【速報】本日の千葉県議会 ー 野田剛彦議員(立憲民)の代表質問 2024年9月18日午後

本日の県議会をいち早くお伝えいたします。
※複数人体制でチェックしてはいますが、できるだけ早く、皆様に議会での議論をお届けしたいと文字起こしをしているため、誤字などもあります。ご容赦いただき、各自、ご確認ください。

 

本日(2024/9/18)午後の代表質問は、立憲民主党の野田剛彦議員した。

質問項目

  1. 知事の政治姿勢について
    • (1) 県土整備部における不適正事案への対応について
    • (2) 指定管理者への労働条件審査の導入について
    • (3) 起業支援について
  2. ESG債の発行について
  3. ハラスメントの防止について
  4. 職員採用に向けた取組について
  5. 多文化共生社会の実現について
  6. 防災対策について
  7. ヤングケアラー支援について
  8. 困難な問題を抱える若年女性への支援について
  9. ケアマネジャー不足について
  10. 再生可能エネルギーの導入促進について
  11. PFOS及びPFOA汚染の調査と対策について
  12. ちばアクアラインマラソン2024について
  13. 酪農家の所得向上について
  14. 盛土対策について
  15. 住まいのリテラシーについて
  16. 県営水道における水道管の老朽化対策について
  17. 学び直しについて
  18. 電話de詐欺について
  19. その他

 

議会質問・答弁の書き起こし全文


質問(第1回目) 野田剛彦


皆さんこんにちは立憲民主党千葉県議会議員会の野田剛彦です。
早速ですが、通告に従い、順次質問させていただきます。

初めに知事の政治姿勢について、まずは県土整備部における不適正事案への対応についてです。
令和6年1月10日北千葉道路建設事務所長が収賄の疑いで逮捕されたことなどを受け、県は2月1日に、県土整備部における不適正事案に係る検討会議を設置するなどし、今後の対応策を検討しました。

その結果、9月5日にコンプライアンス推進本部に本部会議にて、今後の再発防止に向けた取り組み方針が決定されました。
本県では、近年だけでも、平成26年に約30社が公正取引委員会から排除措置命令を受けるなど、県内最大規模の談合があった山武談合事件。
平成29年には、東葛飾土木事務所で元所長が逮捕された官製談合事件など市町村での事件を含め、公共事業を巡る不祥事が多発しています。

東葛飾土木事務所の官製談合事件では、県は職員へのアンケートを実施し、その結果、外部からの違法不当な働きかけは50件で、そのうち利害関係者からの働きかけが33件で最も多く、次に議員からが6件利害関係者であるOBからが5件などとなっていました。
このため、我が会派は違法不当な働きかけの記録制度を導入するとともに、その対象を調査で最も件数の多かった利害関係者は当然のこと、議員OBを含めることあるいは対象を限定せず、違法不当な働きかけは全て記録することを強く要望しました。

しかしながら県は、我が会派の求めに応じて、働きかけの記録制度は導入したものの、なぜかその対象を利害関係者であるOBだけに、極めて狭く限定しました。
それにより今回の県土整備部における不適正事案では、利害関係者からの違法不当な働きかけは一切記録されることがありませんでした。
また、違法不当な働きかけの対象分野も、我が会派は全ての分野を対象とすべきと強く要望しましたが、これも県は当時、入札契約のみに限定しました。

同様に、利害関係者との飲食の届け出についても、さきの調査では、県職員が受けた接待の会費は5000円であるにも関わらず、実際に要した費用はそれ以上であったと推認される例が多かったことから、我が会派からは、利害関係者との飲食の届け出は、金額によらず全て届けること、もし金額を設定するなら、調査で事例の多かった5000円以上とすることを強く要望しました。
しかしながらこれも県はなぜか、国家公務員倫理法と同様に、1万円を超えるものと規定してしまいました。
このため、今回の県土整備部における不適正事案での接待マンションでの会費0円ないしは5000円の飲食は届け出されることはありませんでした。

今回公表された取り組み方針では、利害関係者との飲食の届け出制度に係る基準額について現在の1万円を超えるものとする倫理規則の規定を見直しその基準を設けないとするよう、また、利害関係者からの働きかけの記録制度を導入し、対象分野も入札契約に加え、許認可補助金等の相手方からの働きかけも含めるとされています。
官製談合防止法違反事件当時、いずれも我が会派からの提案を県は頑なに受け入れず、結果として不適正事案に対する牽制効果は作用せず、むしろその要因の一つとなり、今回事件が起こってから冷気を改正するという極めて残念な状況です。

そこで伺います。

倫理規則や関係規則の制定からわずか5年程度で見直すことについて、知事はどのようなご見解をお持ちか。

次に一般競争入札とする、予定価格の下限額についてです。
これを我が会派から、本県のそれは、全国的に見ても高いことから、見直しを要望してきました。
今回の事件を受けて、ようやく見直すこととなりました。
県として、事件が発生する前に、全国の状況を調査し、自律的にプランの見直しをしていく姿勢が全く欠如していることも大変残念です。

そこで伺います。

一般競争入札とする、予定価格の下限額について、高い方から数えて、全国における本県の状況はどうか。
その下限額の設定について、今後県はどのような考えで対応するのか。

次に、指名停止期間の運用ルールについてです。
これも山武談合事件を例に挙げると、当時の公正取引委員会の排除措置命令に従い伴い、県は指名停止等検討委員会において、談合に加わった業者の指名停止期間を12ヶ月としました。
その上で、今回の事案は、特別な事由に該当するものとものとして、さらに指名停止期間を半分短縮し、6ヶ月間の指名停止期間としました。

しかしながら、そもそも千葉県建設工事請負業者等指名停止措置要領によれば、独占禁止法違反行為に係る指名停止期間は12ヶ月以上、24ヶ月以内とされており、これだけの悪質かつ大規模な独占禁止法違反であるにも関わらず、同委員会が当該要領に規定された措置基準のうち、最も短い12ヶ月の指名停止期間としてしまいました。
それどころか、この事案が特別の事由に該当するものとして、指名停止期間をその半分の6ヶ月に短縮したことについても、大きな疑問があったことから、我が会派は、こうした対応は県民の理解が得られない。最も厳しい24ヶ月とすべきだと主張しました。

しかしながら県はこれを受け系列、指名停止期間6ヶ月、さらにその指名停止時期を入札が少ない時期に適用し、実質的に制裁措置としての効果がないようにしてしまいました。
このような県の入札契約における不適正事案に対する寛容な姿勢が、今回の事件を引き起こした原因となっているのではないでしょうか。

そこで伺います。

指名停止の運用ルールを変更するとのことで山武談合事件で不正を働いた業者に対する指名停止期間を短縮した県の寛容な対応が今回の汚職事件にも影響していると考えるがどうか。

また、東葛飾土木事務所の官製談合それ今回の贈収賄事件においても、結局のところ、予定価格等を知る県の幹部職員がそれを業者に漏らしてしまっていることから、幹部職員といえど予定価格等がわからないようにするよう、さっきの我が会派の代表質問で、要望したところであり、今回の事案においてこれを採用したことは一部評価します。
しかしながら、このような制度を導入したからといって、入札契約における全ての問題が解決するわけではありません。

そこで伺います。

入札制度について開札時ランダム係数を用いた調査基準価格を使用するなどの方式を採用するとのことだ、他の都道府県での導入状況既に導入している団体での課題はどうか。

次に、指定管理者への労働条件審査の導入についてです。
指定管理者に委託した事業において、受託した事業者が雇用した者の給料について、最低賃金を下回っていたり、労働関係法令に抵触するような事案があったという例が他県で散見されています。

自治体が発注した事業において違法行為が行われ、ワーキングプアが生じるようなことは絶対にあってはならないことです。
このような中、県や市町村が委託した公的な事業において、労働基準法等の労働社会保険諸法令に基づく規程類、帳簿書類等の整備状況を確認するとともに、その規程類、帳簿書類の内容の通りの労働条件が確保されているかどうか等について確認する社会保険労務士による労働条件審査が実施され、効果を上げています。
熊谷知事が千葉市長時代、導入したように県内でも千葉市、市川市、流山市などで既に導入され、評価されています。

そこで伺います。

指定管理者に対して、社会保険労務士による労働条件審査を実施すべきと考えるがどうか。

次に、知事の政治姿勢のうちの企業支援についてです。
県内中小企業経営者の平均年齢は61歳と高齢化が進み、後継者不足による廃業も増加しています。
2024年度の中小企業白書によれば、日本の開業率は10%超、欧米諸国と比べ3.9%と、低水準にとどまっています。
今後人口減少が進み、市場は縮小しますので、経営変革による生産性の向上が不可欠となってきます。

そこで、新たに会社を興す企業の活発化を図り経済の新陳代謝を促し、雇用の受け皿を増やしていくことが有効と考えられます。
国ではスタートアップ育成5ヶ年計画を定め、新たに会社を起こす企業に対する公的支援を経済分野の柱とすると表明しており、経済振興の効果が期待されているところです。

一方で、起業を望ましい職業選択とする人の割合は、アメリカの68%に対して、日本では25%にとどまり、これは安定を求め、失敗を恐れる日本人の国民性が我が国の企業率の低さに影響していると考えられています。
そこで、企業に対する関心と理解を高め、経済的支援を行うなど、新たに起業をしようとする起業家に対する物心両面での公的支援は欠かせないものと考えます。

そこで3点伺います。
一つ目として、県内の起業の現状はどうなっているか。
二つ目として、起業のもたらす効果はどのようなものと考えるか。
三つ目として、県による起業支援の取り組みはどのようなものか。

次に、ESG債の発行についてです。
近年、民間企業でも、環境社会ガバナンスといったESG分野における社会的課題にいかに責任を果たすのかが、問われるようになり、ESG債などの社会的責任投資への関心や投資が投資ニーズが高まっています。
地方公共団体においても、環境施策の財源となるESG債を発行することでより低い金利で資金を調達できるというメリットがあることから、このESG債の発行は、本県にとって重要な取り組みの一つとなっています。

そのようなことから、昨年の6月定例県議会の我が会派の代表質問において、本県においても、ESG債の発行に取り組むべきとの質問をしました。
それに対し、知事から今年度後半にESG債の一つであるグリーンボンドを発行する予定である旨のご答弁をいただきます。
そして昨年度県は、債券を発行しました。

そこで2点伺います。

一つ目として、本県におけるESG債の発行状況はどうか。
二つ目として、今後のESG債の発行について、県はどのようなご見解をお持ちか。

次にハラスメントの防止についてです。
我が会派はこれまで、流通サービス業等の現場におけるカスタマーハラスメント対策の強化や、介護人材の確保が困難を極めている中、介護事業所における介護サービス利用者やその家族などによる介護職員へのハラスメント介護職員の離職理由の上位となっている現状を踏まえ、介護現場におけるハラスメント対策の強化を県に求めてきました。

また、県職員のハラスメントについては、我が会派の提案により、昨年度、県職員に対するアンケートが実施され、回答があった約3300名のうち、約4割が過去3年間、職場で県民等から著しい迷惑行為を受けたと回答しています。
そして、このアンケート結果を踏まえ、我が会派は、県職員が安心して働ける職場環境をつくるよう県に要望しています。

さて、東京都はカスタマーハラスメント防止の理念や責務を定める理念型となる条例案を9月定例都議会に提出する予定です。
三重県でも、令和7年度の条例制定に向けて、愛知県でも条例制定を視野に入れた協議会を設置するなどの動きが出ています。
北海道でも同議会が超党派で、カスタマーハラスメント防止条例制定の検討を進めています。

そこで伺います。

本県においても、カスタマーハラスメント防止条例の制定を検討すべきと考えるがどうか。

次に、職員採用に向けた取り組みについてです。
激甚化する災害や様々な県民ニーズなどに適切に対応し、行政サービスを提供していくためには、県は必要な職員を確実に確保していく必要があります。
しかしながら、令和5年度の職員採用試験において、知事部局の採用予定者は約600人であったのに対し、採用者数は400人に満たず、特に技術系の職種では厳しい状況となっており近年は定員割れの傾向が続いています。

これは少子化や若者の就業意識の変化、民間企業による採用が好調な中での公務員志望者の減少などの影響と考えられ、国家公務員の採用試験などでも受験者数が減少していると伺っています。
しかしながら、そのような中でも学生や社会人経験者など様々な方々から、県庁が就職先として選ばれ定着して働ける職場であると認識されることが重要だと考えます。

また、これは近隣都県などとの競争でもあり、人材確保に向けて、各自治体ではデジタルを活用した採用試験や幅広いキャリア採用など様々な取り組みが進められており、千葉県としても、他に負けない取り組みが必要です。
県としては、人事委員会がこれまでの人事委員会勧告における公務運営に関する報告で触れているように、県職員の仕事のやりがいなどを知ってもらうことや、働きやすい職場環境を整備することなど人材確保のための様々な採用制度改革等に取り組んでいることは承知しています。

しかしながら、厳しい状況が続く中で、採用試験等を担う人事委員会が具体的にどのような取り組みを行い、その結果として、どのような効果が出ているのか気になるところです。

そこで伺います。

人材確保に向けたこれまでの取り組みと効果はどうか。
また、今後どのように取り組んでいくのか。

次に、多文化共生社会の実現についてです。
我が国では、少子高齢化が急速に進み、2040年には社会の働き手である生産年齢人口が現在より約1100万人減少するとともに、高齢化率も35%に近づくと予測されています。
その結果、福祉や経済活動など社会の担い手不足は一層深刻となり、介護や建設などの特定技能外国人の受け入れなど、地方自治体の取り組むべき課題となってきました。

本県では、令和2年、全ての県民がともに助け合い活躍する社会を目指す多文化共生推進プランを策定しました。
また、本年1月には、多様性尊重条例が制定され、国籍や文化的背景の異なる外国人との共生社会の実現を目指しています。
しかしながら、近年急増する在留外国人は、日本との歴史的な繋がりや共通の文化的背景を持つ国だけではなく、言語や宗教は元生活習慣や行動様式の大きく異なる文化圏からも増加しています。
そのような中、昨年、埼玉県川口市においては、100人近くの外国人が病院周辺に集まり、騒動を起こすなど、外国人コミュニティの拡大や生活習慣の違いなどによる地域社会との摩擦も目立っていると伺っています。

県内各地域でも、多文化共生社会の実現を模索しながら、外国人の日本語や日本の文化、生活ルール等への理解が不十分であったり、また、地域住民の外国人との共生の未経験や、異文化に対する偏見などから、相互理解が十分に進んでいない状況にあると考えます。

そこで2点伺います。

一つ目として、地域日本語教育の推進や多文化共生意識の醸成に向けた県の取り組み状況はどうか。
また、どのような課題があると認識しているのか。
二つ目として、多文化共生社会の実現に向けて今後どのように取り組んでいくのか。

次に、防災対策についてです。
災害時、被災市町村では、短期間に膨大な災害対応業務が発生するため、外部からの応援が不可欠となります。
そのため、応援職員等を迅速的確に受け入れて、情報共有や各種調整等を行うための受援体制を整備しておく必要があり、そのための受援計画をあらかじめ策定しておくことが必要です。

そこで伺います。

県内市町村の受援計画の策定状況はどうか。
また、今後未策定の市町村に対し、県はどのように対応するのか。

そして本県においては、南海トラフ地震の発生に伴い、津波被害が想定される18市町村が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されています。
推進地域に指定された市町村においては、南海トラフ地震防災対策推進計画を定め、南海トラフ地震に係る防災地震防災対策の推進を図ることが重要とされています。

この本件の推進地域のうち、津波により30cm以上の浸水が30分以内に生じる恐れのある南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に2市、1町が指定されていますが、その特別強化地域に指定された市町においては津波による被害を防ぐために、事前避難対象地域を定めることが有効とされています。

そこで伺います。

県内市町村の南海トラフ地震防災対策推進計画の策定状況および、特別強化地域における事前避難対象地域の指定状況はどうか。
また今後、未策定の市町村に対し、県はどのように対応するのか。

次に、内水氾濫対策についてです。
9月3日の大雨では、市原市において1時間当たり85ミリの猛烈な雨が降るなど、各地で大雨となりました。
市原市では床上床下浸水、道路冠水等が発生し、千葉市でも土砂崩れが発生した他、成田市、印西市、富里市などでも、道路冠水等の被害が発生しました。

国では、いわゆる流域治水関連法が整備されるなどしていますが、水防法では、洪水内水高潮に対応したハザードマップ作成エリアを、現行の大河川等から、住家等の豪雨防御対象のある全ての河川流域下水道海岸に拡大したと伺っています。

そこで伺います。

国が策定を求めている想定最大規模でのない水に対応したハザードマップについて県内市町村における策定状況はどうか。
また、県はどのように対応するのか。

次に、県内市町村の指定避難所となっている学校体育館の空調設備設置促進についてです。
能登半島地震では、避難所となった体育館において床の底冷えのため、夜も満足に眠れないという被災者が続出し、避難所における寒さ対策が問題となりました。

同様に、避難所の暑さ対策も早急に取り組まねばなりません。
気候変動に伴う猛暑が続く近年、学校体育館は通常の児童生徒の利用のためだけではなく、災害時に避難所として使用されることが多いことを踏まえ、空調設備の整備が必要です。
特に、防災対策推進地域に指定された県内の18市町村において、それは急務であると言えましょう。

しかしながら、県内市町村の学校体育館における空調設備の整備は進んでおらず、国がまとめた空調(冷房設備設置状況)小中学校を見ますほとんどの市町村において、その設置率は0%となっています。
南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されている県内の18市町村も例外ではなく、富里市と、横芝光町が100%夷隅氏が20.0%山武市が10.5%の設置率であるものの、その他の14市町村は、0%です。
しかも、これらの市町村はいずれも高齢化率が高く、避難所における熱中症対策を万全なものにしておかなければ災害関連死を引き起こす可能性があります。

そこで伺います。

県内市町村の指定避難所となっている学校体育館の空調設備設置促進について県はどのようなご見解をお持ちか.

次、ヤングケアラー支援についてです。
ヤングケアラーという用語が社会的にも認知されるようになってきました。
小学生が学校のケアを担っていたり、お互いになるまで長期に及ぶケースがあったりとその実態はいまだ見えづらいものがあります。ヤングケアラー当事者は、学習機会や、交友関係の創出、体力、健康への不安進路の制限等々、子供の権利が脅かされる状態にあることから社会的な支援が必要です。

本県では、令和4年度にヤングケアラーの実態調査とその支援に関する調査研究が行われ、昨年度から相談窓口の設置支援のためのコーディネーターの配置ピアサポートオンラインサロンの設置、広報、啓発や研修等が行われています。
しかしながら、支援が必要な対象の実態把握や、アプローチが不十分であり、市町村を初め、関係機関との連携による支援体制の構築が急務です。

令和6年6月10日施行の子供子育て支援法等の一部を改正する法律により、子供若者育成支援推進法においては、国や自治体が各支援に努めるべき対象にヤングケアラーが明記されました。
この改正では、都道府県における具体的支援のあり方として、広域的な調査を実施した上で、条例の制定や計画策定など、広域的に支援体制を整備するための取り組みを進めることが効果的、これらの調査により把握された実態を踏まえ、都道府県が中心となって、市区町村との役割を整理し、地域におけるヤングケアラーの把握から支援に繋ぐ仕組みを構築することとされています。
今年3月末の調査によりますと、ケアラー支援に関する条例の制定は全国で30自治体、内県レベルでは7と広がっており、本県においても早急に取り組む必要があります。

そこで2点伺います。

一つ目として、県内市町村の取り組み状況はどうか。
また、県は支援の強化に向けてどのように取り組んでいくのか。
二つ目として、本県においても、ケアラー支援条例を制定すべきだがどうか。

次に、困難な問題を抱える若年女性への支援についてです。
今年4月から困難を抱える女性を支援するための新たな法律が施行され、これを受けて、本県でも支援計画を策定しました。
これまで児童福祉法、生活保護法、売春防止法などの根拠法による縦割り行政のはざまに置かれ、セーフティーネットの網目からこぼれ落ち、十分な福祉的支援に繋がらなかった女性たちにもようやく光が当てられようとしています。

特に1人で3003を迎えざるを得ない女性たちの生活歴、成育歴は過酷です。
成育家庭での虐待や性暴力の被害も多く、また生活困窮家庭崩壊教育機会や居場所の創出により、生きていくために風俗で働かざるを得ず、予期せぬ妊娠や、望まぬ妊娠をすることも多いと伺っています。

そして、障害を抱えていても、生育過程で、ただ育てにくい子だと思われ、虐待されてきたケースも多々見られるとのことです。
このように、様々な困難な問題を抱える若年女性が傷ついた心身を回復し、自らの力新たな生活を切り開くためには、きめ細やかで切れ目のない強い支援が必要です。

そこで伺います。

国は県は困難な問題を抱える若年女性への官民一体となった支援をどのように取り組んでいくのか。

次に、ケアマネージャー不足についてです。
高齢化の進展と介護サービスの需要の増加ケアマネージャーの人材不足、職団員と責任の重さのアンバランス、労働環境や給与待遇の問題、資格を他の職種で活用、資格更新に関連する経済的負担地域間格差の拡大などにより、ケアマネジャーと契約できないケアマネージャー難民が今後も増加すると考えられられます。

そこで伺います。

ケアマネージャーの人材確保のため、ケアマネージャー有資格者でありながら、その仕事をしていない、いわゆる潜在ケアマネの活用も重要と考えるが、その課題について県はどのような認識をお持ちか。
また、課題解決に向けた県の取り組み状況はどうか。

次に、再生可能エネルギーの導入促進についてです。
国際社会や国が掲げる。2050年カーボンニュートラルの実現という目標に向けて、本県も2050年二酸化炭素排出ゼロ宣言のもと、長期方針によるR千葉県カーボンニュートラル推進方針を策定し、様々な再生可能エネルギーについて導入促進を図っています。
その中でも太陽光発電に関し、本県は全国2位の発電出力を誇っており、環境省の提供する再生可能エネルギー情報提供システム、REPOSによれば、ポテンシャル発電電力量は県内の年間電気需要量を大幅に上回るとされています。

実際、200022年度の本県における再生可能エネルギーの導入比率は15.4%ですが、そのうちの大部分を占めているのが太陽光発電によるものです。
そして、昨年に改定された千葉県地域温暖化対策実行計画では、この導入比率を2030年度までに27%にするという目標値が掲げられており、太陽光発電のより一層の導入促進が不可欠となっています。

しかしながら、大規模な用地を必要とするメガソーラー発電における土地開発は、土砂災害、騒音、有害物質の流出などを伴うことが多く、近隣住民や自然環境への配慮が求められています。
これに対し、戸建て住宅、共同住宅、商業ビル、公共施設、病院等の建築物への太陽光パネルの設置については、都市部においても有用性が高く、自然環境にも優しい太陽光発電の導入方針、方法として、日々導入が進められています。
本県においても、この建築物へのパネル設置を中心とした太陽光発電の導入をより推進し、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた実績を年々積み上げていくことは重要だと考えます。

そこで伺います。

太陽光発電の導入に向けての具体的な事業の取り組みの状況はどうか。

次に、PFOS及びPFOA汚染の調査と対策についてです。
令和3年度の県による調査が行われて以降、柏市と白井市の市境を流れる金山落ではPFOS、PFOAが国の定める暫定指針値を超過しています。
また、本年3月には、原因究明のための調査を開始し、その後、柏市、白井市鎌ヶ谷市が行った地下水調査でも、暫定指針値の超過が確認され、近隣住民はもちろん県内各所において汚染に対する懸念が高まっています。

現在までに、県は柏市白井市鎌ヶ谷市と連携して調査を行っています汚染への明確な特定には至っていない状況であり、一刻も早い解明が待たれます。
何よりも、人体への影響をなくすことこそ最優先であり、住民の健康と生活に直結する汚染範囲の汚染範囲を特定し、早急に有効な対策を講じなければなりません。

そこで伺います。

金山落で検出されたPFOS等について、汚染された範囲を特定するための調査の実施状況と今後の取り組みはどうか。

また、今議会の補正予算案において、県が市町村に対しPFOS、PFOAの地下水汚染に関する調査費用対策費用を補助する事業が提案されています。
この提案についてですが、県内では、金山落としの他、市原市の平蔵側でもPFOSPFOAが暫定基準値を超過しており、これらの各種のニーズにも応えられるものと評価しています。
さらにそれ以外の県内市町村においても、地域の状況に応じた調査対策をすることが期待されています。

その住民の懸念に十分に応えるために、前提として、各市町村が高い危機感期間をもってPFOS、PFOA汚染に取り組もうという姿勢がなければなりません。

そこで伺います。

補正予算案における調査等への補助事業について、県内町村による活用の見込みはどうか。
また、県は事業の実施による効果をどのように認識しているのか。

次に、千葉アクアラインマラソン2024についてです。
知事挨拶にもありましたように、本大会では親子や、車椅子の方々、アクアライン上を走ることのできるファンランも開催されるとのことです。
ランナー以外の方々にも、海の上を走る爽快感を味わっていただけるのではと大いに期待しています。

前回のちばアクアラインマラソン2022について、知事は新型コロナウイルス感染症が懸念される中にあって、定員の2倍を超える応募があったこと当日、本県の魅力を発信するイベント会場に多くの方にお越しいただいたことなどから、改めてちばアクアラインマラソンの魅力が認識されたものと考えていると評価していることや、約20億円の経済効果があったことなどから、6回目の開催を決められたと伺っています。

また、我が会派の本年2月定例県議会の代表質問における髙橋浩議員の魅力ある大会とするための取り組みの質問において、知事から大会や本県の魅力をより幅広くPRするため、SNSによる情報発信を強化していく旨のご答弁をいただいております。

そこで伺います。

ちばアクアラインマラソン2024を通じた本県の活性化のため、大会開催に向けどのように取り組んでいるのか。

次に、酪農家の所得向上についてです。
今年の夏は猛暑が続き、乳牛にとっても大変な夏でした。
このような中で、酪農家は暑さ対策を行いながら、乳牛が持てる能力を十分に発揮できるよう、様々な工夫をしています。
また、飼料高騰が長引く中、生産コストを下げつつ、生産増やす工夫にも取り組まれているところですが、酪農家の努力だけでは限度があり県もしっかりと支援を行い、より安定した経営ができるようにする必要があります。

一方、酪農家の所得の柱となる生乳の価格は、令和4年5年にはそれぞれ生乳に1キロ当たり10円の値上げが行われましたが、昨今の生産コスト上昇には見合う値上げにはなっていません。
原料となる生乳の価格が上がると、店頭に並ぶ牛乳の販売価格もおのずと値上げされ、それは消費者の牛乳の買い控えと繋がり、購入される牛乳の量を減少することとなります。
そのようなことから、更なる生乳価格の値上げは難しいと伺っています。
このような状況が酪農発祥の地である千葉県の酪農家が将来にわたって安定的に所得を確保できるよう、県は積極的に支援を行う必要があります。

そこで伺います。
酪農家の所得向上に向けた県の取り組みはどうか。

次に、盛り土規制法についてです。
盛り土規制法は、令和3年静岡県熱海市で大雨による盛り土が崩落し、大規模な土石流災害が発生したことや、危険な盛り土等に関する法律による規制が規制対象外のエリアに存在していること等を踏まえ、宅地造成等規制法を抜本的に改正して、宅地造成および特定盛り土等規制法とし土地の用途に関わらず、県の盛り土等を包括的に規制することを目的として制定されました。

その法令の内容は、隙間のない規制、盛り土等の安全性の確保、責任の所在の明確化、実効性のある罰則措置を目的としています。
本県においては政令指定都市の千葉市中核市の船橋柏市を除く地域の盛り土規制法に基づき、規制区域を指定するため、盛り土規制法第4条第1項の規定による基礎調査が行われ、県内の全域が宅地造成等工事規制区域の公告域に該当することとなり、令和7年5月までに新たな規制区域の指定を行うため、各種手続きが進められています。

そこで伺います。

盛り土規制法に基づく規制区域の指定の進捗状況はどうか。

次に、住まいのリテラシーについてです。
住まいのリテラシーとは住生活の安定確保と向上のために賢いハンドを重ねていけるよう、よりよい住まいの選択と判断をする能力のことを言います。
戦後我が国の住宅政策は、高度経済成長のもと、終身雇用年功序列、右肩上がりの賃金を背景に、会社員の夫と専業主婦の妻に子供2人という仮定を標準モデルに制度設計されていました。

また当時の日本の住宅政策は持ち家主義であり、持ち家の取得を最終目標とするものでした。
そして企業の従業員の福利厚生としての住宅政策も寮や社宅を安価で提供したり、あるいは住宅購入資金を貸し出したりすることで、従業員の住宅取得を容易にしようとする制度を導入している企業も多数ありました。
このようなことから、かつては郊外庭つき一戸建て住宅という最終目標が現実的に到達可能だと信じられていたと言えます。

しかしながら現在我が国の経済は停滞し、人口は著しい減少局面にあります。
住まい環境に目を向ければ若年高齢の単身世帯や夫婦のみ世帯が増加しており、それに伴い空き家も増加、経年劣化したマンションの未修繕も問題となっています。
一方ペットの飼育や、コロナ禍におけるテレワークの進展や定着あるいは都市と地方などに2拠点を有すると、生活者のライフスタイルや価値観も多様化しています。

また、昨今の異常気象による猛暑日の増加や、台風や地震等の災害の激甚化、頻発化などの影響もより安心安全な暮らしの確保が求められる一因となっています。
そのようなことから、県民や関係する事業全てが当事者意識を持ち、住まいの課題に真摯に向き合うことが不可欠であると考えます。
まさに住まい方が生き方であり、今だけを見た住まい選びでは、人生を豊かにする良い判断は難しい住まい選びの際に、住まいのリテラシーを身につけていくことが求められています。

そこで伺います。
住まいに関する知識などの向上のために県はどのように取り組んでいくのか。

次に県営水道における水道管の老朽化対策についてです。
水道管の老朽化は全国的な課題となっていますが、本県においても、7月に千葉市と松戸市で敷設後60年以上を経過した老朽管において、漏水事故が連続して発生し、断水や交通規制等、周辺住民の生活に大きな影響がありました。

そして8月23日は千葉市と松戸市より、老朽化した水道管の計画的、優先的な更新と同様の事故が発生した場合の市民への情報提供や必要な応急給水の速やかな実施を求める要望書が、県企業局に提出されています。
本県では、令和3年度から令和7年度までの千葉県営水道事業中期経営計画の中で、年間の更新延長の目標は示されているものの、老朽化した水道管をいつまでに更新するのかという目標は示されておりません。

そのため千葉市や松戸市で漏水があった水道管のように、60年以上経過している水道管が他にもあるのではないかと危惧されるところです。
2市からの要望にもあるように、水道管の老朽化が喫緊の課題であり、現状および今後どのように対応していくのかが気になるところです。

そこで伺います。

県は県営水道における水道管の老朽化の現状と課題にどのようなご見解をお持ちか。
また今後どのように老朽化対策を進めていくのか。

次、学び直しについてです。
学業支援は不登校の大きな要因の一つになっています。
ちなみに全国の不登校児童生徒数は29万9000人ですが、そのうち本県の不登校児童生徒数は1万2000人です。
また、全国学力学習状況調査において、本県の近年の状況は、全国平均正答率と比較してほぼ同等もしくは下回っています。

そして、医療少年院で児童生徒の構成を担当している医師からは、学業挫折と凶悪な青少年犯罪には密接な関係性があるとの指摘があります。
さらに脳専門とする医師からも、児童生徒の認知機能や知的能力に問題があると不登校や非行に走る可能性が高くなるとの指摘もあります。

このような状況下、児童生徒が自信と自己肯定感を持ち、社会の中で自立していくためには、一定の学力は不可欠です。
県教育委員会において、本県の児童生徒の学力実態を認識し、教育段階に関わらず、義務教育の基礎学習まで高を登る学び直し教育の拡大充実に力を入れるべきと考えます。

そこで伺います。

県内高等学校における学び直しの取り組みの現状はどうか。
また学び直しに取り組むには大きな大変な努力と必要な環境整備が重要と考えるが、県教育委員会はそれをどのように捉えているか。

次に、電話de詐欺についてです。
本件の今年の電話de詐欺の被害は昨年7月末の同時期に比べて減少しているものの、いまだ高水準で発生しています。
特に千葉市、松戸市、市川市、船橋市などの都市部での被害が多く、対策の強化が必要です。
固定電話機対策が重要な対策の一つですが、県では令和4年度から市町村に対する電話de詐欺詐欺対策機器補助事業を行っています。

そしてこの事業は、より多くの市町村で実施され、対策機器の普及促進が図られることが望ましい。
また、その有用性や対策の内容も、県民に広く周知徹底していくことを重要であると考えます。

そこで伺います。

本県における電話de詐欺対策機器補助事業の実績はどうか。
また、県警では、固定電話機対策の有用性等を周知するため、どのような取り組みをしているのか。

これをもって第1問とさせていただきます。


答弁(第1回目)


–議長
野田剛彦君の質問に対する当局の答弁を求めます。
知事 熊谷俊人君。

–熊谷俊人 知事
立憲民主党の野田剛彦議員の代表質問にお答えをいたします。
まず政治姿勢についてお答えをいたします。
県土整備部における不適正事案に係る倫理規則等の見直しに関するご質問ですが、平成29年度に県土整備部の職員が官製談合防止法違反で逮捕されたことを受け、職員倫理条例等を制定し、公務に対する県民の信頼回復確保に努めてきたところですが、飲食の届け出基準の設定や、情報管理に関するルールの徹底などが十分でなかったこともあり、今回の事件の発生を防げなかったことについて極めて遺憾に思います。

県では事件の背景や課題点などの調査、検証を行うため設置した外部有識者による検討会議からいただいた提言を踏まえ、先日飲食の届け出制度の見直しや、利害関係者からの働きかけ記録制度の導入などの再発防止に向けた取り組み方針を決定したところです。
今後この方針に沿った実効性のある再発防止策を策定し、全庁を挙げて再発防止に取り組むことで、県民の信頼回復に努めてまいります。

一般競争入札を適用する下限額についてのご質問ですが、令和3年度の国の調査によると、予定価格の下限額が本県の5000万円より高い都道府県は2団体本県と同額の都道府県は7団体です。
下限額の引き下げにより一般競争入札の件数が増加し、受発注者双方で事務負担が大きくなるなどの課題がありますが、他県では入札参加資格の設定項目や入札手続きにおける事務の効率化の工夫などを行いながら、一般競争入札を広く取り入れていることを確認をしています。
県としては今後の再発防止に向けた取り組み方針に基づき、不良不適格業者の排除や地域産業の育成を図るための必要な条件の設定事務負担の軽減を図りながら下限額を引き下げるなど、一般競争入札を拡大をしてまいります。

企業支援の取り組みに関するご質問ですが県では従来からビジネスプランコンペティションの開催などにより、起業家の発掘に努めるとともに、創業応援助成金や制度融資による資金面での支援チャレンジ企業支援センターにおける相談や専門家派遣による伴走支援を実施しています。
また東葛テクノプラザなど複数のインキュベーション施設において、長期間にわたり技術的な助言等を受けながら事業を進められる環境を整えています。

昨年度からは優れた技術を有するベンチャー企業と、その技術を活用したい大企業等とのマッチングを図るオープンイノベーション交流会の内容を充実させた他、新たな技術やアイディアを有するベンチャー企業に対して、地域経済を牽引する企業へと成長を促すための短期集中的な伴走支援も進めています。
また更なる企業機運の醸成を図るため、小中学生を初め年齢に応じた起業家育成プログラムも実施をしているところです。
加えて今回の9月補正においてはスタートアップの支援を強化するため、先輩経営者からの助言やスタートアップ同士の相談、交流が行われるコミュニティの形成を進めるための予算を計上いたしました。

今後若い世代の起業への意欲を高める取り組みを進めるとともに、起業段階、起業後の成長段階成熟段階といった事業ステージに応じた総合的な支援を充実させることにより、県内における起業促進し、地域経済の活性化を図ってまいります。

次に多文化共生社会の実現についてお答えをいたします今後の取り組みに関するご質問ですが、外国人県民が地域の一員として暮らしていくためには、日本語や文化、ルール等を理解いただくことが重要であると考えており、これらを学べる場となる地域日本語教育の充実などが求められます。
また日本人県民と外国人県民がともに安心して暮らすためには、お互いの人権文化、宗教、生活習慣などを理解し、尊重する意識を醸成するための取り組みを進める必要があります。

現在こうした観点を踏まえ、千葉県多文化共生推進プランの改定を進めており、市町村を初めとした様々な主体と連携を強化しながら、地域日本語教育の担い手の育成、地域日本語教室がない空白地域や教室の不足を解消するための支援相互理解のための啓発や協働する機会の創出などに取り組んでいきます。

次に防災対策についてお答えいたします。
市町村の受援計画についてのご質問ですが、大規模災害時、被災市町村においては避難所運営や住家被害認定調査等の応急対策業務が急増することから、迅速に被災者を救援するため、他の自治体等からの応援職員を円滑に受け入れることが必要です。

このため県では、応援要請の手順や受け入れに必要となる資機材等についてあらかじめ整理をした受援計画を策定するよう市町村に促しており、本年8月現在、49団体が策定済みであり、4団体では今年度中に策定予定となっています。
未策定の団体に対しては直接訪問し、受援計画の例を提供しながら助言を行うなど、早期策定に向け支援をしているところであり、引き続き8歳児の受け入れ応援受け入れが的確に実施されるよう、市町村と連携して取り組んでまいります。

次にヤングケアラーの支援についてお答えいたします。
県内市町村の取り組み状況等に関するご質問ですが、県内市町村では令和6年8月時点で、4市がヤングケアラーの支援等を行うコーディネーターを配置し、8市が課題や実態を把握するための調査を実施しています。また県では
相談窓口を設置し、子供だけでなく、学校などの関係者からの相談に応じる他、福祉、教育、介護、医療等の職員が一堂に会する研修の機会などを通じて、関係機関の連携を進めるとともに、YouTube等を活用し、ヤングケアラーについての認知度の向上を図っています。

さらに今年度はヤングケアラーやその家族が悩みや経験を共有できるピアサポートを対面式で実施をする他、関係機関の職員向けのハンドブックを作成することとしており、今後ともヤングケアラーへの支援の強化に取り組んでまいります。

次に困難な問題を抱える若年女性への支援についてのご質問ですが、女性が抱える問題は多様化複合化しており、既存の公的支援だけではなく、柔軟性のある独自の支援が可能な民間団体と連携をし、様々なニーズに対応していくことが重要であると認識をしています。

そのため県では繁華街にいる若年女性等から悩みを聞き、支援に繋げるアウトリーチSNS等による相談支援、安心して立ち寄ることができる居場所の提供を一体的に行う事業、民間団体に委託し、本年8月から改修いたしました。
さらに今後女性サポートセンター、市町村、女性自立支援施設、民間団体等を構成員とする支援調整会議を立ち上げることとしており、引き続き関係機関が連携し、官民一体となり、困難な問題を抱える女性への支援に取り組んでまいります。

次にPFOSおよびPFOA汚染の調査と対策についてお答えをいたします。
補助事業の活用見込みと実施による効果についてのご質問ですが、PFOSおよびPFOAについては、金山落での暫定指針値超過を受け、県と周辺地域が連携をして、周辺の地下水汚染の原因究明に向けた調査を進めています。
県ではPFOS等による地下水汚染の拡大を防止するため、市町村への調査手法等に関する技術的な助言に加え、原因究明や汚染範囲特定のための調査、汚染除去対策等を支援することとし、9月補正予算案に事業費を計上いたしました。

本事業については金山落周辺の市の他、河川で暫定指針値の超過が確認され、今後地下水調査を予定している市など複数の市町村で活用されると見込んでいます。
県としては市町村の調査を支援することにより、PFOS等による地下水汚染の原因究明や拡大防止が進み、県民の不安解消に繋がるものと考えております。

次にアクアラインマラソンについてお答えをいたします。
アクアラインマラソンを通じた本県の活性化に関するご質問ですが、大会の開催にあたってはスポーツの振興はもとより本県の魅力を広く発信し、県全体に開催の効果を波及させていくことが重要であると考えています。
そのため新たにオフィシャルアンバサダーとして起用した13名の著名なインフルエンサーが駅伝合宿の聖地富津岬などの名所や銚子の花火大会を初めとしたイベントに出向き、地域の魅力をSNSで発信するとともに、県内各地の宿泊施設と連携した出走権付き宿泊プランの販路を海外にも広げたところです。

また大会の様子や雰囲気を伝えられるよう、動画を採用し大会公式ホームページを刷新した他、全県の観光やグルメ情報、ランナー向けアドバイスなどを掲載し、大会公式プログラムを充実してまいります。
引き続き県内各地の魅力を積極的に発信し、大会に関わる全ての皆様とともに、スポーツの持つ力で本県の活性化に繋がるよう取り組んでまいります。

最後に酪農家の所得向上についてお答えいたします。
県の取り組みについてのご質問ですが昨今の酪農業は生産コストが高止まりをしている中、牛乳の消費量の減少などにより厳しい経営状況が続いていることから、酪農家の所得向上のためには、生産性の向上と、牛乳の消費の拡大を図ることが重要と考えています。

このため県では生産能力の高い乳牛の確保に向け、優良な受精卵の供給や子牛を健康に育てるための飼料管理技術の改善指導などを行うとともに、牛乳の消費拡大のため商業施設でのPR活動や学校と連携した普及啓発などに取り組んでいるところです。
さらに本年8月には、国に対して、生産コストの上昇を考慮した適切な価格形成が行われる環境整備などを求める要望を行ったところであり、引き続き酪農家の所得向上に向けて支援をしてまいります。

私からは以上でございます。
他の質問につきましては副知事および担当部局長からお答えをいたします。

–議長
副知事 穴澤幸男君。

–穴澤幸男 副知事
私からはまず、県土整備部における不適正事案への対応についてお答えいたします。
指名停止の運用についてのご質問ですが、指名停止期間については、県の指名停止措置要領で、その期間を定めるとともに、情状酌量すべき特別の事由がある場合には、その期間を2分の1の期間まで短縮することができることとしております。

山武談合事件では、山武地域の多数の業者が対象となっており、災害時における防災体制など地域の安全安心の確保に支障が生じるという特別の事情があったため、当時の山武地域の市町の強い要望も踏まえ、指名停止期間を6ヶ月としました。
指名停止措置についてはこれまでも厳正に運用してきたところですが、不正を行った業者へのペナルティをさらに強化するため、代表者が贈賄を行った場合に、当初適用する指名停止期間を12ヶ月から24ヶ月に延長するなど、運用を見直してまいります。

ランダム係数についてのご質問ですが、ランダム係数を用いた調査基準価格等の算出は、開札時にこれまでの調査基準価格等として算出してきた額に、システム上で無作為に抽出される係数を掛け算し、わずかなわずかに変動した額を調査基準価格等とするものです。
他の都道府県では13団体が調査基準価格等の算出にランダム係数を導入しており、導入済みの団体からは特に大きな課題があるとは聞いておりません。
ランダム係数の導入により、開札時まで調査基準価格等が決定しないため、情報の漏えい防止に効果があると考えており、適切な制度となるよう検討を進めてまいります。

次に、指定管理者に対する労働条件審査に関するご質問にお答えします。
県では指定管理者制度の基本的な導入手続きや運用の留意事項についてのガイドラインを定め、指定管理者において、労働法令の遵守や、雇用労働条件への適切な配慮がなされなされるよう取り組んでいるところです。

具体的には、公の施設における指定管理者の選定時に労働条件を確認するとともに、選定後のモニタリングとして、ガイドラインラインで定めた調査票に則り、従業員の賃金や安全確保を含めた事業の実施状況など施設の管理運営上級を状況をおおむね年3回程度実施により調査し、その概要を毎年度公表しています。
今後ともガイドラインを適切に運用し、各施設において良質なサービスが提供されるよう、適正な労働条件の確保に努めてまいります。

次にESG債についてお答えいたします。
本件における発行状況についてのご質問ですが、県では、ESG分野への関心や投資ニーズの高まりを受け、昨年9月に本県初のESG債として、環境問題や社会的課題の解決に資する施策の財源に充当できるサステナビリティボンドを、150億円発行しました。

ここで調査室した資金は、水災害による被害を軽減するための河川整備や県有施設の省エネルギー化等の環境施策の他、歩道等の交通安全施設の整備など社会的課題に対する施策の財源に充当しています。
今年度も、環境施策等の財源として活用するため、昨年度に続き、サステナビリティボンドを今月、150億円発行することとしており、54件の投資家からSDGsを推進する取り組みとして購入する旨の投資表明をいただいております。

今後のESG債の発行についてのご質問ですが、ESG債は地方公共団体にとっては、より低い金利で資金を調達できるものであり、また、県内を中心とする多くの投資家に、本県のESG債を購入いただくことにより、SDGsの推進に向けた機運醸成にも一定の効果があるものと考えております。
県としては引き続き、投資家からの評価や債券市場の動向などを検証し、今後の継続的な発行に繋げてまいります。

次に、多文化共生社会の実現についてお答えいたします。
地域日本語教育の取り組み状況等に関するご質問ですが、県では、地域日本語教育を推進するため、市町村に対する体制整備に関する経費の補助や、専門的なコーディネーターによる地域日本語教室の設置や運営の助言などを行っております。
また、多文化共生意識を醸成するため、県民を主な対象とした国際美化を促進するためのセミナーや、市町村などの関係団体による事例紹介、意見交換を行うネットワーク会議などを開催しております。
課題としては、地域日本語教育の担い手の高齢化や、人手不足への対応、多文化共生意識の醸成に関する取り組みや幅広い県民の参画などが挙げられます。

次に防災対策についてお答えします。
南海トラフ地震への対策についてのご質問ですが、南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されている18市町村のうち17団体が、南海トラフ地震による津波からの円滑な避難を実施するため、避難場所、避難経路、情報伝達方法等を定めた推進計画を策定しており、残る1団体についても現在策定に向けた作業を進めています。

また、このうち特に大きな津波被害が想定される特別強化地域に指定されている2市1町のうち、館山市が事前避難対象地域を指定しています。
今後も推進計画の策定や事前避難対象地域の指定に向け、個別に助言を行うとともに、津波浸水予測に関わるデータを提供するなど、市町村の取り組みを支援することで津波による被害の軽減を図ってまいります。

内水ハザードマップについてのご質問ですが、令和3年度の水防法の改正を受け、下水道による内水対策を行う市町村では、想定最大規模降雨による雨水出水浸水想定区域の指定や、内水ハザードマップの公表が求められております。
県内で公共下水道による雨水事業を行っている35市町のうち、想定最大規模降雨による浸水想定を行い、内水ハザードマップを公表しているのは、本年3月現在で6市となっております。
県では、市町村に対し浸水シミュレーションの実施や浸水想定区域に関する住民への周知について助言する他、国の交付金に関する情報提供を行い、更なる対策の促進を図ってまいります。

避難所に指定されている体育館の空調設備に関するご質問ですが、文部科学省の調査では、公立小中学校における体育館の空調設備設立は令和4年9月時点で15.3%となっている一方、教室等を含めた避難所全体の設置率は、内閣府の令和4年12月時点の調査で、冷房機器が68.4%暖房機器が72.5%となっています。
県では、避難所運営の手引きにおいて、具体の暑さ寒さ対策を示している他、対策の取れる空き教室などの積極的な活用を市町村に促しており、さらに避難所への空調設備の設置について、財政支援を行っているところです。
今年度は、民間事業者との新たな協定により、空調機器も含め、避難環境の維持改善のための資機材の調達先の拡充を図ったところであり、今後も市町村における良好な避難環境確保の取り組みを支援してまいります。

次に盛り土規制法の区域指定についてのご質問にお答えいたします。
県では道路網や住宅の分布状況などを踏まえ、政令市中核市を除く51市町村全域について、盛り土規制法に基づく宅地造成等工事規制区域として、面積500平方メートルを超える森などを許可の対象とする案を作成しました。
この案について、本年7月からパブリックコメントや市町村長の意見聴取を実施し、併せて建設業不動産業などの事業者団体に説明したところ、制度の内容について丁寧な周知に努めるよう要望がありました。
こうした要望も踏まえ、規制区域の指定までに十分な期間を設け、制度について広く県民に周知する、周知するとともに、事業者にきめ細かな説明を行うなど、盛り土規制法の円滑な運用に努めてまいります。

次に、住まいに関する知識などの向上についてのご質問にお答えします。
県では、第4次千葉県住生活基本計画を策定し、社会の変化や多様化する価値観に対応した豊かな地域社会と住まいの実現を目指しており、住まいに関する知識などの向上を図っていくようなことが重要であると認識しております。
また、国においては国民1人1人が人生設計に沿った、よりよい住まいを選択できるよう、官民が連携して、住まいに関する知識などの向上を図るためのガイドラインの策定や、セミナーの開催などを通じた普及啓発を図るための取り組みを検討しているところです。
今後は、国が策定する予定のガイドライン等を活用し、市町村や住宅関係団体と構成する千葉県住まい作り協議会や、講習会などの様々な場を通して広く、住まいに関する情報提供を行い、よりよい住まいの選択ができるよう取り組んでまいります。

次に、水道管の老朽化対策についてお答えいたします。
水道管の老朽化に関わる現状と課題についてのご質問ですが、昨年度末時点における県営水道が管理する管路は約9300kmであり、その法定耐用年数は40年と定められています。
一方、管理については予防保全型の維持管理を行うことにより、法定耐用年数を超えても十分に使用できるため、県営水道では、長期施設整備方針において、管の口径や材質等により目標使用年数を60年から80年と定め、更新に取り組んでおります。

本年4月に漏水が発生した千葉市および松戸市の事例と同様に、敷設後60年以上経過している管路は、昨年度末時点で全体の0.7%の約67kmですが、今後は昭和60年代以降に敷設した大量の管路が目標使用年数を迎えるため、更新に当たっては、これまで以上に効果的かつ効率的に行っていく必要があると認識しております。

最後に今後老朽化対策をどのように進めていくかとのご質問ですが、老朽管の更新に当たっては目標使用年数を超過しないことを基本とするとともに、断水時における影響の大きさや、漏水の発生状況などを勘案し、優先順位をつけて工事を進めてまいります。
また、工事規模の大型化や発注時に一部図面を簡略化し、材料を概算数量で積算する発注方式の導入に向けた検討を行うなど、工事の発注や現場での施工の効率化に取り組み、管路更新を進めてまいります。

私から以上でございます。

–議長
副知事 黒野嘉之君。

–黒野嘉之 副知事
私からはまず県内における企業の現状についてお答えいたします。
中小企業庁が公表した2024年版の中小企業白書によりますと、2022年度の全国の開業率の平均は3.9%ですが本県の開業率は4.5%であり全国的に見ると高い水準にあります。
一方で国の分析などによりますと、日本の開業率は米国や欧州主要国と比べかなり低い水準と考えられており、この原因としては失敗を恐れる国民性終身雇用などの日本独自の環境、起業家に対する社会的評価の低さ企業に対する支援が不十分であったことなどが挙げられております。

次に企業の効果に関するご質問ですが、社会環境がめまぐるしく変化し、未来の予測が困難な中でも、持続的な経済の成長を実現させるためには、新たな事業展開などによる企業の変革や新たな産業の創出が必要です。
起業は身の回りの問題の解決に向けて取り組む活動から始まることが多く、急速な成長を遂げて、いわゆるユニコーン企業のように、新たな産業や雇用を創出し経済の好循環を生み出す原動力になることが期待されます。
また日本型の労働慣行とは異なった企業経営が広がることにより、多様な働き方の実現などにも貢献するものと考えられます。

次にカスタマーハラスメント防止条例の制定についてのご質問ですが、カスタマーハラスメントは顧客が加害者となるものであり、正当なクレームとの区別などが難しいという特殊性があるため、他のハラスメントとは違い事業主による対応の義務化にはいたっておりません。
このため県では事業者の対応が進むよう基礎知識や対策の必要性などの啓発に努めるとともに、実例をテーマに対策を考えるセミナーを開催するなど取り組みの強化を図ってきたところです。

こうした中、東京都のようにカスタマーハラスメント防止のための条例制定を進める動きがある一方で国においても、事業主に必要な対応を義務付ける方法で、カスタマーハラスメントの定義や取引先に必要な協力を求められるようにすることなどについて、法改正も視野に議論が進められております。
県としては東京都や国の動き県内事業者の状況など、様々な状況をしっかり見極めて、条例が必要かどうかも含め、本県でのカスタマーハラスメント対策について検討してまいります。

次にケアラー支援条例についてのご質問ですが、要介護者等を支援する家族や友人など、いわゆるケアは要介護者等がその人らしく安心して暮らしていく上で欠かせない存在であることから、ケアラーの支援も重要であると認識しております。
このため県ではケアラーの身体的精神的な負担の軽減に向け、高齢障害などを分野ごとの相談窓口の設置や、ケアラー同士が集う交流会の実施率パートに繋がるショートステイ等の整備活用などに取り組んでおります。
今後ともこれらの事業を着実に実施するとともにケアラー支援条例を制定している他団体の状況を把握するなど、引き続き効果的なケア支援に取り組んでまいります。

次に、ケアマネージャーの人材確保についてのご質問ですが、ケアマネージャーの有資格者で実務に従事していない、いわゆる潜在ケアマネージャーに対して、昨年度、県が行ったアンケートでは、離職理由として研修事項の時間確保が負担だったという回答や、復職にあたり重視する点として、勤務時間や給料などを挙げる回答が多く、研修事項や業務にかかる負担軽減、処遇改善が主な課題であると認識しております。

このため県では研修にオンラインを活用して、受講者の負担軽減に取り組んでいる他

介護事業所における業務改善について相談窓口を設置するとともに、ケアマネージャーを含む介護職員全体の更なる処遇改善について、国に要望しているところです。
今後もこうした取り組みを通じ、潜在ケアマネージャーの復職も含め、人材確保対策を進めてまいります。

次に太陽光発電の導入に向けた取り組みについてのご質問ですが、県では千葉県地球温暖化対策実行計画に基づき、太陽光発電を初めとする再生可能エネルギーの活用に取り組んでおります。
主な取り組みとして太陽光発電設備などの導入を希望する県民や事業者を募り、一括で発注を行うことでスケールメリットを生かした価格低減を図る共同購入支援事業を行っており市場価格から2割程度の割引率を実現しております。

また今年度からは、家庭向け太陽光発電設備のリース事業などに対する補助や、太陽光発電による再エネや、高い省エネ基準を備えた住宅である設置の取得に対する支援事業を行っているところです。
今後も各種支援事業を着実に実施するとともに、県民への普及啓発を行うことにより、太陽光発電設備などの導入を促進してまいります。

次に、金山落におけるPFOS等の汚染範囲特定のための調査についてのご質問ですが、PFOS等について、継続的に暫定指針値を超過している。金山落としの名内橋の上流部において県と周辺市が水質調査を進めた結果、金山落や流入する水路に加え、水路周辺の地下水についても暫定指針値の超過が確認されたところです。
柏市と鎌ヶ谷市では地下水で暫定指針値の超過が多数確認されたことから、汚染範囲を特定するための調査を、範囲を拡大しながら継続的に行っております。
県としては引き続き、水路周辺の事業所への聞き取り調査を実施するとともに、市と連携して、汚染範囲の特定などに取り組み、県民の健康被害被害の未然防止に努めてまいります。

最後に電話de詐欺対策機器補助事業についてのご質問ですが、電話de詐欺による被害を防止するためには、犯人と直接会話をしないことが何よりも有効であることから、自動通話録音警告機能などを備えた電話de詐欺対策機器の普及促進が重要と考えており、令和4年度から市町村が行う対策機器の購入等補助事業および対応事業に対して補助を行っております。
令和4年度は4市、令和5年度は17の活用があり、今年度は市町村の意見や被害の発生状況などを踏まえ、1市町村当たりの上限額の引き上げを行い、13市町から交付申請があったところです。
今後も電話de詐欺被害防止に向け、1人でも多くの皆様に対策機器の普及が進むよう、県警や市町村と連携して取り組んでまいります。

私からは以上でございます。

–議長
教育長 冨塚昌子君。

–冨塚昌子 教育長
県内高等学校における学び直しの現状に関するご質問ですが、中学校までに、不登校などで十分な学習の機会がなかったり、学習に困難を抱えている生徒は、高等学校において、義務教育段階の学習内容の確実な定着を図ることが重要です。
このため、県立高等学校の中には、積み重ねが必要な数学や英語などの教科について生徒が基礎から学べるよう、いわゆる学び直しを授業の一環に位置付け、きめ細かい指導を行ったり朝学習で基礎学力の定着に努めたりしている学校があります。
さらに、定時制や通信制の高校では、生徒が個々の状況や能力に応じて、学び直しに関する科目を選択できるよう配慮している他、地域連携アクティブスクールでは、学び直しやキャリア教育により、自立した社会人を目指す特色ある教育を行っています。

学び直しに対する県教育委員会の捉え方についてのご質問ですが、高等学校における学び直しは、生徒に学ぶ喜びや達成感を持たせ、明るく活力ある高校生活の実現や、自立した社会人の育成にも繋がる重要な取り組みだと認識しています。
学び直しに取り組んでいる高等学校の教員からは、中学校では勉強が苦手、やりたいことが見つからないなどの理由により、力を十分発揮できなかった生徒もできた、わかったという体験を通じて、意欲的に取り組むようになるとの声を聞いています。
県教育委員会では、本年度、地域連携アクティブスクールを2校増やし、6校としたところであり、引き続き各学校が生徒の状況に応じてきめ細かい指導を行えるよう支援してまいります。

以上でございます。

–議長
警察本部長 宮沢忠孝君。

–宮沢忠孝 警察本部長
私からは固定電話機対策の有用性等を周知するための取り組みについてお答えいたします。
県警では、電話de詐欺は電話で対策をキャッチフレーズに、防犯キャンペーンや個別訪問等の機会を捉え、留守番電話設定や、迷惑電話対策機器の普及促進に努めるなど、自宅の固定電話機に関する対策を呼びかけております。

また通信事業者によっては、電話de詐欺の被害防止対策として、70歳以上の方を対象に、非通知着信を拒否するナンバーリクエスト等のサービスを無償化する取り組みを行っていることから、巡回連絡や各種広報活動を通じて、同サービスの利用促進を図っております。
さらに、昨年から国際電話を利用した電話de詐欺が急増していることから、国際電話の着信ブロック等の普及に向けた広報にも力を入れております。

以上でございます。

–議長
人事委員会委員長 高梨國雄君。

–高梨國雄 人事委員会委員長
私からは職員採用に向けた取り組みについてお答えをいたします。
まず人材確保に向けた取り組みと効果についてのご質問ですが、少子化や民間企業との競合等を背景に採用試験の受験者数が減少し、特に土木等技術系では、採用予定数を確保できない職種があるなど人材確保が厳しい状況となっています。
そこで県では多くの方に県の魅力や仕事のやりがいを伝え、県で働こうという意欲を持っていただけるよう、職員採用セミナーの充実や、大学訪問の拡大を行いさらに希望者が知りたい内容を職員から直接聞くことができる千葉県職員しごとナビゲーター制度を導入するなどの情報発信の強化に取り組んでいるところです。

高梨國雄 人事委員会委員長
また今年度の試験から技術系の職種で教養試験を廃止した他、上級試験の募集開始時期を早期化するなど受験しやすい試験方式への見直しを行っています。
このような取り組みもあり、今年度の上級資格免許職試験では、受験申込者総数が1807名と11年ぶりに増加するなど一定の効果があったものと考えています。

高梨國雄 人事委員会委員長
次に今後の取り組みについてのご質問ですが、人材確保についての厳しい情勢が今後も続くことが見込まれる中、県では大学生等に県の仕事を体験してもらう千葉県庁インターンシップキャリア実習の受け入れ数を大幅に拡大したり、職員採用セミナーについて保護者等も参加できるようにするなど県で働くことへの理解を深めていただくための工夫に取り組んでいます。

高梨國雄 人事委員会委員長
また採用試験の実施時期や試験方式などについて他団体や民間の取り組みも参考に民間企業経験者等も含めた多くの方にとって受験しやすい試験制度への見直しを進めていくこととしています。
今後とも多様で有望な職員を採用するため、任命権者と連携して、フレックスタイム制の活用など、働きやすく魅力的な職場環境の整備を進めるとともに積極的な情報発信や試験制度改革にしっかりと取り組んでまいります。

高梨國雄 人事委員会委員長
以上でございます。

–議長
野田剛彦君。


質問(第2回目) 野田剛彦


–野田剛彦 議員
知事福地そして執行部の皆様、ご答弁ありがとうございました。
それでは再質問です。

まず初めに、県土整備部における不適正事案の件です。
働きかけの記録制度についてですが、検討会からの提言ではその対象者は、入札契約、許認可、補助金等の事務の相手方となる利害関係者とされています。
しかしながら働きかけについては、国会議員、県会議員やその秘書等による県職員への予定価格を聞き出す行為や基準に達していないにもかかわらず、許認可を迫る行為要件を満たしていないのに補助金交付を迫る行為、さらには特定の人物を県や県の外郭団体の職員として採用するよう迫る行為など様々なものが考えられ、働きかけの主体や対象を限定せず、記録すべきと考えます。

そこで伺います。

働きかけ記録制度について、不当な働きかけの全てを記録の対象とすべきと考えるがどうか。

次に、職員採用に向けた取り組みについての再質問です。
採用が厳しい技術系職種について、人材確保のため、職員採用予定者に奨学金返還支援をしてはどうか。

次に、困難な問題を抱える若年女性の支援についての再質問です。
県市町村、民間団体が一体となって支援に取り組むとのご答弁でしたが、最も身近な相談先としての市町村の役割は重要であり、市町村において計画を定めて支援を実施していくことが必要であると考えます。

そこで伺います。

計画を策定していない市町村に対して県はどのように計画策定を促していくのか。

次電話de詐欺についての再質問です。
高齢者が電話de詐欺の被害者となるケースが多い現状を踏まえますと、高齢者が関係する機関や団体などとの連携強化が必要と考えます。

そこで伺います。

県警では、高齢者が関係する機関や団体などとどのように連携しているのか。

次に要望です。

まず初めに、起業支援についての要望です。

県の起業支援は、若年層に対する起業家教育など独自性のある事業をが行われており、これは起業マインドを高めていく上で素晴らしいことだと評価いたします。
しかしながら、県の起業支援予算は約15億円と東京都の約230億円、愛知県、約120億円と比較して少ないと言わざるを得ません。

特に起業から数年後に死の谷と言われる資金不足に陥らないような資金面での支援も重要で、現に東京都では、ファンド造成に約140億円を計上しています。
国のスタートアップ育成5ヶ年計画では、約10兆円の企業支援を行う予定で、方針であり、今後は自治体間で起業家の争奪合戦となる可能性も考えられます。
県は起業の経済波及効果について研究し、県内での企業数、開業数、雇用数の数値目標を設定し、資金面も含めた起業支援を強化するよう要望いたします。

次に、ケアマネージャーが不足している現状についての要望です。

県が今年行った先ほどの実態調査で回答者からの要望の多かった業務効率化や制度の簡素化について、現場からの具体的な内容をヒアリングし、問題解決に向けた対応をするよう要望いたします。
またケアマネージャー資格取得試験では受験者の負担軽減を踏まえ、トータルとしては不合格であっても、科目ごとに合格に達した科目については、翌年の試験免除科目とするよう、試験制度の見直しを国に働きかけるよう要望いたします。

次、PFOSおよびPFOA汚染への調査と対策についての要望です。

汚染範囲の特定については、早期かつ適切な調査が進められるよう要望いたします。
補正予算案における市町村への補助事業ですが、金山落について近隣市では、住民に対する飲料水の確保、水道への接続支援、増水期の設置などについての具体的な要望があると伺っています。

これは市が主体となって実施するものですが、金山落は市境を流れており、複数の市で汚染が確認されています。
居住する指示によって対策の内容にばらつきが生じては現行問題に係る不公平を住民に強いることになります。
単なる予算補助にとどまらず、県として主体的にPFOS、PFOAの問題に向け、県の事業としての効果的な対策を講じるよう要望いたします。

次に水道管の老朽化についての時要望です。

ご答弁にもありました60年以上が経過している。
管は約67kmで、全体の0.7%のことです。しかしながらこの数字は年々更新させる数字であり、今後は昭和40年代以降のから50年代に敷設された大量の管路が次々と目標使用年数に近づいていきます。
千葉市松戸市からも要望が出ていますが、老朽化した水道管を計画的かつ優先的に更新することや、また市町村と連携し、漏水事故等が発生した際の市民への情報提供や、速やかな応急、給水体制の構築を要望いたします。


答弁(第2回目)


–議長
総務部長高梨みちえ君。

–高梨みちえ 総務部長
働きかけ記録制度に関するご質問ですが、外部有識者による検討会議からは、職員に対する働きかけを牽制し、組織的に対応するため、職員が利害関係者から、等の働きかけを受けた場合にこれを記録する制度を導入するよう提言をいただいたところです。
県としても提言の内容を踏まえ、働きかけ記録制度を導入する方針ですが、制度の詳細な設計については、今後検討を進めてまいります。

高梨みちえ 総務部長
採用予定者への奨学金返還支援に関するご質問ですが、県では学費の負担軽減を図るため、今年度から大学卒業後、県の11として就業希望する学生を対象に、国と連携して、修学資金を給付する制度を開始したところです。
今後もその効果等を見ながら、様々な人材確保策を研究してまいります。

高梨みちえ 総務部長
以上でございます。

–議長
健康福祉部長 岡田慎太郎君。

–岡田慎太郎 健康福祉部長
困難な問題を抱える若年女性の支援について、市町村における計画策定に関するご質問でございますが、本年4月の困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に伴い、市町村における基本計画の策定が新たに努力義務になったことを踏まえ、県が開催する会議や研修の場で促してきたところであり、今後も市町村に対して計画策定を働きかけてまいります。

–議長
県警本部長 宮沢忠孝君。

–宮沢忠孝 警察本部長
高齢者が関係する機関団体との連携状況に関するご質問ですが、県警本部では、千葉県社会福祉協議会千葉県老人クラブ連合会などの高齢者と接する機会が多い団体や県の高齢者担当部門等に対し、電話de詐欺を初めとする犯罪被害防止に関する情報提供を行い、同団体等を通じて、高齢者に対する広報啓発を実施している他、各警察署においても、市町村自治会や老人クラブ等の関係機関団体と協働して、固定電話機対策等の普及促進に努めています。
引き続き関係機関団体と緊密に連携し、犯罪被害防止に向けた対策を推進してまいります。

以上でございます。


質問(第3回目) 野田剛彦


野田剛彦君。

–野田剛彦 議員
最後に職員採用に向けた取り組みについての要望です。
ご答弁で今年度から県の11市として就業を希望する学生を対象に奨学金返還支援を開始したとのことですが、対象者は1名と伺っています。
ぜひ今後もさらに拡充し、1人でも多くの人材確保に繋げてほしいと要望します。

人材確保のためには、給与も重要です。
本年の国の人事院勧告は、初任給を大幅に引き上げるとする一方で、来年度以降、地域手当の見直しをする内容となっています。
地域手当の見直しについては、職員や県内の市町村から不安の声が届いています。
県におかれましては、人材確保に支障がないよう慎重に検討していただくよう要望いたします。

これにて、立憲民主党千葉県千葉県議会議員会を代表しての代表質問とさせていただきます。
皆様ご清聴ありがとうございました。