NUIZAEMON (ぬいざえもん)さんの新書カバーをハックルベリーブックスにて購入。
柏レザーです。柏のブランド豚・柏幻霜ポークから生まれました。
革の手触りとにおいが気に入ってます。
カバーの中の本は、三春充希『武器としての世論調査ー社会をとらえ、未来を変える』(ちくま新書)。
無党派層の動向や投票率低下など、データをもとに考えるヒントが得られました。
実は、私は学生時代、1998-2004年、新聞社で世論調査のアルバイトをしていました。
個別面接調査と電話調査がありましたが、やはり個別面接で様々な体験をさせて頂き、今の私があるといっても過言ではありません。
個別面接のバイトは、二日間、あるエリアから選ばれた10人に、世論調査の質問に答えてもらうというものです。
選ばれた10人には、調査期間の二日間(日曜と月曜)に、調査に伺うというお願いの手紙は新聞社から一方的に送っているだけです。
半日くらいで10人のお宅を訪問することはできますが、留守や拒否で答えてもらうのは難しいものです。
対象となる10人の選び方は、統計理論にもとづいた無作為抽出によるものです。たとえば都内で300人、全国で約3000人に聞くことで、理論上、日本中の有権者の話を聞いたのと同様の結果が得られるというものです。
だから、自分の担当する10人からは何が何でも協力してもらわないといけないという仕事でした。
質問に興味のない人も、忙しくて時間のない人にも答えてもらわなければ、「世論」を調査したことにはならない訳です。
「こんな調査の対象者に選ばれるなら、宝クジが当たって欲しいわ!」と、宝クジが外れたことまで、調査員が怒られたりします。
字が書けないという方にも、夜勤で昼間に起きていない方にも、10回も断られた方にも、全身に入れ墨の方にも、事情あって身を隠している方にも、何とかお答え頂きました。
本当にふだんの生活では出会わない方々とお会いすることになりました。
調査が向いていたからか、大学二年生くらいからは、世論調査本部のスタッフを務めました。
本部のオペレーターが現場の調査員に指示していて、私はスーパーバイザーのような役割でした。
対象者が、調査期間中、出張などで他の場所にいる場合は、出張先に調査員を派遣したり、早朝や深夜のアポの場合は、泊り込みしている本部スタッフを派遣していました。
何度も訪問しているが、答えてもらえる見込みがないいう対象者に私が出向いていくこともありました。
「上のもん、連れて来い」というトラブルの現場に、大学生の私が行って話をまとめていました。今、思うと、その仕事にやり甲斐をもって取り組んでいたんですね。
世論調査でバイトでは、マスコミ志望や政治に関心の高い学生が多く集まっていましたが、調査内容に興味はあっても、泥臭く調査できず、続かない人が多かったように思います。
今、地方議員として活動していますが、選挙や日々の政治活動とも似ているかもしれません。
世論調査の経験と選挙に関わっている経験を合わせて、『武器としての世論調査ー社会をとらえ、未来を変える』は読み応えがあります。