柏市、旧そごう柏本館跡地敷地の購入の意向を示す-柏市議会令和5年第2回定例会市政報告

令和5年6月2日(金曜日)に開会した「市議会令和5年第2回定例会」における柏市長からの市政報告の中で、「旧そごう柏本館跡地の敷地取得に向けて、必要な検討、調整及び交渉に着手する」と示されました。

つまり旧そごう柏本館跡地敷地を、柏市が購入することに向け、所有者の三井不動産と交渉や必要な検討、調整及び交渉を始めるということです。

以下、柏市議会令和5年第2回定例会で示された市政報告の関連する箇所です。

柏駅周辺のまちづくりについてです。

再開発から半世紀を迎える柏駅東口駅前の未来のあり方や目指すべき目標について、柏駅前の地権者をはじめ関係者を交えた「柏駅東口未来検討委員会」を、昨年12月から本年3月にかけて3回開催いたしました。

委員のかたがたからは、自己所有地のみでの建て替えの困難さや、将来に向けた投資を促す仕掛けの必要性など、柏駅前の将来に対する危機感を抱くといったご意見をいただき、市といたしましても、みどり豊かな空間やオープンスペースが不足している状況など、駅前広場の再編が必要であるといった課題をお示ししました。

検討委員会で議論を進める中で、個別の建て替えではなく、エリア全体で協調してまちづくりを進めるという「全体最適」の考え方や、まちの未来のあり方として、駅前の魅力向上やみどり豊かな空間の創出などの必要性が共有され、先月には、これからの柏駅東口に必要な要素を踏まえ、柏市として「柏駅東口未来ビジョン」を公表したところです。

今後は、地権者による積極的な投資や、関係者が連携してまちづくりを進めることなど、それぞれの主体的な取り組みの上で、地権者と市が対等の負担と責任のもと、市が担うべき役割として、駅前に求められているみどり豊かで、ゆとりある広場空間や、駅前エリアの全体最適に向けた、建て替えを促す「きっかけ」にもなる敷地の早期確保を進めてまいります。

そのため、現在商業活動が停止しており、地権者から現存する建物の解体および更地売却の意向もあると伝えられている、旧そごう柏店本館敷地の取得に向けて、必要な検討、調整及び交渉に着手いたします。

柏駅前が、今も、そして将来においても、市民にとって誇れる場所であり続けられるよう、柏駅周辺の次なる50年へつなげるまちづくりを進めてまいります。」

https://www.city.kashiwa.lg.jp/keiei/shiseijoho/about_kashiwa/shicho/mayor/r4statistics/shiseihokoku4.html

2016年9月に閉店し、約7年空き店舗のまま。中心市街地にとって大きな課題です。昨年12月から本年3月にかけて3回開催した「柏駅東口未来検討委員会」は、旧そごう本館購入に向けた手続きだったっとも言われています。

旧そごう本館跡地敷地の取得にいくらかかるのか。今の段階では金額が示されていませんが、柏市の財政にとって莫大な額となるでしょう。その投資に対して回収策は、どのように考えているのか?

今後の議会での議論に注視しつつ、私たちも声を上げていきたいと思います。

柏駅前の目指すべき未来は?【柏駅東口未来ビジョン】

以下、柏市議会令和5年第2回定例会市政報告の全文です。

令和5年第2回定例会の開会にあたり、市政運営における主要な事項について、その概要を申し上げ、市民並びに議員の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

5月8日に新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類感染症に位置付けられてから、約1ヶ月が経ちました。本市においても、これまで「柏市新型コロナウイルス対策本部」を設置し、国や県等と調整を図りながら、医療・衛生対策、生活支援、経済支援に取り組んでまいりましたが、同日に開催しました第46回の本部会議を区切りとして、対策本部を廃止し、「新型コロナウイルス対策連絡会議」へ移行しました。

これまで国の規定においては、新型コロナウイルスワクチン接種は、5歳以上のかたは接種が努力義務とされていたものの、5月8日以降は本規定を適用しないこととされましたが、65歳以上の高齢者をはじめとする重症化リスクの高いかたは、引き続き接種するよう努めることとされており、年2回のワクチン接種の方針が示されています。

これを受けまして、本市では、4月下旬から順次、オミクロン株対応ワクチンを接種してから3ヶ月が経過したかた全員にワクチンの接種券を送付しており、5月からは、一定の接種を終えた65歳以上の高齢者をはじめ重症化リスクの高いかたを対象とした1回目の接種を行っております。

今回のワクチン接種にあたっては、市内医療機関で実施する個別接種を中心にしながら、医療機関の診療時間外となる土曜日及び日曜日等については集団接種も実施しており、希望するかたが確実にワクチン接種を受けられるよう、接種体制を整えております。

なお、2回目の接種につきましては、9月以降の実施を予定しており、1回目の接種時期に応じて、改めて接種券を送付してまいります。

また、今回の接種対象ではない65歳未満のかたにつきましては、個人のご判断となりますが、9月以降にワクチン接種を予定しております。

引き続き、市民生活への影響を鑑み、必要な医療・衛生対策に取り組んでまいります。

さて、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ位置付けられたことを契機に、経済活動の活性化等を期待するところではありますが、原油価格や原材料価格の上昇による物価高騰は市民生活に大きな影響を与えております。

このような状況下にあることを踏まえ、本定例会に上程しております補正予算については、一般会計において、国支出金などを財源として、物価高騰対策を中心に、緊急性・優先度の高い事業の経費を計上いたしました。

その1つが、低所得世帯に対する支援給付金です。

エネルギー・食料品等の物価高騰に直面する低所得世帯を支援するため、「電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金」として、令和5年度の住民税非課税世帯に対して、1世帯あたり3万円を給付します。

さらに、住民税非課税世帯と同様に困難な状況にあると思われる家計急変世帯や住民税均等割のみ課税世帯へも対象を拡大し、速やかに同額を給付してまいります。

次に、部活動の地域移行に伴い発生する保護者負担の軽減についてです。

本年9月から開始予定の市立中学校における休日部活動の地域移行にあたり、物価高騰等の影響による保護者の負担を軽減するため、今年度については、1人あたり5,000円の地域クラブへの登録料を市が負担します。なかでも、生活困窮世帯に対しては、地域クラブへの登録料に加えて月ごとにかかる2,000円についても市が負担します。

今後も子どもの活動機会を持続的に提供することができるよう、地域と連携して取り組んでまいります。

次に、事業者に対する支援についてです。

新型コロナウイルス感染症の影響に加え、電気料金等の大幅な高騰を販売価格やサービス料金に転嫁できている事業者は少なく、特に厳しい経営状況におかれている市内中小事業者に対し、「柏市中小企業電気・ガス料金高騰支援金」として、令和4年の1年間にかかった電気ガス料金の金額に応じて支援金を給付します。給付額は3万円、5万円、10万円、15万円の4区分とし、8月下旬から9月頃の申請開始を予定しております。

このほか、中小事業者の円滑な資金繰りを支援するため、中小企業資金融資制度において、支払利子及び信用保証料の補助を行います。

また、原油価格高騰等の影響により、厳しい財政状況におかれている市内商店会等に対し、保有している街路灯等の電気料金に係る補助金の増額を行うとともに、生産資材等の高騰が続いている農業分野においても、安定的に農業経営を継続していただけるよう、支援金を給付します。

困難な状況にある事業者を支援し、事業継続につながるような取り組みを実施してまいります。

また、低所得の子育て世帯を支援するための「子育て世帯生活支援特別給付金」については、令和5年3月分の児童扶養手当受給者及び昨年度の子育て世帯生活支援特別給付金の受給者に対し、早期に給付するよう国の意向が示されたことから、4月21日に補正予算の専決処分を行い、5月25日に対象児童1人当たり5万円を給付いたしました。

そのほか、今年度収入の減少などにより新たに給付対象となるかたについては、5月19日から申請を受け付けており、順次給付してまいります。

補正予算については、このほか継続費の追加を行います。

引き続き、社会経済情勢を見極めながら、必要な社会サービスを提供し、健全財政を維持する行政運営に努めてまいります。

続いて、前定例会以降の市政運営における主要な事項について、ご報告申し上げます。

まず、柏駅周辺のまちづくりについてです。

再開発から半世紀を迎える柏駅東口駅前の未来のあり方や目指すべき目標について、柏駅前の地権者をはじめ関係者を交えた「柏駅東口未来検討委員会」を、昨年12月から本年3月にかけて3回開催いたしました。

委員のかたがたからは、自己所有地のみでの建て替えの困難さや、将来に向けた投資を促す仕掛けの必要性など、柏駅前の将来に対する危機感を抱くといったご意見をいただき、市といたしましても、みどり豊かな空間やオープンスペースが不足している状況など、駅前広場の再編が必要であるといった課題をお示ししました。

検討委員会で議論を進める中で、個別の建て替えではなく、エリア全体で協調してまちづくりを進めるという「全体最適」の考え方や、まちの未来のあり方として、駅前の魅力向上やみどり豊かな空間の創出などの必要性が共有され、先月には、これからの柏駅東口に必要な要素を踏まえ、柏市として「柏駅東口未来ビジョン」を公表したところです。

今後は、地権者による積極的な投資や、関係者が連携してまちづくりを進めることなど、それぞれの主体的な取り組みの上で、地権者と市が対等の負担と責任のもと、市が担うべき役割として、駅前に求められているみどり豊かで、ゆとりある広場空間や、駅前エリアの全体最適に向けた、建て替えを促す「きっかけ」にもなる敷地の早期確保を進めてまいります。

そのため、現在商業活動が停止しており、地権者から現存する建物の解体および更地売却の意向もあると伝えられている、旧そごう柏店本館敷地の取得に向けて、必要な検討、調整及び交渉に着手いたします。

柏駅前が、今も、そして将来においても、市民にとって誇れる場所であり続けられるよう、柏駅周辺の次なる50年へつなげるまちづくりを進めてまいります。

次に、「柏つなぐ大使」の任命についてです。

柏市では、「つづくを、つなぐ。」をまちづくりの合言葉に、地域ブランディングに取り組みはじめました。そのひとつとして、柏市にゆかりのあるかたに、柏市の魅力を発信してもらい、柏市のイメージアップを図ることを目的に、いわゆるPR大使として「柏つなぐ大使」を設け、その第1号として、元車いすテニスプレーヤーで、先日国民栄誉賞も受賞された国枝慎吾さんを任命いたしました。

大使の役割は、日常の活動のなかで、柏市を紹介し、市のイメージアップに協力いただくことです。国枝さんには、国内外においてさまざまな機会を通じ、市の魅力を広く発信していただけるものと期待しております。

次に、(仮称)柏市子ども・若者総合支援センターについてです。

児童相談所を含めた本センターについては、昨年8月から施設の設計業務に取り組んでおります。

本年4月26日と同29日には、開設地である青少年センター近くにお住まいのかたを対象に説明会を開催し、参加された計17名のかたへ検討中の設計図面のほか、今後のスケジュール等についてご説明いたしました。

引き続き、子ども・若者の総合的な支援の拠点となることを目指し、令和8年度中の開設に向け準備を進めてまいります。

次に、田中北小学校の開校についてです。

前定例会においてもご報告しましたが、柏たなか駅周辺の学校用地に校舎等を新設し、田中北小学校を移転・開校いたしました。4月6日に移転開校式、同12日に新たな学校でのはじめての新入生を迎える入学式が行われ、4月30日には新校舎の内覧会を開催し、地域のかたを中心とした2,800名を超える参加者に新しくなった田中北小学校をご覧いただきました。

また、今後も人口増加が見込まれる市北部地区においては、長期間にわたり欠席している児童生徒を支援する拠点がないことが課題でありましたが、本校の移転開校にあわせて校内に「教育支援センター柏たなか」を設置しました。

既に教育支援センターを設置している中部地区の豊四季台、南部地区の増尾台、東部地区の大津ケ丘、中心となるきぼうの園とあわせて、長期間にわたり欠席している児童生徒にとって、家庭と学校以外の居場所や学習の支援を受けられる場所として、子どもたちを支援してまいります。

次に、高田近隣センターのリノベーションについてです。

地域住民や利用団体の皆さまと、令和3年11月からこれまで市民ワークショップを5回開催し、新しい近隣センターのあり方を検討するとともに、施設のコンセプトや導入機能を固めてまいりました。また、実際の利用イメージを共有するワークショップを開催し、新しい近隣センターの活用方法についてもご意見をいただきました。

今後は、本年9月から高田近隣センターを閉館し、改修工事を行ってまいります。約1年半にわたり閉館中はご不便をおかけいたしますが、新しい近隣センターに向けたリニューアルに必要な期間として、ご理解いただきますようお願いします。

最後に、柏まつり・手賀沼花火大会についてです。

柏の夏に欠かせない風物詩となっている柏まつりと手賀沼花火大会ですが、柏まつりは7月29日(土曜日)と30日(日曜日)、手賀沼花火大会は8月5日(土曜日)に4年ぶりに開催することを決定し、準備を進めております。

手賀沼花火大会では、市民の皆様を対象とした有料桟敷席の販売や、手賀沼花火大会を開催するための資金を確保することを目的として、4月3日から7月31日まで、ふるさと納税の仕組みを活用したガバメントクラウドファンディングを実施しています。

花火大会の実施にあたっては、皆様の手賀沼花火大会を応援したいというお気持ちが、花火大会に携わる関係者にとって何よりも心強い応援となります。

コロナ禍という大きな困難から脱却し、新たな時代に向けた第一歩となるような、柏まつり、手賀沼花火大会の4年ぶりの開催に向けて、ぜひ、皆様のご協力及び応援をお願いいたします。

以上、市政運営の主要な事項等についてその概要を申し上げましたが、今後も市政発展のため鋭意努力してまいる所存でありますので、議員各位の一層のご指導・ご鞭撻をお願い申し上げ、市政報告といたします。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)