自然環境で共同保育する青空保育や「森のようちえん」のように、街の中で大人に見守られながら子どもの成長を支える「まちなか子育て」を実践し、提唱していきたいと考えています。
「まちなか子育て」は、都市計画を研究している先輩からアドバイスいただきました。
中心市街地の住環境が、子どもの成長に与える影響はどのようなものか。
中心市街地には自然が少ないといった従来の価値観でなく、まち全体を教材とした学びの可能性を、わが子とともに追求していきます。
柏のまちなかで、私が息子と歩いているのを見かける方も多いかもしれません。
私は歩いて暮らせる街を目指しているので、マイカーを持たないようにしています。
そのため、移動は徒歩か自転車、電車やバスなどの公共交通機関となります。
息子は、4歳になりたてですが、よく歩けるようになりました。5月のお大師巡りでは、長全寺から大島田まで、半日歩き通しました。
バスや電車など公共の場は、マナーも学ぶ機会となっています。
消防署では本物の消防車が見られ、消防士さんのお話をお聞きすることもあります。
沢山の働く人に出会える。まちがどのような成り立ちか考えるヒントがあります。
柏駅前では「まちまるごとキッザニア」というイベントが行われましたが、大人の運営者ー子どもの参加者という関係ではなく、子どもが自ら考えたり、関わったりできることが大事だと思います。
小さい子どもでも、商店主と挨拶したり、町会の活動を手伝ったり、寺社の伝統行事に参加したり、まちの持つ社会関係資本を享受することができやすいです。
そして、小さい子どもだからこそ、まちの隅々まで興味を持って、観察します。
その子どもの視点が、街を良くすることに役立つこともありえます。
「まちなか子育て」は、まちなかカレッジを基盤にすることで、充実すると気づきました。
「まちなか子育て」を実践する大人は、まちとのゆるやかなつながりが必要になります。
まちなかカレッジの活動を通して、ゆるやかにつながるきっかけが得られます。
まちなかカレッジは、「まちなか子育て」の基盤となることで、文字通り、0歳から125歳までの生涯学習の場となり得ます。
柏まちなかカレッジの学長として、「まちなか子育て」を実践し、論文を発表していきたいと決意しました。
「まちなか子育て」という新しい構想が、天から舞い降りてきたように思われましたが、結局は、これまで私が目指している「教育のまち」構想につながっていると気づきました。
イタリアのレッジョ•エミリア市のように、まち全体で子どもが成長する環境を作り上げる。
「まちなか子育て」は、都市環境を十分に活用した子育てです。まち全体を学びの場とし、住民が一生学び続け、生きがいを持って、幸せに生きられるまち。公共交通が整い、自然環境が豊かで、心も豊かなまち。
高齢者も障がいのある方も国籍の違う方も、まちに居場所があり、安心して暮らせる多様性豊かなまち。
子どもが健やかに成長できるようなまちとなるよう、全力を尽くします。