柏市議会建設経済委員会で、公共空間活用の先進事例として、大阪城公園パークマネジメント(PMO)事業を視察いたしました。
そこで大阪市は、大阪城公園を世界的観光拠点に相応しいサービス提供と新たな魅力の創造を図るため、民間事業者のアイデアと資金を導入し、公園全体を一体管理するPMO事業を導入。
大阪市では、天王寺公園でも導入しています。
大阪市では、中之島公園内で、民間事業者による飲食店が設置されていますが、個別のプロジェクトではなく、公園を総合的に管理することを考えてこられたようです。
これまで大阪城公園は、経営戦略局、建設局、教育委員会、水道、神社、民間と行政の所管がバラバラだったものが一体管理されることになりました。
PMOとは、Park Management Organizationを意味します。
公園を一体管理し、新たに魅力向上事業を実施する民間事業者のことです。
大阪城パークマネジメント(株)は、電通関西支社、讀賣テレビ放送、大和ハウス工業、NTTファシリティーズで構成されています。
PMO事業者の事業収益(基本納付金・固定額2億2600万円/年)を公園管理に還元し、行政からの代行料を頼りにしない管理運営を行います。
さらに収益が上がった場合は、その一部を大阪市に納入させます(7%の変動納付金。H 29年は約3400万円)。
事業期間は20年。
PMO導入以前は、天守閣は黒字で、公園は赤字でした。
PMOによる事業は以下のようなものが展開しています。
1 旧第四師団司令部庁舎(元 大阪市立博物館)
→古い建物の魅力を生かした物販やカフェ、レストラン、バー
2 大阪迎賓館→レストラン
3 JR大阪城公園駅と接続した飲食や物販の商業施設
4 駐車場整備
5 森ノ宮駅口に、劇場、児童遊戯場(ボーネルンド)、飲食(スタバ、ベーカリー)、コンビニを設置。
6 公園内を走るロードトレインやお堀を遊覧する御座船
私からは、天守閣の学芸員について質問しました。
学芸員は、大阪市の職員として残り、調査研究や企画展を担当するとのこと。文化面では、行政としての役割を残しています。
一方で、PMO事業にもっと学芸員が関わり、専門的な知見を活かせるのではないかとも感じました。
歴史研究者の活躍の場は、これまでは大学や博物館、あるいは教員としてでしたが、PMO事業者の一員としてテレビ局や広告代理店など、民間企業との共同研究や企画などに可能性を広げて欲しいです。
最後に、豊臣石垣公開プロジェクト「太閤なにわの夢募金」について。
秀吉が築いた初代大坂城石垣の公開施設を作るため、ふるさと納税の仕組みも活用しながら、整備が進められています。
ご興味のおありの方、ぜひ!
私は高校の教員になる前、大学・大学院では、日本史を研究していたため、大阪城周辺をよく訪れました。
この写真は、豊国神社。全国の豊国神社を訪問したことも思い出しました。