地方議員として、史跡や史料、伝統行事の保存など、地域の歴史を守り伝えたり、研究を後押ししたりするために、様々なお話をお聞きします。
相続などと関係して、旧家の蔵が取り壊され、史料が紛失してしまうことが各地で起きています。
研究論文が書けるくらいのテーマにも出会います。それらを情報発信し、研究者の目に止まれば、地域の歴史を再評価するきっかけを作ることになります。
私自身も、何とか時間を作り、論文執筆に取り組みたいものです。
たとえば、こんな話がありました。
柏市泉地域にて、戦後間もない時期に、若者たちが集まり、農業やまちづくりなど、地域の未来について語り合った文章が「泉の光」という5冊の文集となり、龍泉院に残されています。
青年団や公民館活動の事例です。
他にも、芳野金陵先生の史料、ロケット戦闘機秋水や飛行場など戦争遺跡にも関わることができました。
まだまだ、山崎弁栄聖人のご親戚のお話、東葛印旛の送り大師のこと、縄文時代などの埋蔵文化財のこと、戦時中のオーラルヒストリー、柏駅前の文化など、様々な歴史について取り組むべき課題が山積みです。
戦時中のお話は、ご存命の方も少なくなり、まさに喫緊の課題です。
その次の課題として、戦後の日本の高度成長と柏に関わるオーラルヒストリー(聞き書き、口述記録)に注目しています。
歴史として認知されずにきたため、資料や話が失われてしまう危機にあります。
日本の公文書保存体制も十分でした。
柏市は、戦後、急激に発展した自治体です。昭和25年に約5万995人(1950/10/1時点。旧柏市と旧沼南町の合計)だった人口が、現在では41万7692人(2016/12/1現在)です。
約8倍になりました。
日本全体では、約8400万人から約1億2700万人に増加したことをふまえると、柏市の人口増加の激しさが想像できるのではないでしょうか。
柏市に移り住んでこられた方の多くは、都内で働き、日本の戦後の経済成長を支えた先輩方です。
団塊の世代の定年退職により、財政悪化や福祉についてマイナスに考えることは、誰にでもできます。
しかし、戦後の日本を支えてこられた大先輩方のお話を聴き、オーラルヒストリーのまちづくりなど、柏市の資源として積極的に取り組むことも実現させていきたい事業です。
市役所に任せてしまうのではなく、市民の歴史は市民の手で作っていくのが望ましいと考えます。
そのためにも、博物館や公文書館の機能も兼ね備えた文化の拠点となる図書館が必要です。
本だけではなく、地域の文化を編集していくような、そんな地域文化の共有地となる図書館を提案していきます。