【速報】本日の千葉県議会 ー 渡辺務議員(自民党)の一般質問 2023年12月7日午前2

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。

 

本日(2023/12/7)午前二人目の一般質問は、自由民主党の渡辺務議員した。

質問項目

  1. 地域経済の活性化について
  2. 農林水産業について
  3. 観光振興について
  4. 人口問題について
  5. 地域医療構想について
  6. 道路について
  7. 自家用有償旅客輸送について
  8. 小中学校校舎の老朽化について
  9. 外来水生植物対策について
  10. 富津警察署庁舎整備について
  11. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文

【午前二人目】一般質問 渡辺務議員(自民党)

–議長
次に渡辺務君

–渡辺務 議員
自民党富津市選出 渡辺務です。初めての県議会一般質問を行わせていただきます。今回機会を与えていただいた先輩議員並びに、同僚議員に感謝を申し上げます。また、本日は地元富津市から平野 明彦市議会議長、他市議会議員の皆さん、また、ひときわ浅黒い肌が眩しい地元の漁師さんを初め、多くの方に傍聴いただいております。感謝申し上げます。今回の質問では、県内でも都心から離れた小都市の抱える問題、特に地域経済をいかに元気にするかということを中心に進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

初めに、地域経済の活性化です。人口減少社会における市場の縮小や都市機能の低下などが懸念される中、本県経済がさらに発展し続けるためには、各地域がそれぞれの特性を生かして活性化を図ることが必要です。内房地域は世界に誇るコンビナート地帯ですが、千葉県総合計画では、京葉臨海コンビナートについて脱炭素社会の実現に向け、水素の利活用や新素材の開発など様々な取り組みが実施されていますと示されています。

取り組みの代表例の一つとして、日本製鉄の東日本製鉄所君津製鐵所ですが、そこではCO2の大幅な歳出削減に向けて、高炉法による製鉄プロセスで水素を活用していくための実証実験が行われています。この技術の実用化は2030年以降と言われています。

先日その君津を視察してまいりましたが、もう少し早まるのではないかと個人的には感じています。その際には大量の水素が必要となりますので、今のうちから国や立地企業等と連携をしながら議論を進めるべきです。

そこで伺います。京葉臨海コンビナートで見込まれる大規模な水素需要に対するため、今後どのように取り組んでいくのか。

京葉臨海コンビナートを例に掲げましたが、本県は様々な特色を持った地域で成り立っており、どの地域においても、地域経済を支える中小企業の役割は大きく、地域特性や実情を踏まえて、効果的な中小企業支援策を行う必要があります。

そこでお伺いします。地域経済の状況をどのように把握し、中小企業支援に取り組むのか、

次に、農林水産業のうち、水産業海苔養殖についてお伺いします。私の地元富津市は、海苔養殖が盛んであり、例年11月ごろになると海一面に海苔や、海苔ひびといいますが、それが広がり、その風景は地元の風物詩となっております。千葉県産の海苔は昔から色良し、味良し、香り良しと高く評価され、全国的にも高値で取引されています。しかし、近年は海水温の上昇により、養殖可能な期間が短縮されるとともに、活発化したクロダイによる食害などが発生しています。

さらに、海水中の栄養塩類、窒素、リン等ですが、その不足により、海苔が色落ちして売り物にならないなど、漁業者からは、漁場環境の変化が、生産量の減少に大きく影響しているとの声を聞いています。

そこで伺います。県では、海苔養殖の生産量向上にどのように取り組んでいるのか。

次に、観光振興です。私の地元にある富津公園は、東京湾に突き出た富津岬の先端にある97.3ヘクタールの広大な敷地を有する県立公園です。園内には、豊かな自然が広がり、富士山や東京湾を眺望できる。明治100年記念展望塔、夏には多くの来場者で賑わうジャンボプール。室内温水プールやキャンプ場など各種施設を有し、地域の重要な観光レクリエーション拠点となっています。また、毎年この時期になると、箱根駅伝に出場する大学のチームが多数合宿を行い、駅伝の聖地としての地位を確立しています。岬の沖合には、明治時代に築かれた第一海堡が現存し、公園内にも多くの近代遺構が残され、それらを巡るヘリテージングツアーも人気を集めており、これも重要な観光資源の一つです。一方、開設から50年以上が経過し、各種施設の老朽化が進み、立地環境を十分に生かしきれていない状況であり、通年型の集客を踏まえた公園の再生・活性化が喫緊の課題です。

県では、昨年度、再整備に向けた基本方針を策定するため、有識者や地元関係者等による検討会を立ち上げました。この検討会での議論を経て、3月末に基本方針が策定されたところであり、富津市民にとっては、観光振興への期待も大きく、現在の取り組み状況は大変気になるところです。

そこで伺います。県立富津公園における再整備に向けた取り組み状況はどうか。

次に人口問題についてです。まず、少子化対策ですが、我が国における少子化は深刻さを増しております。本県においても、第2次ベビーブーム期の昭和48年に生まれた子供の数が約8万3000人であったのに対し、昨年は約3万7000人と半分以下となっています。

また、合計特殊出生率については、昭和48年の2.36に対し、昨年は1.18で、過去最低となっており、極めて深刻な状況であります。私が特に問題だと考えている点は、地域間の格差です。市部と郡部、それぞれの合計特殊出生率を比較すると、昨年の支部の合計特殊出生率が1.17であったのに対し、郡部では0.95となっており、1を下回っています。

さらに県内の37市の中でも格差が生じています。議長の許可を得て皆さんにお配りした、折れ線グラフをご覧ください。

グラフの一番下の緑色の線が富津市を表しています。ご覧の通り、富津市は残念ながら数差用紙の中でも、出生数や合計特殊出生率が一番低く、大きく溝を空けられています。ちなみに、令和4年度の富津市の出生率は0.78市全体の新生児の出生数数はわずか109人でした。もちろん、富津市も手をこまねいていたわけではなく、出産や子育ての環境作りなど様々な施策に取り組んできましたが、少子化の進行に歯止めがかからない状況です。

県として、少子化対策を推進するにあたり、こうした地域の状況にもしっかりと目を向けていただく必要があると考えます。

そこで伺います。少子化の進行状況に地域間格差があるが、県はどのように考えているのか。

次に男性の育休取得についてです。少子化が進行する中、出産育児の負担が女性に集中する現状を改善し、男性が積極的に家事や育児に関わるための取り組みがますます重要となっています。国では、こども未来戦略方針において、男性の育休取得率を2025年度に50%、30年度には85%とする目標を打ち出しています。しかし、雇用均等基本調査によると、女性は近年、80%台で推移している一方、男性は令和4年が約17%となっており、国が掲げる目標にはまだ程遠いというのが現状です。さらには、一歩踏み込んで、事業所規模別に取得率を見てみると、100人から499人の事業所は約22%大規模500人以上の事業所は約25%ですが、これに大勢小規模の5人から29人の事業所では、約11%と、特に育休取得が進んでいないのは、規模の小さな事業所となっていると言えると思います。

これは規模が小さいほど、1人の従業員が様々な役割を担うことが多く、男性の育休取得に対して、会社自体も消極的なのではないかと考えられます。男性育休の取得が進まない要因を把握し、取得が進みにくい中小企業等における労働環境の整備を支援していくことが一層求められます。

そこで伺います。男性育休の取得が進まない要因は何か。また、取得率向上に向けた県の取り組み状況はどうか。

次に、地域医療構想についてです。県では、平成28年に保健医療計画の一部として地域医療構想を策定しました。

この構想は、今後の人口構造の変化等を踏まえ、県内九つの医療圏に2025年に必要と見込まれる。病床数を推計し、医療需要の変化に応じた適切な医療提供体制を整備しようとするものです。千葉や東葛地域などを除いた多くの地域では、既に病床数自体は充足しておりますが、生産年齢人口が減少している中、そこで働く医療従事者の確保は容易ではありません。このように医療資源が有限である以上、今ある医療機関の皆さんにこれまで以上に効果的に力を発揮していただくことが重要です。

そこで伺います。2025年が目前に迫る中、県は、既存の医療資源を生かした効果的な医療提供体制の構築にどう取り組んでいるのか、

次に道路についてです。ここからは地元のインフラ政策を中心に伺っていきます。

富津市は、南北40キロに及ぶ海岸線と鋸山や鹿野山など豊かな自然に囲まれる一方、北部には大規模な工場が立地する工業地帯を有しており、この地域の産業の活性化を図るためには、道路ネットワークの充実が不可欠です。

まず、富津館山道路ですが、この道路は、南房総地域の活性化や観光振興のため、重要な道路です。しかし、竹岡インターまでの館山自動車道は既に全線4車線化されたものの、その先、富津館山道路は対面通行の暫定2車線となっており、安全安心のためにも4車線化が必要であります。本年6月で先輩 三沢議員も質問、一般質問で取り上げていただきましたが、現在、県においては、4車線化に向けた都市計画と環境アセスメントの手続きを進めているとのことであります。7月に富津市内で開催された説明会には私自身も参加し、早期に4車線化を進める必要性を改めて認識したところです。

そこでお伺いします。富津館山道路の4車線化に向けた都市計画等の手続きの進捗状況はどうか。

次に千種新田バイパスです。国道465号は、房総半島中部を東西に横断する地域間交通交流に資する幹線道路ですが、千種新田地区では未だ屈曲狭隘な区間が多く、安全で円滑な通行に支障をきたしております。当地区では県により、千種新田バイパスの整備が進められていますが、完成すれば、これらの屈曲狭隘の区間の通行を回避できるとともに、歩行者等の安全性確保や緊急車両の到着時間の短縮、津波高潮など、浸水のおそれのある沿岸部からの緊急避難所としても重要な役割が期待されています。

そこで伺います。国道465号、千種新田バイパスの進捗状況はどうか。

次に、県道君津・大貫線いわゆる本郷バイパスについてです。この道路は、JR内房線の快速電車の始発駅始発駅である君津駅に最短でアクセスできるため、通勤通学などの主要なルートとして大変需要の多いルートです。

しかしながら、幅員が狭い上にカーブも多く、自動車同士の交互通行はもちろん、自転車や歩行者とのすれ違いの際は大変危険な状況となっております。現在県において、富津市本郷地区のバイパス整備が進められており、地元では、1日でも早い完成が期待されているところです。

そこでお伺いします。県道君津・大貫線、本郷バイパスの進捗状況はどうか。

次に、自家用有償旅客運送についてです。地域の生活を支える地域公共交通は、人口減少や自家用車利用の増加等に伴う利用者の減少などにより厳しい状況が続いており、県内では路線バスの本数が少ないなど、住民の移動手段が十分に確保されていない地域もあります。

そうした中、富津市のいわゆる交通空白地とされる地域では、地元のNPO団体が自家用車を使ってスーパーや銀行、病院などの目的地へ高齢者を送り届ける自家用有償旅客運送が行われています。このサービスは、地域主体で柔軟な運用ができることなどから、利用者からは好評いただいています。

既存の公共交通の維持が困難となっている中、新たな取り組みとして、私も一定の評価をしており、こういう取り組みが県内各地に広がっていくことを期待するものですが、運用に当たっての課題もあると聞いています。そこでお伺いします。

交通空白地における自家用有償旅客運送の活用状況や課題について県はどのように考えているのか

次に、小中学校校舎の老朽化についてです。仏紙は約築約50年となる青堀小学校について、校舎体育館、プール、これを改築する計画案を検討してきました。ところが、別の地区にある大佐和中学校の体育館が屋根の老朽化に加え、土砂災害警戒区域に指定出さされたため、急な移転建て替えが必要となってしまいました。さらに、物価高騰の影響で、建築費が計画時から1.5倍になってしまい、青堀小学校の改築計画は、校舎のみの整備しかできない状況となっています。学校施設の老朽化対策は喫緊の課題であるにもかかわらず、建築費の価格高騰と厳しい財政状況が異なり、市町村は悲鳴を上げています。文部科学省が毎年学校施設環境改善交付金の補助単価を見直していると聞いていますが、昨今の人件費や資材価格との乖離が大きく、国の強力な支援が不可欠であると考えます。

そこで伺います。学校施設環境改善交付金について、建築費の価格高騰に基づいた補助単価の見直しを国に働きかけることが必要だと考えるがどうか。

次に外来水生植物対策についてです。外来水生植物である長柄蔓野鶏頭は繁殖力が大変強く、県内でも県北部の河川を中心に、各地で繁茂が確認されており、景観や水質、またポンプに詰まって排水機場の機能を阻害したり、様々な弊害を発生させていただいてまいります。

大きな問題点の一つは、刈り取れば大丈夫という認識でいると、かえって繁茂を広げてしまいかねないということで、その特徴を知らず、刈った後は放置したままということが少なくありません。君津地域でも既に小糸川の一部で繁茂が確認されており、早い時期に適切に対処を進めなければ、深刻な状況になる恐れがあります。

事実、先日の台風13号の折には小糸川から東京湾に流れ出たこの草が、潮の干満により、河口近くの旅行に流入し、漁業者が出漁できないなど大きな影響を与えました。一刻も早く、この特殊な特徴や正しい処理方法等の周知啓発、また現場での早期駆除を行うことが必要です。

そこで2点伺います。

1点目、君津地域の拡大防止に向けて、長柄蔓野鶏頭の取り扱いについてどう周知していくのか。

2点目、小糸川の長柄蔓野鶏頭の駆除にどのように取り組んでいくのか、

最後に富津警察署庁舎整備についてお伺いします。

現在の富津警察署は、富津市海良に昭和46年に建築され、老朽化、狭隘化が著しいことに加え、耐震診断の結果、耐震補強対策の必要性が判明しました。さらには、富津市の津波ハザードマップで浸水予測2m以上の地域に含まれることなどを踏まえ、移転による建て替えが有効との判断で、県有建物長寿命化計画の第1期の整備事業として、令和2年度からの5ヶ年事業現在、富津市佐貫において工事が進められています。

庁舎整備による利用者の利便性向上や職員の勤務環境改善はもとより、安全安心な県民生活のための警察活動の拠点として、地元では大きな期待をしております。そこで伺います。富津警察署の建て替え工事の進捗状況と、新庁舎の開所時期についてはどうか。

以上で1回目の質問を終わります。ご答弁よろしくお願いいたします。

–議長
渡辺務君の質問に対する当局の答弁を求めます。知事 熊谷俊人君

–熊谷俊人 知事
自民党の渡辺務議員のご質問にお答えをいたします。

まず地域経済の活性化についてお答えいたします。地域経済の状況把握と中小企業支援についてのご質問ですが、中小企業は地域の雇用の場として、また住民生活に密着したサービスの担い手として大きな役割を果たしており、本県経済の活力向上のためには、中小企業の更なる振興を図ることが重要です。また、本県は人口や産業構造を初め地域ごとに様々な特性があることから県では各地域の中小企業と直接意見交換を行う地域勉強会や各種の統計分析などによりその現状や課題の把握に努め、それらを踏まえた支援を行っているところです。

具体的には地域資源を活用した商品開発や地域課題の解決に向けた実証実験の取り組みを支援する他、今年度は各商工会、商工会議所が実施する独自提案事業に対する助成の拡充も行ったところです。今後とも各地域の特性に応じた中小企業の支援策を推進してまいります。

次に人口問題についてお答えをいたします。男性育休に関する県の取り組み等についてのご質問ですが、令和4年度の国の調査では、男性が育児休業を取得しなかった理由として、上司の理解が得られないや代替職員がいないなどを挙げる方が多く、主に職場の雰囲気や育休に対する支援制度の理解が進んでいないことが、取得が進まない要因と考えています。取得の促進には、男性も育児休業を取得して当たり前という意識が職場に定着をすることが重要です。県庁においては逆に育休を取得しない場合には、その理由を確認するなどの取り組みを進めたところ、次年度の取得率は約24ポイント上昇し、66.7%まで向上いたしました。現在企業の経営者と働き手それぞれに向け、こうした事例も含め、取得しやすい環境作りのセミナーや、休業制度の導入等に向けた専門家の派遣による伴走支援などの取り組みの充実に努め、企業においても意識改革が進むよう取り組んでいるところです。今後も企業の取得状況確認をし、創意工夫しながら伴走支援の充実に努めてまいります。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

–議長
商工労働部長 野村宗作君

–野村宗作 商工労働部長
京葉臨海コンビナートで見込まれる水素需要への対応に関するご質問です。

素材エネルギー産業が集積している京葉臨海コンビナートでは、脱炭素化に向けた燃料や原料の一つとして、大規模な水素需要が見込まれておりますがこれに対応していくためには、水素のコスト低減や移送方法の確立、供給インフラ拠点の整備など様々な課題がございます。

こうした中、国においては、効率的な水素供給インフラの整備支援や、水素供給コストを低減するための支援について、具体的な検討が進められているところです。県としてはこうした国の動向を注視するとともに、コンビナートの将来的な水素需要の調査や具体的な課題解決の方向性について昨年度設置した官民協議会において、立地企業、有識者等との議論を深めてまいります。以上でございます。

–議長
農林水産部長 前田敏也君

–前田敏也 農林水産部長
海苔養殖の生産量向上についてのご質問ですが、本県の海苔養殖は、平成27年以降に生産枚数が著しく減少しており、県では原因究明に向けた調査を継続的に行ってきたところ、令和元年にクロダイによる食害が主な原因であることが判明いたしました。そこで県では、海苔漁業者の方々が行う食害対策を強化するため、取り扱いが容易な防除ネットを新たに開発し、その導入支援の結果、1経営体当たりの生産枚数が増加するなど、高い防除効果が確認されました。さらにクロダイによる食害対策を万全なものとするため、光などを活用した新たな防除技術の開発を進めるとともに、食害を受けても再成長する新品種の開発などに取り組んでいるところでございます。以上でございます。

–議長
都市整備局長 小川剛志君

–小川剛志 都市整備局長
初めに、県立富津公園の再整備についてのご質問にお答えいたします。

県では、昨年度、富津公園の再整備に向け、海と緑の魅力を感じながら、自然豊かなアクティビティと賑わい空間を創出をテーマとして、基本方針を策定したところです。現在この方針をもとに、民間事業者に対し、マーケットサウンディングを実施しており、事業者からは、都心からのアクセス性に優れ、東京湾越しの富士山の素晴らしい眺望が活用できるとの意見や、レストラン、グランピング施設などの具体的な提案もいただいているところです。

今後はいただいたご意見や提案などを踏まえながら、整備方針や事業スキーム等の検討を進め、着実に再整備が実現できるよう、地元市と連携し、積極的に取り組んでまいります。

次に、富津館山道路の4車線化についてのご質問ですが、当該道路の4車線化は、安全で円滑な交通を確保し、観光振興や地域活性化に加え、防災力の強化を図るため、大変重要であると考えています。

県では、令和3年7月に都市計画や環境アセスメントの手続きに着手し、本年6月から道路の位置などを示した都市計画の案の概要について、地元住民への説明会を実施したところです。

今後は、都市計画案の縦覧準備を進めるとともに、環境アセスメントについても、現地調査や、予測評価を実施するなど、地元市町村とも連携しながら、着実に手続きを進めてまいります。私からは以上でございます。

–議長
健康福祉部長 高梨みちえ君

–高梨みちえ 健康福祉部長
私からは、人口問題についてお答えいたします。少子化対策に関するご質問ですが、令和4年の国の人口動態統計によると、人口1000人当たりの出生数は、県内市部で6.1に対し、郡部では3.3人であり、地域に差が生じている状況です。県では今年度、県と市町村が連携して少子化対策を推進する千葉県少子化対策協議会を設置し、県内市町村が実施した企業と連携した結婚応援事業、若い世代に向けたライフデザインセミナー先進的な仮想空間を活用した婚活支援など、地域の実情に応じた取り組み事例の紹介などを行ったところです。

少子化の背景には、若い世代の経済的な不安定さ、出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な要因があり、引き続き市町村と連携し、効果的な少子化対策を検討してまいります。以上でございます。

–議長
保健医療担当部長 鈴木貴士君

–鈴木貴士 保健医療担当部長
私からは、効果的な医療提供体制の構築についてお答えいたします。限られた医療、介護資源を効果的、効率的に活用し、県民が地域において安心で質の高い医療介護サービスを受けられるよう、医療機関の病床機能の分化と連携を推進することが重要です。

県では、地域の関係者による協議の場を設けるとともに、各医療機関に対し、地域の医療需要の変化などへの理解を深めるための研修会を開催し、各医療機関が担う役割の再検討を依頼しています。また、既存の急性期病床などを全県的に不足する回復期病床へ転換するための助成制度などにより、これらの取り組みを促進しています。

現在、本年度末の保健医療計画改定に向け、主要な疾病ごとの医療提供体制などについて検討しているところであり、地域の関係者のご意見を伺いながら、取り組みの強化充実を図ってまいります。以上でございます。

–議長
県土整備部長 池口正晃君

–池口正晃 県土整備部長
私からはまず、国道465号千種新田バイパスの進捗状況についてのご質問にお答えします。

–池口正晃 県土整備部長
国道465号の富津市千種新田地先では、道路の幅員が狭く、屈曲していることから、安全で円滑な交通を確保するため、延長950mのバイパス整備を実施しております。これまでに西側290mの市施工区間は整備が完了しており、残る660mの県施工区間では、新四路工事が完了したとことから、今後、道路改良工事や地盤改良工事を行うこととしています。引き続き地元の皆様のご理解をいただきながら事業を推進してまいります。

次に、県道君津大貫線、本郷バイパスの進捗状況についてのご質問ですが、当該道路については、現道の幅員狭小や線形不良の解消を図るため、君津市下湯江地先から富津市本郷地先までの1.6km区間において、バイパス整備を進めているところです。

これまでに起終点部を除く区間で道路改良工事が完了し、現在、現道と接続する交差点において、改良工事を行っているところです。来年2月の供用予定に向けて、引き続き舗装工事や標識、道路照明などの工事を進めてまいります。

次に、小糸川における長柄蔓野鶏頭の駆除についてのご質問ですが、県では小糸川において、君津市内の人見大橋から人見堰までの約600m区間を中心に長柄蔓野鶏頭の繁茂を確認したことから、駆除に取り組んでいるところです。11月から駆除を開始開始したところであり、来年度の出水期までには駆除することとしており、その後、新たに繁茂が確認された場合には、速やかに駆除を行い、拡大防止に努めてまいります。以上でございます。

–議長
総合企画部長、冨沢昇君

–冨沢昇 総合企画部長
自家用有償旅客運送についてお答えします。自家用有償旅客運送は、道路運送法に基づき、市町村の交通会議等における関係者の合意を得て、市町村やNPO法人などが自家用車を用いて提供する運送サービスです。県内では4市の交通空白地において6団体が実施しており、交通空白地における新たな交通移動手段として期待できる一方、運転手の確保や安定的な運行のための採算性の確保といった課題があります。

県では、市町村担当者向けに開催する情報交換会やセミナーなどにおいて、先進事例や課題を共有することによることにより、地域の実情に応じた住民の移動手段の確保に取り組む市町村を支援してまいります。以上でございます。

–議長
教育長、冨塚昌子君

–冨塚昌子 教育長
学校施設環境改善交付金の補助単価の見直しについてのご質問にお答えいたします。県教育委員会では、これまで当該交付金について、補助単価の見直しや補助率の引き上げ、対象事業の拡大などを全国都道府県教育長協議会等を通じて国に要望してまいりました。その結果、当該交付金の補助単価については、毎年度見直しが行われており、また一部の対象事業では、補助率も引き上げられたところです。一方で市町村からは、昨今の著しい物価高騰により、入札が不調となっているとの声を聞いており、県教育委員会としては、市町村が学校施設を計画的に整備できるよう、更なる補助単価の引き上げを国に働きかけてまいります。以上でございます。

–議長
環境生活部長 井上容子君

–井上容子 環境生活部長
外来水生植物対策について、長柄蔓野鶏頭の拡大防止に向けた周知に関するご質問にお答えします。長柄蔓野鶏頭は、水面をほど繁殖力が強く、除去しても、残った根や、ちぎれた茎から再生してしまうことから、様々な主体において、早期に発見し、適切に駆除することが重要です。このため県では、長柄蔓野鶏頭の再生力が強い特徴や刈り取った後も、完全に乾燥させて腰させることが必要である。などの取り扱い方法を説明したリーフレットを、市町村の窓口や自治会などを通じて配布するとともに、県ホームページで紹介するなど、県民広く周知してまいります。

また、新たに立体標本を作製して、環境学習の場や農家の方々を対象とした講習会等で、実物を見て、特徴や大きさを実感していただくなど、より一層の普及啓発に取り組んでまいります。以上でございます。

–議長
警察本部長 宮沢忠孝君

–宮沢忠孝 警察本部長
私からは、富津警察署の建て替え工事等に関するご質問にお答えいたします。

富津警察署建て替え工事については、令和4年度に着工し、令和6年度完成予定で、建築工事、電気設備工事および機械設備工事を進めているところです。10月末現在、建築工事の進捗率は約45%で、庁舎はコンクリート打設工事、車庫等は外壁工事を行っており、おおむね予定通り進捗しています。令和6年度には、関連工事である外構工事等を行い、全ての工事の完了時期は、令和6年秋ごろを見込んでおり、その後、新庁舎への移転作業を行い、業務を開始する予定です。以上でございます。

–議長
渡辺務君

–渡辺務 議員
はい。ご答弁ありがとうございました。

いくつか再質問と要望をさせていただきます。まず要望から、都市部にある大企業と地方にある中小の事業所では、生産性に差があるっていうのは、これは正直否めない事実だと私は思います。地域間の所得格差です。しかしその地域に根ざした中小の事業所が活性化し元気に経済活動を行えるようにしなければ、千葉県全体の経済の発展や少子化、過疎化の波は納めることができないのだと私は考えています。地域の事業所がかつてのように元気になるには、その地域の中での経済活動を活発にすることが必要です。枝廣 淳子氏の唱えるいわゆる漏れバケツの論理です。せっかく集めた資本も地域経済圏の外に出ていくばかりでは、地方は潤いません。

バケツの穴を塞いで、地域の中でお金を循環させる仕組み、これを確立すること。具体的には、環境省の提供する地域経済循環分析ツール、あるいは経産省と内閣官房が提供するリーサス等を活用することが考えられますが、これは市町村だけで取り組むにはマンパワー的に限界があります。

長野県がやっているように、地域の中での長所と弱点をエビデンスをもとに分析し、長所を伸ばす。弱点はカバーや、そのことで地域内の経済の循環が生まれ、産業が元気になっていくような取り組みを千葉県でもぜひ検討していただきたいと思います。

続いて海苔養殖についてですこれも要望ですがまずはクロダイの防除ネットの対応ありがとうございました。海苔の生産量が減少したことに加え、燃油や資材の高騰などの影響もあり、重なって廃業する業者が増えていると聞いています。このような状況では、後継者が育たないばかりか、全国に誇れる東京湾の海苔養殖がなくなる危機を迎えてしまいます。また海苔養殖だけではなく、アサリ漁業や漁船漁業の低迷もあり、このままでは、いわゆる江戸前ブランドと言われる東京湾内の漁業がなくなってしまいます。

海水温の上昇は、地球温暖化だけが原因ではないと私は思っています。かつての宝の海を取り戻すには、貧酸素水塊の解消、貧しい酸素の海水の塊これの解消や、干潟の復活が必要ですが、それは個々の漁師さんや1漁協単位で取り組むには大きすぎる課題です。ぜひ、県が率先して国等に働きかけることを要望いたします。

地域医療構想について要望します。全県的に回復期病床の不足が懸念されているとのことでありました。君津中央病院では、地域医療構想も踏まえ、老朽化した大佐和分院の建て替えに合わせて、本院の急性期病床の一部を分院に移し、回復期病床へ転換して運用するとの方針を示しています。また、君津中央病院は、救命救急センターや災害拠点病院といった大変重要な機能になっていますが、病院への侵入路が国道127号線側からの一本に限られており、何らかの理由で国道から進入ができなくなった場合、必要な機能を果たせない恐れがあります。

新たな侵入路の整備が重要ですが、企業団だけで整備を進めるには負担が重いとも聞いています。君津中央病院が分院の建て替えや、本院の進入路等の整備を行う場合には、県としても、可能な支援を行うよう要望いたします。

道路について要望です。今回、富津館山道路などを取り上げましたが、もう一つ、地元で大きな期待を抱いているのは、東京湾口道路であります。東京湾口道路は、房総半島と三浦半島を結ぶ構想路線で、アクアラインなどとともに、東京湾で、8の字の環状道路網を構成するものです。反動性の解消や地域活性化などに重要な道路ですが、国においては、湾口道路などの海峡横断プロジェクトの個別の調査は、今後は行わないとされています。しかし、県南地域の自治体や経済界などから実現を望む声が数多く上がっており、富津市が会長を務め、13市町で構成する房総地域、東京湾口道路建設促進協議会、この活動を9年ぶりに再開したところです。

県でも、沿線市や経済団体等で組織する期成同盟会において、実現に必要な調査を国に要望していると聞いていますが、東京湾口道路について、具体化に向け、地元自治体と連携し、様々な機会を通じて、引き続き国に働きかけるよう要望いたします。

観光振興について再質問します。観光資源が豊富な富津岬において、観光より一層元気づける一つの方策として、富津漁港が活用できないかと考えます。漁師の廃業など社会情勢の変化もあり、漁港という施設も従来と同じ規模で維持していくことについてはいろいろと議論があるように思われます。そんな中地元では富津漁港にプレジャーボートを受け入れ、富津公園再整備などとあわせ、地域振興のために活用できないかといった動きも出てきております。

そこで伺います。富津漁港にプレジャーボートを係留できるようにすべきと思うがどうか。

小中学校校舎の老朽化について再質問します。物価高騰が続く中、富津市だけではなく、県内の他の市町村でも困っているところは多いと思います。国に働きかける一方で、このように困っている市町村に対しては、交付金などを適切に受けられるよう、国としても支援を行っていく必要があると思います。

そこで伺いますが、市町村が行う小中学校施設の改修等に対して、県ではどのような支援を行っているのか。

富津警察署について、再質問です。現在の庁舎のある、天羽地区には富津市民の約4分の1が居住しております。

警察署の建て替えと、機能強化には地元も期待しておりますが、一方で、移転に伴い、地区の住民からは、治安に対する不安の声も寄せられています。

そこで伺います。富津警察署が移転した後の天羽地区の治安対策についてはどのように考えているのか、以上で2回目を終わります。

–議長
農林水産部長 前田敏也君

–前田敏也 農林水産部長
はい。富津漁港におけるプレジャーボートの係留に関するご質問でございます。富津漁港は、漁船の減少などが最近進んでまして、未利用の施設ですとか用地が生じているところでございます。地元の漁協ではプレジャーボートの受け入れについて既に検討を始めていると伺っておりまして、県といたしましては今後、地元の意向も踏まえながら、富津漁港における未利用施設等の活用が図られるよう地域の取り組みを支援してまいります。以上でございます。

–議長
教育長、冨塚昌子君

–冨塚昌子 教育長
市町村が行う小中学校施設の改修等への支援についてのご質問です。

県では毎年市町村の担当者に対し、国庫補助制度や起債の活用について説明会を実施しております。また今年度は県の職員が直接現地に赴き、工事内容を確認しながら、国庫補助制度を最大限活用できるよう助言するなど、個別の支援も行っています。以上でございます。

–議長
警察本部長 宮沢忠孝君

–宮沢忠孝 警察本部長
はい。天羽地区の治安対策に関するご質問にお答えいたします。現在の富津警察署が市内南部の天羽地区から市内中央部の大佐和地区に移転することに伴い、富津市全体の治安維持に間隙が生じないよう、交番駐在所の位置関係等、踏まえながら、大佐和地区の佐貫地域に駐在所を、天羽地区であるJR 上総湊駅の防犯活動を強化するなど、地区の治安維持に万全を期してまいります。以上でございます。

–議長
渡辺務君

–渡辺務 議員
はい。天羽地区の駐在所の件、ご配慮いただきまして本当にありがとうございます。これで天羽地区の住民も安心していただけると思います。

それでは最後にまとめさせていただきます。今回は、経済の活性化、出生率など全体を通して県内にも地域間の格差があるという観点で質問をしてまいりました。これから安定した収入が得られるかわからない職業に従事したり、将来に不安を持つ若者が、どうして家庭を持ち、子供を産み育てるという希望を抱けるでしょうか?これは地方の小都市が共通して持つ大きな課題であると思います。私達は、県民市民に将来の不安なく明るい希望を持って生活できる環境を整えるという、大きなミッションを持っているんだと思います。

そのために今回テーマとさせていただきました。地域間格差の解消と地域内での経済循環、このことを実現するべく、共通の認識を持って行動することをお願い申し上げて、私の一般質問を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

–議長
暫時休憩します。再開は午後1時の予定です。