公立だからこその良さを伸ばし、市内すべての公立小・中学校の教育をより良くすること

【私の使命−公立だからこその良さを伸ばし、市内すべての公立小・中学校の教育をより良くすること】

「あえて公立の小・中学校に通わせたい」と思ってもらえるような柏市内の小中学校を目指し、議会活動に取り組んできた。

未来を生き抜く力をつける教育として重要なのは、「多様性」だと考えている。社会課題はますます複雑となり、一つの組織・企業・国家などで解決できるものではない。組織や立場を越えて協働していく力が求められることになる。
異なる考えや文化背景の人や障がいを持った人、富める人も貧しい人などが共に学ぶ多様な教育環境は、貴重な場となる。

多様性という観点において、公立学校には大きな可能性がある。
素晴らしい教育を実践している私立学校やフリースクールはある。しかし、地域の様々な子どもが通うという多様性では、公立学校に及ぶものではない。
現実の社会では、多様な人々で成り立っている。
学校も多様な人々が集い、共に学ぶことが社会に出てから役立ってくるはずである。リーダーシップを身につけるためにも最適な環境である。

公立学校で、多様性を活かした教育を実践するには、一人ひとりにあった教育が必要となる。
これまでのように一人の教員が教壇に立って知識を伝えていくような画一的な一斉教授ではなく、一人ひとりの状況にあわせたオーダーメードの教育が求められる。
学びの共同体や「学び合い」、アクティブ・ラーニングのような協働的な学習も取り入れられることになってくる。
地域や社会の課題を発見し、調査し、解決に向けて取り組んでいくプロジェクト学習も一部では始まっている。

多様性の他に、公立学校の良さは、地域との密接な関係性である。
公立学校は地域コミュニティの核であり、地域と支え合っている。活用できる地域資源はまだまだ豊富である。
また、教育委員会を拠点に、市内の学校や図書館、スポーツ・文化施設などのネットワークを活用できる。

私は、公教育(柏市の小・中学校)に大きな可能性を見出している。
現状では、まだまだ課題が山積みである。小・中学校、一校一校の事例では、私立学校と比べると、魅力的ではないかもしれない。
ただ、これから公立学校の強みである多様性や地域との関係性を生かした学びに集中的に投資し、市内の小中学校がネットワークとなり、街や文化や自然が教材となり、公立学校ならではの魅力を発信していくことで、柏市内すべて公立小・中学校でのよりよい教育を実現させたい。

【教員ではなく、議員として】
私は私立高校の教員であった。学生寮の舎監をしつつ、生徒と寝食を共にし、PTA活動やパトロールなどを通して地域と共に教育にあたってきた。学校改革にも関わり、理想の教育が実現するために働いた。
しかし、教育は学校だけで完結するものではない。家族、地域、社会と支え合いながら成り立っているものである。

「大学院に進学して、教育のあり方を考えてみてはどうか」という大学の指導教授からのご助言とお誘いもあり、2度目の卒業生を送り出し、教員をいったん辞め、博士課程に進学した。大きな決断だった。仕事を辞めて取り組んだ研究だったので、とにかく真剣だった。

文献を読み、論文を書くだけでなく、教育実践にも参加した。活動を通して、学校、家族、地域、社会が支え合う教育のあり方を模索した。

柏まちなかカレッジ、不登校児童生徒やその保護者、恵まれない家庭の児童生徒への教育相談や学習支援、居場所作りなど教育支援、罪を犯した人の就労や生活支援のための更生支援、ESD(「持続可能な開発のための教育」)の教育プログラムを開発など、まだまだ挙げればきりがないが、これらの活動を通して、手ごたえを感じる一方で、限界も見えてきた。

地域には民間の団体や学校の先生、熱心な地元企業など、素晴らしい取り組みをされている多くの活動主体が存在する。しかし、多くの場合それらの試みは、中心人物がいなくなってしまうと同時にしぼんでいくことが多い。結局、中心人物の特別な頑張りや団体・企業の経済力に依存していたのだ。

素晴らしい取り組みを、たまたま起きた伝説ではなく、持続させ、他にも広めていきたい。そのために、予算を配分し、制度を作っていくのが行政の仕事ではないか。しかし、まだまだ教育行政は機能しているとは言えない。そこで、議員となり、議会から教育をより良くしていきたいと考えたのだった。

私は、もともと、自分の学校を設立することが夢だった。しかし、活動を通して痛感したことは、教育システムに働きかける必要があるということ。私が、理想の学校を建て、限られた子どもに教育を提供するよりも、今、教育行政に働きかけ、公教育をより良くする方が先ではないか。

教員の経験から考えると、文科省の改革は現場への押しつけのように受け止められ、浸透しない。国の施策となると、私一人のアイデアでは難しいと感じた。しかし、自治体単位で変えていけるものも多い。市内の約60校の教育に働きかけ、その成功事例を全国の自治体に発信し、草の根からの教育改革を進めていけないだろうか。

お蔭さまで、柏市議会議員として活動することができ約3年半。
柏市の教育をより良くしたいと活動してきたことが、具体化し始めている。その一例が、来年度の予算案だ。

【これまで私が議会で取り上げてきた提案から、平成27年度予算案に反映された事業】
※私だけの働きかけではなく、市民のご意見や社会情勢、議会全体の後押し、教育委員会のご尽力があって成り立ったものでもある。

教育格差を防ぐ。
(1) 放課後子ども教室の拡充
(2) 第二次学びのフロンティアプロジェクトの拡充
① 生き生きとした学校生活を送るための人間関係調査(※Q−Uテストを提案)
② エビデンスベースの教育成果の検証
③ 学力底辺層の底上げ施策(※大阪府茨木市の「一人も見捨てへん」教育提案より)
(3) 生活困窮世帯のより良い学習環境づくりとして、
高校進学支援プログラムの対象者を、生活困窮世帯の中2、3年生まで拡充し、ひとり親家庭の児童に学習支援ボランティアを派遣する。
(4) スクール・ソーシャルワーカーの配置

教育ソフト事業に支援
(5) 学校図書館支援員の増員と配置日数増加
(6) 特別支援教育の充実(特別支援教育補助員の名将を「教育支援員」に改称し、増員。待遇の改善し、優秀な人材の確保を目指す)
(7) サポート教員14名増員

教員研修
(8) 教職員人材育成方針の策定
・ 体系的な研修
・ 教育実践の発表
・ 教員の学び合い
(9) 学力向上プラン先進地視察
(10)教職大学員等派遣

地域に開かれた学校
(11)学校支援ボランティアの拡充
(12)家庭教育支援「みんなの子育て広場」の拡充
生涯学習専門アドバイザー新設

投稿者:

山下 洋輔

千葉県議会議員(柏市選出)。 元高校教諭。理想の学校を設立したいと大学院に進学。教員経験、教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 2011年から柏市議会議員を3期10年を経て、柏市長選に挑戦(43,834票)。落選後の2年間、シリコンバレーのベンチャー企業Fractaの政策企画部長として公民連携によってAIで水道管を救う仕事を経験。 柏まちなかカレッジ学長/(社)305Basketball監事。 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)