりも多いのではないかと言う声も聞きます。
コブハクチョウは、身近に観察できる鳥類として親しまれていますが、物語に出てくる白鳥とは違う鳥で、渡り鳥ではなく、一年中、手賀沼周辺で過ごしています。
環境省や農林水産省では、侵略的外来種として、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれがあるものとされています。これらの事実を、市民や観光客の方々に知ってもらうことも必要です。
そこでおたずねします。
手賀沼のコブハクチョウについて、農業被害への対策はどうか。また、エサやり禁止の啓発について取組はどうか。お聞かせ下さい。
次に、指定廃棄物等についてです。
指定廃棄物の保管場所の確保についてお尋ねいたします。
指定廃棄物は、2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原発の建屋爆発で、放射性物質が大気中に飛散したことを起因に発生しました。
風で運ばれ、雨に流されて柏市を含む東葛地域に多く降下し、付着したゴミを処理した焼却灰が、8000ベクレルを超える高濃度の指定廃棄物となりました。
環境省では、この指定廃棄物の処理を、千葉県内1カ所集約することを決定しましたが、設置箇所をめぐって話がまとまらず、柏市などの県内の各所において、今なお仮保管が続いています。 「仮」保管の状態が9年となり、柏市としては本保管場所への移転を要望しています。
仮に保管させていただいている地元との約束もあります。昨年9月に会派で視察した柏市北部清掃工場では、敷地の真ん中に仮保管され、老朽化した工場の建替え計画などにも支障をきたしています。 指定廃棄物は、厚さ30cmのコンクリートのボックスカルバートに密閉されているといっても、年月とともに、内部のゴムは剥がれていき、漏水を懸念する声をお聞きします。大雨で、ボックスカルバートが水に浮いてしまうリスクも指摘されています。
指定廃棄物の本保管場所の確保に向けて、千葉県としてどのように取り組んでいるのか、お聞かせください。
次に、県内で保管している除去土壌の処分についてです。
福島第一原発事故の後、放射性物質で傷ついた環境を回復させるために除去された土壌は「除去土壌」と呼ばれます。
ホットスポットとなった東葛地域では、除去土壌を、校庭や公園、個人宅の庭に、埋設処理し、そのままとなっています。
県内で保管している除去土壌の処分について、千葉県としてどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
次に、 児童相談所についてです。
児童福祉司、児童心理司、児童指導員等の専門職の人材確保について、
この問題について、私たちの会派の入江議員による代表質問、網中議員や野田議員の一般質問はじめ常任委員会などしばしば取り上げておりますが、なかなか改善が進まない状況が続いています。
全国的に児童相談所関係の職員の確保は困難になっており、自治体間での人材獲得競争、若手世代の大量採用による職員の年代構成の著しい偏りなどが課題となっています。
千葉県でも、同様の問題を抱えており、本年度の児童相談所関係の専門職の採用予定者数は合計155人のところ、89人とお聞きしています。
御担当課においては人材確保のためにお取り組みされていることは承知いたしておりますが、例えば、お隣の東京都では、採用した職員用に、配属された児相近くの民間の借り上げ住宅を用意したり、あるいは臨床心理士や公認心理師、社会福祉士の資格取得の費用を補助するなど、人材確保に取り組まれています。
そこでお尋ねいたします。
千葉県は、児童福祉司、児童心理司、児童指導員等の専門職の人材確保に向けて、どう対応していくのか。お聞かせください。
また、長期療養・休職等に伴う欠員補充の代替職員については、どのように確保していくのか。お聞かせください。
中核市2市における児童相談所の新設に向けての支援についてお尋ねします。
年々増加する児童虐待等に対応するため、柏市は中核市として独自に児童相談所を設置することを決定し、令和8年度中の開設を目指しています。しかしながら、柏市が児童相談所を設置するにあたっては専門的人材の確保、育成が大きな課題となっています。
児童相談所の開設には多くの人材が必要であり、柏市でも専門的人材の確保に努めているところですが、児童相談所を設置していない柏市としては、開設時に、児童福祉司及び児童心理司、そして、それぞれのスーパーバイザーや所長等、実務経験が豊富な職員等を配置することは難しく、県から市児童相談所に派遣していただくような支援が必要と考えます。
中核市2市における児童相談所の新設に向けて、県はどのように支援していくのか。お聞かせください。
次に、里親を増やしていくための取り組みについて、おたずねします。
千葉県では児童相談所の数が足りていません。特に、中央・市川・柏管内の千葉県北西部は、相談件数も多く、十分な支援ができていると言い難い現状です。
児童虐待相談は、急激に増加しています。千葉県や柏市、船橋市でも新たに児童相談所を設置する予定ですが、急激に増加する児童虐待について、児童相談所の設置だけでは対応しきれないのが現実です。そのためにも、里親制度の普及が重要であると私は考えます。
現状では、児童相談所は、子どもの命にかかわる案件に対して、一時保護など介入的な支援に力を入れ、養育や育児といった初期の対応や発生予防、自立支援などは自治体で担うような連携が必要です。
すべてを児童相談所が担うのではなく、親の不在や虐待などで家庭で暮らせない子どもを希望した世帯が預かる仕組みである里親制度の充実や保護施設の支援などにも、力を入れていくべきと考えます。
そこでおたずねします。里親を増やしていくために県はどのように取り組んでいるのか。お聞かせください。
次に、ヤングケアラーについてです。
小中高生など10代の家族介護者であるヤングケアラーは、親の介護のためにも、部活動もできず、ぶっ学業にも専念できず、孤立してしまうという事例もあります。
小・中・高生など10代の家族介護者であるヤングケアラーは、親の介護のため、部活動もできず、学業にも専念できず、孤立してしまう事例もあります。進学を断念したというお話もお聴きします。
行政の情報が届きにくいというだけでなく、介護していることを本人が学校などで隠しているため、支援されないままでいることもあるようです。
介護が終わった時には、進学や就労、結婚の機会を逃してしまったということもありえます。
ヤングケアラーの問題は、働き方やジェンダー、高齢化、少子化、人口減少などの問題でもあります。 社会の現状と制度のギャップが、弱い立場である人に負担を押し付けるようなことになっています。
ヤングケアラーを地域で、どのように把握し、支援すればよいか?
学校や行政での調査や啓発、スクールソーシャルワーカー、民間を含めたサポートへのつなぎ、サポート団体への支援、市町村や関係団体との連携などが重要となってきます。
そこで、おたずねいたします。
ヤングケアラーへの支援について、市町村や関係団体とどのように連携を図っていくのか。お聞かせください。
次に、食育の推進について、質問いたします。
食育は、乳幼児から高齢者まで各ライフステージに応じて取り組むべきものがあり、地産地消の推進、都市と農山漁村の交流促進、地域の食文化の継承、食と環境の調和や、食の安全保障など、多岐にわたるテーマがあります。
特に、千葉県ならではの食育として、ユネスコ文化遺産である和食の礎となった発酵・醸造文化は重要なものです。私たちが住む東葛飾地域も、水運の要衝で、野田の醤油や流山のみりんなど、発酵・醸造産業が盛んな土地柄です。
地域の文化を知り、地域への愛着を育てていく。食育こそが、地域を作っていくことになります。ぜひ、千葉県の誇る発酵・醸造文化を、世界に発信していただきたいと考えます。
生産から食卓まで、農林水産、流通・経済、世界情勢と、政治経済や歴史文化などあらゆるエッセンスが、食育には詰まっています。
社会は高齢化が進展し、健康寿命の延伸が重要な課題です。これからは、県民一人ひとりが、生涯を通じて心身ともに健康でいられるよう、市町村をはじめ、企業や団体等の様々な関係者と連携し、社会全体で取り組んでいくことが重要ではないでしょうか。特に、生活習慣病を発症しやすい働く世代における食生活の改善に取り組むことで、医療費を削減するだけでなく、市民一人ひとりのウェルビーイングを高めていくことにつながります。
そこで、おたずねします。食育の推進に当たり、食生活の改善に向けて県はどのように取り組んでいるのか。お聞かせ下さい。
次に道路についてです。
道路関係部署や県警の皆様には、日々、市民からの要望に対し、ご対応いただき、感謝申し上げます。
柏市を走る県道における状況を申し上げますと、市川柏線の柏駅周辺から千代田付近では、交通量も多く、歩道が狭い中、小中学生の登下校と重なり、危険です。また、バスの通行量も多く、また、工事による不具合からか振動により、沿線の住民は悩まされています。
船橋我孫子線の箕輪付近では歩道がなく、小中学生の登下校でも危険な状況です。また船橋我孫子線の高柳や白井流山線の高柳では、渋滞が発生しています。
このように各箇所で様々な課題を抱えていますが、特に今回は、県道我孫子関宿線の柏市布施地先について、お尋ねしたいたします。
この箇所は、小学生、中学生、高校生の朝夕の登下校時、車両の交通量も多く、歩道拡幅など対策が必要と考えます
そこで、お伺いします。県道我孫子関宿線の柏市布施地先について、歩行者の安全対策に取り組むべきと考えますがどうか。お聞かせ下さい。
教育について2点お尋ねいたします。
まずペーパーティーチャーの掘り起こしについて、学校現場では、量級や育休産休を取っている教員の代替など、講師が見つからず、学校では教頭が代わりに授業をしたり、少人数制学級を諦めたりしており、教育の質にも影響が出かねません。
学校現場では療休や育休・産休をとっている教員の代替などの講師が見つからず、学校では教頭が代わりに授業をしたり、少人数学級をあきらめたりしており、教育の質にも影響がでかねません。正規教員が足りず、教職員は過重な負担を担い、さらに休職者が出たり、教員を目指す人が減るという悪循環となってしまっています。
教員未配置解消のため、志願者を増やす取組、現職がやめないような働き方改革、やむをえずやめてしまった教員の復職制度や定年後も働ける仕組み、そして給与や休暇などの待遇改善が必要であると、これまでも議会では議論されてきました。
今回、教員未配置の原因を分析し、解決策として「ペーパーティーチャー」の掘り起こしを提案いたします。
まず「ペーパーティーチャー」とは、教員免許状を有しながら教職に就いていない方を指します。
療休や育休・産休の教員の代わりが補充されず教員未配置が発生しています。その原因として、療休や育休・産休の代替だけでなく、特別支援学級や通級指導、日本語指導等の教職員の必要数が増えています。その一方で、教員志願者と講師登録者が減っています。
たしかに、正規教員定数を抜本的に見直し、教員の数を大幅に増やすことを国に要望することも対策の一つかもしれませんが、目の前にある教員未配置を解消するために、まず必要なことは、講師登録者を増やしていくことと考えます。
そこで注目したいのが、教員採用試験の競争率低下です。採用者数の増加と受験者数の低下が競争率低下につながっています。定年による退職者数の増加により、採用者が増えています。それにより、不採用者が減り、講師登録者が減ります。全国的な傾向として、受験者数の減少は、大学新卒者の受験者数が減ったのではなく、既卒者の受験者が減っているのです。
すでに千葉県では、働く教職員の魅力を発信し、志願者を増やすよう取り組んでいますが、特に新卒者向けではなく、例えば「学生時代に教員免許は取ったけれど、今は扶養の範囲で働いている」という方や「都内に片道1時間くらいかけて通勤している定年間近あるいは再任用で働いている方」などを対象に、志願者を増やすことも有効と考えます。
そこで、おたずねします。教員不足解消のため「ペーパーティーチャー」の掘り起こしについて、どのように取り組んでいるのか お聞かせください。
次に、通信制高校について
私たちの会派にて、通信制の千葉県立千葉大宮高校を視察いたしました。
事情があり留年や退学したり、あらためて学び直そうとする生徒が入学•転入•編入されています。生徒一人ひとりに寄り添い、長い目で見守っている先生方のお話をお聴きできました。
公立の通信制の学校には、大きな可能性を感じています。
様々な事情で学校に通えなくなっている高校生が、通信制高校に転入•編入することが多くなります。駅前には、私立の通信制高校のサポート校などありますが、学費は高くなります。すべての高校生の学ぶ機会を保障し、誰も置き去りにしない教育体制を作るためにも、公立の通信制には大いに期待するところです。
それだけでなく、通信制には、生涯学習時代に重要な「自ら学ぶ」習慣を身につけるために最適です。変化が激しい時代、継続的に、生涯学び続けていく姿勢を身につけることが大切と考えます。
変化が激しい時代、継続的に生涯学び続けていく姿勢を身につけることが大切と考えます。
そこで、おたずねします。これからの時代の教育を担う通信制高校を打ち出していくべきと考えるがどうか。
最後に、埋蔵文化財の保存と活用についてお尋ねいたします。
昨年、千葉県議会、文教常任委員会にて、京都府埋蔵文化材調査研究センターを視察いたしました。収蔵庫にも見学させていただきました。収蔵場所の不足や老朽化は全国的な課題です。埋蔵文化財は生きた地域教材として教育現場現場や展示会に提供され活用していました。さて、千葉県では、成田空港の拡張のため、周辺の埋蔵文化財の大規模な靴調査が行われており、その埋蔵文化財の保管活用についても考えなければなりません。専門職員の育成や収蔵場所の確保は切実な課題です。そこでお尋ねいたします。埋蔵文化財を保管するための収蔵庫について、今後どのように整備していくのか。もう一点お尋ねいたします。本物から学んでいく。その効果は大きなものだと実感しています。私は高校で地理歴史の教員の経験がありますが、数千年前の時を触ったとき、多くの生徒は驚き、目を輝かせていました。自分たちの暮らす地域の歴史を手に取って感じることができることは貴重な学びです。
埋蔵文化財を活用した学校教育への取り組みと状況はどうか、お聞かせください。
以上、1問目を終わります。
–議長
山下洋輔君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事 熊谷俊人君
–熊谷俊人 知事
立憲民主党の山下洋輔議員のご質問にお答えをいたします。まず手賀沼周辺の地域活性化やブランディングに関するご質問にお答えをいたします。手賀沼都心から一番近い天然湖沼であり、近年トライアスロン、マラソン等のスポーツや、カヌー農業体験などのレクリエーションを楽しむ人も増えるなど地域の活性化にとって欠かせない地域資源となっています。手賀沼の水辺環境を多くの人に親しんでもらい、その魅力を知ってもらうため手賀沼、手賀川の所在する3市と地域振興事務所が連携をし、地域活性化に取り組むとともに、様々なメディアに対してその魅力を発信してきたところです。今年度は手賀沼周辺での農体験ツアーの展開や地域の農産物を使った加工品事業の展開など、軸とした賑わい作りについて調査検討を行っているところであり今後もこの地域ならではの魅力強みを生かした地域作りに取り組んでまいります。
次に児童相談所についてお答えをいたします。里親を増やす取り組みについてのご質問ですが、児童が家庭と同様の環境で養育されるためには、里親制度への理解と普及を深めることが重要であることから、県民だより等で私からメッセージを発信して県民に呼びかけるとともに、今年度から里親の新規開拓やマッチング広報啓発や研修、里親への養育支援まで一貫してポスティング期間で実施し、里親支援の強化を図っているところです。具体的には里親の新規開拓として、県内各地での制度説明会の開催や、里親自身や里親家庭で育った若者が直接体験談を発表する里親大会を開催するとともに、里親制度特設ページを開設し、里親になるための手続きや支援制度に関する詳細な情報を発信しております。また里親登録に必要な研修の申し込み期間を延長するとともに、来年度は研修定員を30人増員して270人とし、受講機会を拡充するなど、引き続き里親を増やす取り組みを進めてまいります。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
–議長
県土整備部長 池口正晃君
–池口正晃 県土整備部長
私からはまず、手賀沼における水面利用ルールについてのご質問にお答えします。手賀沼とその周辺地域の諸課題につきましては、国、県、周辺自治体で構成する手賀沼手賀川活用推進協議会が、課題の整理や取り組みの検討などを行っています。県では今年度、手賀沼における水面利用の状況調査を実施しており、今後その調査結果を同協議会に報告し、水面利用ルールについて、その必要性も含めて検討を進めることとしております。
次に、県道我孫子関宿線の安全対策についてのご質問ですが、当該路線の不正入口交差点から、柏市立柏病院前交差点までの約1.1km区間の歩道は、幅員が狭く、側溝ぶたが老朽化し、隙間や段差が生じている箇所があることから、歩きにくい状況となっています。当該区間の沿線は人家が連担しており、歩道の拡幅は困難ですが、現況の歩行空間をより歩きやすくするため、両側の歩道において、段差が生じにくく、穴の小さい側溝ぶたへの交換や、側溝の暗渠化を進めており、これまでに延べ約1.2kmが完了しています。引き続き、歩行者の安全安心の確保に努めてまいります。以上でございます。
–議長
農林水産部長 前田敏也君
–前田敏也 農林水産部長
手賀沼のコブハクチョウに関するご質問ですが、県では令和4年3月に手賀沼周辺でコブハクチョウによる農業被害が発生している。柏市、我孫子市、印西市、白井市の関係4市と連携して対策方針を策定し、農作物の被害対策に取り組んでいます。具体的には、市では、主水田へ侵入したコブハクチョウを追い払うなどの対策を講じているとともに、県では、生息状況調査や電気柵などによる効果的な防護方法について周知を行っている他、コブハクチョウも含め、野生動物への安易な餌付けは自粛するよう、県ホームページ等で広報しているところです。なお、令和4年度に確認されたコブハクチョウは109羽となっており、水稲被害額が約270万円生じていることから、引き続き関係4市と連携を密にして、被害対策に取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
環境生活部長 井上容子君
–井上容子 環境生活部長
指定廃棄物等について、保管場所確保に向けた取り組みに関するご質問についてお答えいたします。
指定廃棄物は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国の責任において処理することとされており、県内の指定廃棄物が安全安心かつ速やかに処理されるためには、長期管理施設の設置等の様々な課題に国が責任を持って対応していくことが不可欠であると考えています。本県の指定廃棄物については、国が1ヶ所での集約処理の方針を決定し、責任を持って地元に地元の理解を得る努力を続けていくとしていることから、県としても国に課題解決にしっかり取り組むよう要望しているところであり、できる限りの協力を行ってまいります。以上でございます。
–議長
防災危機管理部長 添谷進君
–添谷進 防災危機管理部長
私からは、除去土壌についてお答えをいたします。県内で行った除染によって生じた除去土壌については、現在、国のガイドラインに基づき、除染実施者により保管されている状況です。放射性物質汚染対処特別措置法およびその基本方針では、国において、除去土壌の最終処分を行うために必要な基準を策定することとしており、現在その検討が行われているところです。県では、国に対して、処分基準の早期策定を要望しているところであり、引き続き国が責任をもって対応していくよう求めてまいります。以上でございます。
–議長
健康福祉部長 高梨みちえ君
–高梨みちえ 健康福祉部長
私からはまず、児童相談所の職員確保についてお答えいたします。県では、児童虐待事案等に適切に対応するため、これまでに経験者採用の職種の拡大、県外での選考の実施など、必要な専門職の確保に取り組んでいます。現時点では児童福祉士等の配置基準を満たしているものの、採用人数が予定数に満たないなど厳しい状況にあり、より積極的に採用活動に取り組む必要があると認識しています。そのため来年度は、更なる職員確保に向け、千葉県の児童福祉専門職員の魅力が十分伝わるよう、仕事体験を含む職場説明会の実施や若者にPR力の高い動画等を作成し、SNS等で発信するなど、様々な取り組みにより、必要な職員の確保に努めてまいります。
次に、児童相談所の代替職員に関するご質問ですが、児童相談所における1ヶ月以上の長期の療養休暇取得職員および休職した職員は、令和5年12月31日時点で46名となっており、昨年度と比較して7名増加しています。また、産前産後休暇、育児休業の取得者は32名であり、業務に支障が生じないよう、13名の代替職員を採用した他、必要に応じ、業務の見直しを行い、対応しているところです。今後も引き続き、ハローワークでの公募や県ホームページでの募集に加え、健康福祉部が独自に実施している資格免許を有し、義務を希望する方の登録制度を周知すること等により、必要な代替職員の確保に努めてまいります。
次に、中核市における児童相談所に関するご質問ですが、県では、平成28年度から、船橋市および柏市と児童相談所の新設に向けた意見交換会を開催しており、両市における人材確保を初めとした様々な課題について議論し、情報共有を行っています。また、平成27年度以降、両市から77名の研修職員を児童相談所に受け入れる他、児童相談所の職員向けに実施している研修に、中核市の職員も参加できるようにするなど、人材育成の支援を行っているところです。両市からは、円滑な業務の引き継ぎ、人材育成における研修の実施、児童福祉司等の県職員の派遣などの要望を受けており、引き続き両市と丁寧に協議を重ね、できる限り要望に沿えるよう支援してまいります。
最後に、ヤングケアラーへの支援についてお答えいたします。ヤングケアラーは、家庭内のデリケートな問題を抱えており、家族のケアが必要となる事情も複雑で、複合化しているケースも多いことから、早期に発見し、関係機関が連携して、適切な支援に繋げることが重要です。県では、ヤングケアラーの相談窓口を設置し、子供だけでなく、学校など関係者からの相談に応じるとともに、窓口に支援のパイプ役となるコーディネーターを配置し、市町村、学校、福祉の関係機関と連携して、相談内容に応じた支援を実施する体制を整えたところです。また、福祉、教育、介護、医療等の関係職員、関係機関の職員がヤングケアラーに関する理解を深め、支援力の向上を図る研修を合同で実施し、他機関多職種の連携を進めてまいります。以上でございます。
–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君
–鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、食生活の改善に向けた県の取り組みについてお答えいたします。県民が生涯にわたり健康な生活を送っていくには、生活習慣の改善、とりわけ食生活の改善が重要です。このため県では、食環境の改善や健康意識の醸成を図るため、毎年6月と11月の食育月間にスーパーや地元自治体、食生活改善関係ボランティアと連携し、増やそう野菜。減らそう塩キャンペーンを実施しています。キャンペーンでは、管理栄養士が監修した弁当の販売とあわせて、減塩商品や季節野菜を活用したレシピの紹介などを行っており、利用者からは、減塩でも美味しく野菜がたくさん摂れた。いろいろな原因商品があることを知ったといった声が聞かれています。こうした取り組みにより、引き続き県民の食生活の改善に向けて取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
教育長 冨塚昌子君
–冨塚昌子 教育長
初めにいわゆるペーパーティーチャーの掘り起こしについてのご質問にお答えいたします。県教育委員会では、教員免許状を有しながら、教職に就いていない方を対象とする講師登録説明会を県内各地で実施し、教職の魅力や福利厚生制度等を丁寧に説明する他、個別の相談にも応じています。また、民間企業と連携し、県内外で開催される転職フェアに出展する他、転職情報サイトに登録している。全国の教員免許状保有者に教員募集の案内メールを送信するなど、幅広く情報発信を行い、人材確保に取り組んでいるところです。
これからの通信制高校についてのご質問ですが、通信制高校は生徒の生活様式や価値観、学習経験や学習動機の多様化などに伴い、入学希望者が増加しており、県内唯一の公立通信制高校である。千葉大宮高校においても、近年同様の状況にあります。このため、千葉大宮高校から遠距離に居住する生徒でも、同校のスクーリングを受けられる。通信制協力校を拡充することとし、従来の館山総合高校に加え、令和6年度から、銚子商業高校を新たに指定し、生徒の利便性の向上を図ります。今後は、レポート提出の電子化やオンライン授業の拡充など、ICTの効果的な活用をさらに推進し、これからの時代により適応した通信制高校となるよう努めてまいります。
次に文化財収蔵庫の整備についてのご質問ですが、国や県等の開発事業に伴って出土した埋蔵文化財は、我が国の歴史文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、文化財保護法に基づき、その保存を適切に行っていく必要があります。現在県教育委員会では、閉校した県立高校の校舎を利用して埋蔵文化財を保管しておりますが、今後、成田空港の整備等に伴う発掘調査により、保管量の大幅な増加が見込まれます。そのため、令和6年度は収蔵庫の新設に係る設計業務に着手する予定であり、将来に向けて、埋蔵文化財を適切に保管管理できるよう整備を進めてまいります。
最後に、埋蔵文化財の学校教育への活用についてのご質問ですが、県教育委員会では、子供たちの埋蔵文化財への興味と関心を深めるため、学校等に出向き、土器の展示解説に加え、実物に触れる体験や勾玉作り等を行う出前授業を実施しています。また出土した埋蔵文化財の実物と解説書をセットにした学習キットを県内の小学校に配布し、社会科や総合的な学習等の授業の教材として活用を進めています。引き続き、より多くの子供たちに体験してもらえるよう、これらの事業の周知に努めるとともに、授業等での活用に向けた教員研修に取り組んでまいります。以上でございます。
–議長
山下洋輔君
–山下洋輔 議員
知事はじめ執行部の皆様、ご答弁ありがとうございました。 では、再質問と要望をさせていただきます。
まず、コブハクチョウ餌やりの禁止の啓発について、
ホームページでの周知だけではなく、観光客へのチラシの配布や、メディアへの発信、学校などへの啓発活動など、直接的な働きかけも要望いたします。
次に、指定廃棄物の仮保管についてです。
この指定廃棄物の問題を風化させてはならないと考えます。この指定廃棄物の問題に関しては、今月5月に、柏市、松戸市、流山市、我孫子市、印西市の市長が環境省を訪れ、副大臣に、県内1ヶ所で保管する長期管理施設を確保するよう要望書を提出しています。
この要望活動は今回で11回目になります。セレモニーのようになってしまうことを危惧しています。
ご答弁では、「国の責任で」という言葉が強調されますが、確かにその通りではありますが、千葉県としても課題解決を一歩でも進めていけるよう要望いたします。
次に、児童相談所についてです。
児童相談所では、職員が採用できず多忙となり、病休などで欠員が生じ、その欠員の代わりとなる職員を補充できず、さらに多忙になってしまうという負のスパイラルに陥ってしまう。増設する児童相談所や、柏市や、船橋市の中核2市への支援ができてないのではないでしょうか?人材を使い捨てていくのではなく、人材を育成し、県内の新設される児童相談所に、支援できるような待遇を改善し、働き方や職場環境を見直していくことを要望いたします。
また、里親については、広報啓発に取り組まれていることは大切なことと考えます。さらに、これまでの手続きや研修などを見直すなど、新しく養育里親を増やすことができるよう、引き続きお取り組みをお願いいたします。
次に、ヤングケアラーについてです。
昨年の夏、柏市にて、介護中の方が自らの命を絶ちました。介護疲れによる自殺や心中は、現代社会での深刻な問題です。
今回、ヤングケアラーについて質問いたしましたが、もちろんケアラーは若年者だけではなく、高齢者も、子育て世代や働き世代も、あらゆる世代で対象となる人がおり、その期間も長く、現状では、行政の管轄が複数にまたがります。組織を超えた連携を進めていくとともに、ケアラーのための総合相談窓口の設置や人材育成も必要です。
そのためにも、介護者が抱え込んでいることをチームで見守り、支え合う地域を目指し、ケアラー支援条例の制定とケアラー支援推進計画の策定を、強く要望いたします。
次に、食育についてです。
若い世代は、健康づくりに意識の高い人ばかりではありません。
そのため、スーパーなどで、減塩や季節野菜を活用したお弁当を気軽に購入できる食環境は、本県の健康寿命の延伸につながりますので、こうした取り組みが県内全域に広がるよう要望いたします。
次に、道路についてです。
県道我孫子関宿線には、新しく物流センターもでき、車両の通行量が増えています。その中を、県立柏高校や小中学校の児童生徒も登下校しています。交通安全のための取り組みを、是非とも、よろしくお願い申し上げます。
次に、教育についてペーパーティーチャーの掘り起こしについて要望いたします。
教員免許を持っているといっても、数十年ぶりに学校現場に戻るにはハードルが高く、ましてや教員免許を取得しただけという方にとって、教員として働くことは考えにくいかもしれません。そのためにも、学校現場における多様な働き方を認め、多様な人が学校で働けるようにする改革も必要です。
産休育休等に加え、特別支援学級や通級指導、日本語指導等の教職員の必要数が増えていることが、教員未配置の一因としてあげられています。特別支援学級の教育支援員や日本語指導等のサポートなど、ペーパーティーチャーが学校で働く最初の一歩となるような、多様な関わり方を準備していくことが、長い目で見ると教員の未配置解消につながると考え、要望いたします。
次に、通信制高校について再質問いたします。
これからの時代を担う通信制高校を目指して取り組まれ、協力校を増やしていかれると答弁いただきました。
そこでお伺いいたします。通信制協力校を広く知ってもらうため、県教育委員会は、どのように取り組んでいるのか。お聞かせください。
次に埋蔵文化財の収蔵庫についてです。
京都府埋蔵文化財調査研究センターにて、文化財を収蔵庫から出し、学校や博物館など現場に運ぶことは、職員の負担となっているとお聞きしました。
これから埋蔵文化財の財蔵庫を新設されるとご答弁いただきましたが、その収蔵庫には、こうした職員の負担を軽減できるような機械化された物流倉庫のようなシステムについても、ご検討ください。
以上再質問と要望です。
–議長
教育長 冨塚昌子君
–冨塚昌子 教育長
はい。通信制協力校の周知についてのご質問です県教育委員会では近隣の中学校長会で、通信制協力校のメリット等を説明する他、中学校へのポスター掲示等により周知に努めていますまた館山総合高校では、中学生や保護者向けの説明会に加え、同校でのスクーリングの参加も行っており、これらの取り組みにより引き続き周知に努めてまいります。以上でございます。
–議長
山下洋輔君
–山下洋輔 議員
はい。教育長ご答弁ありがとうございます。
県立の通信制高校である千葉大宮高校が、県内の市町村の教育委員会と提携し、小中学校や公民館などにサポート校のような学習相談所を置き、県内どの地域からも進学できる体制が、理想と考えます。
これから通信制協力校は、来年度から館山総合高校に加え、銚子商業高校にも設置されることとなりますが、通信制協力校を更に拡充し、東葛地域はじめ県内各地域にバランスよく配置することを要望いたします。
以上で私の質問を終了いたします。ありがとうございました。