養護教諭(保健室の先生)について-現状のチェック機能と専門機関との連携体制 -2012年3月議会での山下の質問

【要旨】児童・生徒のメンタル面や感染症など、多様化している保健室の仕事。
専門機関との連携体制とチェック機能を強化し、安心して子供を通わせることができる学校に。

2012年3月議会での山下の質問
養護教諭についてです。教育長からの教育行政方針にもありましたように、保健室の先生である養護教諭の仕事は多様化しております。今回のようなインフルエンザなどの感染症やメンタル面での対応など、広範囲の分野で判断が求められてきています。教育委員会でも研修の充実や、養護教諭個人でも研さんを積まれていると聞いております。児童生徒、さらには教員にとっても保健室は学校のオアシスのような存在と感じている人は多いと思います。担任にも親にも友達にも話せなかった相談を受けるなどセーフティーネットの役割を果たし、不登校の課題についても大きく寄与するところであるとも考えます。保健の先生、養護教諭は、学校の健康状態の把握であったり健康教育の中心であったり、特別支援学級への対応も行われていると聞いております。これだけ重要な役割を果たしている保健室なんですが、児童生徒の命を預かる責任の重い仕事のため、一つの誤りでも大問題になってしまいます。実際に全校の児童生徒を1人の養護教諭が担当することに対して、不安の声も聞かれています。校医や学校保健会、学校保健委員会と連携していると聞いておりますが、現状の体制でチェック機能は果たされているのでしょうか、お示しください。

学校教育部長答弁
養護教諭の職務にかかわる体制強化についてお答えをいたします。まず初めに、養護教諭の配置についてでございますが、公立義務教育小学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づきまして、児童生徒数が小学校では850人、中学校では800人を超える場合にあっては複数配置と規定されておりまして、現在柏第一小学校、第二小学校、第三小学校、第五小学校には2名の養護教諭が配置されております。それ以外の学校では単独配置となっております。議員御指摘のとおり、養護教諭が担う仕事につきましては、健康診断、軽易なけがや病気の救急処置のほか、最近では熱中症やインフルエンザ、ノロウイルス等の感染症の流行、アレルギー疾患の増加などに対しまして学校医、保健所等と連携を図りながら対応しているところでございます。また、保健管理、保健指導以外にも、生活習慣の乱れやいじめ、不登校などの生徒指導上の課題に対しましても保健室特有の相談機能として重要な役割を担うなど、その職務はますます多岐にわたっております。教育委員会では、こうした現状を踏まえまして、今議会の冒頭で教育長から御説明しました教育行政方針の中に、平成24年度主要事業として養護教諭の研修を掲げたところでございます。これまでも緊急対応、応急手当てなどの執務、心や体の健康の指導、特別な支援を必要とする児童生徒への保健室での対応など、さまざまなテーマを取り上げて研修を実施してまいりました。先ほど申し上げましたように、高度化、複雑化する心身の健康問題になお一層迅速、適切に対応するには養護教諭の一層の資質の向上が必要でございます。今後柏医師会や歯科医師会、薬剤師会などの先生方の御協力をいただきながら、研修内容の充実を図ってまいりたいと考えております。なお、各学校においては、養護教諭の負担が増すことがないよう、保健主事や生徒指導主任、教育相談担当教諭などとの役割分担を明確化し、児童生徒の心身の健康に当たって組織的な指導体制の充実が図られるよう指導してまいりたいと考えております。以上でございます。

山下洋輔2問目 質問
養護教諭のことについてお尋ねします。保健室での対応というのは密室の部分が多いかと思います。ほとんどの学校で1人の先生が担当してということで、保健室での先生の対応やそのときの発言というのが適切でないなどの訴訟などなった場合、養護教諭の本人の記録に頼ることになったりすると思いますが、なかなかそういった証拠を示すことが難しい状況になると思います。例えば2人配置するのは難しいと、法律上のいろんなことがだあるだと思うんですが、ほかの先生であったり学校支援ボランティアなど地域の方に保健室に入ってもらうということは可能なのでしょうか。

学校教育部長(浮谷満君)答弁
生徒指導をする上におきましては、なるべく複数で行いなさいという話をしております。ただ、保健室の機能といいますのは、先ほど議員お話ししていましたけども、オアシスでもあると。子供たちが悩みを抱えて来るというものでございます。そういう面では、養護教諭というのは教壇に立ってしかるとかそういうことだとか、指導するとかそういう部分じゃなく、話を聞くと、傾聴するというような役割を担っております。そういう面では、密室でという、ちょっと言い方ではなくて、やはり憩いの場所ということで、子供たちの相談を受けるという、それで悩みを聞くと、そしてそれを解決に向かっていくという、そういう役割が養護教諭の仕事だと考えております。以上でございます。

山下洋輔3問目 質問
現場の仕事をふやそうとかいう質問は余りしたいあれではなくて、命にかかわってくる部門でもありますので、個々の先生に頼るというだけじゃなくて、先生の、教員を守るためにも安全を維持するシステムみたいなものをまた検討していただければと思います。

 

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)