待機児童−保育園入園の相談で感じたこと

Pocket

保育園入園の保留通知を受け取った方々からの相談が、日に数件。もう10件以上頂いている。
どの相談も切羽詰まった、大変な状況で、お話をお聞きしながら、胸が痛くなる。

どうしても入園させて欲しいという相談だが、この時点では、なすべきことは限られてしまうので、なおさら、こちらも苦しい。

柏市では、保育園を増設し、毎年4月1日時点での待機児童ゼロを宣言しているが、実質的にはまだまだ待機児童は多く、非常に厳しい状況である。

保育園入園のために保育の必要性をポイント化した点数を加算していくために、離婚を検討しているという声もお聞きする。
「死」についても考えているという話も出ることがある。
子育てだけだけでなく、仕事や将来の不安などから精神的に追い込まれている。
こんな状況を一刻も早く変えていきたい。

「保活」にかかる親の負担が大き過ぎる。
柏市でも、相談窓口などをもうけ、対応しているが、困っている相談者に親身になった手助けができているだろうか?

柏市や国を責めるだけでは、解決できない。
保育園に入園できた人も、子育てが落ち着いた人も、これから子育てする可能性のある人も、職場も地域も、この問題に関心を持ち、声をあげ、働きかけていけるようにしていきたい。
「保活」している人同士や世代間で、足を引っ張り合っている場合ではない。

いっそ、保育園に入園しない未就学児には、たとえば月五万円を配って、森の幼稚園のような自主保育や一時保育施設を充実させることも検討すべきではないだろうか。

毎年、保育園を新設し、定員枠を増やしても、まだまだ保育園は不足している。
用地取得や保育士採用が間に合わない中、保育園以外の選択肢を作っていくことも必要だ。

月五万円が支給されるなら、保育費や食事•衣服代など諸経費をふまえ、家庭での保育を検討される人が増えれば、どうしても保育園入園を必要としている人に枠を当てられるだろう。

兄弟同じ保育園には入れたり、自宅と最寄り駅との間に保育園があればいいのだが、希望通りに行っておらず、苦しい思いをされている人も多い。
そんな時、企業側でも、始業・就業時間が柔軟にしてほしい。

確実に入園が保障されていない現状では、復職と入園のタイミングについても見直しが必要だ。

働き方改革により在宅勤務も増える一方で、自営業には産休育休制度がないなど、保育園利用調整基準も見直すべき時に来ている。

とにかく抜本的な改革をしていかなければ、この厳しい現状はより良くならない。

昨年、視察に訪問した明石市など、先進事例をもとに、柏市でも取り組むべきだ。
柏市でも、子ども政策に力を入れると言いますが、明石市のような基本姿勢が必要である。
※参照 徹底した子育て支援はリッチな都市でしか実現できない?明石市長が覆した政治家の「常識」徹底した子育て支援はリッチな都市でしか実現できない?明石市長が覆した政治家の「常識」

本当に、子どものためか?
「子育てに優しい都市」をうたい、子育て世帯の流入をはかり、税収の増加を目指すことは、自治体を経営する者としては間違いではないかもしれないが、子どもが不幸になっていないだろうか?

子どもの視点も取り入れ、健やかに成長できる環境を整えることこそを、一番に考えてほしい。

Pocket

投稿者:

山下 洋輔

柏市議会議員。柏まちなかカレッジ学長。教育コンサルタント。元高校教諭。 教育学研究や地域活動から、教育は、学校だけの課題ではなく、家庭・地域・社会と学校が支え合うべきものと考え、「教育のまち」を目指し活動。 著書『地域の力を引き出す学びの方程式』 教育共創研究所 代表 千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。 早稲田大学大学院教育学研究科修士課程修了後、土浦日大高校にて高校教諭。 早稲田大学教育学研究科後期博士課程単位取得後退学。 教育コンサルタント山下洋輔事務所設立。 2011年9月から柏市議会議員。 家族 妻、長男(2014年生まれ)、長女(2017年生まれ)