「神は細部に宿る」と言いますが、道路を一つ見るだけで、その自治体の都市計画を感じることができます。
たとえば、この写真。
歩道は、自転車道、歩行者、車椅子などゆっくり歩くレーンに分かれています。
市民共同利用のコミュニティサイクルも設置されています。
車道には、バス専用レーン。市内には、LRTや路面電車も整備されています。
街路樹や花壇も整っています。
自転車道については、歩行者と接触する恐れがあるので、車道に設置すべきとの意見もお聴きしますが、車と自転車の接触についても考えなければならず、正解は一つではありません。
買い物袋をさげた自転車やご高齢の方にとっては、この写真の道路の方が安心ではないかと思います。
通勤通学時間を見ていませんが、余裕を持ったスペースが、歩行者用にも自転車用にも確保されています。
この写真は、富山市のものです。
公共交通を富山駅周辺に集積させ、利便性を高め、過度に車に頼らないコンパクトシティを推進し、人口減少時代の都市計画として注目されている自治体です。
中心市街地に、仕事、買い物、文化、レクリエーション、住まいを複合的に集まめ、活力と魅力ある都市を目指すものです。
一方で、豊かな自然や地域の特性を活かした都市機能の整備と公共交通の充実させるまちづくりが行われています。
この結果、国連が認定するエネルギー効率改善都市に、国内で唯一選ばれています。
今年5月には伊勢志摩サミットに先立って行われるG7環境大臣の会議も富山市で開かれます。
また、ロックフェラー財団から「100のレジリエンスシティ」にも認定され、防災に強い都市計画が進められています。
北陸新幹線も開通し、可能性と課題も見えてきます。
副市長1人、政策監、レジリエンス統括監を外部から迎え、国の政策やロックフェラー財団などとの関係を密にしていると推察されます。
賛否は分かれますが、目指す未来像を実現するために、富山市は都市計画を立て、粛々と実行していると感じました。