バンクシー、ストリートアート、パレスチナについて、映画から考える

先日、ロンドンにあるサザビーズのオークションで、「少女と風船」と名づけられていた絵が、100万ポンド(約1億5000万円)で落札された直後、額縁に仕掛けられたシュレッダーにより自壊したニュースが話題となりました。

ちょうどその前に、キネマ旬報シアターにて、『バンクシーを盗んだ男』を観ました。

正体不明のストリートアーティストであるバンクシーを題材にしたドキュメンタリー映画です。
パレスチナ・ベツレヘム地区やアートのことを考えるきっかけとなりました。

バンクシーは、ロンドンを中心に、世界各地で反権力的なグラフィティを描くことで注目されています。

日本の中世にも、「二条河原の落書」のように、政治•社会を風刺•批判したグラフィティのような作品がありました。

『バンクシーを盗んだ男』は、イスラエルがヨルダン川西岸地区の境界に建設した高さ8m全長450kmにわたる分離壁に、グラフィティを描いています。

その中に、「ロバと兵士」という作品が住民の反感を買い、壁から切り出され、ネットオークションに出品されてしまい、引き起こされた議論が、パレスチナ人のタクシー運転手の目を中心に紹介されていきます。

グラフィティの著作権や所有権、描かれた場所から切り離されたグラフィティの価値など、ストリートアートの課題が示されています。

また、パレスチナと西洋文化、あるいは市民の生活と美術界などについても考えさせられました。

ナレーションは、イギー•ポップでした。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)