柏まちなかカレッジはプロジェクトを手放していく

尼崎オンライン公民館での話を振り返り、気づいたことがある。
https://youtu.be/GP-_EXHjvIg?t=9443

それは、柏まちなかカレッジは、何かが起こるきっかけは作るが、そこから生まれたプロジェクトは手放していくということ。

たとえば、まちなか映画館を観て、対話会で盛り上がり、「種子バンクを設立しよう!」という動きが生まれ、「種子バンク設立準備キックオフイベント」を柏まちなかカレッジで開催したとしても、そこで立ち上がった「種子バンク設立準備委員会」は、柏まちなかカレッジとは独立した活動になる。

柏まちなかカレッジの手から離れているので、スピンオフした事業の実績は私たちのものではない。

「柏まちなかカレッジの取り組みは?」という問いに対し、
私たちは、「まちなかに対話の場を生み出している」と答える。

しかし、質問者の意図としては、具体的な事業内容であったり、開催回数や参加人数などの活動実績を示すものであることが多いと感じる。

この質問と答えの食い違いが、柏まちなかカレッジの特徴かもしれない。

対話の中から、課題が浮き彫りとなり、解決のアイデアが持ち寄られ、人が集まり、活動が生まれる。ここまでが、柏まちなかカレッジで起こること。ここから先は、企業や市民団体、行政、政治のプレイヤーに投げかけていく。

複数のプロジェクトを抱えていると、新しい予定が立てにくくなる。

柏まちなかカレッジの設立2年目くらいから5年ほど、柏のフューチャーセンターとなるべく、課題解決型の学びを目指し、活動していた。

課題解決することはビジネスにもつながる。いま、企業もSDGsを掲げてビジネスに取り組むようになり、私たちは私たちにしかできないことに活動の軸を移している。

あらためて、原点である対話を中心に活動したいと、私は考えている。

課題解決型の学びは、目的志向で、直線的な話し合いになりがちである。柏まちなかカレッジでは、多様な人が集まり、それぞれの価値観を持ち寄り、考えの違う人たちと触れ合う場を作っていきたい。

検索やSNSのアルゴリズムの発達したインターネット社会では、自分にとって心地よい情報が目に入りやすい。社会が分断されていくことを恐れている。

そんな中で、あらためて「まちなかに対話の場を生み出す」ことを続けていきたい。

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)