人口が減少していく中、地震等への災害対策や水道インフラの老朽化対策は喫緊の課題です。
令和6年1月23日に開かれ、県内水道、千葉県営水道事業、県内水道の統合・広域連携について審議されました。
審議の概要が公表されています。 https://www.pref.chiba.lg.jp/suisei/shingikai/kekka/documents/r5kekkagaiyo.pdf
山下も委員の一人として発言いたしました。
【千葉県営水道事業について】
(山下委員)
今後の見通しについて、人口が減り、給水収益が減る、また施設の老朽化があり、さらに加えて、電力や薬品費、工事費等、物価高騰ということで、必要な財源を確保しなければならないと示された。
その中で、人件費や利用料の徴収など、ソフト面の取り組みも見られるが、やはり浄水施設や管路など、ハード面について考えなければならないと思う。持続可能な運営を考える際に、広域連携、料金の問題、徴収の問題、料金改定、そして、更新の計画などについて、切り込んでいかなければならないという中で、やはり更新のことについて、県営水道ではまず取り組むべきと私は考える。
年 80km ずつ更新されているが、先ほどの報告の中での質問にあったように、これでは追いついていないという現状もあり、ここでもっと更新のペースを進めていくのか。或いはこの現状を見て、この中でできる範囲でやっていくのか考えないといけないということで、今でも予防保全型で更新というのを進めていくということか。
この今後の見通しの中にある、「現在実施している水需要の予測や施設等の老朽度に係る調査の結果を踏まえて」という部分は、工事内容、更新の計画を精査されていくというように読み取れるが、このあたりの今の県の取り組みについて聞きたい。
(望月計画課長)
現在、企業局水道事業におきましては今後 30 年間の施設整備の考え方を示す長期施設整備方針があり、今後、発生が予想される大規模地震に備え、小中口径管路の更新では、中期経営計画に基づき年間 80km の計画に対し、令和4年度実績として年間 80 ㎞の更新を実施した。将来的には、年間 100km以上の更新延長を目指して、事業量を上積みできるように取り組むという方針を定めている。また、先ほど述べていただいた水需要や老朽度調査などの結果をきちんと踏まえながら、今後、更新時の施設規模についても検討して参りたい。
【県内水道の統合・広域連携について】
(山下委員)
末端水道事業体の広域連携について尋ねる。6ページに示されているように、より精緻なシミュレーションが必要で、実現に向けて技術的・財政的な課題が多くあり、地域の合意形成には更なる調整が必要とあり、私は各末端水道事業体の資産をしっかり把握しておく必要があると考える。そのなかでも、大きいのが管路ではないだろうか。職員数や財政状況は数字で見える。台帳、耐震化や法定耐用年数は指標でも見えてはいるが、管路の劣化状態については、なかなかわかりにくいところがあると思う。
統合せざるを得ないような水道事業体は、この管路の状態を把握する余裕がないところもあるので、県として調査などを支援していく必要があると思う。
この6ページの下のプランの対応の中で、県は末端水道事業統合に関する経費など、調査などに関する費用を補助するとあるが、具体的にはどのようなことを示されているか。
(小坂水政課長)
調査費用として、いわゆる統合に係るための基礎的な調査や、統合の基本計画等を策定するための調査に要する費用に関して補助の対象としている。管路の状況については、一義的には、各水道事業体においてその状況をしっかりと把握し、そのデータを基に各水道事業体が持ち寄って統合の議論を進めていくべきものであり、劣化状態等まで含めた細かい管路の状況の調査に関しては、この統合に関する支援の中の調査事業とはならないと考えている。
(山下委員)
統合する相手側についてもしっかり知っておかないと、調整というのは難しいと考えら
れる。
現在、統合せざるを得ない事業体は、人的、財政的にしっかり調査できていない現状もあるため、その辺りもこれからの検討の課題としていただければと思う。
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そのほか、お隣の松戸市に関する注目すべき議論を紹介いたします。
松戸委員から令和6年3月からちば野菊の里浄水場の稼働にともない、老朽化した栗山浄水場を今後についての計画と、広場等としての活用についてのご提案がありました。
(松戸委員)
7ページの最近の動きで、令和6年3月からちば野菊の里浄水場が稼働するということで、栗山浄水場の老朽化に伴うものだが、この栗山浄水場は地域に親しまれている施設で、この栗山浄水場を今後どのように活用していく計画なのか。
また、地域の方々から非常に親しまれている施設ということで、できるだけ広場等含めて開放していただきたいという声もあるので、この栗山浄水場の計画についてお聞かせいただきたい。
(鳥海水道部次長)
栗山浄水場については、ちば野菊の里浄水場の2期施設が稼働した後に、給水場化する予定となっている。現在は、浄水施設の撤去に係る実施設計業務委託を進め、既存施設の撤去方法について検討しているところである。詳細なスケジュールについては、今後、実施設計を行い検討していく。
次に、栗山浄水場が給水場化した後、その敷地を地元などへ開放できないかという質問についてだが、令和元年度から実施していた基本設計業務委託で給水場の施設や配置の検討を行い、並行して、衛生面や危機管理面なども考慮して、場内スペースの活用方法の検討を行ってきたところである。基本設計を進める中で、令和3年度に松戸市などの関係機関に意見聴取を行ったところ、広場や公園等として使いたいという利用の希望はなかった。そういったことを踏まえ、場内のレイアウトなどを検討した結果、場内の敷地は、今後すべて、給水場として活用して整備することとした。
なお、場内には災害時に地域の方が水を汲みに来れる応急給水施設を増強して整備するなど、災害時に地域の方へ水をお配りする給水拠点としての機能を強化していきたいと考えている。
最後になるが、地元の皆様には令和4年1月に説明会を開催し、給水場として引き続き活用していくことを申し上げ、ご理解をいただいたところである。
県内水道の概況について https://www.pref.chiba.lg.jp/suisei/shingikai/kekka/documents/r5gidai1.pdf
千葉県営水道事業について https://www.pref.chiba.lg.jp/suisei/shingikai/kekka/documents/r5gidai2.pdf
令和 6 年能登半島地震への対応について
県内水道の統合・広域連携について https://www.pref.chiba.lg.jp/suisei/shingikai/kekka/documents/r5gidai3.pdf
※県内水道の統合広域連携のリーディングケースである九十九里南房総地域の水道用水供給事業体と県営水道の統合について、千葉県議会(2023/12/7)での阿井議員による一般質問での議論を紹介いたします。