地域住民で支える保育園-伊那市視察①

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伊那市役所にて伊那市子ども・子育て支援事業計画をお聞きし、住民・小学校が一丸となって復活させた新山保育園と信州型自然保育を実践する高遠第2・第3保育園の二ヶ所を現地視察いたしました。
人口減少の流れの中で、小学校・保育園の連携や子どもの環境を整えることで、地域を活性化させようとする取り組みです。
保育園の休園・閉園の判断、そして、その後の地域への影響について、現地の様子を視察し、今後の柏市のあり方を考えるための参考にしたいと思います。unnamed

【新山保育園について】
山間部の新山地区にある新山保育園は、伊那市立新山小学校と隣り合わせに立っている。新山地区は234世帯、717名が居住(平成27年11月現在)。昭和22年から、新山地区全員がPTA加入という伝統があり、地域全体で子どもたちを育ててきた。
その新山地区で、平成18年9月に新山保育園児の減少、それにともなう新山小学校の児童減少を危惧した当時の新山区会長が、住民の意思を受け、「新山保育園・小学校を考える会」を立ち上げた。
平成21年に、新山小学校は小規模特認校となり、伊那市内どこからでも通える小学校となり、新山地区では児童数確保に向け活動してきた。
新山小学校の3分の1が地区外からの児童で、「新山保育園・小学校を考える会」は送迎ボランティアなどで小学校を支援している。
unnamed (3) 平成21年、新山保育園は、保育園児の減少から休園となる。
伊那市では、保育園児定員の半数以下になると休園、4年間休園が続くと廃園と、合併時に条例化されている。「新山保育園・小学校を考える会」を中心に、新山保育園復活を目指すことになった。unnamed (2) 休園時も、園舎に親が集まり、子育て支援サロンや地区の会合や考える会で活用し、草刈りを行い、施設を維持した。子育て世帯へのアンケート調査、情報発信、イベント企画を実施。廃園まで残り1年のところで、定員の半分である20名が集まり再開を果たした。unnamed (1) 8年間続いた「新山保育園・小学校を考える会」としての活動は、保育園の再開を機に解散し、平成27年4月からは新山定住促進協議会の新山子育て応援部会として続いている。豊かな自然環境ときめ細やかな教育を市外に発信し、移住する子育て世帯に対し、空き家を活用した移住先のあっせんなども行っている。unnamed (12) 秋には近くで採れたマツタケが給食に出るなど、自然環境や地域の支えに恵まれていることをお聴きした。

【伊那市の子どもをめぐる状況】
長野県の南部に位置する伊那谷北部の自治体。2006年(平成18年)3月31日 に、 旧・伊那市、高遠町・長谷村と合併して、現・伊那市が発足。
人口約七万人。合併以降、減少し続けている。65歳以上は増え続け、15歳未満は減り続けている。
伊那市では、市立保育園が23園(うち1園が休園)と私立保育園が2園、私立こども園が1園、私立幼稚園が3園。長野県では、幼稚園が少なく、幼児教育を保育園が担っている部分が大きいという傾向があるとのこと。保育園の園児数は減少傾向だが、3歳未満児は増加傾向にある。
伊那市では、平成17年に「次世代育成支援行動計画・伊那市子どもプラン(前期)」を、平成22年にはその後期プランを策定し、次代を担う子どもたちが人との関わりを大切にしながら、豊かな自然の中で心身ともに健やかに育ち、また、子どもを安心して産み育てることのできる街づくりの実現を目指している。
この次世代育成支援行動計画と平成21年に策定された伊那市第一次総合計画の基本的な考え方を継承し、子育て支援事業計画が、平成27年から平成31年を1期として策定された。

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投稿者:

山下 洋輔

柏市議会議員。柏まちなかカレッジ学長。元高校教諭。2児の父。 教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 (社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 教育コンサルタント山下洋輔事務所設立。 2011年9月から柏市議会議員。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)