【速報】本日の千葉県議会 ー 天野行雄議員(国民)の一般質問 2023年9月27日午後1

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。

教育や子育てなど、小学生にも関わる内容が、議会では話し合われています。ぜひ、小学生の皆さんにもご興味をお持ちいただければ嬉しいです。

 

本日(2023/09/27)午後一人目の一般質問は、国民民主天野行雄議員でした。

 

1 議会質問・答弁の書き起こし全文

【午後一人目】一般質問 天野行雄議員(国民)

休憩前に引き続き会議を開きます。引き続き質疑並びに一般質問を行います。通告順により、天野行雄君。

皆様こんにちは。千葉市稲毛区、国民民主党の天野行雄です。今議会で一般質問の機会をいただき、本当にありがとうございます。

また本日も傍聴に駆けつけていただきました皆様、ありがとうございます。知事もご存知の神奈川の高森さんも今日は駆けつけております。国民民主党の市議の皆さんも駆けつけていただきました。都築真理子、印西市議会議員、工藤由紀子、浦安市議会議員、ありがとうございます。

私達国民民主党は対決より解決という基本姿勢で、政策提言型の現実的な政治を推進してまいります。それでは、質問に移らさせていただきます。

千葉県では、令和5年3月に、脱炭素社会の実現を目指して、千葉県カーボンニュートラル推進方針を策定しました。

推進方針の県の目指す姿として、再エネや水素等、新エネルギーの最大限の導入などによるバランスのとれたエネルギーの活用、再生可能エネルギーなどの分散型エネルギーを活用した、レジリエンスの高いまちづくりなどが示されています。

この2点は、抜粋したものですが、政策項目として、1、水素社会の実現と経済の活性化に、2、電力の安定供給と再エネ電源の主力電源化、3、分散型電源の有効利用による防災レジリエンスの向上などへの対応が求められています。

ここで本日の質問項目は、一つには、水素社会の実現によるカーボンニュートラルへの対応と、経済の活性化二つには、電力の安定供給の実現と防災県千葉の確立について意見を交わしていきます。初めに、水素社会の実現によるカーボンニュートラルへの対応と、経済の活性化についてです。

熊谷知事は、カーボンニュートラルは極めて重要かつ困難な問題ですが、これをピンチではなく、チャンスと捉え、果敢にチャレンジしていくという方向性を示していますが、私も同感です。県民の雇用と生活を守るためにも、産業界でのイノベーションを通じた新技術の確立による国際競争力の強化や成長産業である。

水素を活用した千葉県経済の振興は重要なテーマであると思います。カーボンニュートラルの実現には、推進体制は重要です。縦割り行政の弊害をなくして、全町内で共通認識を図り、戦略的な政策展開により、総合力を発揮する必要があります。

ここで伺います。千葉県カーボンニュートラル推進方針等で掲げた施策について、全庁的に共通認識を図るため、部局横断体制で進めるべきと思うがどうか。水素やアンモニアは燃焼時にCO2を排出せず、カーボンニュートラルの実現には欠かせない資源であるとともに、エネルギーの安定供給や経済成長にも繋がります。

ロシアのウクライナ侵攻により、エネルギー需給構造に変化が起こり、自動車のEV化の動きから、水素へとシフトされるなど、エネルギーの安全保障の観点から、水素利用が加速しています。また、化石燃料由来のグレーやブルー水素から、再エネ電源で、水電解して生産する。

CO2フリーのグリーン水素へとシフトが進んでいます。水素を燃料とする熱利用、鉄鋼や化学部門では、原料としての活用水素化合物としての合成メタンやガソリンなどの合成燃料を製造し、従来の燃料の代替利用など多角的な活用が期待されます。

県内の産業界も、新技術の開発に携わり、鉄鋼では水素還元製鉄技術の確立火力発電所での水素の混焼とCCS技術の活用など、しのぎを削り、取り組んでいます。現場では、産業用機械や重機は水素利用の実証試験が進み、鉄道部門でも燃料電池と蓄電池を搭載した。

ハイブリッド車両の実証試験が行われています。また、輸送用大型車両や飛行機は電化は難しいと言われ、輸送用大型車両は、水素を燃料とする燃料電池を活用したFCVの開発が進み、実用化は3年後の26年を目指しています。

このように、水素社会への歩みは、技術開発段階から商業段階への移行を迎えつつあり、家族にはインフラ整備による安定的な供給と、供給コストの低減が必要です。日本各地で水素社会の実現に向けて主導権を握ろうと、水素サプライチェーン構築に向けた取り組みが既に始まっており、川崎市は8年前に水素戦略を策定し、立地企業の機運を高め、水素導入事業の条件整備に取り組み、横浜市とも連携協定を締結しました。

また、NEDOは、川崎臨海部を一過水素サプライチェーンの商用化実証の受け入れ地として選定しています。東京都も、経産大臣に対して、川崎臨海エリアにおいて水素等のエネルギー供給地点を各実につくり、供給体制の整備を進めるよう要望しています。

近隣都県と比較すると、拠点に回った感は拭えず、千葉県が置かれた状況を、私は危機感を持って見ています。これは森田県政において、水素などの新産業の振興やカーボンニュートラルへの対応などが出遅れたことが影響しております。

国の水素基本戦略では、大規模な事業創出と効率的なサプライチェーン構築を実現し、国際競争力のある産業集積を促すため、供給インフラ整備として、今後10年間で産業における大規模需要が存在する大都市圏を中心に、大規模拠点を3ヶ所程度。

産業特性を生かした、相当規模の需要集積が見込まれる地域ごとに、中規模拠点を5ヶ所程度整備する方針を示しています。水素の輸入や貯蔵を含めたサプライチェーンの整備は、京葉臨海コンビナートの生命線であり、水素の供給側か、需要家需要側かで、県内の産業構造は激変し、県内の経済規模や雇用などに大きな影響を与えます。

需給一体のコンビナートの整備が必要と私は考えます。千葉県のこれまでの出遅れを挽回し、水素供給の日本の大規模3拠点の一つとして指定されるためには、水素社会の実現を中長期的な視点で示す水素社会整備計画などを策定するとともに、産・官・学・金・民が連携した推進体制を確立し、国に対して、水素社会の実現に向けた千葉県の姿勢を示していくべきです。

ここで伺います。京葉臨海コンビナートが、水素供給インフラの拠点として、国の選定が受けられるよう取り組むべきと思うがどうか。2項目めは、電力の安定供給の実現と防災県千葉の確立についてです。電力需給の逼迫や余剰電力の発生など、電力の安定供給を巡り、課題が散見されています。

また、分散型電源などの有効活用により、防災レジリエンスの向上が求められています。初めに、電力供給の原則について説明します。図表1をご覧ください。安定供給は、電力の供給と需要が同時同量でなければいけません。

バランスが崩れると、周波数の変動や、最悪、大停電に繋がります。まさに平成30年の北海道胆振東部地震では、火力発電所が停止して、需要が供給を上回り、北海道のほぼ全域が停電しました。図表2は、太陽光と風力発電の出力変動が表されています。

両電源とも気象条件により大きな出力変動がありますが、同時同量を維持するには、他の電源で出力変動を補う必要があり、現在これをフォローするのは、火力発電所です。ただし、常時出力調整が必要とされ、非効率な運転を強いられています。

実は、この再エネ電源の出力変動が、電力逼迫や余剰に大きな影響を与えています。再エネ100%を実現するには、火力発電所に代わり、蓄電池や燃料電池などで再エネの出力幅を補える部分の調整電源の確保が必要ですが、費用的にも技術的にも難しい状況です。

次に、電力の逼迫ですが、初めに東京エリアは、昨年3月には、福島県沖地震による発電所の計画外停止や寒波による需要急増と、太陽光発電の出力の大幅減により、電力需給ひっ迫警報が発令されています。続いて6月にも電力ひっ迫注意報が発令されました。

今年7月の予備率は3.1%と予想され、厳しい状況でした。この供給力の不足は、1、原子力発電所の長期停止によるベースロード電源の不足。2、再エネ電源比率が拡大する中で、降雪などの気象条件による出力の大幅低下。3、電力自由化の導入により、競争市場の中で化石燃料火力の競争力低下や、再エネ電源増加により、非効率な運転調整が行われる中で、老朽火力の廃止が進んでいます。

このような火力の撤退は、日本の電力自由化の本格実施前からEUでは社会問題化をしており、イギリスでは原子力発電所を新設して乗り切っています。日本がEUと全く同じ道をたどるのは、電力自由化の制度設計の誤りであり、後追いで対応している姿は滑稽に感じられます。

県も政府と連携しながら、想定される電力ひっ迫への対応を求められます。ここで伺います。今後も電力需給の逼迫が想定される中で、県はどのような役割を果たすのか次は余剰電力の発生です。これは供給力が需要を上回る状態です。

図表3をご覧ください。九州エリアで、18年10月に全国で初めて再エネの出力制限が行われ、現在も継続して実施しています。23年には東京と関西エリア以外の8エリアでも行われており、今後は増加傾向で推移します。

黒い線が重要ですが、昼に緑の再エネ電源の供給が需要を上回る発電をしており、斜線の余剰電力が発生し、同時同量が崩れています。出力制限が困難な太陽光発電や風力発電などの自然変動電源の増加による需給がギャップが起きているわけです。

対応策として、1、石油、ガス、石炭などの火力発電所の出力制限。2、連携線を利用して、他地域への送電。3、バイオマスの出力制御。4、その上で、太陽光、風力の出力制御が行われます。再エネの出力抑制では、22年度は年間で6億kW電力を無駄にしており、これを有効活用するには1、再エネ電源を利用した。

水電解装置でのグリーン水素の製造。2、系統連系用の蓄電池を活用した余剰電力の充電。3、再エネ電源への蓄電池の設置による出力調整などの対応が考えられます。なお並行して、送電線の強化など系統対策が必要です。再エネ100%はすぐに実現できると発言する議員もいますが、エネルギーシステムの技術的課題を理解し、現実的な判断が必要です。

ここで伺います。今後、県内で余剰電力の発生が想定される中で、再生可能エネルギーの余剰電力を活用したグリーン水素の製造に向けて、県はどのように条件整備を進めていくのか。

次に、防災レジリエンスの向上です。

東京湾岸には多くの火力発電所が集積され、首都圏の電力供給を担っています。従来は、福島県と新潟県で原子力発電所が運転されており、リスクヘッジされていましたが、廃炉および停止中です。首都直下型地震の発生、発生も想定されており、風水害だけでなく、地震による停電事故にも考慮が必要です。

防災拠点となる災害対策本部が設置される、自治体庁舎や学校など指定し、避難所避難民の受け入れ場所となる道の駅などの無停電化を図るために、自立型電源の確保が必要です。令和元年の房総半島台風時には、睦沢町のむつざわスマートウェルネスタウンは、太陽光発電と蓄電池、ガス、コジェネなどを活用して、地域マイクログリッドとして整備し、電力と熱の供給を行い、地域住民の避難施設としても活用されました。

その後、いすみ市でも、いすみ市庁舎、避難所避難所である中学校、一般住宅などを対象に、地域マイクログリッドが整備されています。系統電源喪失時に停電を回避できる地域マイクログリッドの整備や、分散型電源の効率な活用を図り、大規模停電に備えるべきです。

ここで伺います。地域マイクログリッドの整備や、分散型電源の有効活用による防災レジリエンスの向上にどのように取り組んでいくのか。

次に、予防伐採の展開について伺います。令和元年の房総担当台風では、樹木倒壊により、配電設備の被害により、ピーク時には約64万戸が停電しました。

全国の電力会社が復旧支援支援に駆けつけましたが、道路上への樹木倒壊の影響もあり、復旧には長時間を要しました。また、通信手段も途絶え、復旧本部と作業班との連絡網の確立も難しい状況でした。風倒木によるインフラ施設への被害を防ぐための森林の事前伐採が課題となっており、森林環境譲与税などの有効的な活用について県に要望したところ、県からは促進するために、市町村への先進事例の紹介、紹介や連携により、森林整備を図る仕組みの構築に取り組むという回答がありました。

ここで伺います。予防伐採に繋がる森林整備について、県はどのように取り組んでいくのか。森林環境譲与税を活用して予防伐採に取り組む市町村の状況はどうか。また、県はどのような支援を行っているのか。

次に、災害時の自治体での判断能力の向上です。

地球温暖化の影響を受けて、多発化激甚化する風水害等に対して、地方公共団体は、的確な判断により、住民の生命身体と財産を守らなくてはなりません。野田市では、地方防災アドバイザーを採用し、職員の気象情報の利活用のスキルアップや、住民に対する防災講座などを通じて、防災意識の向上に取り組んでいます。

また、災害時には災害対策基本法に基づき、各市町村、市町村長が避難指示を発令することになりますが、より適切なタイミングでの避難情報の発令や防災対策などをアドバイザーがバックアップしています。基本的に、県内市町村は、県庁や地方気象台と連携しながら、避難指示の発令などの判断をしていますが、市町村単位での気象データの分析や判断能力が気になるところです。

ここでお聞きをいたします。市町村が気象情報に基づき、適切に災害対応ができるよう、県はどのように支援をしているのか。以上で第1回質問を終わります。執行部からは、現実的かつストレートな回答をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

天野行雄君の質問に対する当局の答弁を求めます。

知事、熊谷俊人君。

国民民主党の天野行雄議員のご質問にお答えをいたします。まず水素社会の実現によるカーボンニュートラルへの対応と経済の活性化についてお答えをいたします。

カーボンニュートラルの施策の推進体制に関するご質問ですが、脱炭素化の推進は、施策横断的な視点で全庁挙げて取り組むことが重要であり、千葉県カーボンニュートラル推進方針等の策定に当たっては知事をトップとし、各部局長で構成される。

千葉県カーボンニュートラル推進本部会議を昨年度4回開催をし、その目的や施策の方向性などについて共通認識を持って進めてきました。またカーボンニュートラルコンビナートの形成や成田空港の脱炭素化をはじめとした様々な施策の実行に当たっては、推進本部の下部組織であるワーキンググループの構成各課で意見交換や調整を重ねながら進めており、今後さらに部局間での連携を深めながら、カーボンニュートラルの実現を目指してまいります。

次に電力の安定供給の実現と防災県千葉の確立についてお答えをいたします。気象情報に基づく市町村の対応についてのご質問ですが、気象状況の悪化に伴い、警報等が発令された際に、市町村がその情報や状況に応じて避難指示や避難避難指示や避難所の開設などの対応を的確に実施する必要があります。このため県では気象台と連携をし、気象情報の基礎知識を習得するための研修会を開催する他、洪水や土砂災害の発生を想定し、避難指示のタイミング等を検討する実践的な演習や訓練を県内各地域で実施することなどにより市町村が気象情報に基づき適切に判断対応できるよう支援しているところです。

県としては今後もこうした研修や訓練等を通じて、市町村や気象台との連携を密にし、災害対応力の強化を図ってまいります。私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。

商工労働部長、野村宗作君。

京葉臨海コンビナートの水素供給インフラの拠点に関するご質問ですが、燃焼時にCO2を排出しない水素は脱炭素化に向けた代替燃料や原料の一つとして、幅広い産業分野での活用が見込まれており、国では効率的なサプライチェーン構築に向けた水素供給インフラの拠点を計画的に整備することとしております。

素材エネルギー産業が集積する京葉臨海コンビナートにおいても今後水素還元による製鉄法や火力発電施設の水素混焼等の技術革新によって、水素需要が高まっていき、これに対応できる供給拠点の整備が必要になってくるものと考えており、今後拠点のあり方について、昨年度設置した京葉臨海コンビナートカーボンニュートラル推進協議会において、立地企業、有識者等と議論を加速化するなど、カーボンニュートラルに必要なインフラについては、しっかりと取り組んでまいります。

次に余剰電力を活用したグリーン水素の製造に関するご質問ですが、水素は利用時にCO2を排出しない次世代エネルギーとして期待されており、その中でも太陽光発電などによる余剰電力を活用してCO2を排出せずに製造されるグリーン水素は、カーボンニュートラルの実現に大変有効なものだと考えております。

その一方で、余剰電力から水素を製造する際に必要な水電解装置については、導入時や運転時のコストの低減や、製造効率の向上などに課題があります。そこで県としては、こうした課題の解決に向け、再生可能エネルギーの発電事業者等との議論を深めていくとともに、国に対し、民間企業による技術開発の取り組みへの支援拡充を要望してまいります。

以上でございます。

防災危機管理部長、添谷進君。

初めに、電力需給の逼迫についてお答えいたします。電力需給が逼迫した際、大規模停電を未然に防止し、県民生活や経済活動への影響を最小限にとどめるためには、節電対策や、停電に備えた電源の確保などが重要です。

このため県では、県民や事業者に、SNSや県民だよりなどの様々な広報媒体を活用して、節電への協力を要請している他、停電への備えとして、社会福祉施設等への非常用電源確保の呼びかけなどを行っているところです。今後力事業事業者等の関係機関と連携を図るとともに、国に対しては、安定的な電力供給の確保を求めていくなど、電力需給逼迫に対し、適切に対応してまいります。

次に、防災レジリエンス向上についてお答えいたします。災害時においても、県民の生活や経済活動を継続していくためには、電気や水道などのライフラインや、通信手段の復旧など、災害から速やかに回復する取り組みを進めることが重要です。

こうした取り組みの取り組みの一つとして、地域で完結する独自の電力供給システムや分散型電源などの整備が有効であることから、県の地域防災力充実強化補助金では、市町村が避難所の電力レジリエンスを向上を目的として行う発電設備の整備なども補助の対象としているところです。

この他、庁内での連携を図りながら、電力確保に資するカーボンニュートラルの取り組みや、再生可能エネルギーの活用に係る先進事例を研究するなど、防災レジデンスの向上に向けて取り組んでまいります。以上でございます。

農林水産部長、前田敏也君。

まず予防伐採に向けた県の取り組みについてお答えいたします。県では、令和元年房総半島台風による風倒木被害を契機に、災害に強い森作り事業を創設し、インフラ施設周辺の被害森林の復旧や予防伐採に繋がる森林整備に取り組む市町村を支援しているところでございます。

これまで二次災害の発生リスクの高い被害森林について、優先的に事業を実施するように市町村に働きかけ、昨年度末までの20の市町で約24ヘクタールの森林が整備されました。今後はインフラ施設周辺の風倒木被害が懸念される森林についても、予防伐採の取り組みが円滑に進むよう、先行事例の紹介や、事業実施に向けた技術指導を行うことなどにより、市町村による森林整備を促進してまいります。

次に、市町村の予防伐採の取り組み状況と県の支援に関するご質問です。森林環境譲与税を活用して予防伐採に取り組んだ市町村は、令和2年度は7市町、令和3年度は17市町となっております。具体的には、県の災害に強い森作り事業に対する上乗せ補助や、市町村の委託事業などにより、各地域の実情に応じた予防伐採が展開されています。

また、県では市町村を対象に、環境時、森林環境譲与税の活用に係る研修や森林整備の進め方などについて助言を行っているところであり、引き続き予防伐採の取り組みが広がるよう支援してまいります。以上でございます。

天野行雄君。

はい。ご答弁ありがとうございました。水素供給インフラ拠点の整備についてご回答いただきましたが、早速要望の方を申し上げさせていただきます。一つ目の要望は、質問にもあった通り、京葉臨海コンビナートが国の水素供給インフラ整備の拠点として、指定されるよう庁内一丸となって取り組みを要望いたします。

その理由は、1、鉄鋼や素材エネルギー産業が集積するコンビナートであり、ついその大規模な需要が想定され、輸送コストなどを考慮すると、効率的な近隣への供給設備の整備が必要なこと。2、県内陸部には成田国際空港が設置され、航空燃料SAFの安定供給を図る必要があり、臨海部でのSAFの製造と、既存のパイプラインを活用した供給が必要なこと。

3、水素から製造される合成燃料の利用拡大が想定され、既存の石油化学施設の移設およびサプライチェーンの有効的な活用を図るため、4、千葉港、木更津港をエコエアポートとして整備するには、水素やアンモニアの燃料の安定的な供給が必要なことなどです。

国が示すのは、供給インフラ整備の大規模拠点は全国で3ヶ所程度としており、東京、名古屋、大阪の3ゾーンへの整備が想定されますが、東京湾内には、日本最大級のコンビナートが京葉と京浜と2ヶ所あり、このような背景の中で、双方に水素供給地点が必要であることをしっかりと国へ訴える必要があります。

また、国の指定を受けるためにも、中長期的な需要想定と水素関連設備の経過整備計画を示すとともに、産・官・学・金・民が連携する協議会等の設置を行い、対応を強化するよう要望します。二つ目は、京葉臨海コンビナート水素関連施設の集積を図り、総合的なエネルギー拠点としての整備を要望いたします。

その背景として、一つには、カーボンニュートラルへの対応を加速する必要があり、京葉臨海コンビナートがその牽引役を果たすとともに、更なる水素事業の進行により、千葉県経済の活性化を図り、安定した雇用と生活を実現するため、二つには、現在電力逼迫や余剰など、安定供給上の課題が山積している状況にあり、現状にあり、千葉県の太陽光発電の規模は、全国にさらに太平洋岸に洋上風力の建設が進む中で、再エネ電源を主力電源化するための安定供給に資する仕組み作りが必要なため、そのためにコンビナートへ集積する施設として、1、水素社会実現のベースとなる輸入貯蔵供給する一連の水素関連施設の整備。2、大規模な太陽光風力発電所。3、洋上風力などの再エネ電源を利用した大規模水電解装置によるグリーン水素の製造と供給。

4、グリーン水素を燃料とする燃料電池の設置による安定した電源供給。5、安定供給と再エネ拡大を支える系統連携用蓄電池の設置。6、ATJ技術によるSAFの製造、ガソリンや灯油などの合成燃料Metaネーションによる都市ガスなどの製造施設の整備。これは既存のサプライチェーンの有効活用に繋がります。

7、地域分散型電源や燃料電池を利用した地域マイクログリッドの整備によるコンビナート内の防災拠点の無停電化。そしてこのような施設を安定的に運転させるために、電力会社と連携して、電力関係等の強化が必要です。

三つ目は、水素ステーションの増設と、大型車両受け入れのための整備を要望します。これは早期の水素の需要が推測される中で、水素ステーションの増設と大型輸送車両を受け入れ可能な水素供給設備の整備が求められております。

以上提言要望します。よろしくお願いいたします。

次に、電力ひっ迫時の県の対応について質問しましたが、県民への節電への協力を呼びかけると回答をいただきました。関連して質問をします。電力ひっ迫時に、住民への防災無線等を活用した節電要請を全県で標準化しておくべきと考えるがどうか。

次に、防災レジリエンスの向上について回答いただきましたが防災県千葉を実現するには、防災拠点や住宅などを再エネ電源を有効活用して、どのような整備を図るべきか、県が方向性を示すことにより防災力の強化の促進が期待されます。

また、地域の分散型電源の有効的活用は、防災レジリエンスの向上だけでなく、電力の安定供給、カーボンニュートラルの推進など、副次的効果を発揮します。対応案について示し、要望とさせていただきます。一つ目は、一般住宅の無停電化です。

住宅用太陽光発電設備の多くは、蓄電池が未設置でも、昼間の日照時には、自立運転機能で電力供給が可能です。また、日没後の供給には、蓄電池の併設で供給が可能となります。さらにV2Hを設置すると、建物と電気自動車、EV間で充電や給電が可能となり、無停電住宅として利用できます。

カーボンニュートラルと防災目的を兼ねて、改めて住宅用の太陽光発電や蓄電池、V2Hの設置促進に取り組みを要望します。二つ目は、無停電避難所の整備です。例を挙げると、千葉市では避難所として指定されている学校、公民館へ太陽光発電設備、蓄電池を導入し、温暖化ガス、ガス対策と災害時における電力確保を推進しています。

事業費は、初期投資ゼロで、事業者の費用により整備し、所有管理をした上で、発電設備から発電された電気を施設に供給しており、PPAモデルと呼ばれています。県は市町村に対して、避難所の無停電化の手法として、PPAモデル導入も一つの選択として周知するよう要望します。

三つ目は、太陽光など分散型電源に蓄電池を設置して、停電時に自立運転を行い、地域での電力供給設備としての活用です。これは北海道胆振東部地震の際にも、配電系統に送電するなど、有効的に活用されています。FIT制度は、固定価格で買い取る制度で、再エネ賦課金の負担が問題になっており、4名家族の賦課金は年間2万円弱となっていました。

22年4月から新たに導入されたFIP制度、FIP制度は国民負担を抑制しつつ、最大限導入する制度で、固定価格ではなく、一定の補助額を交付する制度となりました。また発電所に蓄電池を設置して変動する電力卸市場が上昇したときに、上昇した時間帯に売電し利益の積み上げをすることも可能になりました。

そこで、50kW以上の新設およびFIP移行可能な太陽光発電や風力発電施設での蓄電池の設置を促進し、停電時の非常用電源としての活用や安定供給に資する施設を拡大するために、県として補助金や認証制度などを活用して政策誘導するよう要望します。

またこのような自立型の施設は、将来的に地域マイクログリッド整備に際して、電源として有効活用ができます。4点目は、地域マイクログリッドの整備促進です。防災拠点となる。災害対策本部や指定避難所、道の駅などの無停電化や地域への熱供給を行うために、県は市町村と連携の上、整備への支援を要望します。

次に予防伐採ですが、県の積極的な森林整備の取り組みに感謝します。予防伐採について、更なる森林整備の事業範囲の拡大と、森林環境譲与税を活用した市町村の取り組みの促進について引き続き県の積極的な支援を要望します。

次に図表の4をご覧ください。線路や道路付近で倒木の恐れがある樹木の事前伐採は、現在、電力会社や、道路管理者に伐採の義務はなく、国において、自治体や電力事業者等の関係者間の役割や費用負担のあり方を整理する必要があります。

このように、県も国に対して毎年要望を行っている状態です。ここで伺います。予防伐採の要望に対する国の動向はどうか。以上で2回目の質問といたします。

防災危機管理部長、添谷進君。

はい。まず節電要請に関係します。要請を標準化すべきというご質問にお答えいたします。

これまでも市町村に対しましては、防災行政無線などを活用した放送の内容の文の例を提供するなど、的確に情報が伝達されるよう努めております。引き続き、節電要請の情報が的確に届くよう努めてまいります。

次に予防伐採の予防に関する国の動向についてでございますが、関係者の役割、費用負担のあり方について、議員ご指摘の通り要望しているところでございますが、現時点で国からは回答等示している。

示された状況ではございません。引き続き、様々な機会を捉えて要望してまいりたいと考えております。以上です。

天野行雄君。

はいありがとうございました。夜間の防災無線などの利用は、生命の保護に関する情報に限るという自治体もあります。

電力不足で大規模停電が発生した際、生命に影響する事故が発生する可能性もありますので再度周知徹底を行うよう要望します。

次に予防伐採の仕組み作りですが、電力供給網の予防保全の仕組みを整理するために、継続して国への要望をお願いをいたします。

本日の質問ですが、一つとして、水素社会の実現と経済の活性化、二つには、電力の安定供給と再エネ電源の主力電源化。三つとして、分散型電源の有効利用による防災レジリエンスの向上を中心に行いました。エネルギーの安全保障という課題が顕在化する中で、エネルギーをキーワードに、防災、環境、商工部門で、部局を越えて取り組むべき政策課題が多いことや課題が見えてきました。

千葉県カーボンニュートラル推進方針の実現に向けて、全町内で共通認識を図り、部局横断体制のもと、総合力を発揮する必要があります。それには、縦割り行政の弊害をなくし、部局間の連携のもと、政策目標の実現に向けて熟議を重ね、部局を横断した実効性の高い政策パッケージを策定すること。

そして、その政策パッケージの政策実現に向けて戦略的に取り組み、総応力を発揮するよう、提言します。以上で質問を終わります。ありがとうございました。