見えなかった本当の豊かさ-「新国富指標」によるまちづくり

NIPPON GALLERY TABIDO MARUNOUCHI にて、「地域の個性を知って、大きなチャレンジをしよう!」セミナーに参加しました。

馬奈木俊介・九州大学教授から、「見えなかった本当の豊かさ「新国富指標」による、まちづくり」について、福岡県久山町、福井県の事例をもとにお話しいただきました。

豊かさの価値評価

地域には多様な豊かさ、生活者の充実感があります。それは、GDPや経済活動のように価値が金銭で見えにくい、自然・健康・教育・くらしの環境などが含まれています。

広く利用される国内総生産・GDPは、短期の経済変動をみるフロー指標であり、必ずしも生活者の暮らしや行政の事業に連動していない点も指摘されています。そこで長期的に持続可能な発展を計測するため、多様な資本の量(ストック)を重視して開発されたのが「新国富」指標です。


新国富論――新たな経済指標で地方創生 (岩波ブックレット)

新国富指標は、自然環境や健康、教育など、異なる資本要因を数値化し、金銭単位で表し、総合的に評価でき、各政策要因の効果を比較できる点に特徴があります。政策面における利用可能性は大きいと考えられます。

柏市第五次総合計画の策定にあたっては、より望ましい都市のあり方を計測し、政策を策定するための新しい指標である「新国富」指標を、柏市の事業評価に取り入れ、活用することはできないかどうか、議会にて質問いたしました。
なかなか理解が得られませんでしたが、国連や日本の国のシステムでは採用され、今回のご報告では、地方自治体でも取り入れられるようになってきました。

データに基づいた合意形成、政策決定のためにも、重要な指標だと考えます。

パネルディスカッション 「学びとアイデアからのクリエイティブジャンプ~“わかる”から“できる”へ~」では、事業構想大学院大学の渡邊信彦先生をモデレーターに、守谷市長の松丸修久氏、一般社団法人リリースの但馬武理事、凸版印刷株式会社の部長でありながら館山市参与の矢尾雅義氏、そして馬奈木俊介先生のお話をお聞きしました。

松丸修久・守谷市長からは、市民参画のアプリやグリーンインフラのお話など、勉強になりました。

凸版印刷からは、 「自治体マネジメント支援システム」デモンストレーションと活用シーンの紹介がありました。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)